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N162 性同一性障害 (TS/TG) 2003-2004年
紹介記事目録
  2004年

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  2003年

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記事紹介の留意事項













































2004


京都
2004/12/22
No .N162k041222xxx
大阪府/守口市



関西医科大学
シリーズ・特集;
見出し:
関西医大も性別適合手術/性同一性障害で3カ所目
メモ :
関西医科大学(大阪府守口市)が性同一性障害の患者に性別適合手術を行っていたことが2004年12月22日、明らかになった。公的な手続きを経て性別適合手術を実施した医療機関は埼玉医科大、岡山大に続き3カ所目。

関西医大によると、身体的性別に強い違和感を持つ患者に10月、男性から女性への手術を行った。患者は既に退院している。

同大は2003年、学内の倫理委員会が性同一性障害の治療を承認。日本精神神経学会の指針に基づき患者を診断、治療を重ねた上で手術に踏み切った。 性別適合手術は日本では長くタブーとされてきたが、埼玉医科大が1998年に開始。岡山大と合わせ現在までに計約60例実施されたものの、実施可能な医療機関が少なく、時間もかかることから、海外で手術を受ける患者も少なくない。

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朝日
2004/12/07
朝刊 38面 No .N162a041207m38





シリーズ・特集:
見出し:
性変更、52人認める 市民団体家裁調査
メモ :
心と体の性が異なる人に、戸籍などの性別の変更を認める「性同一性障害特例法」が7月に施行されて以降、これまで性別変更を認められた人が全国で少なくとも52人いることが2004年12月6日、市民団体の独自調査で分かった。

「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」が法施行の7月16日からの申立件数、認められた件数などを各地の家裁に聞いた結果を発表した。

それによると、11月下旬までの申し立ては計100件で52件が認められ、47件が審理中だった。残り1件は取り下げで、却下は1件もなかった。

会によると、性同一性障害のある人は全国で約3千人いるとみられるが、性別変更が認められた件数はこの1%台にとどまっている。このため同会は、性別変更を認める前提として特例法が求める「独身」で「子どもがいない」などの要件がハードルになっていると指摘、緩和を求めている。

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朝日
2004/10/04
No .N162a041004xxx
東京都
タレント

61
カルーセル麻紀
シリーズ・特集; http://www.asahi.com/culture/update/1004/002.html
見出し:
カルーセル麻紀さん、性別変更認められる 東京家裁決定
メモ :
性同一性障害特例法に基づき、タレントのカルーセル麻紀さん(61)の戸籍などの性別を男性から女性に変更することを認める決定を東京家裁がしたことが2004年10月4日、分かった。カルーセルさんの事務所によると、決定は2004年9月28日付。

カルーセルさんは戸籍上は男性だが、海外で性転換手術を受けており、公的にも女性として扱われることを希望していた。

特例法は、心と体の性別が一致しない性同一性障害と診断された人で一定の要件を満たしている人に性別変更を認める内容。カルーセルさんは同法が施行された7月16日に同家裁に性別変更を申し立て、9月10日、審問で裁判官らから聞き取りを受けていた。

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朝日 2004/09/12
朝刊 34面 No .N162a040912m34
鳥取県/鳥取市


42
藤村梨沙
シリーズ・特集;
見出し:
これが私。女性の証明 性同一性障害の藤村さん/セルフヌード写真/戸籍の「壁」への抗議
メモ :
これでも男って言いますか――。心と体の性が一致しない性同一性障害に悩み、性別適合(性転換)手術を受けて女性として暮らす鳥取市の写真講師・藤村梨沙さん(42)がセルフヌード写真を発表した。2004年9月11日から同市内の鳥取県立美術館で始まった「鳥取県美術館」(県・県教委主催)で展示されている。

写真の題は「Female body」。鏡に映った自分の上半身を自宅で写したA4判カラー3枚もの。同展に出品したところ入選し。入選作品の一つとして展示されている。

「自分が女性である存在証明としえ撮りたかった」と藤村さん。作品には、7月施行の「性同一性障害特例法」が戸籍の性別変更に厳しい適用要件を設けたことへの抗議を込めたという。

中学時代から男である自分の体に違和感を抱き続けた。公的な治療の場や相談できる医師もなく、女性と結婚した。2児を授かった後、インターネットで同障害を知り、結婚生活に終止符を打った。1999年にタイで治療を受け、2002年には裁判で名前の変更も認められた。

残る障害は戸籍上の性別だが、特例法が定めた「現に子のいないこと」の要件を満たせず、自動的に適用外になった。性同一性障害の当事者は全国で数千人に上るといわれるが。適用要件を満たせず戸籍変更を申し立てたのは数十人という。

写真を前に藤村さんは。「これが私。性別はすでに変わっていて、書類と違うから困っている。そうした問題にどうして目が向けられないのか」と特例法改正を求めた。

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朝日
2004/09/11
No .N162a040910xxx
東京都


40
虎井まさ衛
シリーズ・特集;
見出し:
女から男へ、性別変更認められる 作家虎井まさ衛さん
メモ :
心と体の性が異なり、自分の体に強い違和感があるという人に戸籍などの性別変更を認める「性同一性障害特例法」の施行に伴う、東京都内に住む作家虎井まさ衛さん(40)の変更申し立てについて、東京家裁は2004年9月10日、女性から男性への変更を認める決定をした。虎井さんは記者会見で「母親と抱き合って泣いた。これからは安心して近所の病院や外国に行けるようになる」と話した。

性同一性障害の公的な治療を国内では受けられなかった1990年代前半から、ミニコミ誌などを通して当事者のネットワーク作りをしてきた。1987年以降、男性への性転換手術を3回受けたが、戸籍や住民票などの性別欄は女性のままで、役所の窓口などでの混乱などに悩まされてきたという。虎井さんは「死ぬまで認められないのかと思っていた。これからも仲間のために活動していきたい」と話した。

テレビドラマ「3年B組金八先生」でタレントの上戸彩さんが演じた性同一性障害に悩む生徒のモデルとしても知られる。


管理人:虎井さんの著書紹介はこちら


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朝日
2004/08/31
No .N162a040831xxx
東京都



