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考えるヒントのお蔵  人と自然の棚  第5番
新書で学ぶ多文化・多民族との共生

2001年9月11日、アメリカ合衆国のニューヨークとワシントンで世界貿易センターをはじめとする複数のビルが、ハイジャックされた旅客機で爆破されました。数千人の死傷者を出す大惨事となりましたが、犯人は2001年9月16日現在確定されていません。

しかし、アメリカ政府はイスラム過激派のオサマ・ビンランディン(ウサーマ・ビン・ラーディン)氏(44)を主要な容疑者とし、それをかくまうアフガニスタンのタリバーン政権を「報復」の標的にしているようです。

いかなる理由があろうともテロ行為は許すべからざる暴挙です。国際的な理解の選られる制裁は必要です。しかし、感情的な「報復行為」は暴力の輪を広げるばかりです。この際、こうした事件の背景は何か、私たちが日頃はあまり気にとめていない世界の「文化」「民族」「宗教」の対立とはどのようなものかを、冷静に考え、視野を広げる機会にしたいものです。

岩波新書からは、イスラム関連の新書がいくつも出ています。そんな中で一番のオススメが、 なだいなだ氏の「民族という名の宗教  人をまとめる原理・排除する原理」。内容の重さに対して肩の凝らないところがうれしい。

また、「文明の衝突と21世紀の日本」(集英社新書)は、1993年に発表されたハンチントン氏の「文明の衝突」理論を分かりやすくリメイクした新書です。日本の進路、すなわち私たち自身の社会の行方を考える好著です。

さらに、山内昌之氏の「文明の衝突から対話へ」は文庫ですが、イスラム原理主義と共に、日本社会におけるアイヌ民族をどうとらえるかにも触れられていて興味深い。

ハードカバーの分厚い本には腰が引けても、手軽な新書≠手に取ることで、世界を考える入り口を見つけてみてはどうでしょうか。

イスラム関連のリンク集で紹介している二つのサイトは、イスラムやアラブの理解を深めるのにオススメ。

テロを許さないのと同じだけ、善良な市民であるイスラム教徒に対する見当違いな嫌がらせや差別・暴力を許さないという姿勢が大切なのではないでしょうか。

図書紹介
  • B145イスラム関連図書紹介
    • イスラ−ム  (回教)  岩波新書
    • イスラームの日常世界  岩波新書
    • イスラム教入門  岩波新書
    • イスラームと国際政治  岩波新書
      • この本の最後にウサーマ・ビン・ラーディン氏に関する記述があります
サイト紹介
記事紹介
  • 記事紹介145&176 イスラムと性
    • 女性200人、ブルカ脱ぎ捨て/カブール路上/人権アピール
    • アフガン難民女性/ブルカ解放/タリバンから逃れた喜び※口紅を一気に引いた
    • アフガンにも『市民の暮らし』/女の子、私塾で学ぶ/女性支援続ける宝塚の西垣さん
    • 新たな悲劇/米のイスラム教徒  各地で迫害/「殺す」脅迫電話次々/商店街で女性に暴行
  • N185 女子小・中・高校 ―2001年以前
    • テロ問題を学校でどう教えるか/京都の教師たち/国際社会を考える学力を/新聞記事でレジュメ作成/「平和学習の総括になる」/いじめ問題と関連付けて  2001/12/06
少女たちの学ぶ意欲へもどうぞ
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