不定期感想の部屋(2003年)
2003年2月6日作成
最終更新日 2007年4月15日

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【12月29日】
2003年不定期感想(その15)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEED 1話〜9話(TBS)

『どうすることも出来ない憤り』(1〜4話)

 45話以降の話を先に見ていたからかもしれないが、キラ・ヤマトを筆頭に、大人子供訳隔てなく必死になって生き延びようとする健気さに、どうすることも出来ない憤りの念を禁じえない。その背景には、ザフトと呼称される敵対する側も、同属を守る為に最善を尽くそうと努力する様子がしっかりと描写されていたことで、感情を大きく揺さぶられていたからだと思う。

『お嬢様ラクス・クラインについて』(5〜9話)

 再放送で1話から見ても思うことは同じで、モビルスーツよりも登場人物の方に魅力があるように感じた。中でも、アイドル歌手並に扱われているラクス・クラインのことが、妙に印象に残った。ラクスはどうやら権力者のお嬢様であるばかりか、アイドルでもある。さらに「私が真のヒロインよ」と主張するかのようなピンクの髪という如何にもな設定まで持ってこられると、意図するものを感じずにはいられない。妙な印象ということでは、彼女が救命ポッドから出てくるシーンで「微かに口元を歪ませていた」ことも、何かあるのではないかと勘ぐってしまう。
 そして、一般の常識をまるで知らない天然系の能天気な性格で、ある意味とどめを刺された。しかも、世間知らずであることが徹底されているので、他者との噛み合わない会話で生じる感覚の隔たりの際立ちようが、なんとも可笑しくてしょうがない。

『ナタル・バジルールの取った行動について』(9話)

 ナタル・バジルールのとった行動は、果たしてラウル・クルーゼの言うように、格好悪いことだろうか。確かに、敵軍の歌姫ラクス嬢を盾に取る行為だけをみれば、卑怯であろう。しかし、そんなことをいったら、クルーゼだって敵に悟られないよう、こっそり後をつける姑息な真似を棚に上げているではないか、といいたくなる。
 戦場ではちょっとしたミスが命取りになるだけに、彼女が素早く機転を利かせてくれなければ、そのまま宇宙の藻屑になっていたかもしれない。それに、宇宙ゴミ処理場デブリベルトで緊急補給をしたように、生き残る最善の策だと判断したのだと考えれば、ナタルの取った行為は暴挙ではなく、むしろ賞賛に値する処置だったように思う。

【アニメ】 明日のナージャ  46話(テレビ朝日)【12月28日】

『何かと話題のローズマリーと、
物語の鍵を握るプレミンジャー公爵について』

 ナージャを騙るローズマリーの腹黒さが一部で評判になっているのが面白そうで、ちょっと見てみた。以前にも何回か彼女の振る舞いを見ていていたが、確かに表と裏を上手に使い分ける感じは出ていたと思う。子供向けアニメということで、明らかに「私が犯人です」というのがバレバレな演出になってはいるが、ナージャのお人好し過ぎる性格を手玉に取って、自分を優位に立とうと画策しているところは、かなり面白かった。
 このままいけば、ローズマリーの策略は成功するかに見える。何故疑問系の言い回しになっているのかというと、プレミンジャー家を牛耳っている公爵の態度に老獪さを感じたからだ。ナージャとローズマリーが対峙してからというもの、公爵は一言もどちらが本物だとは明言していない。当事者同士では重要とされるペンダントこそローズマリーに渡しているものの、それが、相手に自分の真意を悟らせない為のフェイクだとしたらどうだろう。もしそうならば「私以外は誰も信用していない」と断言する公爵の言ってることは、本物ということになる。最終的に本物のナージャであることを、公爵は一体どのような方法で見分けるというのだろうか。非常に楽しみである。




【12月22日】
2003年不定期感想(その14)

【NHK教育】 しゃべり場12期について

 自分の伝えたいことを自分の言葉で相手に話すということがいかに難しいか、ということを12期のメンバーやゲストを通して痛感させられた。12期の放送を見ていて思ったのは「提案者の意見に対してメンバーの一方的な反論が目立っていた」ことだ。提案者がどのようなことで話をしたいのか、ということを無視して、出されるテーマと正反対の意見を言えばいい、みたいな感じがしてならなかった。一つのテーマについて話し合いをしているように感じる時もあるにはあるが、ちょっと気に食わないことがあるとすぐに感情的になり、気がつくとテーマから遠ざかってしまう。そういう時に限って「如何にして自分の人生観を揺るがしかねない意見を排除しようか」ということに躍起になり過ぎて空回りしてしまう、なんてことが何度も見受けられた。

