Aug.4th(Fri)
夢の初体験♪♪

さて,1回目のレッスンはシングルのOPENの時間,上はTeam USAの選抜メンバーから下はやっと前後に進むとい うビギナーまで,いろんなレベルのスケーターが14〜5人,各々レッスンを受けたり自主練したり。

以前,ジューリンさまの前で腰が抜けた前歴があるので,レッスン前は「失神したらどうしよう」と今にも心臓 が爆発しそうにドキドキしていたのに,氷に降りた瞬間,ミーハー気分はゼロ,ふだんのレッスンモードに切り 替わる。生徒としては満点だが,ファンとしては失格のような気もする。

5分ほど足馴らししてレッスン開始。あのサーシャ・ジューリンが横に並んで滑っているなんてまだ信じられない。 周回しながら,今はヨーロピアンとフォーティーンを練習中と説明,じゃあ,それを中心にベーシックストロー キングをやろうということになる。ここでいうストローキングとはエレメンツ全般のこと。上級者だと,難易度の 高いステップワークも全て含む。

Lesson その1:フォアストローク&プログレッシブラン
ストロークはチェンジエッジのインサイドをもっと強く,フリーレッグは足の付け根から開いて爪先まで神経を 使って伸ばす。チェンジエッジのあと,すぐフラットからアウトにのっているのでインの強弱のみで滑り,フラ ットとアウトにはのらないこと。足を替える時は靴は真っ直ぐそろえないで爪先は開いたまま。
ランも外側のフリーレッグはもっと開く,内側のフリーレッグはサイドへ綺麗に伸ばすように注意,どんな時で も爪先が下を向いてはいけない,などなど。
言われた通りにすると「Much better」,2〜3周したあとで次へ。まだ平和。

Lesson その2:フォアインサイドストローク
レフトインが苦手なのを一歩踏み出した途端に見破られてしまう。ほんの瞬間のことだがインで滑り出せない でフラットで出るからだ。ライトインは大丈夫。
左の腰をちゃんと開くこと,インエッジが甘い,フリーレッグのオープンが甘い,腰と肩の向きがおかしいなど など,手取り足取りの矯正開始。オフアイスなら気絶しそうに嬉しいが,「ここまで開かないとダメだ」と容赦 なしに股が裂けそうなぐらいフリーレッグを引っ張られて,「顔は正面,顎は上げて下は向かない,肩の力は抜く, 右の腰は円の内側を向くけど上半身はひねらない,etc.」と五体がバラバラになるかと思うぐらいなおされて, 「イタタタ・・・」と情けない悲鳴をあげてしまう。全ての筋肉のパーツは自由に動かせないといけない,常に 意識して滑るようにとのこと。Sancerreは普通の大人としてはかなり体も股関節も柔らかい方だが,とてもきつい。

どんな時でも頭の真下にスケーティングレッグのスケート靴があるようにと諭され,「正しいエッジとバランス なら,チョクトーでもなんでも簡単にできるんだ」とカウンターやロッカーもみせてくれる。スピードにのせて いるわけでもないのにエッジがものすごく深い。氷とほとんど平行。人間離れしている。
転ぶ寸前までインにのせてフリーレッグをめいっぱい開いてようやくOK。このあたりから,庶民スケーターにも 手加減なしであることにと気付く。

嬉しいのは何かをやる前には必ずジューリンさまがお手本を見せてくれることだ。どんな簡単なことでもあの足と 靴とエッジが一体化したすばらしい足さばきが目の前で展開される。まるで夢を見ているようだ。
しかし・・・「Miyukiのはこうだね」と笑いながら,必ず私の下手クソな滑りの真似がセットになる。
「ちょっと,ジューリンさま,ワタクシ,いくらなんでもそこまでひどくなくってよ」と抗議したいところだが, メダリストの目にはそんな程度???けっこうくやしい気分。

Lesson その3:フォアのシャッセ
ラン→シャッセ→ラン→クロスビハインドの繰り返し。シャッセはそこそこだがクロスビハインドが全然ダメ, 自分で自分の靴を蹴るとは何事だとあきれかえっている。抜き差しのタイミングが悪いのだが,彼のカウントに 合わせると早すぎて間に合わない。でも,フォーティーンを練習しているのならゆっくりやるのは意味がない, テンポを落とせばできるのは当たり前,そんなものを自分が見る必要はないと言う。
左右両周りとも10セットぐらい続けて,「最初よりちょっとはマシかな,今日はこれぐらい」とお許しを頂く。

