藤田嗣章
ふじた つぐあきら
明治・大正・昭和期の陸軍軍医(中将)
千葉出身。駿州田中藩士・安房長尾藩本多家家老の藤田嗣昭の長男として生まれる。
大学東校員外生（東京大学医学部の前身）として医学を学び、1877(M10)陸軍軍医補に任じる。軍医として台湾や朝鮮などの外地衛生行政に携り、1894 第6師団第2野戦病院長、日清戦争では熊本陸軍予備病院長を務めた。1896 混成第1旅団軍医部長 兼 台湾兵站軍医部長を経て、1898.11.9(M31)一正となる。
1899.10.1 台湾総督府陸軍軍医部長となり、1902.3.14 第5師団軍医部長に転じ、同.11.15 軍医監に昇進した。'04.7.5 日露戦争の時は留守第5師団軍医部長より第4軍軍医部長になり戦後、'06.1.18 第5師団軍医部長に戻った。'07.2.24 韓国駐箚軍軍医部長に轉補、'09.3.24 朝鮮総督府医院長に任ぜられた。
'12.9.28(T1) 森林太郎（森鴎外）の後任として最高位の陸軍軍医総監（中将相当）に昇進。'14.7.24 待命、同.9.22 予備役編入。従3位 勲1等 功3級。
＜帝国陸軍将軍総覧＞
＜20世紀日本人名事典＞
＜人事興信録＞
＊墓石は「藤田家之墓」。墓石裏面に「昭和十七年一月 藤田嗣雄建之」と刻む。墓誌はない。建之した昭和17年1月は藤田嗣章の一周忌にあたる。
＊妻の まさ は江戸旗本の小栗信の次女。小栗信の長女の�舛肋�山内建に嫁いでいるので、劇作家の小山内薫は義理の甥。長男の藤田嗣雄（同墓）は法制史学者。嗣雄の妻は児玉源太郎(8-1-17-1)の三女のモト。二男の藤田嗣治はフランスで活動した著名な洋画家。嗣治の4番目の妻で日本で亡くなったマドレーヌ・ルクー・藤田の墓(3-1-15)は油田家墓所内に藤田嗣治建之として建つ。長女の きく は小山内薫の最後を看取った主治医で陸軍一等軍医の蘆原信之に嫁いだ。二女の やす は陸軍軍医総監の中村緑野に嫁ぐ。三女の ひろ は物理的治療法や電気治療で著名な医学者の田原鎭雄に嫁いだ。
関連リンク：
藤田嗣雄、 小山内 建、 小山内 薫、 児玉源太郎、 マドレーヌ・ルクー・藤田