 まずは「相手の本当に言いたいことはなんなのか」ということを念頭に置きながら話をするというのが、今後のしゃべり場では大事になってくるのではないだろうか。そうしたことを考えながら話を進めていくと、単に相手を貶す印象を与える意見が減るばかりか、より面白い議論のようなものになると思う。

 結局のところ、今回のメンバーは根本の部分で悩みを抱えて提案している人がいなかったのではないかと思った。なんだかんだいって、自分なりの目標に向かって努力しているからか、それぞれの提案する悩みがあまり深刻に感じられなかった。つまり「自分で信じた生き方が他人にはどう思われるか」を確かめたくて参加していたように思えてならない。それがいいか悪いかは別にして、そうした部分に共感できなかったことが、個人的に物足りなさを感じる原因ではないかと思った。




【12月15日】
2003年不定期感想(その13)

【NHK教育】
しゃべり場8期卒業スペシャル【2002年11月16日放送】

『きっかけ』

 三人の大人道場破りが登場するが、中でも、千原浩史(お笑い芸人)の回で「君らの言ってることはぬるい」はこれまでのしゃべり場の中で最も示唆溢れる興味深い内容だった。事ある毎に観直しているうちに、自分はどのように感じたのかを書いてみたいと思うようになったので、それならば、いっそのこと感想を書いてみることにした。

『限りなく議論に近い話し合いの面白さ』

 前半こそ番組の趣旨を理解してなかったからか、千原の主張は空回りしていた。しかし、休憩中に自分で考えた結論(実際のところ真に理解したかどうかはともかく)を生み出したことで、限りなく議論に近いスリリングな話し合いへと変貌した後半は、観ていて非常に面白かった。
 やはり、言葉を選んで話そうとすれば、説得力が失われてしまうのも当然である。自分の意向をきちんと伝えたいのであれば、筋の通った主張がどうしたって求められる。後半のように自分の主義を曲げずに、メンバーの意見にきちんと答える姿勢は、一般の大人であってもなかなか真似の出来ない凄いことである。

『相反する意見のぶつかりあいで見えてきたこと』

 千原が人のアドバイスで答えを見つけてもらおうとせず、自分の力で悩みの答えを出すべきだという意見は、究極の理想像であろう。これに対して、人に相談しながら悩みを解決する方が合理的だとするメンバーの意見は現実的であると思う。可能ならば1人きりで悶々とするのがベストであろうが、大半の人には学校や家族といった日常の生活というものがある。それらを全て捨て去って自分の将来についてのみ考えるというのは、そうそう簡単に出来ることではない。
 いずれの考えが正しいかは一概に言えないが、こういった相反する意見がぶつかりあったからこそ、今まで見えにくかった問題意識というものが、見えてくるようになったのだと思う。メンバーが抱える心の弱さや、悩みの深層というものが、千原との対話で徐々に浮き彫りになっていくところは、非常に見応えがあった。

『最後に』

 千原のメンバーに対する口調は確かに厳しかったが、話している内容自体はストレートで判りやすく、それでいて途中で態度を変えずに最後まで筋を通したのは立派である。物事の上辺だけでお茶を濁してしまう大人が多い中、世の中の本質を包み隠さず話してくれただけでも、彼の意見はとても貴重ではないかと思った。




【11月14日】
2003年不定期感想(その12)

【コミック】 美鳥の日々 1巻〜4巻(井上和郎/小学館)

 右手が女の子になってしまったというスマッシュヒットなアイデアが、妙に印象に残った。基本的には普通の学園ラブコメではあるが、先の特殊な状態を上手く織り交ぜることで、思った以上に楽しめる内容になっている。それに、適度に話を持ち上げておいて最後にはオチをつけるという、1話完結であることをしっかり意識した構成も結構気に入っている。また、登場人物それぞれに役割分担があり、それを踏まえた上でラブコメの王道的な展開を徹底させていることにも、好感が持てる。
 あとは、要所で美鳥の身に起こっている無常な設定が挿入されることで、楽しいはずなのに何故だか切ないという複雑な心境にさせる展開にしていることも、個人的には評価したい。

【コミック】 まほらば 1巻〜5巻
(小島あきら/スクウェア・エニックス)

 解離性同一性障害(多重人格)という興味深いネタを用いている割には、1〜3巻まではあまりパッとしなかった。それが4巻以降になると、徐々にだが、なんともいいようのない味わい深さというものが出てくるようになってきた。それを言葉にしようとすると難しいが、感覚的にいうと、登場するキャラのノリを作者が把握し始めてきた、といったところだろうか。「こういう風に動かせば面白くなる」ということが判ってきたようで、これまで希薄だった各キャラの個性が、ここの所良い方向に伸びつつある。このまま個性を磨いていってもらうと、なかなか侮れない作品になるかもしれない。