東京家裁
シリーズ・特集; http://www.asahi.com/national/update/0831/020.html
見出し:
性同一性障害による性別変更認める決定/東京家裁で初
メモ :
東京家裁は2004年8月31日までに、心と体の性が一致しない「性同一性障害」があるとして性別変更を求めた2人の申し立てについて、それぞれ決定を出した。関係者によると、1人は性別の変更が認められた。もう1人に対する決定内容は不明。7月16日に性同一性障害特例法が施行された後、那覇家裁などで性別変更が認められた例はあるが、東京家裁では初めて。

同家裁によると、8月27日付で初めて1人に決定が出て、31日に本人に告知された。もう1人は31日に決定があり、即日、本人に知らされたという。申し立てた人の性別や年齢は明らかにされていない。同家裁には16日現在で、13人が性別変更を申し立てていた。

申し立ての要件は20歳以上の独身者で子どもがおらず、変更後の性別の性器に似た外観があることなど。医師の診断書などを審査して変更を認めるかどうか決定される。

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朝日
2004/08/11
No .N162a040811xxx
愛知県/名古屋市
無職

24
m****
シリーズ・特集; http://www.asahi.com/national/update/0811/020.html
見出し:
母親殺害容疑、長女再逮捕/名古屋・床下から遺体事件
メモ :
名古屋市中村区のアパートで経営者の*****さん(46)が床下から遺体で見つかった事件で、愛知県警は2004年8月11日、*****さんの長女で無職のm****容疑者(24)=有印私文書偽造・同行使、詐欺容疑で逮捕=を殺人と死体遺棄容疑で、m****容疑者と同居する無職の女(34)=同=を死体遺棄容疑で再逮捕した。m****容疑者は「親子間で確執があった」と容疑を認めているという。

捜査1課と中村署の調べでは、m****容疑者は3月29日午前7時ごろ、和室で寝ていた*****さんの首を電気コードで絞めて殺害し、遺体を床下に埋めた疑い。女は床下のコンクリートを掘削する電気ドリルや土を掘るスコップ、壊したコンクリート部分を修復するためのセメントなどを購入し、m****容疑者が遺棄するのを手伝った疑い。

m****容疑者は、*****さんから性同一性障害について非難されるなどしたことから、「幼い頃からのトラウマがあった」といい、県警は動機について詳しく調べる。

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朝日
2004/08/01
No .N162a040801xxx
長野県


48
中島美鈴
シリーズ・特集; http://mytown.asahi.com/nagano/news01.asp?c=17&kiji=40
見出し:
生きる/性同一性障害の中嶋美鈴さん
メモ :
心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)者は、公的書類に元の性別が書かれているため、つらい思いを味わってきた。このほど施行された「性同一性障害特例法」は戸籍上の性別変更を認め、自分を取り戻す光となるものだ。全国で数千人いるとされるが、申し立てをしたのはわずか十数人。法の要件を満たさず、適用されない人が多いからだ。県内にも悔しい思いをしている「女性」がいる。(香取啓介)

「戸籍上の性の変更認める 同一性障害の20代に 那覇家裁」

2004年7月29日、南信地方の医療機関に勤める中嶋美鈴さん(48)=ペンネーム=が、昼休みに何げなくパソコンを開くとインターネットニュースの見出しが飛び込んできた。特例法施行後、性別の変更が認められたことが初めて明らかになったことを伝えていた。

「同じ障害の当事者なのに、幸福になれる人となれない人がいる」。しっとと悔しさで、空気を吸いすぎて発作のように苦しくなる過呼吸に陥った。

中嶋さんは男性として生まれた。しかし4歳のころから、自分のことを「ぼく」と呼ぶことに違和感を感じ、成長期が始まると、自分の体への嫌悪感が増した。すね毛が生えればかみそりでそったり、毛抜きで抜いたり。男の子からは女っぽさをからかわれ、パンツを脱がされたりした。

28歳で職場の女性と結婚し3人の子どもができたが、男としての生きにくさは変わらなかった。理由は分からない。性別のことを考えると、過呼吸になり真綿で首を絞められたように呼吸が激しくなり、一日中涙が止まらないこともあった。

1997年、日本精神神経学会がGIDの診断と治療のガイドラインを作成した。中嶋さんも文献を手に入れ読みふけった。

男性として生きることがつらい、できれば女性として生きたい−−。症状例を見ると「私の過去そのものではないか」。1998年に県外の病院でGIDと診断され、女性として生きる決意をした。ガイドラインに沿ってカウンセリング、ホルモン治療を進め、2004年2月には外科手術も終えた。

病院などの窓口に行けば不審がられ、投票に行けば好奇の目にさらされる−−。公的書類に書かれた元の性別に苦しんできた性同一性障害者にとって、特例法への期待は大きかった。

中嶋さんは法案が提出された昨年、仲間と国会に陳情に行き、申し立ての要件の一つである「子どもがいないこと」の再考を訴えた。しかし、「子の福祉に影響を与える」という理由で、法案はそのまま成立した。「自分たちがこれ以上騒ぐと法律自体がつぶれる」と涙をのんだ。

「子どもが病気や事故で亡くなれば、性別の変更が可能だという。法律ってそんなものですか」。特例法には3年後の見直しが明記してある。「だめだったときのダメージが大きいから、過度の期待はかけられません。でも何らかの働きかけはしていきたい」と中嶋さんはいう。


性同一性障害特例法 2003年の通常国会で成立し、2004年7月16日施行。性別の変更を家裁に申し立てるためには、
(1)20歳以上
(2)独身
(3)子どもがいない
(4)生殖能力がない
(5)変更後の性別の性器の部分に近似する外観を備えている
−−の五つの要件を満たしていることが必要。県内の家裁への申し立ては今のところない。

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京都
2004/07/29
No .N162k040729xxx
沖縄県




シリーズ・特集; http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004072900056&genre=G1&area=Z10
見出し:
戸籍の性別変更を認める/法施行後初か、那覇家裁
メモ :
性同一性障害を抱える沖縄県内の人が、男性から女性への戸籍の性別変更を求めた審判で、那覇家裁は2004年7月29日までに変更を認めた。

性同一性障害者の団体「gid・jp」によると、戸籍変更を認める性同一性障害特例法が2004年7月16日に施行されて以降、今回のケース以外に変更が認められたとの連絡はないといい、全国で初の審判例とみられる。

那覇家裁の審判は2004年7月28日。訴えていたのは20代の人で、医学的に性同一性障害との確定的な診断を受けており、社会的にも女性としての自我を取得しつつあるとして、戸籍変更を認めるのが相当と判断した。