Lesson その4:フォア左右交互のシャッセ
インもアウトも時計周りが苦手なので,またさっきのインサイドストローキングと同じ話しに戻る。
フリーレッグ,エッジ,腰の位置,体や頭の向き,その他諸々,数え切れないほどのケチがつき, 「Try again!!」の連続でリンクを何周も滑る。苦手方向で姿勢を正しくしようとするとバランスを崩して スピードが落ちてしまうが,その途端に「More speed and more power!!」とリンクの反対側にいてもどな りとばされる。Sancerreはあの顔と雰囲気によく合っている,ジューリンさまの少し低めの声がとても好きだが今 は別だ。館内に響き渡るような声でしかられるんだもの。

無理な注文はしないが,彼なりにこちらの実力に応じた「本日の合格点」のようなものがあり,そこに達する までは
「まだダメ?」と上目づかいでお伺いをたてても「もう1度」と絶対に首を縦にしない。でも,その都度,何を どうした方がいいという的確なアドバイスがありとても丁寧にみてくれし,こちらの疑問には納得のいく答えを くれる。

Lesson その5:フォアクロスロール
ポイントはニーベンド(膝のダウン)を深くし,スケーティングレッグはアウト,足をクロスさせる直前のカーブ でスケーティングレッグにタメを作り,クロスした瞬間に一気に前方向にエネルギーを放出する。
後ろ足が前足を追い越す時は,後ろがすーっと寄ってきて一瞬平行,追い越す瞬間は内股気味,抜かして足を置 き替えた瞬間にアウトに出る。メリハリは必要だが,ポンポンと前に足を置いていけばいいというものではない。
足をクロスするのと体重の移動のタイミングが合っていないので,せっかくクロス前にためたパワーが活かしきれ ていないと注意される。前に出る気持ちはジャンプするぐらい,でも,足は滑らせて粘り強く滑らかに。難しい。

Lesson その6:フォアアウトスリー
永遠の課題,スリーターン。最初は同方向の連続スリーだったが,細かい注意点が多すぎるので,1回ずつに変更。 時計周りは「まぁ,いいでしょ」と軽く終ったが,嫌いな反対周り,レフトフォアアウトスリーは徹底的に絞られる。
「バックになった後,上半身が後ろへそりすぎ,向きが変わる瞬間に息を吐いて腹筋に力を入れてお腹を引っ込め て」と私のタヌキのようなお腹をポンポンと叩く。
ドロップスリーなのにターンした後のダウンが足りない,左がフラットだからもっと十分インにのせてから右アウトへ のせかえること,その方がスピードが出る。
ダンスではパートナーがいると上半身の動きが制限されるので,肩や腕ではなく,あくまでも腰から下で調整する。
足の前方ではなく,踵でまわるぐらいのつもりで,足の裏全体に氷を感じるように。
繰り返すとターンの度に軸が少しずつずれていくので,一定に保つこと。
結局スリーターンの基本,フリーレッグを踵にTでつけたまま,ターンしたスケーティングレッグをインでキープと いうところへ行き着く。ふだん苦戦しているものは,相手がジューリンさまだからといって急にできるようになる わけではない。

「ちょっとクローズド(ワルツホールド)で組んでみるから」
ンまぁ,やったわ!!遂に夢の差し向かいホールドよ〜,正面から見上げると本当にイイ男♪♪
とうかれていたのも束の間,ジューリンさまは「ホラ,軸が一定してないと相手を振り回すだろ,これじゃヨーロピ アンはできないよ」ということが言いたかったので,あっちやこっちへブンブン振り回されて,ハタから見てると 優雅なワルツどころか柔道一直線 オン アイス。ジューリンさまと憧れのワルツっていうのはいったいどこへ・・・

ラストはストロークを3周ほどして終了。あ〜疲れた,もうヘトヘト。
アドバイスされたことは細部に至るまで,ふだん日本で耳にタコができるほど言われていることと同じなので英語 でも全部理解できる。
ピーターやナフカのレッスンなんて入れないでよかった。とてもじゃないが体がもたない。
ジューリンさまから「疲れた?でも,そのぐらいじゃないとプラクティスにならないからね。今日,言ったことを 忘れないでもうちょっと練習して。じゃあ,明日の12時にまたここで」とのお言葉。御礼を言って5分ほど休憩, あとは本日の復習に励む。

(つづく)

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Aug.5th(Sat) Tatiana Navka ここで滑る??? See you!!



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Create:2000.09.07