不定期感想の部屋(2005年)
2005年4月14日作成
最終更新日 2007年4月15日

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【12月12日】
2005年不定期感想(その19)

【コミック】
NANA(矢沢あい/小学館)ファーストインプレッション

 この作品では現実的な問題に妙なリアリティーを感じた。それは、学生時代の恋愛と、社会人になってからの恋愛はまるで別物で、そのギャップを丁寧に表現していたことに感心した。精神レベルが子供なハチこと「小松奈々」は、ひたすら己の欲望を求めて彷徨ってしまう。ハチの行動は、とてもではないが一人前の大人ではないし、傍から見ても人としてどうかと疑問に思うことはある。
 ただ、そうやってお子ちゃまなハチが、周りに迷惑を掛けるからこそ面白いし、だからこそ、ハチが実質の主人公ということになっているのであろう。彼女の我侭で周りが振り回されていくだけでも十分面白い。1人の女を独占したいと思いながら、思い通りにならなずに別の人に癒しを求める。最低だと思いながらも、仕様がない事情も理解できるだけに、今後もどんな展開になるのか気になって仕方がない。

【アニメ】 機動戦士ガンダムZZ1

 本当は劇場版のZガンダムについて書く予定だったのに、ガンダムZZ1話でこれまでのおさらいをしていることを知って、ZZの1巻を見ているうちに、いつの間にかこっちの方に惹かれていた。
 まず内容よりも、オープニングで掛かる洗脳ソングのインパクトに度肝を抜かれた。タイトルからして「アニメじゃない」という挑発的なものだし、全編現実逃避丸出しな歌詞に至っては、その潔さに清清しさを感じずにはいられない。特にサビで「アニメじゃない、アニメじゃない、ホントのことさ」と言い切ってしまうところなんか、もう最高。歌詞だけを眺めていると、とても正気の沙汰とは思えないが、歌うことを前提に考えると、全て「母音」で構成されているので、実際に歌ってみると結構気持ち良かったりする。意図してかどうかはともかく、ZZのオープニングは表向きの軽さとは裏腹に、実は計算されていたのではないか、そんな気がする。
 本編はというと、前作のZ(といっても劇場一作目しか視聴してないが)と比べて、非常にコミカル、且つ判りやすい内容によって、ZZの世界観は思ってた以上に親しみやすかった。明るく前向きな主人公というのも、好材料の一つ。話だけ見れば普通のスーパーロボットアニメではあるが、機会があれば続きも見てみたい。




【10月16日】
2005年不定期感想(その18)

【漫画】 最近のサンデーで気になる作品

 サンデーで唯一コミックを購入している「ハヤテのごとく!」は、以前指摘したとおり「ネタの充実度」が、面白さのバロメーターと直結している。ネタそのものも、マニアックなものだった当初は、大いに楽しませてもらった。それが、最近では笑いが判りやすい方向へ、シフトしてしまっているのがちょっと気になる。現状でもそこそこ面白いし、長期連載の為には仕方がない気もするが、初期の頃の破天荒でマニアックな展開に戻してほしいとも思う。
 「あいこら」は「特定のパーツに興味を抱く」というアイデアが、一部で話題となったが、近年では好みの細分化は当たり前と思っている自分としては、それ程驚くようなことではなかった。「右手が恋人」というようなインパクトもなく、以前と変わらぬラブコメとしての面白さも先細りしつつある。このままでは現状、そう長くは持たないであろう。
 「道志郎でござる」は個人的には結構好きなタイプの作品ではある。前作「天使な小生意気」を彷彿させる頭を使って敵を撃退する展開には、唸らせるものがある。ただ、力の桐柳道志郎、知の小坂健助で役割分担することで、キャラの魅力までもが半減してしまったのが、残念でならない。46号を読んだところ、最終抗争の伏線が張られたようなので、この作品もそろそろ潮時かもしれない。

【コミック】
さよなら絶望先生 第一集(久米田康治/講談社)

 絶望で満ち溢れる現代で、希望なんて口にしても、所詮は胡蝶の夢の如し、なんて揶揄される昨今。全ては絶望に包まれた世の中を、類稀で不可思議な自虐ギャグで苦笑させる。そういう負の連鎖を前面に押し出した作品であるといえよう。希望よさようなら、そして、こんにちわ絶望先生。言葉にするといろんな意味で痛いのであるが、夢も希望も救いもない現実を考えれば、このくらいネガティブな作品が生まれてくること自体、なんら不思議ではない。

【CD】 スーパーユーロビートVOL.160(エーベックス)

 ユーロマッハ、ユーロビートフラッシュ、といったどちらかというと裏街道を行く楽曲(中には名曲もあるのだがそれはさておき)をリクエストの選曲に入れなければならないとは、本家スーパーユーロビートも落ちぶれたものである。投票の結果を見ても、実際の投票数こそ公表されてないものの、コメントを信じる限り、現状ユーロビートを支えているのは、かつてミーハーなパラパラ族の亡霊達というのが、今後の未来に暗い影を落としそう。純粋な曲の求心力も年々低下し続けているし、このままではユーロビートというジャンルの存続が本当に危ないかもしれない。そんな危機感を今回のVOL.160では痛感した。




【10月1日】
2005年不定期感想(その17)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー 最終話(TBS)

 まさか、あのような結末になるとは思わなかった。タリア艦長、あなたがデュランダルのことをそんなにも慕っていたとは・・・。だから、明らかに彼が事件の黒幕ではないかと気づいても、ミネルバの艦長として残らざるを得なかった。いろんな意味で活躍してくれたデュランダルとレイが、揃ってお亡くなりになるが運命というのはまだしも、そこにタリアまでよもや加わるとは想像してなかった。世界を掻き回した2人は当然の報いであるが、そんなこともひっくるめて、デュランダルを愛し、レイを許した。そんな懐の深さを見せたタリアまでもが、一緒にお陀仏だったことがなんとも切ない。
 49話からシンは主役を降板させられている。いつまで経っても成長しないのでは致し方ない。その最たる原因は、彼の事を親身になって心配していたのが、アスランだけだったことだ。それ以外は、自分のことしか考えない連中ばかりで、シンは最後までいい様に利用された。デュランダルやレイは言わずもがな、ルナマリアにしたって、やり場のない怒りをシンに肩代わりさせる為に接近したようなものだ。「ダイダロス」攻略前での抱擁はもちろん、最後にとある月面でシンを慰めていたのも、彼に守ってもらう為の戦略な訳で、恋愛感情なんて最初から芽生えてなかった、といっても差し支えない。周りがこれでは、成長させられる道理がない。
 そもそも、今作は最初からコミック版「〜ジ エッジ」のようにアスランを主役に据えて、シンは新脇役として陰ながら活躍させていれば良かった。ただ、そうなってしまうと新キャラの紹介はどうしても減るだろう。そうなれば、今まで以上に露骨なバンクや回想シーン、並びに総集編ばかりという、見るに耐えない仕上がりになっていたかもしれない。
 にしても、あっさりと決着が付いたものだ。「レクイエム」とそれに付随するコロニーを巡っての戦いも、終わってみればキラ側の陣営が、数で勝るザフト軍を圧倒していた。そのことが、「レクイエム」を発射寸前で阻止できた理由であろう。49話でデュランダルが言い残していた「問題は数でも装備でもない、問題は・・・」は、結局のところラクスと同様で「時間」だったのではないか。「メサイヤ」による「ネオ ジェネシス」で敵を効率良く排除し、あわよくば「レクイエム」で「オーブ」を討てれば、などと考えていたようだ。残念ながら、僅かな差でその作戦は失敗に終わったけど、もし討たれていたら、そう考えると結構怖いものがあるな。
 そういえば、49話の最後にデュランダルが「今度こそ消えて頂こうか、ラクス クライン」と、自らラクス暗殺をカミングアウトしていた。もしかして、これこそがどんでん返しだったとでもいうのか。最終話では碌な説明なきまま閉幕しているので、例の台詞とこれまでに散りばめられたヒントを手掛かりに、デュランダルが一連の事件に関与していたということで、どうやら納得しなければならないようだ。
 それはさておき、最終話を見た限り、問題は何一つとして解決していない。そればかりか、続編を匂わせてさえいた。その辺のことは、噂の最終シリーズで全てに決着を付けるのだとは思うのだが、果たしてどうなることやら。