幼少時より男性である自分に違和感を感じつつ育ち、海外留学をきっかけに女性として生きていく意思を固め、昨年、性転換手術を受けているという。

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朝日
2004/07/16
夕刊 金面 No .N162a040716e01




カルーセル麻紀
シリーズ・特集;
見出し:
性同一性障害特例法が施行/許可に5要件/性別変更可能に
メモ :
心と体の性が一致しない人の性別変更を認める「性同一性障害特例法」が16日に施行された。同日から全国各地の家裁で申し立ての受け付けが始まり、分かっているだけで東京家裁ではタレントのカルーセル麻紀さん(61)ら7人、名古屋家裁で1人、那覇家裁で1人の計9人が申し立てた。性別変更には五つの要件があり、独身で、子どもがおらず、心の性に合わせた性転換手術を経ていることなどが必要だ。申し立てが認められると、例えば「長女」を「長男」に改める新たな戸籍が作られ、変更した性での社会生活が可能になる。(18面に関連記事

性同一性障害者は国内に数千人いるとされるが、経済的あるいは健康上の理由で性転換手術ができない人は少なくなく、性同一性障害を言い出せないまま結婚して子どもをもうけた人もいる。いずれも特例法の対象外で、実際に性別変更できるのは、性同一性障害を自覚する人の数%程度とみられている。

性別表記の変更はこれまでも家裁の審判で可能だったが、性同一性障害を理由とする申し立ては、1980年に長男から長女への変更を許可した例外的なケース以外、認められていなかった。

特例法は昨年の通常国会に超党派の議員が提案し、成立した。申し立ての要件は

(1)20歳以上
(2)独身
(3)子どもがいない
(4)生殖能力がない
(5)変更後の性別の性器の部分に近似する外観を備えている

――の5点。そのうえで、性同一性障害であることについて、医師2人の診断が一致した場合に、家裁は、性別変更を認める決定ができる。

いったん変更したら再び元の性に戻すことは想定されておらず、家裁での審査は慎重に進められる見通し。

戸籍の変更に伴い、旅券や住民票、保険証などの公的書類の性別も心の性に合わせて変えられ、変更後の性で婚姻届を出すことも可能になる。

性同一性障害が国内で認知されるようになったのは1990年代。1997年に日本精神神経学会が治療の指針を示し、1998年に埼玉医大が初めて公式に性転換手術をするなど医療面の救済が先行した。しかし、公的書類の性別を変えられないため、「就職が困難」「病院に通いにくい」といった問題が未解決のまま残されていた。

国内で公式な治療がなかった時代に海外で性転換手術を受けた人もおり、こうした人も要件を満たせば対象になる。

朝日
2004/07/16
夕刊 18面 No .NNo .N162a040716e08





シリーズ・特集;
見出し:
「本当の生」をください/性同一性障害特例法/戸籍表記めぐり不安も
メモ :
自らの性を受け入れられない性同一性障害の人たちは、様々な苦難を背負って生きてきた。社会生活で「本当の性」になれる2004年7月16日の特例法施行を歓迎する声が上がる一方で、戸籍の表記などをめぐり不安をぬぐえない人たちもいる。(1面参照

「やっとここまでこぎつけた。早く戸籍上も男性になって、婚姻届を出したい」。東京家裁に女性から男性へと性別を変更する申し立てをした30代のミツルさん=仮名=は喜んだ。

最近引っ越して、パートナーの女性とその連れ子との新生活を始めた。ジーンズ姿で地域の消防団活動に加わるミツルさんは、近所の人にはごく普通の子煩悩な若い父親としか見えない。

国内の医療機関で、乳房の切除、男性器の造成などを数年がかりで終えた。パートナーとは治療中の3年前、専門学校で出会った。つきあいが深まったころ打ち明けたら、受け止めてくれた。

(中略)

「特例法で性別が変えられるようになり、生活はしやすくなると思う。そもそも戸籍から性別を失くせばいいのに」

風俗店で働く大阪市都島区の「男性」(27)は21歳のとき、通院していた精神科で性同一性障害と診断され、2年ほど前に性転換手術を受けた。

10代までは女性の水着姿をうらやましく感じる自分に違和感を覚えながらも、男として生きる努力をしてきた。しかし、インターネットで性同一性障害のことを知り、押さえきれなくなった。

一昨年、母から「女の子として産んであげられなくてごめんな」と言われた。声をあげて泣いた。弟や妹も今では「お姉ちゃん」と呼ぶ。

将来、男性と結婚したいと思っている。だから、性別変更もいずれ申し立てるつもりだ。しかし、戸籍謄本が「元男」と分かる表記になるのかなど、心配なことも多い。

「戸籍上も女になれるのはうれしいけど、しばらくは様子を見たい」

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京都
2004/07/05
No .N162k040705xxx




gid.jp
シリーズ・特集; http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004070500049&genre=C4&area=Z10
見出し:
男女の記載廃止広がる/性同一性障害への配慮で
メモ :
性同一性障害の人への配慮から、有権者に送る投票所入場整理券などの性別欄をなくす動きが各地の選挙管理委員会に広がっている。性同一性障害の人や支援者でつくる団体「gid.jp」が全国の市や東京の各区に問い合わせたところ、回答があっただけで50以上の自治体が「男」「女」の表示をなくし、記号やバーコードに変えた。

横浜市は以前から性別表記がなかったが、投票所の受付で渡す「投票用紙引換券」には性別欄があり、男女で色が違っていた。今回の参院選からこの区別をなくした。

戸籍の性と異なる日常生活をしている人は、投票所で立会人を務める地域住民の前で戸籍の性を確認されることを恐れ、棄権することが多い。記載の廃止で「投票に行く人が増える」と関係者は歓迎する。

しかし投票所の受付で本人確認をするための名簿には性別が記載されている。今回から整理券の男女の記載をやめた神戸市も「本人確認はしなければならず、性別を聞かざるを得ない場合もある」と現場での取り扱いに不安を残している。


管理人:gid.jp(性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会)さんのサイト紹介はこちらから


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朝日
2004/05/18
夕刊 12面 No .N162a040518e12
スイス



国際オリンピック委員会(IOC)
シリーズ・特集;
見出し:
性転換者五輪に道/IOC決定「手術後2年」など条件
メモ :
性別適合(性転換)手術を受けたスポーツ選手が五輪に参加できることになった。国際オリンピック委員会(IOC)理事会は2004年5月17日、手術後2年を経過するなどの条件付きで認めることを決めた。性同一性障害に悩む選手の新たな性での参加に、門戸が開かれた。

