Aug.4th(Fri) |
Pair & Dance 見放題 |
Ice Houseは出入り自由なので選手達のトレーニングはいつでも見ることができる。 ただし,許可なしの練習中のカメラやビデオ撮影は禁止。オフリンクならお願いすればいくらでもOK。 Craigが「サラは撮ったか?」「エレーナ達のサインをもらった?」などといちいち気にしてくれるし,お宝がゴロゴ ロしているのだが,Sancerreはジューリンさまがいると他には全く目が向かないのは昔からだ。 帰国してから,「ジョンとピーターは撮っておけばよかった」「ローマンのセミヌードは売れたかも」「エレーナ達の ファンはあの人とこの人と・・・」などと後悔するが,シングルタスクの脳ミソなので現地ではそこまで頭が働かない。 いつもお世話になっているみなさま,ゴメンナサイ。 |
Pair 午後一でペアのレッスン見学。エレーナ&アントン,キョーコちゃん&ジョン,川口さん&太めのリナート=アレクサンダー君, アメリカのジュニアとおチビさん各1組ずつ,全部で5組。 ジュニアの1組はリフトも高さがあって綺麗だし,ツイストもスローもトリプルでこなす。他3組にも見劣りしないハイ レベルなので全米ジュニアでもかなり上位だと思う。 チビさん達はまだ組み始めたばかり。個々にはトリプルのコンビネーションもとぶが組むとスケーティングすらおぼつか ない。やはり1人でいくら滑れても2人は全く別モノだ。 エレーナ達はひたすらエンディングだか途中だかのポーズにご執心。氷の上だというのに両サイドへ引っ張り合っても 微動だにしない。 川口さん達は面白い変形スピンの組合せをやっている。昨年のダイエー杯や先日の連盟のエキジビでこのペアを見た人達 は口をそろえて「いい」と言うが,私もそう思う。シャープな滑りを持ち味にして,このままうまく進めばかなりいいセン いくんじゃないかと思う。 イナ&ジマーマンは相変わらず,キョーコちゃんがイニシァチブを握っている。 ジュニアの子達がリフトで転倒して大騒ぎになる。男の子が氷の上に倒れたままだ。ワールドのオベルタス組を思いだし てぞっとする。こういう時のキョーコちゃんはしっかり者で他がオロオロしている中,氷を持って来るようにとか,Drを よんでとかテキパキと指示を出している。ペアの練習中ではこんなことは日常茶飯事かもしれないが,やはりこわい。 |
Single 次はシングルのHighクラス見る。クワドルッツをとぶ男性が1人,まだ成功率は3割といったところ。でも,うまくいった時 はトリプルトゥとのコンビネーションもおりる。Ice Houseには優秀な男子シングルの選手がいないといっていたけど, そんなことはないんじゃない?アメリカ全体のレベルが高いので大変なのだろう。 サラ・ヒューズを何度も見かけるのだがいっこうに滑る気配がないと思っていたらようやく靴をはく。しかし,シングル 練習中のリンクではなく,誰も使っていない Rink_3 へ。カメラの機材が沢山セットされいて,どうやら何かの撮影らし い。氷の上に座り込んだり,寝転んだり,終始笑顔,スター選手は大変だ。結局氷上の彼女を見たのはこの時だけ,サラ が普通に練習するのは見れなくて残念(後日知ったのだが、この当時故障で1月ほど滑れなかったそうだ)。 |
Ice Dancing お次は待望のダンス。ダンスの時間は滑ってもいいと言われているが,ピーターの巨体が猛スピードで動きまわる同じリンク で滑ろうとは思わない。この時間はあくまでも選手の練習時間,万一あんなもんにぶつかったら生きて日本に帰れない。落着 いて見ている方がいい。 タチアナが寄ってきてニッコリと笑い,「こんにちは,私はサーシャのワイフのタチアナ。さっきは私達のために素敵なプレ ゼントをどうもありがとう。お洋服もかわいいし,フォトスタンドはとても綺麗ですごく気に入ったわ。」とわざわざ御礼を 言いにきてくれる。はにかんだ笑顔がものすごく可愛い。 ダンサー達が準備に入る。 ン?ローマン・コスタマロフ君,ここで着替えるの?おもむろに公衆の面前でズボンを脱ぐ。ホッケーの選手はよくやるけど ・・・あなたは優雅をモットーとするアイスダンサーではなくって?あ〜あ,白のブリーフが丸見え。下を着替えたと思った ら今度は上を脱ぐ。つい見てしまう,ローマン・コスタマロフストリップショー。ふーん,服の上からだとわかりにくいけど, やっぱり鍛えてるのね,すごい上半身。ピーターはそんなことはしない。ちゃんと着替えも済ませている。 |