【PS2】みずいろ(早坂日和シナリオ)

 雪希シナリオと同様に、ギャルゲーにありがちな日常会話が繰り返される部分は退屈だったものの、日和の身に起こる超常現象から派生する切ないストーリーには結構涙ぐんでしまった。好きな人と一緒に過ごせているはずなのに、当人の記憶には全く残らないという「美鳥の日々」(コミック)と似たような儚いシチュエーションが、何とも悲しかった。

【PS2】地球防衛軍(シンプル2000シリーズ)

 低価格に見合ったシンプルな内容とはいえ、出来自体は結構まともでそれなりに遊べる。基本的には群がる敵を倒すのみという単調な展開ながらも、武装した乗り物や、難易度によって出現する武器が変化させるなど、低予算なりの工夫がしてあることも、密かにポイントだったりする。

【DVD】松浦シングルMクリップス@

 アイドルでありながらマルチタレントとしての才能も発揮できるというのは、若手のタレントとしては非常に珍しいのではないだろうか。歌唱力、ダンス、ポージング、話術といった、芸能界で必要とされる要素を、全てそつなくこなせるタレントなんてなかなかいない。そうした松浦のイメージを巧みに取り入れつつ、幾つものアイデアをコツコツと積み重ねることで、彼女の持つ輝きをより強調する映像も、何気に良かった。




【10月12日】
2003年不定期感想(その11)

【小説】ゲームの名は誘拐(東野圭吾/光文社)

 真っ先に興味を惹いたのは、誘拐事件で気になる犯人側の視点で話が進むということだった。それで実際に読んでみると、次第に単純な誘拐サスペンスではないということが発覚するばかりか、誘拐犯と人質の利害が一致して協力するという奇想天外な発想に驚愕させられた。シナリオの展開として見ても、犯人と被害者による目に見えない駆け引きをするところに、シドニーシェルダンのサスペンス小説を彷彿させるスリルと緊張感があって非常に面白かった。そんな息をもつかせぬ盛り上がりを見せた誘拐事件が一旦終結したと思っていたら、在らぬ方向に二転三転するという仕掛けによって、最後まで気の抜けないスリリングな展開にハラハラさせられっぱなしだった。
 さらに、再度読み直してみると、種明かしが判ってることで誘拐事件を手伝う女性は、何故そのような言動をしたのがいろいろと想像出来て面白かった。それと、最後に明かされる切り札に関しても、本文中にしっかりと記載している隙の無さは流石である。
 個人的にはお気に入りの小説ではあるものの、少し気になることもあった。結果的に不可抗力だったとはいえ、あっさりと殺されてしまった人がちょっと可哀相ではないか思った。その犯罪を犯してしまった人物にしても、大して罪の意識がないばかりか、上手いこと闇に葬り去ることに成功してしまったこともどうなんだろう。特に犯罪の隠蔽に関しては、物語に於いて絶対にはずせない要素であったとはいえ、悪いことをしても法をすり抜けて安穏と暮らさせてしまうのはどうかと思う。あと、誘拐を手伝う女性の演技が、いろんな意味でちょっと完璧すぎた嫌いもありはした。しかし、そういう設定だからこそ今回のような面白いアイデアが成り立っているのだと考えると、これについては不問にしてもいいのでは、という結論に達した。
 一部人道的に納得のいかない部分がありはしたものの、全体を通してみれば全く新しいタイプの誘拐サスペンスとして存分に楽しめたのは、疑いようのない事実である。  

【PS】北斗の拳 世紀末救世主伝説

 オープニングで流れる無駄なまでに熱い主題歌は未だに色褪せてない。勢いで作り上げたかとしか思えないような歌詞を独特の発声で歌い上げ、それに当時のアニメをしょぼいポリゴンでそれっぽく再現していたことには素直に感動した。元々アニメのキャラが細かく書き込まれてなかったこともあるだろうが、PSの性能を考慮すればよく似せていると思う。肝心のゲームはどうかというと、状況に応じて攻撃を使い分けることで活路が見出せるようにはなっているので、それなりに上達した気分は味わえるし、悪人に人権なしと言わんばかりに敵を屠りまくる大雑把な展開も結構楽しめた。おまけに言えば、千葉繁による情感の篭ったナレーションの挿入で、感情移入度を大幅に向上させることに一役買っていたことも、重要なポイントではないかと思っている。




【9月29日】
2003年不定期感想(その10)

【アニメ】 機動戦士ガンダムSEED 45話〜50話(TBS)