生殖器をかえる手術を受けた後、法的に新しい性が認められ、2年間のホルモン治療を受ければ、参加資格を得られる。男女どちらの性にかわった場合も認められる。

一般的に筋肉量や心肺機能で勝る男性から女性にかわった場合の優位性を懸念する声もあったが、IOCのシャマシュ医事部長は「手術後、適切な治療を受け、一定期間が経過すれば、筋肉量などは減る」と説明した。

IOCによると、性転換する選手の増加が予想されるのに備え、規定の整備を進めたという。

五輪競技ではないが、2004年3月に男性から女性に性をかえた豪州のゴルフ選手がプロ大会に出場した事例などがある。

2004年8月のアテネ五輪からこの規定が適用されるが、IOCは「実際に、アテネをめざしている性転換選手がいるかは把握していない」という。

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2003

京都
2003/12/08
No .N162k031208xxx
奈良県/橿原市




シリーズ・特集;
見出し:
印鑑登録から性別欄削除へ/奈良・橿原市、性同一障害に配慮
メモ :
性同一性障害者に配慮して、印鑑登録原票から性別欄を削除する奈良県橿原市の改正印鑑条例が2003年12月8日、市議会で可決、成立した。

2004年1月1日から施行され、印鑑証明や登録申請書から性別の記載がなくなる。改正後の記載は登録番号、登録年月日、氏名、住所、生年月日の5項目。

橿原市議会は2003年9月、性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書を全会一致で採択し、首相や法相らに提出。

市は11月の衆院選や知事選の投票入場券から性別欄を削除したほか、性別記載欄がある約250種類の公文書について、それぞれ性別の記載が必要かどうかの調査を進めている。

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朝日
2003/11/15
朝刊 22面 No .N162a031115m22




IOC
シリーズ・特集;
見出し:
性転換選手も五輪に/IOCが新規則案/男女双方、手術後期間置き
メモ :
国際オリンピック委員会(IOC)が、性別適合手術を受けて性別が変わった選手の五輪参加を認める新ルールをまとめていることが明らかになった。2003年11月13日のAP電によれば、数週間以内に発表すると言う。手術後、一定期間が経過するなどの条件を満たせば、性別変更後の五輪参加を認めようと言うもの。

IOCのシャマシュIOC医事部長(フランス)は「われわれは差別をしない」と、人権に配慮した方針転換であることを強調した。

新規則案では、男性から女性、女性から男性の双方とも認める。

男性ホルモンも筋肉の量も多く、、心肺能力で女性を上回るため、男性から女性に性転換した選手の参加を認めると、女子選手が不利になるとの議論もある。しかし専門家によると、男性ホルモンと筋肉の量はホルモン治療や性別適合手術の後では減るという。

IOCが新規則を設ける理由の一つは、すべての選手が標準的な性染色体を持つとは限らず、生殖器がはっきりしないなどの先天的な身体条件を持つ人もいるため。

シャマシュ部長は、来年のアテネ五輪を目指している性転換選手がいるかどうかは不明としたが、いくつかの国際競技連盟がIOCに指針を求めており「先を見越して動く必要がある」と話した。


管理人:http://www.asahi.com/sports/etc/TKY200311140366.html には次のような記述もありました。
五輪では1968年メキシコ五輪から口内のほおの粘膜をとって染色体を調べる性別検査を女性のみ実施してきたが、2000年シドニー五輪から廃止した。

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京都
2003/10/24
No .N162k031024xxx
京都府/向日市



佐倉智美
シリーズ・特集; http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003oct/24/W20031024MWH1K300000082.html
見出し:
性同一性障害テーマに講演/向日市で人権セミナー
メモ :
京都府の向日市は2003年10月24日、本年度の人権セミナーを、市福祉会館で開いた。性同一性障害を確信し社会的、文化的性別を「女性」に転換して生活している佐倉智美さん=枚方市=を講師に招き、多様化する人の「性」の問題について学んだ。

職員や市民の人権意識を向上させるため毎年実施している。今回は職員のみが対象で約50人が参加した。

佐倉さんは「女が少年だったころ性同一性障害について」とのテーマで話した。幼少のころから「男」という性別に違和感を覚えていた自分の体験を披露し、性同一性障害について、「身体、戸籍の性別と心の性別が一致せず、そのため心の性別と生活の性別が一致しないこと」などと説明した。

さらに、ファッションや仕事選び、トイレや化粧、免許証やパスポートなどを例に、障害があったことで起きる苦悩を語ったほか、競艇選手の選手登録問題や世田谷区議選で上位当選した「女性」議員のことにふれ、「性別は2つではなく、いろいろあることを認めあえたら性同一性障害の悩みは起こらないのでは」と話した。


管理人:佐倉智美さんの著書紹介はこちらから
          佐倉智美さんのサイト紹介はこちらから


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朝日
203/09/02
朝刊 33面 No .N162a030902m33
大阪市



上川あや、大熊ひかり
シリーズ・特集;
見出し:
「性別記載の削除を」/「障害」支援者ら自治体に要望
メモ :
公的文書の性別記載で、就職や日常生活で不利益を受けているとして、心と体の性が一致していない性同一性障害やその支援者ら約30人が2003年9月1日、性別記載をできるだけ削除するよう大阪府や大阪市などに要望し、JR大阪駅周辺でビラを配って理解を求めた。自治体側は削除を前向きに検討する姿勢を示したという。

要望には、性同一性障害を公表し、今春の東京都世田谷区議選で当選した上川あやさんや、戸籍上は男性だが、女性として大阪市役所に勤める大熊ひかりさんも参加した。

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朝日
2003/08/28
No .N162a030828xxx
大阪市
公務員

43
大熊ひかり
シリーズ・特集; http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200308280013.html
見出し:
大阪市職員が性同一性障害を公表
メモ :
戸籍は男性だが、女性として勤務する大阪市職員大熊ひかりさん(43)=通称名=が2003年8月27日、大阪府庁で会見し、心と体の性が一致しない性同一性障害であることを公表した。

大熊さんは昨年1年間うつ病で休職した。医師に「性同一性障害」と診断され、復職するためには女性として働けることが必要と指摘された。大阪市側も受け入れ、女性の制服の着用や更衣室の使用などを特例として認め、2003年4月に復職したという。