【9月25日】(10月1日加筆修正)
2005年不定期感想(その16)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー49話(TBS)

 いずれデュランダルは暴走の一途を辿るとは思っていた。それが、こんなにも冷静な精神状態で移行するとは思わなかった。もはや彼の独壇場で物事は進められ、それ以外の議員はどう考えているのかなんて、まるで無視されている。それでありながら、デュランダルが掲げた「デスティニープラン」実行の為に、反抗する勢力は皆殺しという流れは、一見すると前作に於ける「パトリック ザラ」と、同じ様相を呈しているように見える。違うとすれば、ザラはナチュラル憎しと感情的に訴えるだけで、それ以上の根拠は示せなかった。その点、デュランダルは綿密に計画して人心を掌握しただけでなく、そうなることが当たり前であるかのように洗脳させたことが、今のところ功を奏している。
 ラクスとデュランダル、2人の主張は、双方共に正しくもあり、間違いでもある。故に問題はややこしく、解決への道というものは果てしなく険しい。尤もらしい理屈でありながら、それを守るためには闘うしかないというのも同じ。このような醜い争いを無用に拡大させた一番の張本人は、デュランダル以外にないと今でも信じてやまない。しかし、ラクス(とその仲間達)にしても、理屈ばかり並べ立てるばかりで、具体的な策がまるでなかったというのも、大きな問題だったといわざるを得ない。
 それにしても、一連の事件の真相云々はこのままスルーされてしまうのだろうか。一縷の望みとして、デュランダルが死の直前で事の真相を自ら語る、なんて大どんでん返しの噂があるやらないやらで、それが事実なら、それに越したことはない。これまでのデュランダルとレイの動向を見ている自分としては、偶然の出来事を頼みに、計画を練るような頭の悪い連中とは到底考えられない。一連の事件を手引きし、その後の事態がどのように推移するかを見据えつつ、「デスティニープラン」実行に辿り着けるにはどうすればいいのかを、2人は時間を掛けて勘案していて今に至る。というようなオチであることを、今は草葉の陰から祈るより他にない。




【9月18日】
2005年不定期感想(その15)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー46〜48話(TBS)

 情報収集活動か、せっかくムー・・・もとい、ネオ・ロア・ロークがいるのだから、新型ガンダムの情報を、どのようにして仕入れたのかを訊いてほしいものだ。そうすれば、あまりにもあっさりとザフトの兵器が、ナチュラルの部隊に奪われてしまった原因なんかも判るだろうに。それ以外は正直難しいか。ユニウス7落下テロやラクス暗殺未遂の犯人は、全て死亡しているだろうし、生き残りがいたとしても、デュランダル(もう彼の事を議長と呼びたくない)がそれを絶対に許さない。彼の性格を考えると、悪巧みの痕跡は全て隠滅しているだろう。だからこそ、ネオから情報元を聞き出すというのは、真実に近づく第一歩になるはず。全くもってそれらしい描写はないのだが、もしかしたら、既に彼から強奪に関する情報は聞き出しているのかもしれない。ていうか、そうであってほしい。
 今までもそうであったように、やはり、デュランダルのやり方には誠意がないということを、46話で改めて痛感した。ミーアだって本物のラクスがどんな人柄であるかを知れば、暗殺なんて出来るはずもない。これまでの経験にプラス、彼女と話しをすることで、ミーア自身の中で大きな変革は確かに起きたようだ。銃口を向けられたラクスを、身を挺して庇ったのだから。そのせいで、ミーアは亡くなってしまうのだけど、それだけでデュランダル憎しとなるには、ちょっと無理があるか。
 とはいえ「もっともらしい目的の為なら何をやってもいい」というデュランダルやレイの考え方には虫唾が走るのも事実。どんなに策略を巡らせる知恵に長けていても、それが、大勢の人々を苦しめる結果(ユニウス7落下、デストロイ、レクイエム)をもたらせては何にもなるまい。普通の神経の持ち主なら、最悪の事態が起きることを気づいていながら、素知らぬ振りをしていられる道理がない。そうして犠牲となった人々を逆に利用して、己の欲望(デスティニープラン発動)を満たそうと熱弁を振るうデュランダルこそ、人類の真の敵であると言わざるを得ない。
 ちなみに、キラやラクス達が説明した「デスティニープラン」は、あくまでも推測に過ぎない。もしかしたら、彼等が危惧するほど恐ろしい計画ではないかもしれない。だが、これまでのデュランダルの態度を見ていると、どうしたって疑わざるを得ない。表向きは話し合いに応じるようなことを言っているが、それは彼と同じ意見の場合のみであって、対立する意見は聞く耳すら持たない。本当ならキラ側とデュランダル側が手を握って、平和の世界となるべく努力するのが望ましいのだが、デュランダルの性格を考えると、もはや無理であろう。
 47話でミーアが所持するディスクから判明したことは、全体の3分の2を使って彼女の日記を過去から振り返るという総集編紛いの内容だった。残りの時間は、デュランダルが「デスティニープラン」の宣言に大半は費やされた。その演説によって明かされる人類が犯してきた罪状というものも、判らなくはないし、遺伝子で一生を決めるというのも魅力を感じる。これに対して、キラ側の人間(キラはもちろん、ラクス、アスラン、カガリ)はどのように反論、もちくは反撃するのかが、シリーズ最後のポイントになるかな。
 これまでレイは、事ある毎にあらゆる手段を講じてシンを洗脳し続けてきた。時には恫喝して脅したり、48話ではかつてない微笑みを浮かべながら宥め賺したりなんてしていた。それもこれも、アスランが言う「戦う為の人形」としての価値がシンにはあるからだ。流石に最近は何かが変だと気づきつつあるものの、それでもデュランダルを信じようと必死に努力する姿には哀愁が漂っている。だからこそ、レイは「何があろうと、誰がなんと言おうと、議長は正しい」ということを念を押して吹き込んだんだと思う。
 今のシンは、頭の中では何かが警告していても、それが具体的にどのような危険なのかまでは察知出来ない状態にある。それに比べれると、ルナマリアはアスラン尾行である程度裏事情を得ているし、レイからの洗脳も受けてないこともあって、思わせぶりな態度を見せているが、果たして、どの程度のところまで理解していて、その結果、どのような判断を下しているのか。このままの精神状態で戦闘に突入して、シン、レイ、ルナマリア、そして、肝心要のタリア艦長はどのような結末を迎えるのか。残り2話ということになり、一連の事件の真相が語られることは、どうやらなさそうな流れなのが残念であるが、そのことも含め、どのような形で締めくくられるのか、じっくりと見定めていきたい。




【8月28日】(9月18日加筆修正)
2005年不定期感想(その14)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー44、45話(TBS)

