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2005年1月4日付で、第二管区海上保安本部の塩釜海上保安部に所属する巡視船 PL16 "むろと" が解役された。耐用年数を大幅に超えた30年の船齢を全うした。
巡視船 PL16 "むろと"は、1番船(PL15 "だいおう")が昭和48年(1973年)9月に竣工し合計2隻建造された改2-900トン「だいおう」型巡視船の2番船である。
昭和49年(1974年)11月に竣工し、同年鹿児島海上保安部(第十管区)へ配属され、その後油津海上保安部(同)に変わり、平成13年(2001年)4月に塩釜海上保安部へ配属替えとなった。
本型は、OIC室を設置して指揮能力を強化し、また船橋高後部に減揺タンクを装備して安定性を確保した。後の「しれとこ」型の雛形となった事でも知られる。
その後現在に至るまで「しれとこ」型が海上保安庁のPL型巡視船の中で一大勢力を誇ったことからして、本型を開発した技術的価値は高かったと思われる。
上記のとおり、巡視船 PL16 "むろと"が解役されたことに伴い、同日2005年1月4日付で、第七管区海上保安本部の長崎海上保安部に所属する巡視船 PL06 "でじま"が塩釜海上保安部へ配属替えされた。
また、配置替えに伴い船名が"でじま"から"くりこま"へ変更された。
巡視船 PL06 "でじま"は、1番船(PL02 "えりも")が平成3年(1991年)10月に竣工し現在7隻が就役している「えりも」型(1000トン型)巡視船の5番船である。
平成11年(1999年)10月に竣工し、第七管区最新のPL型として体験航海などのイベントや、平成15年(2003年)2月20日に福江島沖で発生したベリーズ船籍漁船SOLFRESH606号転覆・沈没海難の救助活動などで活躍していた。
本型は、35ミリ単装機関砲(1番船は無し)と20ミリ多銃身機銃を装備し、ヘリを使った救難活動のプラットホームとなるべく、また油流出などの大規模特殊海難に対応するべく、広い後部甲板を有する救難強化型巡視船である。
大量建造され耐用年数を超えている「しれとこ」型の代替型として順次整備されている。
このように、今回は海上保安庁のPL型巡視船中最古参のオールドレディーと、最も新しい型の巡視船が交代するということになった。
歳の差25歳という母と娘とでもいえる間での交代劇であり、またPL16 "むろと"がやっと隠居できるようになったのは、なんと歳の差31歳の「あそ」型(新1000トン型)がデビューしたからと、予算不足とはいえあまりにも厳しい現実である。