大熊さんは「自分の認識している性で働くことが認められているだけ恵まれた立場だが、社会的な理解はまだ不十分」と訴えた。

大熊さんもメンバーになっている性同一性障害者や支援者らでつくる市民グループ「セクシュアル・マイノリティの人権について考える会」は9月1日、大阪府などに公的文書から性別記載を可能な限り削除するよう求める要請行動をする。

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朝日
2003/08/27
No .N162a030827xxx
北海道/札幌市



札幌医科大学
シリーズ・特集; http://mytown.asahi.com/hokkaido/news01.asp?kiji=5454
見出し:
性同一性障害/札医大、10月にも診療開始
メモ :
自分の性に強い違和感を持ち、別の性になることを望む性同一性障害の治療を検討する札幌医大の付属病院外来に、2003年10月にも専用クリニックが開設される。2003年8月26日、学内の倫理委員会(委員長=神保孝一・医学部長)で「性同一性障害判定治療委員会」の設立が了承され、治療・判定の枠組みが固まった。倫理委の記者会見には自ら性同一性障害者で支援組織代表の阿部愛奈美さん=苫小牧市在住=が参加し、「道内には一貫した治療施設がなかった。大変うれしい」と語った。

神保医学部長によると正式なクリニックの開設は、9月に教授会など学内組織の了承を得た上で誕生するという。10月には患者の受け入れを始める予定だ。診療窓口の正式名称は「GID(ジェンダー・アイデンティティー・ディスオーダー)クリニック」。性同一性障害の支援団体からは、「男女と分かるフルネームで名前を呼ばないでほしい」など7点の要望も出されており、プライバシーを配慮したうえで開設したい考えだ。

性同一性障害判定治療委員会は、神経精神科、泌尿器科、産婦人科、形成外科、外科などの専門医らでつくる治療班組織。受診・治療と合議による判定手法など一連の治療の流れなどもまとまった。また、新規の患者と、すでに他の医療機関で治療を受けたことのある患者を2通りに分けた治療方針も取り決めた。治療にあたっては、日本精神神経学会のガイドラインに基づく判定をするという。

同大の神経精神科、泌尿器科、産婦人科にはすでに計35人の「性同一性障害」を訴える患者が訪れ、30人は精神療法の治療を受けている。

倫理委の記者会見には性同一性障害への理解と支援を目的に7月に発足した「クラブサンライズ」のメンバーら6人が出席した。札幌医大の取り組みを知り、診療内容などに要望書も提出している。

代表の阿部さんは、医大の取り組みを評価したうえで、「一般社会に、普通の男性、女性としてとけ込むのを私たちは望んでいます。これを手始めに地方でも精神療法やホルモン療法などが可能となってほしい」と話していた。


管理人:札幌医科大学などの「治療機関」のサイト紹介はこちら


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京都
2003/07/14
No .N162k030714xxx
大阪府/茨木市



西日本入国管理センター
シリーズ・特集; http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003jul/14/K20030714MKB1O100000130.html
見出し:
性同一性障害を“隔離” 西日本入管 単独室に収容
メモ :
不法滞在の外国人を収容する西日本入国管理センター(大阪府茨木市)が、性同一性障害を持つ人を、自由に出入りできない単独室に収容するよう取り決めていることが2003年7月14日分かった。

性同一性障害については、戸籍の性別変更を認める特例法が10日成立するなど差別を廃止する動きが広がっており、同センターの処遇は批判を呼びそうだ。

収容者の処遇は「細則」として全国3カ所のセンターごとに決められている。

西日本センターは「共同室に向かない者は単独室に収容すると細則で決めている。性同一性障害者や、病気で容体を観察する必要のある者がそれに当たる」としたうえで現在、性同一性障害を理由に単独室に収容されている外国人がいるかどうかは「答えられない」としている。

難民支援団体「ラフィック」によると、収容者は通常、部屋の外に自由に出られ、他の部屋の収容者と話もできるが、単独室に収容された外国人はシャワーの時間以外は部屋から出られないという。

「ラフィック」の青木孝嗣さん(22)は「特定のアイデンティティーを持ったことで差別的な処遇を受けることは人権侵害であり、あってはならない」と話している。

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朝日
2003/07/11
朝刊 2面 No .N162a030711m2





シリーズ・特集;
見出し:
性同一性障害/特例法が成立
メモ :
性同一性障害の人たちが、戸籍上の性別を心の性に合わせて変更できるようにする特例法が2003年7月10日の衆院本会議で全会一致で可決、成立した。

変更できるのは、独身の成人で、なりたい性に合わせた性器を手術でもうけた人に限定。これらの要件を満たせば、家裁が性別変更の許可を与える。ただ、子どもがいないことも要件としたことなどに対し、当事者や野党の一部から再考を求める意見が出ており、3年後に見直しをする。

性同一性障害は男性として生まれた人の3万人に1人、女性として生まれた人の10万人に1人の割合で起こるとされ、埼玉医大などで性別適合手術が合法的に行われている。今回の立法は、心と体の性が異なる人たちが存在することへの社会の理解を深める意義もある。


管理人:「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の条文はこちら


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朝日
2003/06/10
夕刊 1面 No .N162a030610e1





シリーズ・特集;
見出し:
性同一性障害で性別変更可能に/法案提出へ
メモ :
心と体の性が一致しない性同一性障害の人たちの戸籍上の性別変更を可能にする特例法の法案が、議員提案により今国会に提出されることになった。慎重論が強かった自民党法務部会が2003年6月10日、与党のプロジェクトチームが作った要綱案を了承したためだ。野党もこの案に賛成しており、超党派で今国会での成立をめざす。

戸籍の性別変更手続きは現行法でも家裁の審判で可能だ。しかし、性同一性障害の当事者については認めない運用が続いており、裁判上も認められてこなかった。

特例法の要綱案では、性別変更は従来通り家裁の審判で行うとした上で、申し立てできる要件を明確にした。
(1) 20歳以上
(2) 独身
(3) 子どもがいない
(4) 生殖不能
(5) なりたい性別に似た性器を外見上備える
、などだ。

これにより手術例がある埼玉医大、岡山大などで性別適合手術を受けた人だけでなく、過去に海外などで手術を受けた人についても、2人以上の専門医の診断が一致していれば申し立てができ、家裁で性別変更が認められる可能性が広がる。