 どうしてデュランダル議長はポカンと口を開いたまま「馬鹿な・・・」と呟いたのか。それは、本物のラクスはまだ宇宙に潜むエターナルにいるとばかり思っていたからだ。まさか、ラクスがジャスティスに搭乗していたとは、夢にも思わないだろう。そういう意味では、ジャスティスにラクスを乗せるというキラのアイデアは、議長に「馬鹿な・・・」と言わせる程の非常に優れた発想だったといえよう。
 本物のラクスとしては、こちらで握っている真実を公表したかったであろうが、生憎確証がない現状では、そういう訳にもいかなかった。それに、いきなり出てきても説得力がないことは、自身も承知しているはず。しかし、ラクスの本当の狙いは、これまでの事件に議長が関与していた事実の暴露と、デスティニープラン実行阻止にあるので、自身が本物として登場した意義は大いにあったと言えよう。
 その後、議長は「だが、もう遅い、ここまで来てしまったのだから」とかなんとかのたまっていた。確かにロゴスを滅ぼすことであるなら、もはや、それを止める手段はない。実際のところ、「ロゴス」憎しで染まる現状の世界情勢下では、本物のラクスの登場でミーア扮するラクスが偽者ではと疑われようが関係ない。それに、恐れていた「レクイエム」でプラント本国が撃たれてしまうことさえも、事前に情報を掴んでいたようだ。機動要塞「メサイヤ」に逃げて含みのある表情を見せる議長から察するに、どうやら事態は彼の思惑通りに進んでしまっているようだ。本物のラクス登場で一瞬世界は混乱したものの、45話で「レクイエム」を配する「ダイダロス基地」はあっけなく陥落、同時にジブリールもついに瞬殺。
 これで、残るはこれまで起きた事件の全貌が、白日の下に晒されるかどうかであろう。真相究明に向けて、アークエンジェルはもちろん、「オーブ」も当然介入するだろう。今後のポイントは如何にして事実を探り出し、然るべきタイミングで公表するかである。それが闇に葬られれば、議長の野望が達成されてしまう可能性もあるだけに、今後の成り行きもまだまだ目が離せない。
 今回のことで「最小限の犠牲で目的を達成しようとしていた」のは思い違いであることに気づいた。「レクイエム」が放たれる前後の議長を見ていると、プラントが大変な惨状になることを、予め予期していた。結局のところ、最終的に目的が成し遂げられれば「どんなに多大な犠牲を払おうと」意に介さない。きっと議長とレイは「レクイエム」に関する情報をある程度把握していたに違いない。だからこそ、議長はそれを恐れてわざわざ機動要塞「メサイヤ」に逃げ込んだのだ。いざプラント本国を直撃したのを見て、しばらくしてから急に怒鳴りだしたのも、レイが「レクイエム」の情報をすぐさまシンとルナマリアに開示して見せられたのも、そうした背景があるように思えてならない。もしそうだとしたら、デュランダルとレイはジブリール以上の罪人といっても過言ではない。
 「デスティニープラン」とは、全ての人類をコーディネーター化するだけでなく、予め定められた役割のみを遂行する操り人形として、人生を全うさせようというものらしい。そこには、余計な感情というものは一切排除されているので、本人はそのことに気づかないまま一生を終える。その前提には、優れた遺伝子を持っていなければならず、そうでなければ淘汰されてしまう。
 確かにこの計画が理想どおりに実行されれば、一切の争いというものが無くなるであろう。問題があるとすれば、強引な手口で事が進められている疑いがあることと、管理する人間次第では如何様にも悪用されてしまうことだろう。人生を操るというシステムを利用すれば、莫大な利益を得ることも出来るだろうし、それを巡って醜い争いも起こるだろう。ともあれ、いくら平和の為だからといって、バレなければどんな悪事に手を染めてもいいなんてことは、やはりあってはならない。
 前々から薄々気づいていたこと(ミーアを処分すること)が、どうやら現実のものになりそうだ。本物のラクスの言葉の前では、所詮付け焼刃でしか語れないミーアは敵わない。放送を見ていた議長はそう判断したことだろう。それからの彼の行動は素早かった。すぐさまミーアを呼んだ議長は、これまでの功績と身の安全を、柔らかな表情で説明した。確かに、何事も無く時が過ぎればそうなのだろう。しかし、議長にとって都合の悪い事態になれば、そんな約束なんか簡単に反故されて「すぐさま抹殺」なんて事態になりかねない。とはいえ、議長の言うことに素直に従っただけで、ミーア自身にはなんの落ち度も無いことを考えると、このままむざむざと殺されてほしくはないという気持ちもある。
 今作品でのテーマとして、性善説と性悪説の対立が物語の背景にあるように思えてならない。キラやラクスは性善説であることを前提に、人の力で再生しようと考えている。逆に議長は性悪説であることを前提に、遺伝子を操作して人の運命を決めてしまおうというものである。ただ、私から言わせて貰えば、どちらも極論過ぎていずれの思想も支持しかねる。が、どちらかと言えば、議長の考えの方に一理あると見ている。
 確かに、キラやアスランのいうように、自分の力で夢を追い求められることが理想ではある。しかしその結果、争いが絶えない世界になってしまったことも事実。今までのやり方が間違っているのは明らかである。だから、デスティニープランでやり直そうという議長の気持ちは判る。ただし、問題はそれを管理する人間が完璧な善なる心の持ち主でなければならず、そこに議長の主義(性悪説)との矛盾がある故に、彼のプランも懐疑的にならざるを得ない。




【8月15日】
2005年不定期感想(その13)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー41〜43話(TBS)

 41話は今までの中で最も工夫の無いただの総集編だったので、これについて語るべき事象は何一つない。
 42、43話は新しいモビルスーツのお披露目という様相を呈していた。すでに顔出しはしているデスティニー、レジェンド、ストライク・フリーダムに加え、アカツキ、ジャスティス、ドムといった新参者も登場。それらの活躍をみせながら、次の展開を小出しにという感じだった。病み上がりのアスランが、ジャスティスをどの程度自在に操れるのか興味があった。実際、シンとレイを相手に窮地に陥ったキラのところへ颯爽と登場する、という燃える展開は判っていても興奮する。ジャスティスの性能も気になるが、それ以上に種割れしたアスランが大暴れするかかどうかが気掛かりだった。そうしたら此度の戦闘で、アスランは今シリーズになって初めて覚醒した。一瞬ではあったが、同じく覚醒したシンを凌駕したかのような実力だったのが、何気に嬉しかった。
 その後は大方の予想通り、カガリが陣頭指揮を執り、そして、アークエンジェル、フリーダム、ジャスティス、ドムの参入によって、戦局の優勢はオーブに大きく傾いた。気になるのは、戦闘の勝敗ではなく、その後のタリア艦長の報告に対するデュランダル議長の受け答えである。議長曰く「(撤退の)判断は適切だったと思うよ」なんて仰っていたが、豈図らんや、心中穏やかではなかったはずだ。
 43話でいよいよカガリの声明発表となったが、非常に興味深い展開を見せてくれた。カガリが世界に向けてコメントすることを予期していたのか、暫くして偽ラクス(もちろん仕掛け人はデュランダル議長であろう)が電波ジャックし、そこからさらに電波を奪い返した時に本物のラクス・クラインまでもが登場。これだけでも素晴らしかったが、その直後に「馬鹿な・・・」と言って普段慌てることのない議長の少し動揺した態度に、興奮の坩堝はより大きなものと化した。個人的には、不足の事態が続発して我を忘れた議長が、次第に心を蝕ませ、やがては暴走していく様を見てみたいものである。
 これまで、大局的には議長の思惑通りにシナリオは進んでいた。それが、今回の声明で本物のラクスが現れたばかりか、キラとアスランが生きていたこともいずれ知るだろう。そうなれば、オーブを一網打尽するという計画は暗礁に乗り上げざるを得ない。思い起こせば1話の時点ですでにカガリと議長の交渉は半ば決裂していた。なんとしてもオーブを討ちたいのだとすれば、次はどのような手を打ってくるのか。
 そして、本物のラクスと共にカガリは、一体どのような声明を出すのか。すでにその意思(声明の妨害)を示したデュランダル議長は、それにどのように応答するのだろうか。事と次第によっては局面が大きく変わるだけに、その成り行きを早く知りたいものである。
 さて、カガリの声明を邪魔する形でラクス扮するミーアは登場したものの、未だ彼女の身が危ういことに変わりはない。それは何故か、理由は彼女の正体を知る有力者(キラ、ラクス、カガリ、アスラン)が生存しているからだ。そして、ついに本物のラクスが現れたことで、世界に与える影響は計り知れない。まだこれでミーアの正体がバレた訳ではないが、ミーアの命日が刻一刻と近づいているような気がしてならない。