 途中(45話くらいだったか)からだったとはいえ、作中に登場する人物達が織り成すドラマは結構面白い。キャラの相関関係がある程度綿密に作られているからか、これまでのシナリオを知らなくても普通に楽しめた。
 ただ、あまりにも人間関係に入れ込みすぎてしまったのか、本来であれば見せ場であるはずのメカによる戦闘が映像の迫力の割には淡白だったような気がする。それと、この作品が「ガンダム」シリーズである必要があったかどうかも疑問があるにはある。別にどうしても駄目という訳ではないが、コアな層に人気の出そうな人物の存在感に比べると、ロボットを始めとするメカの方は作品の象徴みたいな扱いのように思えてならない。それはともかく、先の見えない戦いによって生じる様々な感情の縺れ(もつれ)というものはなかなかどうして興味深い。

『最終回までを観て思ったこと』

 見境もなく殺し合いをするようになって明らかに収集がつかなくなった段階で「敵味方関係なくほぼ共倒れしかない」と確信していただけに、うやむやなうちに戦争が終結して主要メンバーの多くが生き残ってしまうという、なんとも歯切れの悪い結末に「そりゃないだろ」と思わず突っ込んでしまった。特に正しいことをしようと一所懸命に努力する主要メンバーの方々には、志半ばで非業の死を遂げてしまう残酷な展開にしてもらった方が、戦争の空しさというがより強調される結末になっていたような気がする。
 あと、気になったのは、ラウ・ル・クルーゼによる正常とは言いがたい戯言に対して、それを覆すだけの正論がなかったことに、物語として大きな問題があったように思えてならない。どんなに「戦争は無益な殺生である」ことを謳ったとしても、当人が武力に頼ってしまっては机上の空論でしかない。気持ちは判るけど、兵器を行使する以上はそれに見合った主張をするのが筋ではないだろうか。
 そうした数々の疑問はあれど、一途な愛と捩れた憎しみが交差するドラマや、大切な仲間があっけなく殺されてしまう無常な展開に「戦争の恐ろしさ」というものを実感させられる演出なんかは、それなりに見応えがあったと思っている。

【小説】 超殺人事件 推理作家の苦悩(東野圭吾/新潮社)

 殺人事件に「超」がつく怪しげなタイトルに惹かれて買ってみた。早速読んでみると、表面上はブラックジョークで笑いをとりつつ、実際は物書きとしてこんなにも悩んでいるんだということを暗に伝えようとした変り種の小説だった。
 例えば、長編小説であることを強くアピールする為とはいえ、突然薀蓄を語らせるなどして分量を水増しすることに対して、最初のうちは反対派の立場だった。しかし、いざトリビアな知識をふんだんに盛り込んだ改定稿を読んでみると、意外なことにシンプルだった元の文章よりも面白く感じてしまった。面白さという点では、某セールスマンを彷彿させる話には大笑いしてしまった。いかにもな商品をあからさまに怪しい名前のセールスマンが、次々と阿漕な商売をしていくという発想の馬鹿さ加減に終始笑ってしまった。
 通して読んでみると、ギャグ色の強い内容ではあったものの、小説家としての苦労というか、不満というものを冗談というオブラートに包んでいたのでないかと意識ようになってからは、笑いながらもいろいろと考えさせられる小説だったのでは、と思うようになった。




【7月21日】
2003年不定期感想(その9)

【NHK教育】 しゃべり場11期について

 これまでで都合4回くらいを見てきて思ったのは「基本的な主張はそれなりに判るのに、そこからの話あいになると今ひとつ噛み合わない」ことだった。一つ一つの意見は正論ではあるけど、何を伝えたいのかが今ひとつはっきりしないからか、ただ自分の主張をぶつけあっているようにしか伺えなかった。
 テーマを出す提案者にしても、反論されることを承知で自分の意見を押し通してほしい。本当に気持ちを伝えたいのであれば相手がどう思うかはこの際おいといて、まずは自己中心のいわばエゴを前面に出すことを心掛けるべきではないだろうか。確かに、一つの主張を曲げずに押し通すことは難しく、時には冷たい人間だとか、こんな考えでは将来が不安だとか、いろいろとマイナスなことを周りから言われてしまうかもしれない。偏った意見をいうからにはそのくらいのリスクは背負わなければならないだろう。しかし、一旦覚悟を決めて己を貫き通すことさえ出来れば、より多くのメンバーに伝わるのではないかと思う。
 とりあえず今後も視聴し続ける予定だけど、11期の感想を今後更新することがあるとすれば、今回のように何かしら傾向が見えてきたらその時はという形になると思う。