管理人:http://www.asahi.com/politics/update/0610/006.html には次の内容が加えられていました。
この要綱案については、子どもを持つ当事者から、子どもがいないという要件を外してほしいとの要望が強い。また、肉体的負担を伴う性別適合手術を受けなくても済む法案にしてほしいという当事者も少なくない。このため、法案には施行から3年後に必要な見直しをする条文も盛り込まれる。

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朝日
2003/06/02
夕刊 12面 No .N162a030602e12




最高裁判所・第二小法廷
シリーズ・特集;
見出し:
戸籍性別訂正認めず
メモ :
性同一性障害のため埼玉医大(埼玉県川越市)で女性から男性への性転換手術を受けた30代の当事者が、戸籍の性別の訂正を求めた家事審判で、最高裁第二小法廷(福田博裁判長)は2003年6月2日までに、当事者側の特別抗告を棄却する決定をした。医学界公認の性転換手術を受けた人の戸籍訂正に対する最高裁の決定は初めてという。


管理人:http://www.asahi.com/national/update/0602/010.html では次の内容が付け加えられていました。
関係者によると、当事者側は「性転換をしても戸籍の性別が変わらなければ結婚、就職ができず、憲法で保障された幸福追求権が侵害されている」などと主張していたが、最高裁は「憲法違反にはあたらず、特別抗告が許される場合に該当しない」として退けた。

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朝日
2003/05/08
朝刊 25面 No .N162a030508m25
東京都/世田谷区
世田谷区議

35
上川あや
シリーズ・特集;
見出し:
上川・世田谷区議/名簿上も「女性」へ
メモ :
性同一性障害を公表して東京都世田谷区議に当選した上川あやさん(35)について、世田谷区議会事務局は、23区の全区議を紹介する特別区議会議員名簿に女性として掲載申請することを決め、2003年5月7日夕、上川区議に伝えた。


管理人:京都の社会面ではわずか1文の記事しか紹介されていませんが、http://www.asahi.com/national/update/0508/003.htmlでは以下のような内容が加えられていました。

この議員名簿は特別区議会議長会が発行するもので、各区の区議の相互連絡などのために作られている。氏名、住所、年齢、職業などのほか、性別が掲載されている。

区議会事務局によると、12日に資料を提出するため上川区議に確認したところ、女性での掲載を希望した。事務局は「最終的には議長会が判断すること」としながらも、法で義務づけられたものでなく、立候補届け出時も女性として受け付けていることなどを考慮し、本人の申し出通り申請するという。

立候補の届け出では、総務省の指導に基づいて同省への男女別届け出人数の報告などは戸籍上の性別通りに男性として扱った。

上川区議は「女性として尊重していただいてうれしい。他の方と同様、『心の性』や社会的実態を考慮していただいたと思います」と述べた。

上川区議は同日までに議会に対して「レインボー世田谷」として1人会派の届けを出した。

(2003/05/08 03:01)



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朝日
2003/04/28
No .N162a030428xxx
東京都/世田谷区
世田谷区議

35
上川あや
シリーズ・特集;  http://www.asahi.com/politics/update/0428/004.html
見出し:
性同一性障害の上川氏が世田谷区議に/女性として堂々と
メモ :
東京都世田谷区議選では、心と体の性が異なる性同一性障害の上川あや氏(35)が初当選した。

上川氏は戸籍上は男性だが、区選管には女性として届け出た。選挙戦では「弱い立場の人たちの人権問題に取り組む」などと訴えた。当選を決め、「女性議員として堂々と(議場に)登場します」と話した。


管理人:    上川さんのサイト紹介はこちらから


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朝日
2003/04/21
朝刊 30面 No .N162a030421m30
東京都/世田谷区


35
上川あや
シリーズ・特集;
見出し:
東京・世田谷区議選 届け出「女性」でOK
メモ :
心と体の性が異なる性同一性障害の当事者で元出版社勤務の上川あや氏(35)が、戸籍上の性別とは異なる「女性」として立候補を届け出て受理された。

上川氏は午後0時半からの第一声の後、「女性として受理されたのは一歩前進だが、地域で暮らしていく上で課題は多い」と話した。

区選管によると、総務省の指導により、同省への男女別届け出人数の報告や選挙結果をまとめる「選挙録」は戸籍上の性別通りに扱うという。

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朝日
2003/03/11
No .N162a030311xxx
東京都/小金井市




シリーズ・特集;  http://www.asahi.com/national/update/0311/024.html
見出し:
役所の書類、性別不問の動き 性同一性障害の人に配慮
メモ :
心と体の性が異なる性同一性障害の人たちに配慮し、申請書や証明書などから、性別の記載をなくす動きが地方自治体で広がり始めている。戸籍の性別を訂正するための法整備を求めている当事者たちは、「国の動きにつながってくれれば」と期待している。


東京都小金井市は来月投票の都知事選から、投票所入場はがきの性別記載をなくす。印鑑登録証明書についても、性別記載をなくすための条例改正案を市議会に提出している。それ以外の申請書などについても、2003年6月末をめどに、本当に性別欄が必要かを点検している。

障害の当事者は「外見と記載の性別が違う」と窓口で問いただされるのが不安だ。「もし近所の人に知られたら」と悩み、投票に行かない人もいるという。こうした声を聞いた稲葉孝彦市長が「苦痛を和らげたい」と見直しを指示した。入場はがきの性別はバーコードにして、男女別投票率は自動集計する。

埼玉県草加市も印鑑条例の改正案を提出したほか、新年度から図書館の利用カードの交付申請書や保育所の入所申し込みなど、市の文書90件から性別欄をなくす方針だ。

同県新座市も新年度に、印鑑登録証明書や図書館の利用申し込みなど85件を見直す。鳥取市も職員採用試験の申込書や奨学金の願書など35件の様式を改める予定。

各市の担当者によると、国から書式を指定されたり、男女別統計を求められたりしていない文書については、すべて見直しの検討対象にしたという。

当事者の間では、戸籍の性別訂正による根本的な解決を求める声が強い。現行法では、出生時の性別が勘違いなどで間違っていた時、家裁の許可で訂正できる。しかし性転換手術による訂正は、家裁が「法的根拠がない」などとして却下している。

当事者たちは203年1月末、立法での解決を目指して市民団体を結成。性同一性障害と診断されれば訂正を認めるように、国会議員に法整備を働きかけている。

東京都在住の虎井まさ衛さん(39)は、男性として働くアルバイト先から「正社員にならないか」と誘われたが、女性と書かれた住民票を出せずにあきらめたことがある。「地方自治体の動きはとてもうれしい。耳を傾けてくれる議員も増えており、国レベルの動きにつながってほしい」と話している。