【8月6日】
2005年不定期感想(その12)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー40話(TBS)

 36話でアスランがミーアに「いつまでもラクスでいられるはずがない、いずれ殺される」と諭していた件については、やはり、現実になるように思えてならない。今までは、デュランダル議長の知名度の低さもあって、ラクスのカリスマ性を最大限に活かしていた。しかし、議長の信頼度が頂点に達した現在では、ラクスの必要性というものは薄れつつある。そうなると、ラクスの真相を知るミーアの態度如何では、生命の危機に瀕する可能性が十分考えられる。血も涙もない議長の性格を鑑みると、表向きはあたかも正当性があるかのように主張しつつ、裏では「お前死ねや」くらいの血も涙も無い暗殺指令を出しそう。もしそうなれば、その結末でミーアは「アスランの差し出す手を振り切らなければ」なんて回想が過ぎった後、断末魔と共に事切れる、なんてことが本当にありえそうで怖い。
 さて、本編ではこれまでの功績によってシン(レイも)はフェイスとなっていた。突っ込みどころ、というか指摘すべき点はいくつもあろうが、それよりも、その場に居合わせたタリア艦長(グラディスではなく、敢えてタリアと呼ばせてもらいたい)の聡明な判断に、最大限の敬意を表したい。彼女自身言いたいことは山程あったのに、何故それを進言しなかったのか。それは、今が告げるべきタイミングではなかったからに他ならない。
 恐らく、対立する意見に耳を貸そうともしないデュランダル議長の不誠実な対応に、タリアはほとほと嫌気が差したのだ思う。しかし、議長の悪巧みがはっきりとした訳ではないから、今は迂闊な発言は控えているだけに過ぎない。ただ、全ての真実が露見してからでは遅いだろう。その頃には世界が大混乱して、かつてのような凄惨な争いに発展していることが予想される。そうなる前の段階で、それもデュランダル議長に悟られることなく、彼がしてきた愚行をシンのみならず、全ての民衆に伝えておきたい。ただ、それを告げるタイミングは、ローエングリン突破作戦ではないが、早過ぎても遅すぎても失敗に終わってしまう。だから、タリアは慎重ながらも、毅然とした態度を議長に示したのだ。それにしても、この2人の微妙な駆け引きというか攻防は、なかなか見応えがあった。
 14話で「まだ間に合うと思ったから」といってカガリを拉致ったキラ。この「間に合う」という言葉が、今回のことでようやくその意味が氷解した。つまり、一旦自国の理念を捨ててしまうと、遅かれ早かれとんでもない暴走への道を辿った挙句、最後は国が滅んでしまうことを、キラは薄々感じたのだろう。だから、そうなる前にカガリをオーブから引き離して、客観的に考える時間を与えようと考えた。まだ国を守る為の戦闘は続いているのでなんとも言えないが、少なくとも、依然とは比べ物にならないリーダーシップぶりを発揮するカガリを見て、少しは溜飲を下げさせてもらった。
 それよりも、問題はその後の急激な国の方針転換を、カガリは如何様にして議長に伝え、それに議長はどう応えるのかであろう。まさか、急に誠意ある対応をしてくるとは、議長もよもや考えてはおるまい。この予期せぬアクシデントは、議長にとって想定の範囲外に違いない。となると、自分の思った通りでないというだけで、議長がどんな失態を見せてくれるのか、それとも、あくまでも平静さを保って対処するのか、非常に見物である。
 もう一つ気になることは、ジブリールが言う「レクイエム」とは、前作でザフトが使用していた「ジェネシス」のような大量破壊兵器のことではないか。すでに壊滅させられたヘブンズベースでは「ニーベルング」という対空版「ジェネシス」を開発している。それを宇宙で活用して、プラントを壊滅させようと考えているのだとすると、なんとも恐ろしい伏線が張られたものである。




【7月18日】
2005年不定期感想(その11)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー38、39話(TBS)

 37話でアスランのことをレイは錯乱していると指摘していたが、これまで何度となく見てきたシンの歪んだ表情を見ていると、それはむしろシンではないかと思う。シンも真剣に考えようとしてはいたが、残念ながら戦士に特化していたことと、レイの言葉巧みな操縦術で、見事なまでの操り人形と変貌してしまった。シンとルナマリアによる捩れた感情が混在した会話の痛々しさは、見ているだけで居た堪れなくなる。議長は「人は皆、役割を果たすことで幸福になれる」なんて仰っていたが、実際にそれを達成した彼等の虚ろな表情を見れば、それがホントかウソかなんて問うまでもないだろう。
 ヘブンズベースがあっさりと陥落したことで、次はやはり連合と協定条約を結んでいるオーブということになるのか。デュランダル議長は当然のように「会話による解決」を声高に強調しつつ、降伏しなければ武力で制圧することを、オーブ政府に対しても勧告するだろう。それとも、その前に月を攻め入るか、もしくは、そのどちらに対しても、ということもある。それを、今度はキラ達が何かしら関与するというこになるのか。
 自分はデュランダル議長のことをとやかく言ってきたが、だからといって、キラ達のやってることが正しいかというと、それもどうかと疑問に思っている。とはいえ、今はそのことについては、後回しにしておこうと思っている。それより、デスティニーになってからのキラ達の行動を見ていて気になることがある。彼等が周りから誤解されてしまうのは、デュランダル議長のような司令塔がいない為ではないだろうか。
 いくら思うことがあっても、それを実現に結びつける参謀がいなければ、なんにもならない。単純に戦闘を止めるにしても、何の理由もなく闇雲に割って入ったところで、双方から邪魔者扱いされるだけだ。その為にも、まずはあらゆる情勢にあっても的確な判断の出来る諸葛亮孔明のような、聡明で実行力のある人材が求められる。そうした人材が発掘できないのであれば、せめて、議長にとって致命的な情報だけでも得ておきたいところだ。幸い情報のエキスパートであるメイリン、そして、新型ガンダム強奪実行犯であるネオ・ロア・ロークがいる。これで少しでも真実に近づければいいのだが、果たしてどうなることやら。
 そう思っていたら、39話で敵の偵察に見つかり、窮地に陥ったエターナルでラクスが「勝ちたい訳ではありません。守りたいのです」との台詞に深く感銘を受けた。自分の生命を賭してでも、その為に尽くしてくれた方々の恩に報いる。ラクスの取った最大限ともいえる誠意溢れる言葉にとても感動した。そして、それこそが、キラ達が目指したい方向なのかもしれない。今の時代、そんなこと言われても偽善だ何だのと揶揄されてしまうだろう。そうではあるのだが、そうであったとしても、他の誰かの為に命を懸けて守るという思想は、とても大切なことではないか。強い意志を秘めながらも、冷静に対応するラクスの姿を見ていると、彼女になら孔明のような役割も果たしてくれるかも、そんな淡い期待をしてみたくなった。




【7月17日】
2005年不定期感想(その10)

【コミック】 ハヤテのごとく!1〜2巻(畑健二郎/小学館)