【GBA】 メイドインワリオ

 まるでゲームウォッチの時代に逆行したかのようなシンプルさは、ルールが複雑化するソフトで溢れかえる昨今では却って新鮮で楽しかった。ジャンル別にクリアしていくのも面白いが、「ずかん」で個別にミニゲームを選んで限界まで極められるというのも良かった。ゲーム自体は単純で飽きは早いけど、難易度の上昇とともにプレイヤーのテンションまで熱くさせる演出はお見事としか言いようがない。

【GC】 どうぶつの森+

 「メイドインワリオ」のようなミニゲーム集でありながらも、架空の世界の住人になって着の身着のままに遊べばいいという自由度の高い設定にすることで、まったりとした生活を体験できる。これはこれで心地いいのだけど、昔からのゲーマーとしては初代「ゼルダの伝説」が遊べるというのが、正直購入する一番の原動力だった。実際のところ、魚釣りや虫捕りを熱心にこなしていたのは、ゼルダを入手するという目標があったからだと思う。ただ、入手する方法が判明して実物を入手してからというもの、ゼルダにどっぷりハマってしまって、本編への情熱は下がってしまったのはいかんともしがたい。
 とはいえ、本来「どうぶつの森」は一生懸命になってノルマを達成するようなゲームではない。現実の日本と同じ四季を感じながら焦らずのんびりと生活していく中で、小さな喜びをいかに見出すかがポイントとなっているようなので、これからはもっと気軽にやっていこうかと思っている。




【6月23日】
2003年不定期感想(その8)

【NHK教育】 みんなもっと体を鍛えるべきだ!
(しゃべり場10期、その11)【6月20日放送】

 体を鍛えることによって得られるメリットというのはみんな理解しているのだけど、どうしてその選択をしなければならないかという理由が判然としなかったことが、結果的に周りに受け入れられなかった要因になってしまった。提案者の主張の仕方にしても、肉体の鍛錬を相手に強要させるばかりで、それが如何に素晴らしいかという説明が十分に為されなかったことも引っ掛かった。今回のようなテーマを持ち出すのであれば、事前に下調べして万全の準備をしておくべきだったと思う。

 これで10期は終わりなのだが、残念なことに大人道場破りが10代に提言するというのは今回から無くなってしまった。各期の10代にとって最後の総仕上げ的な意味合いがあったと思うし、大人が提案する議題はいろいろと考えさせられることがあった。そう思っているだけに、おとな道場破りで締めくくるという形がいつの日か復活してくれることを願って止まない。

【NHK教育】 居場所がない不安わかりますか?
(しゃべり場10期、その10)【6月13日放送】

 そんなの気にしなければいいと頭では思ってても、中国国籍を持つことが特殊だという気持ちは、簡単に拭えないものだ。そうした複雑な感情は話を聞いてて判ったのだけど、伝いたいことがはっきりしなかったからか、一番いいたかったことはなんなのかは掴みにくかった。これは逆に言えば、何を言えばいいのか判らないほど悩んでいるということでもある。今回の提案者のような生い立ちは、どんな国であろうとも滅多にいないだろうから、家族以外で自分の悩みを打ち明けるなんてことは、相当難しいに違いない。
 それはなんとなくながらも理解できるだけに、尚更しゃべり場メンバーへの主張する内容を絞るべきはないかと思った。周りの対応がどうこうということは必要最小限に留めて、特異な状況に身を置いてしまったことによるいいようのない不安感を中心に話を進めていれば、メンバー、道場破り、ゲストの対応も変わっていたのではないだろうか。つまり、自分が抱える問題だけでなく、周囲の過剰な反応についてまで具体的に語られてしまったことで、周りの人は混乱してしまってどう答えたらいいか判らないという状況を作ってしまった。
 結局このまま番組は終了してしまったのだけど、今回のテーマと提案者の気持ちを考えると、これまで自分で抱えていた悩みとはこういうことだ、という気持ちが伝わればそれで十分だったのかなと、ふと思うようになった。きっと、自分がどのように悩んでいるかを大勢の前で話すことが最大の目的だったのだろう。そうすることで周りだけでなく、提案者自身の意識を変えていくきっかけになってくれれば、という願いも込められていたのだと思う。

