広島県出身。父は広島の原子爆弾で被爆死した鈴木眞守(同墓)。弟に記者・出版人の平野光男(同墓)がいる。
慶応義塾大学仏文科中退。新宿紀の国屋主人の田辺茂一のすすめで女優の望月優子(同墓)と知り合い、1942(S17)川端康成の媒酌で結婚。
戦争中の自身の経験をベースとして、一組の夫婦が、戦中戦後の時代のすさまじい嵐の中で、もまれ、もがき、それでも愛情の手を結びあわそうとするストーリー、小説『黒い小屋』を発表。戦後、'48 第1回水上滝太郎賞を受賞。加藤道夫(3-1-16)、原民喜も同時受賞した。
作家活動をしていたが、のちに、けいせい出版社長。「週刊サンケイ」編集長、産経新聞文化部長などをもつとめた。享年64歳。
*墓所には二基。左側は和型「鈴木家之墓」、裏面「昭和五十七年一月建之」。鈴木家墓誌は広島の原子爆弾で被爆死した鈴木眞守(S20.8.31歿・行年52才)から刻みが始まる。次に刻む鈴木一郎(S22.2.16歿・当才)は鈴木重雄と望月優子の長男。その次に、鈴木美枝子の本名と並んで「芸名 望月優子」、重雄の妻と刻む。隣りの鈴木重雄は眞守長男と刻む。眞守次女の鈴木美代子、眞守妻、鈴木重雄と望月優子の長女の鈴木園子が刻む。墓誌の裏には「昭和六十二年八月吉日 平野光男(眞守五男)建立」と刻む。この刻みより、墓所右側の和型「平野家之墓」は、平野光男の養子先の墓所であることがわかる。平野家の墓誌は平野美太郎の妻の平野けい から刻みが始まり、平野次郎、平野美太郎、平野舞子、平野光男が刻む。平野光男は産経新聞の記者・出版人。
*望月優子の異母妹は女優の中村雅子。雅子の夫は俳優の加藤嘉。加藤家の墓は16区1種3側。