 「ハヤテのごとく!」は、突っ込みどころが満載でありながら、それにチャチャを入れても存分に楽しむことが出来るところが、面白さの秘訣なのではないかと。きっと自分は「身も蓋もない突っ込みを入れて自爆する」といったしょうもないことで笑える話が好きなんだと思う。
 基本的にこのコミックに登場するキャラは、自分の非を絶対に認めようとしない。もちろん、世界は自分を中心に回っていて、いつかどうにかなるだろうと高を括っている。そんな我侭三昧な性格にプラス、アニメを基準とした価値観を持たせることで、自分のようなオタク世代のハートまでをもガッチリと鷲掴みする始末。こんなことでいいのか、このままでは世の中どうにかなってしまうのでないか、いや、すでにどうしようもないところまで逝ってしまっているという話もちらほらと・・・。
 主人公のハヤテ、ナギお嬢様といった登場キャラの面々のほとんどは、所謂天才型特有の困ったちゃん達である。ある特定の技能は秀でているが、それ以外のことに関してはサル以下。まあ、だからこそ、愉快で楽しいマンガであることは、否定しがたい事実なのかどうかは予測不能だったりするとするのだとすると、面白いということになるのか、やはり。
 そもそも、ハヤテが執事というのがちょっと疑問。執事とは事務の指図をしたり、実際にする人のことを指すのだが、それを取り仕切っているのはマリアなので、本来は彼女が執事ということになろう。ならハヤテは何かというと、現状では使用人ということになるかな。ま、別にどうでもいいことなんだけど、ホント。
 結局のところ、この作品の面白さのバロメーターは、ネタの仕込みがどれだけ詰め込まれているかにある。ただ、その大半が昔のアニメ、ゲームネタで面白さを見出そうとしているのが、多少気になる。面白いけど、それだけではいずれ枯渇してしまう。すでに連載している方では息切れしているようなので、まだ続けたいのであれば、別の方向性を模索しなければならないだろう。




【7月9日】
2005年不定期感想(その9)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー37話(TBS)

 アスランが知る真実を話してシンに動揺をさせるのか思っていた。そしたら、シンには「デュランダル議長は、やがて世界を滅ぼす」という抽象的な批判しか言わなかった。もちろん、言ったところでシンに信用してもらえなかったかもしれない。アスラン自身にしても、議長の言葉を借りれば戦士だったということでもあるのだが、いくら窮地に立たされたからとはいえ、あのアスラン・ザラが負け犬の遠吠えのような台詞は、正直言ってほしくなかった。
 それはさておき、アスランとメイリンが搭乗するグフのとどめを、レイではなくシンにやらせたのは何故か。それは、デュランダル議長にとって最も必要としている人材は、他ならぬレイだからだ。確かに、レイはシン程の戦闘能力は持ち合わせてない。しかし、優れた洞察力も然ることながら、議長の考えを真に理解しているし、何よりも誰よりも心酔している。そんなレイに「泣いて馬謖を斬る」ような非常事態があってはならない。となれば、グフを討たせるのは戦闘馬鹿であるシンが適役ということになる。
 アスランのみならず、メイリンにまで逃げられては、重要な機密が漏れてしまうから、撃墜命令を出さざるを得なかった、という理屈は判らないでもない。議長の理想に背く者は、例えフェイスであろうと容赦しないというのもなんとなく判る。確かにそうではあるが、ただ、これまでの議長の発言を考えると、やはり、何だか狡賢くオブラートに包んで、言葉巧みに騙されているような気がしてならない。フェイト(29話)でクルーゼと議論を交わしていたというのも、それを示唆していたということか。
 そう言えば、キラの手でクルーゼは亡くなっている。議長はそのことを存じていたのだろうか。いや、恐らくは熟知しているのだろう。だからこそ、キラやアークエンジェルに対して、あれだけの仕打ちが出来たのだと思う。議長にとって掛け替えのない戦友を失った恨みは相当なものであるはず。ただ、単純に彼等を討ち滅ぼすというのでは美しくない。それならば、議長自らが掲げる理想世界を阻む極悪人として、仕方なく消えて貰うということにすれば、なんて考えが過ぎったのであろう。そして、キラもアークエンジェルも、そして、煩わしい存在であったアスランも、撃墜させるシナリオに仕向けることには成功した。
 誤算はアークエンジェルが沈まず、キラとアスランは生きていたということだろう。アークエンジェルはともかく、2人が生存しているというのは、議長にとって大きな痛手になるはずだ。もちろん、ラクスとバルトフェルドが指揮するエターナルが、とある宇宙で鳴りを潜めているのも、ヘブンズベース攻略には少なからず足枷となるはずだ。
 そして、このところ気になるのは、やはりデュランダル議長の動向である。事ある毎に「話し合いによる解決が望ましい」なんて議長は仰っているのだが、それも週を追うごとに嘘臭さが増している。表向きこそ対話に応じるような素振りを見せていても、それもこれも、相手が拒否することを計算に入れていればこそ。確かに、議長の振舞いだけを見れば、紳士そのものである。これで実は裏表のない真人間だった、なんて結末だけは止めてもらいたいものだ。ただ、今シリーズにおいては、議長の野望が達成されたというところで終わる可能性は、大いにあり得る。その場合、議長の悪巧みが露見しないまま、それに関しての暴露は次のシリーズでということなら、続編への期待も膨らむ意味も含めて、納得するんだけどね。




【7月1日】(7月9日加筆修正))
2005年不定期感想(その8)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEEDデスティニー36話(TBS)

 36話を見て、これまで書いていたことのほとんどが確信に変わった。デュランダル議長、彼の言葉を信じて疑わずにいればこれといって害はないが、一度思想に異を唱えようものなら、そこから振りかざされる雷の意味も判らぬまま、消されそうな圧迫感がある。そう考えると、ある意味議長は非常に恐ろしい人物に育ちつつある。だからといって、完全な悪人という訳ではないというのが、話をややこしくしている。しかし、反対意見に耳を傾けようともせず、影で抹殺というある意味で恐怖政治と言える状態が続けば、いずれは破綻してしまうだろう。
 それにしても、ミーアの怯えた表情を見ていると、彼女に死のフラグが宣告されてしまったように思えてならない。「デュランダル議長の意にそぐわない人材は、巧妙に切り捨てられる」というアスランの言葉は真実で間違いない。とはいえ、ミーアにしてみれば、プラントのアイドルであるラクス・クラインになれた優越感は計り知れない。一度知った蜜の味、それも例えようもない程の豊潤な味だったとすれば、ミーアでなくても捨てようなんて絶対に思わない。
 しかし、アスランからの言葉で、近い将来に非業の死を遂げる人物が、もしかしたら自分かもしれないことを知ってしまった。迷いだしたら止まらない。それが態度に現れれようものなら、当然議長はミーアをバッサリと切り捨て、新しい偽ラクスを生み出す算段すら考えようとするだろう。別にミーアでなければならない理由なんてどこにもないし、議長がその気になれば、代わりなんていくらでも探せるだろう。そうなれば、ラクスの真相を知るミーアは邪魔でしかなくなり、最後はどこぞの海上で謎の腐乱死体(もちろんそれがミーアかどうかなんて判らぬまま)で発見、なんて恐ろしい結末を迎えることも十分有り得る。

「アスラン脱走に関して」

 ホーク姉妹に限って言えば、ルナマリアは戦闘向きで、メイリンは知能向きという設定なのだろう。どちらも、アスランが好きなのは一緒であるが、脱走の手引きをさせるのであれば、どちらが向いているかなんて訊くまでもない。どうして彼女なのかではなく、誰ならアスランを無事に脱出させられるか、という基準で考えれば、ミネルバのクルーではメイリンしかいない。確かに、これまでこれといった活躍の場は与えられていない。その彼女が、いきなり目立つ活躍をすることに多少なりの違和感はある。それを払拭するには、メイリンの力でアスランのことを引き立たせる、これしかないだろう。




【6月25日】(7月19日加筆修正))
2005年不定期感想(その7)

【アニメ】
機動戦士ガンダムSEEDデスティニー 31話〜35話(TBS)

