・『MIRAGE』大阪千秋楽を過ぎて。(ネタばれ有り)

    ……とりあえず、まずは役者さんの一言挨拶を(笑)
    こちらへどうぞ。
 
    結局、東京公演も含めて、5回(生で)観ました。
    今回は少なめにしておくつもりだったのになぁ。おかしいなぁ(爆)
 
    いろいろ思ったことはあるのですが……時間が経っていて、思い返し
   きれないかもしれないので、「演劇ネタばれ話の部屋」に載せたことを
   基本にして、書いていきたいと思います。
 
       複数回観て、思うのは…………言葉にするのがなんだかすごく難しい。
       感じたことに言葉をうまくあてはめられない。
       感想を話すにも書くにも、どんな言葉を考えても違う気がしてしまう。
       無理に言葉で表現したら、感じたことが安っぽくなってしまうような
   気さえ、するのです。(単に私のボキャブラリーが貧困なだけかも知れ
   ませんが………)
 
       結局、自分自身の目で観て、その上でいろいろ感じるしかないように
   思いました。
       「どんな舞台だった?」と聞かれても、「観てください」としか言い
   ようがない感じです。もちろん舞台は自分の目で、かつ、生で観るのが
   一番だと思っていますし、それが正解だと思うのですが、今回は特に。
       登場人物の「気持ち」を肌でじかに感じ取ってほしい、と思いました。
 
       (自分が観た)3回目(4/22夜)までは、正直な話、お芝居が「成長
   したな〜」とはあまり感じられなかったんです、今回。全くとは言いま
   せんけど。
    細かいことを言えば、いろいろ気になることもありますし。
    たとえば、実話を漫画にするのが早すぎる、とか(普通は、しばらく
   寝かせてから描くものではないのでしょうか。大変な出来事なら特に)
    クライマックスで「新庄先生」が毒薬を捨てるシーンがありますが、
   公園にそんな危ないものを捨てるなーっ、とか (^^;
 
       ……でも何故だか、気持ちが引きつけられる舞台(作品)でした。
       自分の意識がどんどん舞台に引っぱられていって、同化していって、
   体の奥底から鳥肌の立っていく感覚というのが、私はたまらなく好きな
   のですが。そういう感覚になる瞬間が、この作品では何度もありました。
 
 
        さらに、期せずして行った4/27。4/22に観た時より、お芝居に深みが
   出たように感じました。
        特に「新庄先生」。普段の抑えた様子。「優子」さんとのシーンでの、
   そしてクライマックスでの表情と言葉。それぞれににじみ出る感情に、
   心をキリキリと刺されるような、痛むような、苦しいほどせつない思い
   が沸いてきます。
 
        「優子」さんとのシーン。
       最後の別れの時、それまで「新庄先生」に対して後ろ姿を見せていな
   かった「優子」さんは、初めて背中を向けるんですね。ほんとにお別れ
   なんだなぁ……という感じで、目の奥がじわ〜っとします。
    でも「新庄先生」の口調が、前の「優子」さんとの2回のシーンより
   も元気になっているようで、こちらも嬉しくなります。「優子」さんは
   もっともっと嬉しかっただろうなぁ……
 
        「たまき」ちゃんの気持ち。
       最初に観た時は、クライマックスの叫びが多かれ少なかれ唐突に思え
   てしまう人が多いと思うんですが(私もそうでした)。
       何回かくり返して観ていると、彼女の気持ちもだんだん分かってくる
   ような気がしました。…………不安で不安で仕方ない気持ちを、ずっと
   抑えていたんですよね、きっと。
    お父さんに生きていてほしい。お母さんがいた頃みたいに明るくして
      いれば、いつかはお父さんも元気になってくれる。
        そんなふうに考えて、がんばってがんばってがんばって。
        それなのに……お父さんの本心を知ってしまって、今まで張りつめて
   いたもの、抑えていたものがいっぺんに弾けてしまったんでしょうね。
 
