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かわじ なつこ

川路夏子

かわじ なつこ

1919.1.2(大正8)〜 2011.6.5(平成20)

昭和・平成期の女優、声優

埋葬場所: 10区 1種 14側 12番

 東京神楽坂出身。祖父は大蔵官僚・教育者の川路寛堂(同墓)。父は詩人の川路柳虹(同墓)。弟にバレエ演出家の川路明(同墓)。明の妻はバレエダンサーの松尾明美(同墓)。
 3代目 中村翫右衛門(25-1-49)、2代目河原崎長十郎、5代目 河原崎国太郎が歌舞伎の革新に力を入れ、大衆演劇の創造を目指し創立した「前進座」に入る。終戦直後、連合国占領下の当時の日本ではマッカーサー指令によるレッド・パージが広がり、興行弾圧が行われる中、全国巡演を行い舞台に立つ。
 '51前進座のメンバーが出演した映画『どっこい生きてる』に妻きみ役で出演。'52.5.24北海道赤平町で、劇団前進座の「俊寛」巡演が警察ぐるみの組織で妨害された赤平事件が起こり、劇団員が逮捕され、代表の中村翫右衛門が指名手配される(後に中国の亡命し、'55帰国)。そのため前進座を離れ、後に「グループ・カオス」を主宰した。
 女優として、テレビドラマは「おかあさん」(TBS)、「鞍馬天狗」(KRテレビ)、「刑事くん」(TBS)、「煙の王様」(TBS)、「指名手配」(NET)、「特別機動捜査隊」(NET)に出演。女優を本業としながらも、アニメや洋画の吹き替えでも活躍。'70『昆虫物語 みなしごハッチ』、'71『あしたのジョー』『新・オバケのQ太郎』『珍豪ムチャ兵衛』を皮切りに、'74『アルプスの少女ハイジ』でクララのおばあさま役、'75『みつばちマーヤの冒険』で王女役、'76『ラ・セーヌの星』でベルヌ役、'79『赤毛のアン』でジョセフィン・バリー役、『花の子ルンルン』で王妃役、'80『トム・ソーヤーの冒険』でサリーおばさん役、'83『みゆき』で中田律 役など多数声優として出演。洋画の吹き替えでは、「アガサ 愛の失踪事件」「宇宙大作戦」「奥さまは魔女」「オリエント急行殺人事件」「吸血鬼ドラキュラの花嫁」「絞殺魔」「サンダーバード」「大草原の小さな家」「チャーリーズ・エンジェル」などの作品でアテレコ。特撮「仮面ライダー」ではカガミトカゲの声も担当した。
 83歳まで劇団の公演をこなし、教え子には声優に関俊彦、亀山助清、間嶋里美らがいる。生涯独身を貫いた。享年92歳。

<星になった声優達など>


*墓石は洋型「川路家」。裏面は「昭和丗五年四月建之」。墓誌などはない。

*妹(次女)の彩子はバレエダンサーで結婚し橘あや子として活動。弟の川路明はバレエダンサー・指導者。明の妻の松尾明美もバレエダンサー・指導者。妹(三女)の美鈴はデザイナー。遠縁に(曽祖父の彰常の弟の川路新吉郎の孫)に理学博士の川路紳治らがいる。


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