 シンが目立つ時と言うのは、人としてどうかと思うことが多いような気がする。あることに気づくまでは、わざとでしゃばらせているのでは、なんて思ったりしていた。そうこうしているうちに、彼の暴走が誰にも止められなくなってきた。シンを指導するはずだったアスランは、自分のことで精一杯。となると、グラディス艦長しか彼を再教育してもらえなくなる。しかし、シンの行動は想定の範囲外で、とてもではないが予想することなんて不可能だった。その上、シンの裁定で処罰が不問になったことで、シンの傍若無人さに拍車が掛かってしまった。
 それが最近になってだが、実はレイ・ザ・バレルがシンを影で操っていたということに、ようやく気がついた。レイは目立たない存在であるが、要所でシンに適確な助言やサポートをやっている。恐らく、レイがシンを監視しつつ、折を見てミネルバの情報をデュランダル議長に送っているのだろう。議長の実質的な影武者、それがレイの真の役割ではないか。シンを心配する素振りをしているのも、実は議長に対して疑惑を抱いてないかどうかを、つぶさに観察していたのだとしたら・・・。そう考えると、レイは思ってた以上に曲者なキャラかもしれない。
 そう言えば、キラとシンとの戦いの時も、キラの癖(相手のコックピットを狙わない)をレイが冷静に分析したからこそ、辛くもシンが勝てたといっても過言ではない。それにしても、キラは覚醒していたのだろうか。少し前までのキラとシンの実力差はどうだったかというと、共に覚醒した状態で戦ったことはないので、本当のところよくは判らない。とはいえ、いくらキラに対抗する決定的な情報を得ていたとはいえ、これ程の短時間でシンの力がそんな急に伸びたことが、俄かに信じられない。となると、あの時キラは覚醒してなかったということか。その割にキラの目は、戦闘前から覚醒した時の色になっていたのだが、果たしてどうなんだろう。
 ふと疑問に思うことがある。世界を平和に、なんて叫ばれて久しいが、一体全体どういった状態のことを指しているというのだろうか。武力による争いを無くせば良いというが、力に対抗する為に用意された刃で戦争を終結させたとしても、必ずや新たな火種を生むことになろう。
 理想の平和とはどういうことなのか。一切の争いや揉め事が禁止され、全ての人間が皆平等で、誰もが幸せに暮らしていける社会、ということだろうか。なんだかいろいろと矛盾が孕んでいて、そこに胡散臭さを感じてしまう。願い(それが平和であったとしても)というものは、誰かが叶えば、その時点で報われずに不幸になる人も出るのが世の常。誰もが納得のいく世の中なんて、とてもではないが、実現は不可能のように思えてならない。出来もしないことについて、あれこれ考えを巡らせても意味がない。それより、もっと現実的に実現可能な社会システムの構築が急務であろう。デュランダル議長の言わんとすることは判るが、そもそもの着地点が間違っていては、いつまで経っても戦争の呪縛からは逃れられない。
 ジブリールを始めとするロゴスの取った行為は、確かに許されるものではない。だからロゴスを潰してしまえばいい、というのも、まあ、当然の流れではある。例えそれが、デュランダル議長自らが手を下した訳でなくてもだ。だがしかし、グラディス艦長がそうであるように、何かが不自然なようにも感じる。こうなることが、得体の知れない偶発的な結果ではなく、人為的に巧妙に仕組まれたものだとしたら・・・。それをある程度把握しているからこそ、アスランはデュランダル議長に疑惑の眼差しを向けたのだと思う。対照的に、シンは議長が裏で行っていることをまるで知らないから、あんなにも心から喜べるのだと思う。今のシンの状態では、現状のアークエンジェルと同様、ミネルバも事が片付いたら闇に葬られてしまうかも、なんてことは努々思わないだろう。ただ、今回のことで懐疑的な仕草を見せるグラディスが、思わぬ機転を利かせて生き延びる為の手を打つ、なんてこともあるやもしれない。
 今後のポイントは、果たしてデュランダル議長は裏工作に関与していたのか否か。もしそうだと仮定して、その情報がいつ誰の手に渡るかが鍵となろう。今のところ、議長は完璧に人々の心を掌握しているが、いつどこでボロがでないとも限らない。それは、議長自身でなくても、ミーアかもしれないし、他の何者かもしれない。もし、そういう展開になったとしたら、世界は大混乱に陥り、再びナチュラルとコーディネーターによる骨肉の争いへ、という非常に面白いことになることを大いに期待したい。




【6月19日】
2005年不定期感想(その6)

【パソゲー】 らぶデス(ティータイム)

 ゲームとしての雰囲気は、エロゲー版「ゆめりあ」(ゲームとしてはマイナーだとは思いつつ・・・)というとことになるか。とはいえ、まずCGの技術ありきで、ゲームやシナリオは二の次といったところは、いずれの作品も一緒というのはちょっと痛いところか。
 とにかく登場キャラをトゥーンレンダリングで表現しようという試み自体は間違ってない。この手の発想は、早く完成させた者勝ちではあるが「ときめきメモリアル3」や「ゼルダの伝説・風のタクト」のように、技術が未成熟なうちに発売して不評を買うというような前例もあるだけに、そのタイミングは難しいところではある。逆に「ゆめりあ」の場合、技術的には問題はなかったものの、すでに他のジャンルでは使いこなされていたテクスチャーマッピングだったので、発売のタイミングとしては遅きに失したといえよう。
 ともあれ、近い将来「らぶデス」というよりは、「ドラクエVIII」のようなトゥーン系の3DCGが、当たり前のように使われるようになるのは火を見るより明らか。そうなる前に是が非でも、世に送り出したかったという思惑はあっただろう。年齢制限を設ければ、「らぶデス」に限らず、エロという非常に即物的な欲望が描ける分、商品としてはアピールし易いと思う。
 実際のところ、学園エロコメとしてはそこそこの出来ながらも、最大の売りであるトゥーンレンダリングによって描かれたヒロインのエッチシーンでは、新鮮な興奮をもたらす効力を遺憾なく発揮していた。自分のパソコンはスペックを満たしてないので、満喫するまでには至らなかったが、それさえクリアしていれば、今(2005年内)のうちならば、最新技術の凄さを触れる意味も含めて、試してみる価値は十分あると思う。

【PS2】
ヴァンパイア ダークストーカーズ コレクション(カプコン)

 やはり、ヴァンパイアシリーズではハンターが一番面白い。初代ヴァンパイアで問題のあった部分(ゲージシステム、繋がりにくいチェーンコンボ)が、きちんと改善されたことで、遊びやすさが格段にアップした。それに、なんといっても、マイフェイバリットキャラであるフェリシアが、シリーズ中、最も扱いやすい性能だったことが一番大きい。いうなれば、本能の赴くままに闘うことが、ハンターのフェリシアでは可能なのだ。対戦が面白いのは当然として、慣れれば一コインクリア出来る程度に調整された、対コンピューター戦における絶妙なバランスも、やる気を促進させる要因となっている。
 残念ながら、それ以外の作品はゲームシステムに難がある他、フェリシアが扱いにくくなっている欠点もあって、今ひとつ楽しめなかった。どうせなら、当時のアーケード版をそのまま移植するだけでなく、現代風に調整するなどといった、遊び心があっても良かったかもしれない。




【6月5日】(6月6日加筆修正)
2005年不定期感想(その5)