【NHK教育】 本当の自分を出せますか?
(しゃべり場10期、その9)【6月6日放送】

 休憩中にメンバーの一人が「相手の話に流されやすくて言ってることがコロコロと変わってしまう」こともあって、トータルで見て何が言いたかったのかは今ひとつ判らなかった。それでも今回の提案者の人柄というか特徴というものはそれとなく浮かび上がったとは思う。
 話の中で学校のみんなに取り入ろうという態度について云々というのもあったが、それはさておき、ファッションについて徹底的に調べ、ついには自分のものにしてしまうレベルにまで到達したのは凄いと思う。さらに、それが自分にとって無関心であったジャンルであるにも関わらず、周りから注目されるほどの知識を時間掛けて仕入れ続ける情熱こそ、その人にとって掛け替えのない長所だと思う。
 一つのことに熱中してしまうと周りが見えにくくなるという欠点もあるだろう。確かにその通りではあるが、一度決めたらとことんやり通す姿勢そのものは立派なのだから、多少の短所を指摘して貶すなんてことしないで、頑張った部分をもっと褒めてあげれば提案者だけでなく、似たような人も大きな自信を持つきっかけになったような気がする。




【6月5日】
2003年不定期感想(その7)

【NHK教育】 親とは理解しあえない!
(しゃべり場10期、その8)【5月30日放送】

 親とは理解しあえない、というテーマがいつの間にやら「父親のことをどうしたら理解できるのだろうか」に変化してしまっていたことが、話をややこしくしてしまった。それでも、中盤以降になって父娘で理解しあいたいという切実な想いというものがあって、心の底では「父親のことを理解したい」けれどなかなか素直になれないという拙い気持ちが痛いほど伝わってきた。
 いくら血の繋がった親子であっても、互いに理解しあうなんてことは容易ではないので、双方で理解しようと努力しない限りは、なかなか難しいことだと思う。大抵の場合はそういうものなんだと割り切ってしまうのだろうけど、今回の提案者、並びに手紙から察する父親には、そうしたいと望む意思があるだ。そうやって互いが歩み寄ろうと努力していけば、100%理解するのは無理だとしても、それに近づけていくことは不可能ではないと思う。

【NHK教育】 どうしたら「ひきこもり」から抜け出せるの?
(しゃべり場10期、その7)【5月23日放送】

 ひきこもりにある状態を脱したいがために、勇気を出してしゃべり場に出ようと決意したことは偉い思う。その一方で、放送50周年の節目としてひきこもりサポートキャンペーンなるものを催している最中に、番組出演を希望する人がいたなんて出来過ぎでは、とも思ってしまった。もちろん、本当にひきこもりから抜け出したいと願って番組に応募したのだと思っているので、その点は大いに評価している。
 こうした懸念を払拭する意味でも、出来る事ならしゃべり場に出るまでの経緯を、少しでもいいから説明してほしかった。こんなことを考えてしまうのも、本放送中で「ひきこもりとはどんなことで、何が原因でそうなってしまったか」ということは本人が話していたのに、この番組に出演することになるきっかけは一切語られることがなかったことに、疑問を感じたからだ。例えば、ひきこもりしていたある日しゃべり場を見て興味を抱き、毎週見ているうちに自分も出てみたいと思うようになった、というようなことを簡易ドキュメントでいいから放送してくれていたら(もし放送していたら御免なさい)余計な邪推をすることもなかったと思う。




【5月20日】
2003年不定期感想(その6)

【NHK教育】 かわいそうってなんですか?
(しゃべり場10期、その6)【5月16日放送】

 「かわいそう」と思われたくない提案者とそれに賛同した中国国籍者と、それに相対する日本人健常者の忌憚の無い意見の応酬は、見ていてハラハラしつつ、内心は面白いとも思ってしまった。自分を肯定してほしいが故に「かわいそう」と思われたくない気持ちと、そんなこと気にしなければいいじゃないかという考え方のいずれも一理あって、一概に否定しきれない。現状ではゲストが言うように相手の気持ちを汲み取って、少しでもお互いが歩み寄るようにならないと、真の理解はなかなか難しいというのが、正直なところではないだろうか。もちろん、そんなこと言われて素直に首を縦に振る訳にはいかないだろう。積み重ねてきた経験は人それぞれだし、どうしても譲れない信念というか、プライドもあることだろう。番組収録終了後のインタビューを見ても互いに納得した様子は伺えなかった。それでも「かわいそう」という言葉だけでも受け取り方が全く違う場合があるかもしれない、ということを考えるきっかけには十分なったと思う。

【NHK教育】 ゆとりより競争が必要だ!
(しゃべり場10期、その5)【5月9日放送】

 競争の社会に身を置かないと人間としても成長できないのでは、ということが言いたかったのだろう。そこから競争が全てという提案者と、必ずしもそうではないのではという反対意見のぶつかりになったのだけど、今ひとつ先の見えにくい論争をしていたような気がする。先週のことも含めて考えてみると、テーマは単純で判りやすい方がいいように思う。今回のでいくと「ゆとりなんかいらない、競争こそが全てだ」くらい挑戦的な提案にしていれば場はもっと盛り上がったのではないか。
 提案者が「医者になりたいと決意したきっかけ」で医者という仕事がいかに素晴らしいかという話はよく判っただけに、ならばどうして競争社会に勝ち抜かなければならないか、という説明が不足していたのは至極残念である。この辺の理屈というか説得力のある理由というものを用意していたら、後半一方的に批判されるようなこともなかったかもしれない。




