MS-06R1A ZAKU-II ザクII (高機動型:"黒い三連星"仕様機)
 ジオン公国軍 宇宙空間戦闘用高機動型モビルスーツ
高機動ザクII・黒い三連星  MS-06Fにかわる次期宇宙空間戦闘用MSとしてZEONIC社で設計・製造された通称「高機動型ザク」。外見的には脚部やバックパックが大きく変更されているが、実際には内部構造なども含めて大幅に設計変更されており高コストだが飛躍的に性能も向上している。初期に製造されたR1型は従来型と大きく規格が異なることから運用面や整備作業面で現場を混乱させる結果となり、わずか22機の製造にとどまった(このうち1機がシン=マツナガ大尉の乗機として著名)。この問題の解決策としてプロペラントタンクのカートリッジ化などの改修がなされたのがR1A型で、22機のうち10機程度が改修されたほか、新たに56機が製造され、主に"黒い三連星"などエースパイロットたちの乗機として使用された。
 この後、更なる性能向上を目指したR2型も開発されたが、高コスト化に歯止めのきかない機体となってしまい、次期主力空間MS選定の競作においてZIMMAD社のMS-09R "リック・ドム"に破れ制式採用とならず、僅か4機が生産された(実戦投入は3機、うち1機はジョニー=ライデン少佐の乗機として名高い)だけに終わった。しかしその後もZEONIC社ではR2型の残る1機およびR3型、MS-11"アクトザク"をテストベッドに開発を続け、MS-14"ゲルググ"を作り上げた。
 「黒い三連星」は試作兵器等の運用試験や試作評価を依頼されることも多く、そのまま実戦に赴くことも多々あったという。彼等がMS-06R1A騎乗当時に試験運用していた新型320mmバズーカ(ジャイアント・バズ)は360mm弾に大型化の上、新型MS:MS-09 "ドム" に標準装備されることになった。

RYOKAN's Impression
 個人的にはこのザクが一番好きです。オリジナルのザクのデザインを尊重しつつ強化された設定とデザイン、「黒い三連星」がドムに乗る前の乗機としてのカラーリングと試作型ジャイアント・バズという設定付け、この機体がMSVのキット第1号に選ばれたのも無理のない話で。特にこのカラーリングでしょう。ドムの黒&原色パープルという彩度の高いカラーリングに比べてこちらは濃紺(一部に黒)+ライトグレー+薄目の紫とかなり渋めで、こっちの方がリアルだし、今ファーストガンダムを映像化したらドムもこちらのカラーリングになるのかも。
 キット自体はドム発売に先駆けて旧ザク・高機動型ザク・ドムと1ヶ月毎に発売され、それぞれに「黒い三連星」のフィギュアが付属。本体のパーツ自体は既に登場済みの高機動型ザク(シン=マツナガ機&ジョニー=ライデン機)と同じもので、独自の肘バルジを持つ腕とジョニー=ライデン機キットには付属せずファンを失望させたジャイアント・バズが今回は2タイプの弾倉つきで付属した点が新規パーツ(ぜひジョニー=ライデン機にも加えて欲しいところ)
 高機動型ザク自体は元のS/F/J型キットから上半身および脚の内部パーツを流用して脚の外装のみ新規パーツ(太腿・足首も流用に見えるが実は新規パーツで表面の筋彫りや形状が若干異なる)だったが、パーツ割りの関係から「塗装しなくても済む」ことを優先させて旧設定からカラーリングを大きく変更したためにファンから総スカンを食らった。まぁ2機ともMS屈指の人気機種でしたからなぁ。その反省(?)から、今回は旧設定と同じ設定カラー。ただし膝下や腕の塗り分けなど大幅に塗装が必要。ここまでくると、一度MS-05/06系キットの金型レイアウトを大幅に変更して、無塗装でどの機種も組み上げられるようにした方がいいと思うのだが、それをやる位ならVer.1.5かVer.2の開発を、ということになってしまうかな。

■MGシリーズで発売中のMS-06系キット
MS-06F/J ザクII (量産型) 1995.10 ※クリスタルVer.・コーティングVer.あり
MS-06S ザクII (シャア=アズナブル少佐機) 1995.10 ※クリスタルVer.・コーティングVer.あり
・MS-06R1 ザクII (シン=マツナガ大尉機) 1996.6
・MS-06R1A ザクII ("黒い三連星"仕様) 1999.6
・MS-06R2 ザクII (ジョニー=ライデン少佐機) 1996.6
・MS-06F2 ザクII (F2型) 2002.4
・MS-06F2 ザクII (F2型・連邦軍カラー) 2002.9