【アニメ】
機動戦士ガンダムSEEDデスティニー33話でふと過ぎったこと

 今回の話においてのデュランダル議長の演説で思うことがあったので、書かせてもらう。議長の鬼気迫るパフォーマンスを見ているうちに、「全てはロゴスを討つというシナリオに仕向けるためだったのか」という考えがふと過ぎった。新型モビルスーツ強奪、ユニウス7落下テロ、ラクス暗殺未遂、デストロイ・・・、いずれも、偶然だけでは片付けられない事件ばかりだ。それがこうも立て続けに起きるということは、神の見えざる手によるものではなく、誰かの差し金で引き起こされたと考えるのが妥当ではないか。それも、全てはロゴスと呼ばれる組織を潰す為の計略だとすれば、尚更合点がいく。
 そもそも、高い能力を有するコーディネーターが開発した兵器が、それより劣るナチュラルの手によって奪われることからして、甚だ疑問であった。しかし、それがわざと盗ませる為に、何者かが情報を提供したということになれば、話は違ってくる。落下テロにしても、ナチュラルに対して未だに不満を抱えている者達に、言葉巧みに誘導する首謀者の手引きがなければ、こんなにあっさりとユニウス7が落下するとは到底思えない。落下事件後、ロゴスの本性(コーディネーター排斥気質)が露になることも、当然計算に入っていたことだろう。
 そうなると、本物のラクスが狙われたのも、当然ながら偶然ではなくなる。本物を消し去ることで、いっそのこと今いる偽ラクスを本物にしてしまおう、という思惑だったとすればどうだろう。ラクス扮する人物がミーアであることを畏れているのは、何を隠そうデュランダル議長ではないか。本物のラクス暗殺を極秘に行ってみたり、失敗したら今度はアスランにその行方を尋ねてみたり、それらを一連の流れと議長の意図を考えると、全てが繋がるように思えてならない。
 そして、デストロイにしても、議長のモニターに移っていたデータから類推すると、ロゴスに情報を渡してわざわざ開発させた、ということになる。そうして、まんまとデストロイが完成すれば、これまでの流れからいっても、いくつもの都市を壊滅させるなんてことは、容易に想像できたはずだ。その後は、フリーダムの手で、デストロイは活動を停止したはずであるが、演説での映像でその姿がなかったのも、「ザフト軍に所属しないフリーダムが討ったのでは、演説の説得力が落ちる」と判断したからであろう。
 となると、フリーダムだけでなく、アークエンジェルやエターナルに集う者達も、皆邪魔な存在ということになる。これは件のラクスやフリーダムの時と同じ理由であろう。今まで国民を統率する為に騙していたなんてことが知れれば、プラントのみならず、世界が混乱に陥ってしまうだろう。ならば、最初から存在しなかったことにすれば、議長の考える平和な世界へ邁進させられる。
 確かに、多くの人々にとって、デュランダル議長は素晴らしい人物であろう。しかし、キラやカガリ達にとっては、どうだろう。ロゴスを討つための布石でいい様に利用された挙句、用が済んだらゴミのように屑篭へ。この推測がもし本当だったとしたら、いくら世界平和の為だとしても、自分は議長を褒め称えるなんてことは出来ない。他に方法はないのかもしれないが、何も本当に存在を抹消にする必要はないと思う。仮に、あくまでも歴史上から抹殺して、隠遁生活を送らせるようとしているのであったとしても、何か釈然としない憤りを感じるし、そのことで、どうしても議長のことを100%信じられない。
 恐らくデュランダル議長は戦いによって出る犠牲は最低限のものに、そして、より多くの人々に平和な世界を提供しようとしているのだろう。その方が効率がいいというのはなんとなく判る。判るけど、だからといって、その為に尽力してきた影の功労者が報われなくてもいい、なんてことにはならないはずだ。そのことにアスランが気づいてくれれば、再びプラントを離れ、アークエンジェルやエターナルを守る為にキラ達と共に手を取り合う。なんて展開になることを内心期待している。
 ここでの記述はあくまで推測ではあるが、このような思いつきが過ぎったことで、個人的な評価はますます上昇しつつある。デュランダル議長の真意によっては、評価が左右するかもしれないが、今後の展開がますます目が離せなくなったのだけは確かである。




【5月29日】
2005年不定期感想(その4)

【アニメ】
機動戦士ガンダムSEEDデスティニー 26話〜30話(TBS)

 本物のラクスがプラントに乗り込むことが出来れば、デュランダル議長が本当に紳士なのかどうかが判るかもしれない。彼女を狙ったのは本当に、ごく一部のテログループによる仕業なのか否か。命の危険を顧みずにザフトの本丸に乗り込んだものの、結局真相は掴めずじまい、なんてことにならないことを今から祈っておこう。
 オーブの中にあって渋みのある存在だった戸高の取った道というのは、正に男の中の男という人間臭さがあった。理想と現実に挟まれて、苦悩の選択を強いられ、最後は不可抗力とはいえ、結果的に恩知らずな態度を取ってしまったことへの責任を全うする。本当はこんなところで亡くなってほしくはなかったが、戸高死すとも、理想は死さずというようなものが確かに伝わった。
 悪を象徴していたクルーゼの言葉が、未だに強く印象に残る。前作で「人の業が巡り巡って、世界を滅ぼす」というようなことをほざいていたが、現実の世の中と照らし合わせてみるも、それを否定することが難しかったりする。諸悪の根源はあるだろうが、それを生み出したのが人間なのだから、そこだけを取り除いても、別の新たな者が誕生するであろう。ひょっとしたら、クルーゼの言うように、人類同士で全てが滅ばない限り、一般的に言われている平和な世界なんてものは訪れないのかもしれない。
 キラとシンの板挟みでますます悩んでしまうアスランは、フリーダムにやられてしまったことで、自分に自信が持てなくなってしまったようだ。彼とは対照的に、またしても大活躍したシンは、直属の隊長であるアスランを見下すというチョヅキぶり。アスランのように下手に事情を知ってるよりは、シンみたいに何も知らずに猪突猛進していた方が、表面上はいいように思える。しかし、己の基準で正義を貫き、怒りの感情の赴くまま次々と敵を葬り去るシンの姿を見ていると、主役というよりむしろ、何時の日かその代償をその身の命で支払う羽目に陥る、三下の悪者のように思えて仕方がない。彼の暴走を止めるはずのアスランが、自身のことで落ち込んでてそれどころではない。このままいけば、いずれ、シンは自暴自棄になって自滅するという運命を辿るのではないかと、今から楽しみ・・・もとい、心配である。




【5月2日】(5月29日加筆修正)
2005年不定期感想(その3)

【アニメ】
機動戦士ガンダムSEEDデスティニー 21話〜25話(TBS)

 新キャラのハイネ・ルステンブルク(だっけ)がなかなか美味しい役回りになっていた。明るく前向きに周りを引っ張ろうという性格は、これまでミネルバに登場していたパイロットにはないタイプだ。人員のバランスを考えても、ハイネのような弾けたキャラは居た方が断然いい。ちなみに、ハイネ役の声優西川貴教はどうかというと、今回は頑張っていた方だと思う。表向きは飄々としても、実はいろいろと考えているという難しい役所をギリギリ許せる範囲で演じていた。
 何はともあれ、ハイネの登場によってミネルバの空気が変わったのは確かだ。そんな陽気な彼が、アスランが抱える悩みを解消するのではないかと、勝手に思っていた。それなのに、たったの数話であっけなく散ってしまうというのは、なんとももったいない。まあ、キラやアークエンジェルの介入によって、周りは混乱したのは間違いない。だから、フリーダムにあっけなく武器を奪われて、動揺している隙にやられてしまう展開は、判らなくもない。ただ、せっかくミネルバの中に自然と溶け込んでいたのだから、もう少し活躍の場を与えてほしかった。
 それにしても、戦争を完全に止めさせるのは、想像以上に容易ではない。各国の思惑もあるだろうし、ジブリールのようなイカレポンチな代表が、武力で他国を制圧しようと世界の首脳に働きかける、なんてこともある。それでは、いつまで経っても争いは無くならないだろうし、ナチュラルと、遺伝子によって作り変えられたコーディネーターは、いつまでもそっぽを向いたままということになる。
 種が弾けたキラの鬼のような活躍によって、優れたコーディネーターの前では、ナチュラルは物の数にもならないことがはっきりした。それが判っているからこそ、ザフトはモビルスーツの性能をわざとスケールダウンさせているような気がする。現にキラが搭乗しているフリーダムの性能は凄まじく、種が弾けてしまうと無敵状態と化していた。フリーダムのような機体ばかりを作れば、あっけないくらいに戦争は終わるであろうが、経済効果を考えるとマイナスになる。それを最も畏れているのは、何を隠そうデュランダル議長ではないだろうか。連合のバックにロゴスという経済を支援する団体があるように、デュランダルもまた、ロゴス同様、ザフト軍を影で支えている黒幕ではないだろうか。だからこそ、アスランが操るセイバーはフリーダム程の圧倒的なパワーが発揮出来ないのだと思う。セイバーだけでなく、シンが操るインパルスや強奪された機体の性能が芳しくないのも、敢えてスペックを落とすことで、戦争を長期化させようという巧妙な策略があるような気がしてならない。
 結局のところ、ザフトに戻ったアスランも、独立愚連隊を選んだキラやカガリ達も、平和な世界にする為の明確な答えを出せずにいる。アスランの言うようにキラ達をオーブに戻らせるということは、再びアスランとキラが敵同士で闘わなければならなくなる。そんなこと今のアスランに判らないはずはないのだが、時間が少ないばかりに冷静な意見が言えるはずもなく、結局はお互い感情的な気持ちをぶつけただけで物別れとなってしまった。ただでさえ判明しない案件(本物のラクス暗殺を企んだのは誰なのか、ユニウス7を落下させたテロはどこの手引きによるものなのか)があるだけに、誰も信じられないと言うキラの意見も最もな気がする。いくらデュランダル議長が誠実に物事を進めていたとしても、アスランとキラ達では見えている世界があまりにも違いすぎる。だからこそ、対立してしまうのは仕方がないし、互いの主張もどちらが正しいとか間違いかなんて、軽はずみには判断できない。