ナオミ&ピーター,タチアナ&ローマン,朝と同じお子様1組がウォームアップ。最初は組まずに個々に滑る。
フォアストローキング,バッククロス,6ステップ,ラン,バックストローキング,ダブルスリーなどなど,ISUビデオ
のウォームアップと同じ。お子様達も綺麗にダブルスリーを決める。 一番時間を割くのはキリアンとオープン(フォックストロット)ポジションでのフォアストローキング。 さっきのレッスンでもそうだったが,いつも言われることなのだが,フォアスケーティングをインのみで,特にオープンの 時はアウトへ出ないようにと注意されているがピンとこない。 しかし,百聞は一見にしかず。 そうか,チェンジエッジをインでした後,体がまっすぐ進もうとすればアウトにはのらないんだ。当たり前といえばその 通りだが,ようやく理解できた。ピーターのエッジが一番クリアでわかりやすい。 |
ところでダンスが始まってもう30分ぐらいになるのに,ジューリンさまは?そろそろウォームアップも終りなんだけど。 見渡すとランニングに短パン姿のラフなオヤジが後ろに。「なんなのよ,この場違いなオヤジ,お腹だって出てるし」 と顔を見ると,あら,ジューリンさまだわ。しかし,このカッコだけ見たら誰もこのオヤジがあの 氷上に愛の世界を紡ぎ出す夢のアイスダンサー,アレクサンダー・ジューリン だとは思うまい・・・まあ,いいわ,ジューリンさまならハラマキにステテコでも許すわよ。 その場で上にハンテンを着込んでリンクへ。氷の上に立つと顔つきまで変わっちゃってさっきのオヤジとは別人。 |
フリーのレッスンが始まる。まず,タチアナ&ローマン組。ちょっと不気味な感じの振付け。死神とかそういったイメージ
(Elton John の Funeral for a friend を使うときいて納得)。ローマンがジューリンさまの言う通りに全然動けない。
見ている分には明らかに彼がジューリンさまの求めるものと違うコトをやっているのはわかる。タチアナはイメージ通り。
あまり男女を感じさせないユニセックスなプログラムのようだ。流れを意識的に止めるような動きやジューリンさま独特の
手の使い方が面白い。 |
次にナオミ&ピーター。ここはピーターが1人で滑っている。ピーターがナオミを手玉に取るマジシャンという設定なら
その通りだけど,それにしてもナオミの希薄な存在感。現役では私の一番のお気に入りダンサーはピーターなので,余計
にこのチームの力量差がもどかしい。パワーやテクニックだけではなく,彼は表現力が豊かなのでいろんなことをやって
みて欲しいが,ナオミがあんなお決まりでは限界がある 練習中にナオミが1人だけリンクサイドへ上がってしまう。ピーターとジューリンさまはああだこうだと話し合っている。 年齢のせいかもしれないが,ローマンはジューリンさまの言うがままだがピーターは自己主張がはっきりしている。 ナオミ達のプログラムは昨シーズンのイメージを踏襲しているけれど,現時点ではもっとパワフル。しかし,人前で滑る時 にはバランスが大切だから,ピーターがパワーを落とすのかもしれない。だとしたらもったいない。誰かもっと足のある パートナーと組めばダイナミックなものが見れるのに。 |
タチアナ組は見た目のバランスがいい。あとはローマンがどこまで細かい動きをタイミングよくこなせるかだと思う。 まだ両方とも振付け中のプログラムなので,曲の途中まで。ジューリンさまの感性は他のコレオグファーとはちょっと違う ので,こういうクリエイティブな創作の過程が見れるのは面白くて刺激的だ。 |
ある程度指導してあとはしばらく選手任せ。急に1人で滑り出したと思ったら,ダブルサルコウなんてとんじゃったりする。
きれいなランディングに思わず拍手。もう1回とぶ。それにしてもよく滑る。リフトはやはり痛めた腰にひびくからかやら
ないが,それ以外は選手以上に滑る。リフトなんていらない,やっぱりこの人の滑る姿が一番好きなのでずっと見ていた
いと思う。リタイアなんてもったいなさすぎる。 |
(つづく) |
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Create:2000.09.07