        ダブルキャスト。
       前田さん「久美子」ちゃんは、岡内さんが「尾花沢」さんの後輩っぽ
   かったのに比べて、同期のアシスタントという感じに近かったですね。
    どなたかが「演劇ネタばれ話の部屋」に書いてましたが、Bキャスト
   だとアシスタント2人・「酒田」さんが全員同期の役者さんなんですね。
       藤岡宏美さんは、声や観た感じが男の子っぽいところがありますね。
   女の子らしいかどうか、どっちが「律子」ちゃんとして上手いかと言え
   ば、青山千洋さんの方かな〜と私は思いましたけど。
    でも、お二人ともこれからですね。
 
        「山形」さん夫婦。
       いやー篠田さんは最近いい味出してますねー。大阪では(福岡もかな)
   ギブスも取れて、がんがんやっていらっしゃいました(笑)
       「千登勢」さんは普段「うるさい」のが目についちゃう人ですけど、
   さすが妹、「新庄先生」の気持ちに敏感ですね。この兄妹は、見た目の
   タイプは全く違いますけど、それぞれにすごく「情が深い」人だな〜、
   という感じがしました。
 
        4/27は4/22夜よりもさらに3列後ろ席だったんですけど……
       4/22夜よりも、舞台から伝わってくるものが大きかったです。
       千秋楽前のBキャスト予習みたいな感じで、だいぶ気軽に行ったんで
   すけど、この日に行ってすごくよかったです。前説に上川さんがいらっ
   しゃいましたし(笑)
 
 
    ……最近、ちょっと気になること。
 
    ここ3年、ずっと千秋楽を観に行っていますが。
    この頃、千秋楽の「イベント化」傾向が顕著になっている気がします。
 
    もともと、カーテンコールで役者さんの一言挨拶がある、クリスマス
   (公演)にはキャラメル配りがある、ということで、イベント性のある
   ステージではあります。それを経験したくて行く人も多いでしょうし、
   私自身、そうではないとは言い切れません。いえ、そういう意図がある
   ことは認めます。
    加えて、「最後のステージ」ですから、劇団の方々に対して「お疲れ
   さまでした」「ありがとうございました」という気持ちが、いつもより
   強くなる日であることも確かです。それも否定しませんし、それ自体は
   批判もしません。
 
    でも、それを考慮しても、観に来る人が「盛り上がりすぎている」感
   を否めないんです、個人的には。
 
    もしかしたら、これは「何度も観られる」から思うことかも知れない。
    一度しか観られないとしたら、カーテンコールでいっぱい役者さんの
   姿を観たいと思うのは当然だし、その気持ちも分かる。
 
    …………でも…………なんていうのかなぁ。
 
    たとえば、「西川さんのあの言葉(たぶん「僕たちはいつでもここに
   います」)を聞くまでは帰れない」というのは、違うと思うんですよ。
    千秋楽で私の隣にいた二人組が言ってたんですけどね。
    それを求めて何度も呼び出すのは、なんか違うんじゃないかと。
    だいいち、西川さんがここ1年はその言葉を言ってないことは、観に
   来ていれば分かるはずなんですがね(ひょっとしたらその二人は、1年
   以上生で観ていないのかも知れませんけど……そうだとしたら、多少は
   考える余地もありますが)
 
    この頃、大楽はオールスタンディングになることが多いです。
    今回もそうでしたが。
    でも今回、純粋な「スタンディング・オベーション」だったのは一体
   何人だろう? と思います。
    私自身は『MIRAGE』は好きな作品だし、千秋楽もよかったと思います
   が、率先して「立ちたい!」という気分にまではなりませんでした。
    まぁ、他の人たちが立つ勢いによっては、つられて「スタンディング・
   オベーション」しただろうと思いますけど……実際にはあんまり勢いは
   なかったしなー。最初に立った人たちはともかく、後の人たちは「前が
   見えないから仕方なく」という雰囲気が強い感じがしました(そうでは
   ない人もいたでしょうけど)。
 
    個人的な印象に過ぎないかも知れませんけど。
    プラス、最近は私自身の感覚も違ってきてるので、そのせいもあるの
   でしょうけど。
    それでも、気になったので、書きました。
    皆さんは、どう思われますか?
                              (00.5.24)
 
 
 


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