【5月5日】
2003年不定期感想(その5)

【CD】 グラディウス アーケードサウンドトラック
【CD】 沙羅曼蛇 アーケードサウンドトラック

 どちらもパッと聴いて微妙に違和感があった。おそらく単純に基盤から録音したというだけで、そこから何かしら音質を向上させようという気持ちはさらさらなかったようだ。それでも沙羅曼蛇の方はほぼ全て3ループで収められていたからいいようなものの、グラディウスの方はというと、U以降の作品は1ループ半しか収録されてないという惨憺たる内容にがっかりさせられた。2枚で収まりきらないのであれば多少値段が張っても3枚組にしてでも3ループ収録を実現してほしかった。なんにせよ、これでコナミには過去の作品に対する愛情はないんだということがはっきりした。

【NHK教育】 自分らしいファッションしていますか?
(しゃべり場10期、その4)【5月2日放送】

 前半を見る限り、ちょっと話の論点が見えてなくて今ひとつな感じだった。そもそも提案の仕方が曖昧というか、意味合いが広すぎて何を伝えたいのかがよく判らなかった。それが後半になって朧気ながら見えてきた。つまり「他人の目を気にしてファッションをしていますか」ということが聞きたかったようだ。そのまま話が進めば良かったのだけど、どうして今の心境に至ったのかを説明する辺りから、雲行きが怪しくなってしまった。というのも、提案者が自分を否定されても傷つかない為にしている、というような発言をしたことで、議論がこの話題に引きずられてしまったからだ。
 結局話は纏まらないまま終了してしまったが、周りがどう思うかではなく自分がどう思っているかが大事ではないか、ということはなんとなく判った。結構大事なことを話そうとしていたことが伺えただけに、始めからポイントを絞って主張していたらもっと面白くなっていたような気がする。

【NHK教育】 お金がないと幸せになれない
(しゃべり場10期、その3)【4月25日放送】

 今回の論点は「お金と愛、どちらの方に価値観を置くか」に絞られていて、そのことで熱く議論のようなことをしていたのが面白かった。話の中で「お金もしくは愛のいずれかだけが全てではない」ことを判った上で、それでも敢えて一方の立場で主張し、それを最後まで貫いたことにも感心した。確かにお金と愛のどちらか一方だけ満たされれば幸せになれるという考え方は、突っ込みどころ満載ではある。しかし、これだけ極端なことをしたからこそ、お金と愛についてより深く考えられるようになったような気がする。




【4月20日】
2003年不定期感想(その4)

【NHK教育】 損得でつきあっちゃダメですか?
(しゃべり場10期、その2)【4月18日放送】

 傷つきたくないから損得で人と付き合うんだ気持ちは判る。それに対して、傷つくような経験を多くした方がたくさん学べるのではないか、という考え方も否定はできない。その為どっちの考え方が悪いかというのではなく、どちらか一方の考え方だけに傾倒することに問題がある、ということになりそうだ。表面上の損得だけで付き合うという合理的な生き方ばかりをしていたら、その人の本当の良さというものは到底理解できない。かといって人の心に深く入り込むような付き合いを、全ての人に求めることも非常に難しい。結局のところ「人との付き合いは時と場合によって使い分けるのが理想ではないか」ということで落ち着いたようだ。
 さて、前回は初回ということもあって力が入りすぎて議論が空回りしていた感があったが、今回はその点がかなり改善されていた。論点がぶれることも少なかったし、互いの主張のぶつかり合いによって発生する意見交換の醍醐味というものもあった。この調子が続くようであれば今後も視聴してみようと思っている。ついでに感想の方もひょっとしたら定期的に掲載していくかもしれない。