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朝日
2003/02/28
朝刊 3面 No .N162a030228m3




森山法務大臣
シリーズ・特集;
見出し:
性同一性障害の法整備「協力も」 森山法相
メモ :
心と体の性が異なる性同一性障害の当事者が心の性に合わせて戸籍上の性別を変更できるようにする法整備について、森山法相は2003年2月27日、議員立法の動きがあれば協力するとの考えを明らかにした。この問題では、与野党の議員による立法化の動きが加速している。


管理人:http://www.asahi.com/national/update/0227/028.htmlでは下記の記事が付け加えられ、より詳しく報じられました。
法相は同日の衆院予算委員会で、政府による戸籍法などの改正は「すぐには難しい」と述べたが、当事者が抱える深刻な状況は認め「(議員立法の動きがあれば)お手伝いしたい」と答弁した。

戸籍上の性別は家裁が許可すれば変更できるが、法務省によると、性同一性障害を理由としたケースは1980年の一例を除き認められていない。

長男から次女への性別変更を求めたものの、一、二審とも却下されたケースでは、2000年の東京高裁の抗告審が「戸籍法の分野だけでなく将来の社会のあり方などについて検討が必要で、立法にゆだねられるべき問題だ」としていた。


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朝日
2003/02/26 朝刊 37面 No. N161a030226m37
東京都/世田谷区


35
上川あや
シリーズ・特集;
見出し:
性同一性障害の当事者立候補へ
メモ :
今春の統一地方選・東京都世田谷区議選に、性同一性障害の当事者である上川あやさん(35)が2003年2月25日、立候補する意向を固めた。

性同一性障害をめぐっては、当事者たちでつくる市民団体が、戸籍の性別訂正を実現するための法整備などを求め、国会議員らに要望活動している。上川さんは「当事者が政治の場に加わることで、さらに社会の理解や認知を広めたい」と話している。

上川さんは戸籍上は男性だが、1998年に医療機関で性同一性障害と診断され、同区内で女性として暮らしている。過去の職場や近所の人にはこれまで、こうした事実を明らかにしてこなかった。

だが、性別訂正の運動に参加する中で、この問題を広く訴えようと、自らの姿や過去を明らかにしたうえで区議選に出る決意をしたという。


戸籍上は男性であると公表して選挙運動を進めるが、当選すれば女性議員として区議会への出席を求めたいとしている。
上川さんは「性同一性障害の当事者の問題だけでなく、私たちと同じように国や自治体に声や思いが届かず、苦しんでいる人たちの触媒として働きたい」と話している。

管理人:
青字部分はhttp://www.asahi.com/national/update/0226/004.htmlで付け加わっている記事内容です。

   上川さんのサイト紹介はこちらから
   上川さんの文章が載っている図書「多様な「性」がわかる本  性同一性障害・ゲイ・レズビアン」紹介


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朝日
2003/02/22
朝刊 3面 No .162a030222m3
鳥取県/鳥取市




シリーズ・特集;
見出し:
性同一性障害者に配慮/公文書で「男女問いません」/鳥取市、今春から
メモ :
心と身体の性別が食い違う性同一性障害者(GID)の人に配慮するため、鳥取市は2003年2月21日、新年度から市が交付したり申請を受け付けたりする用紙から、性別記載欄をなくすことを決めた。
GIDと診断された人の名前は、家庭裁判初で変更できるが、戸籍の性別変更は認められていない。GIDの人にとって、申請書類などの性別記載が精神的な負担になっているといわれる。
同市では、各種の交付・申請書類186件に性別記載欄がある。うち一十軒は戸籍謄本や住民基本台帳などで、法律で記載が義務付けられている。だが、印鑑登録証明書や選挙の投票所入場券、職員採用試験申込書、審議会委員会委嘱文書など残る76件は市の判断で変更できる。できるものから実施する。
竹内功市長は「人権尊重の立場から、不必要な性別記載はやめたい」と話している。

国も法改正必要  大島俊之・神戸学院大学法学部教授(民法)の話
制同一性障害に行政が配慮した先駆的な取り組みだ。ただ、この流れを広げるには地方自治体だけでは限界がある。国で戸籍法などの法律を改正する必要があるほか、家庭裁判初が認めれば性別表記を変更できるような道を作ってほしい。

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朝日
2003/02/16
朝刊 2面 No .N162a030216m2





シリーズ・特集;  社説
見出し:
性同一性障害  戸籍の性別訂正に道を
メモ :
想像してみよう。もし住民票や保険証、パスポートに自分の性別とはちがう性別が書かれていたら、何が起きるか。


就職のとき問題になる。病院では診察が受けにくい。空港の出入国審査の窓口で係官ともめる。さまざまなトラブルに見舞われるにちがいない。

少なからぬ人がそういう苦痛を現実に味わっている。心の性別と身体の性別が食い違うGID、性同一性障害の人々だ。

日本精神神経学会が定めた基準に沿って、医療機関でGIDと診断された人は1000人を超える。1998年、埼玉医科大学が国内最初の性別適合(性転換)手術に踏み切って以来、これまでに20人ほどが同大と岡山大学で手術を受けた。

なお多くの人がホルモン療法やカウンセリングを受けながら手術を待っている。

肉体的にも経済的にも大きな負担に耐えて心にかなった性に移行した人たちは、ほとんどが以前より精神的に安定した生活を送っている。

最近では、GIDの診断があれば、家庭裁判所で比較的簡単に名前の変更も認められるようになった。

その彼らの前に大きな壁がなお立ちはだかっている。戸籍上の性別だ。

住民票や保険証など公的な書類に記された性別は、出生時に戸籍に記載される「長男」「長女」などの続き柄に基づく。

戸籍の性別を直したい。2001年5月、手術を受けたGIDの6人が、各地の家裁に申し立てをした。戸籍法は、戸籍の記載に「錯誤」がある場合は家裁の許可を得て訂正を申請できるとしているからだ。

ところが、このうち3人の申し立てが2002年末までにたてつづけに却下された。染色体から見て出生時の生物学的な性別の判断に誤りはなく、「錯誤」には当たらないというのが理由だ。