【4月15日】
2005年不定期感想(その2)

【アニメ】
機動戦士ガンダムSEEDデスティニー 16話〜20話(TBS)

 シン・アスカが今作の主人公ということになっているが、彼が感情的になればなるほど、サラリと受け流すアスラン・ザラの人間性が浮き彫りになってしまうのは気のせいか。これは、ホーク姉妹を始めに、デスティニーからの新パイロットは、アスランの影に隠れがちである。それが別に悪い訳ではないのだが、そうやって考えると、無理に主役を交代させる必要はなかった。恐らくシンはこれからの経験を経て、戦況を大きく左右するまでに成長するのであろう。そうだとしても、彼を特徴づける何かが足りないのが気掛かりではある。
 これは、あっという間にフェイスとして認められる程の存在感を示すグラディス艦長や、ラクスを演じるミーアのB級アイドル張りのぶりっ子といった、本来なら脇役であるはずのキャラが、必要以上に目立ってしまっていることも同様であろう。それにしても、偽ラクスの歌っている時の振り付けが益々あざとくなってきた。曲の合間には悩ましい仕草で挑発したり、弾む巨乳を強調して色香を振り撒く等、狙ってやってると言わんばかりである。
 主役としては役者不足なシンであるが、彼の言動は判らないでもない。事情を何も知らないからこそ、思ったことをなんでも言えてしまえるものだ。世の中の仕組みが判るようになるにつれて、自分の主張が出来なくなりがちな現代において、シンはその代弁者なのかもしれない。とはいっても、彼の頑張りは空回りばかりで、結局アスランを引き立たせるだけの存在でしかないことには、今のところ変わりない。
 20話は前作の総集編をやりつつ、その時々でシンはどうだったのかを回想するという話だった。一見すると単なる手抜きの回というように思われがちだが、声は取り直したように聞こえるのは気のせいだろうか。そうやって見てみると、絵のほうも心なしか作り直したような気がしないでもない。

【社会問題】 教育の是非

 例えば、バブルまでの詰め込み教育を非難する人が多いが、果たして本当にそうだったのか。言わせて貰えば、何も考えず、ただ国が用意したガイドラインに従って、歯車の一員となるべく頑張らせていたからこそ、20世紀後半はバブル経済が“文字通り泡となって弾けるまで”闇雲に走り続けることが出来たのだと思う。
 しかし、21世紀となった今では、これまでと同じ方法では上手くいかないのも事実である。もちろん、詰め込みそのものに罪があったとは思えない。問題があったとすれば、一つの答えに辿り着く方法は唯一無二で、それ以外は絶対に認めないとする融通の利かない発想こそ、早急に戒めなければならないだろう。でないと、またぞろ有名な大学に入学して、一流企業に就職させさえすればいい、なんて視野の狭い人間を量産しかねない。
 一つの目安として国で用意した学び方は必要であろう。しかし、それはあくまでも目安であって、それが全てとする考え方は如何なものであろう。そのやり方に従うかどうかは生徒の自主性に任せるべきだ。例え、教師にとって思いもよらぬ発想であったとしても、屁理屈だと決め付けず、まずは認めることが肝要である。そうして度量を少しでも大きくしていくことが、これからの教師のみならず、大人達にとって必要不可欠になる時代が、すぐそこまで来ているように思えてならない。




【1月23日】
2005年不定期感想(その1)

【アニメ】
機動戦士ガンダムSEEDデスティニー 11話〜15話(TBS)

 事ある毎に子供だ、子供だと言われては、周りの意見に振り回されるばかりで、自分の主張が出来ずにいるカガリ・ユラ・アスハ。彼女を見ていると、今の自分と重なるところがあって、その辺りが辛く切ない。
 確かに、理想論ばかりを捲くし立てるばかりで、具体的な策がまるで無いカガリは、やはり子供ということになろう。ていうか、彼女の理屈は、利害が一致しない現状の世界情勢では成り立つ道理がない。そうは言っても、世界を安全で平和な世の中にするにはどうすればいいか、その為の具体的な意見が自分にあるのかというと、そんなものあるはずもない訳で・・・。むしろ、どちらかといえば、カガリと同じような気持ちなので、彼女に対して言われる厳しい意見は、そのまま、自分に対して突きつけられているように感じてならない。
 ともあれ、カガリがオーブの代表としてしなければならないことは、現状の世界情勢の把握に尽きる。オーブが抱えている問題の理解はもちろん、大西洋連邦やプラントの動きを正確に掴む必要があるだろう。その上で、オーブが取るべき道を選択しなければなるまい。彼女がオーブの代表を続けている間は、自国の平和と安全をまず第一に考える必要があるし、コーディネーターであるアスランとの恋は、諦めざるを得まい。
 なんて思ってたら「かつての盟友達が立ち上がり、最後はキラがフリーダムでカガリを拉致る」という、なんとも素晴らしい展開に唖然としながらも、内心ではホッとしている。現実の厳しい実社会が反映されているとはいえ、ギリギリのところで夢見る少女の希望を繋ぎとめたことに、心から拍手を送りたい。これで、ユーナ・ロマ・セイランを始めとするオーブ側のお偉いさん方が黙っている訳はないだろうし、大西洋連邦の中にしても、内乱が起こっていて先の見通しは、不透明極まりない。これからより大きな波乱が巻き起こりそうな予感に、期待感は高まる一方である。

【バラエティー】 M-1グランプリ2004(テレビ朝日)

 アンタッチャブルは、昔から伊集院光のラジオ、テレビで幾度となく伺っていた者としては、今回の優勝は感慨深い。今年披露したネタは、昨年以上に密度の濃い内容で大笑いさせてもらった。予測不能でありながも、判りやすいボケを軽妙に噛ます山崎に、ぶち切れて突っ込み返す柴田による絶妙なコントで、会場を爆笑の渦に包み込んでいた。確実に成長し続けてきたことに関しては素直に嬉しいし、個人的には非常に気になるコンビの優勝なので喜びも一入である。あとは、今回の優勝で奢ることなく、これからも、向上心を失うことなくご活躍されることを、切に祈るばかりだ。
 さて、2004年のダークホースといえば、結成2年目(画面の表示は1年目だけど、恐らくは・・・)にしていきなり決勝ファイナルまで進出した、南海キャンディーズだろう。女性であることを逆手に取って笑いをもぎ取るという独特のスタイルで、観客の心を鷲掴みした南海キャンディーズ。男女ペアとしてだけでなく、女性自体が決勝にまで駒を進めることが初めて、ということを感じさせない独自のパフォーマンスは、今後の成長に期待を持たせる。
 また、敗者復活から最終決戦まで残った麒麟も、昨年以上に洗練されたコントに成長を伺わせる。おそらく彼らが、去年不振だった笑い飯に変わって、今年の優勝候補の筆頭になるのではないだろうか。