体や名前を変えることは認めたのに、戸籍の性別の訂正を許さないというのは理不尽ではないだろうか。

1月末には、GIDの人々らが法制度の見直しを求めて会を結成し、運動に立ち上がった。

欧州や米国では1970年代から81980年代にかけて、性別訂正のための法整備が進んだ。日本と同じような戸籍制度をもつ台湾や韓国でも、裁判所が人権という視点に立って柔軟に訂正を認める例が増えている。

科学や医学の進歩は、人間の心についても思いがけない発見をもたらしてきた。GIDのように、新たにわかった困難を抱えている人たちの権利を守るには、いまの戸籍法では限界がある。

GIDと診断されたこと。性別適合手術を受けたこと。例えばこのような条件をつけて、性別の訂正ができるように戸籍法を改正するか、新しい立法を考える時ではないだろうか。社会の理解も少しずつ広がっているように思う。

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朝日
2003/01/29
夕刊 12面 No .N162a030129e12




naoの会
シリーズ・特集;
見出し:
性同一性障害で性別変更めざす/立法求める会設立
メモ :
性同一性障害で心と体の性が異なる人がいることを理解してもらおうと、障害をもつ人たちが「naoの会」を設立し、戸籍法の改正などを求める活動を始めた。

性同一性障害の人たちは心の性に合わせて社会生活を送りたいが、戸籍上の性別変更が認められないため負担を伴うことが多い。

現行でも家裁が許可すれば戸籍の性別変更は可能だが、2001年にこの障害を理由に各地の家裁に一斉申し立てをした6人のうち、3人は昨秋以降、連続して却下された。

 管理人:上記の記事の後にasah.cpmの記事(http://www.asahi.com/national/update/0129/019.html)では下記の記事が付け加えられていました。

当事者からは「身分証明にある性別と外見が異なるため銀行口座も作れない」「病院で保険証を出したら不審な目で見られた」との声が出ている。

同会は、超党派で立法化を目指す国会議員らと連携する方針。自民党ではこの問題に関心をもつ議員が2月に勉強会を開く予定で、南野知恵子参院議員は「現状を踏まえて対応を考えたい」と話す。公明党や野党でも一部の議員が超党派での立法化を検討している。


  管理人:「naoの会」関連サイト紹介はこちらから


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朝日
2003/01/19
朝刊 33面 No .N162a030119m33




佐藤優香
シリーズ・特集;私の視点 サンデー
見出し:
性同一性障害 「紙の性別」に苦しみ
メモ :
「性同一性障害」という一言葉が一部とはいえ市民権を得るようになって数年がたつ。しかし、この問題を正確に理解している人がどのくらいいるだろうか。

私は精神療法、ホルモン療法を経て、昨夏海外で性適合手術(いわゆる性転換手術)を受けた。事実上女性として生活しており、職場などでも必要最低限の方にしか事実を伝えないようにしていて、特に問題が起きたことは今までのところ、まったくない。

だが、公的書類や役所の手続きなどでは状況が一変する。戸籍上、私は「男性」のままだからだ。

現在まで多数の当事者が事実上移行した性別に戸籍の記載変更を求める申し立てを行っているが、事実上すべて却下されている。現行の戸籍法に想定されていないため家庭裁判所では判断しきれない、というのが主な理由のようである。

名前の変更については、戸籍法で「やむを得ない事情がある場合」は認められており、性同一性障害の当事者は比較的認められるようになった。その結果、女性名の男性や男性名の女性という、いささかいびつな状態に置かれている当事者は多い。

日本の公的書類では、運転免許証など一部の例外を除き、ほとんどの書類に性別欄がある。そのため、すでに社会的に移行後の性別で十分適応していても、保険証やパスポートなどの性別欄の記載によって、明らかに差別や人権侵害といえる出来事に遭遇する。

最近、私はパートナーとの関係や家族とのあつれきによる心労でうつ病が悪化し、療養のため精神科に短期入院をすることになった。静養のためだし、身体的にも外見は完全に女性になっているのだから当然女性病棟を希望し、女性として扱われると思っていた。

ところが、あくまでも保険証の性別が男性であることを理由に男性病棟に入り浴室も男性用を使用してほしいという病院ばかり。静養のつもりが、入り口から私の精神を不安定にするものに変わってしまった。本気で死ぬことを考えるところまで追いつめられ、仕方なく少々高い差額が出ても個室を使える病院に入院することになった。

その病院も当初はあくまで「戸籍上の性別でお願いしたい」とのことだったが実際に顔を合わせて診察した結果、私を女性として扱うことにしてくれた。

現実を反映しない「紙の性別」は、いや応なくこうした苦痛を私たちにもたらす。事実上の異性のパートナーがいても婚姻は認められないため普通の夫婦と変わらないカッブルも税制や社会保障の面で完全に疎外されている。戸籍の性別欄は彼や彼女の実態に合わせて訂正されるべきだろう。

役所の手続きから民間の簡単な書類に至るまで、性別を問われることがあまりに多い。それが本当に必要な構報なのかどうか再検討してほしい。

一部の自治体は私たちの要望を取り入れ始めている。02年12月には東京都小金井市議会が戸籍の性別変更を認める法改正を国会に求める意見書を可決した。埼玉県新座市も印鑑登録の申請用紙などの性別欄をなくし、投票所の入場券の性別記載も廃止していく意向という。こうした動きが広がり、性同一性障害の当事者が生きやすい社会になることを期待している。

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京都
2003/01/12
No .N162k030112xxx
東京都



東京家庭裁判所
シリーズ・特集; http://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2003jan/12/CN2003011201000198B2Z10.html
見出し:
戸籍の性別訂正三たび却下/性同一性障害で東京家裁
メモ :
体の性別に強い違和感を抱く性同一性障害のため、埼玉県川越市の埼玉医大で女性から男性への性別再指定手術(性転換手術)を受けた40代の当事者が、女性から男性への戸籍の性別の訂正を申し立てたのに対し、東京家裁は2003年1月12日までに、訂正を認めない審判を下した。

医学界公認の性転換手術を受けながら、裁判所で戸籍の訂正が認められなかったのは2002年8月、12月に続き3件目。担当裁判官は、この当事者から直接事情を聴かないまま審判を下しており、当事者は「裁判ではなく、特別な立法を求めるしかないのか」と反発している。

同家裁は戸籍法上、訂正の理由となる「錯誤」について「戸籍の記載が当初より真実に合致しない場合」と限定的に解釈。その上で、この当事者は「出生時は(外性器など)生物学的に女性」であり、錯誤に該当しないと判断した。

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