【NHK教育】 しゃべり場10期を視聴してみて思ったこと
(しゃべり場10期、その1)【4月11日放送】

 第一印象は「似たイメージの面子が採用されているな」という感じだった。いいか悪いかは別にして、パッと見て同じような背格好だったことが、そういうように思わせたのだろう。そうしてしばらく視聴してみたところ、性格面でも似通っているように感じた。多少の差こそあれ、意見の交換が熱くなると押しなべて早口になって、何を話しているのかが判らなくなる。そういう点から、10期のメンバーは意図的に似た雰囲気の10代を掻き集めたようだ。
 一通り視聴してみたが、結局何を話していたのかさっぱり掴めないまま番組は終了してしまった。始めのうちこそ今回のテーマである「イメージに囚われすぎではないか」ということで話し合っていた。それから間もなく会話のテンポは上昇して感情が昂ぶるにつれて論点が少しずつずれてしまい、気がつくとなんのことやらさっぱりという展開を繰り返していた。一応次回もチェックしようとは思っているものの、今回のような流れが続くようであればそれ以降は視聴しない思う。




【3月20日】
2003年不定期感想(その3)


【PS2】 サクラ大戦〜熱き血潮に〜

 ひたすらエンターテイメントに徹したこだわりが伺えるムービーは見応えがあるし、「同級生」シリーズ(エルフ)の影響を多分に受けたアドベンチャーパートも、割合と素直に楽しめた。懸念していたシミュレーションパートも想像していたのとは違って難しいことを考えなくてもいいように工夫されていた。かようにきめ細かな気配りをゲーム全体で行うことで、純粋に作品で描かれた世界観を楽しむことができた。

【パソゲー】 好き好き大好き(その2)

 ふとした拍子に続きをやってみたところ、このゲームのシナリオに感じていた違和感の正体がなんとなく掴めてきた。これは、あくまでも想像上での話ではあるのだけど、「好き好き大好き」のようにキャラの心理を細かく描写する作品は、当時はあまり、否、ほとんどなかったのではないだろうか。だからこそ、この作品で克明に描かれていたことが殊更新鮮に映ったのだと思う。そうした物珍しさが当時のユーザーに受けたのであろう。自分もリアルタイムで購入していたら、或いは絶賛していたかもしれない。
 残念ながら自分は「君が望む永遠」(アージュ)や「家族計画」(D.O.)を代表とする細部に拘った作品を体験した後だったので、そうしたものと比べると「好き好き大好き」で描かれているキャラの心理描写は感心しなかった。キャラの設定やシナリオの展開に見られるいい加減さは、お世辞にも誉められた内容ではない。そうして考えてみると「登場人物の心理描写が豊富な割に、中身が伴っていなかった」ことが、違和感を生じさせる原因になっているようだ。

【ハード】 新型パソコン導入で驚いたこと

 新型パソコンの導入で驚いたのは、なんといっても劇的に変化した「マブラブ(体験版)」(アージュ)のエフェクト効果だった。オープニングの対戦型メカ格闘のスムースな動きを見てまずは驚かされたし、本編に入ってからも疑似立体的なカメラワークや、その最中の背景が微妙に歪ませるなど、数々の映像表現に驚嘆させらっぱなしだった。今更ながらではあるが、「マブラブ(体験版)」の映像技術がこんなにも凄まじかったとは思いもよらなかった。
 ついでに「君が望む永遠」の方も少しやってみたら「マブラブ(体験版)」程ではないが、画像処理が目に見えて向上していた。上空から雨が滑らかに降り注ぐシーンはちょっと新鮮だったし、オープニングのアニメーションも、実はこんなにもスムースな動きをしていたのかと感心してしまった。
 こうしてみると、パソコンのソフトというものはパッケージに記載された推奨スペックを満たすことはもちろん、グラフィックやサウンド等のカードもきちんと装備していないと話にならないんだということを改めて思い知らされた。




【2月7日】
2003年不定期感想(その2)


【アニメ】 1話(テレビ東京)
【コミック】 1巻(八神健/秋田書店)  ななか 6/17

 成長期の少女の精神年齢が6歳児に退行するという発想がまず気に入った。それに明るく無邪気にはしゃぐななか(6歳)の天衣無縫な姿はもちろん、時折顔を出すひねくれた七華(17歳)の素直になれない姿のなんとも言えない愛おしさというものにクラッときた。
 内容に少し触れると、幼少の頃は何をやっても新鮮で楽しく思えるのに、年齢を重ねるにつれてそう思えなくなっていく気持ちはなんとなく判る。好きなことを無心で続けている間は、苦労よりも上達していく楽しさが上回っている。しかし、途中で挫折するなどして壁にぶつかると、今まで苦痛と思わなかった苦労の積み重ねを放棄したくなってしまう。自分も似たような経験をしているだけに、いろいろと考えさせられた。

【PS2】 みずいろ(片瀬雪希シナリオ)

 学園ラブコメに特化した単純明快なシナリオは、その筋のファンなら堪らないものがあるだろう。個人的にはありふれた学園生活の時間が少々長すぎる嫌いがあるものの、じんわりと染みわたる切ない気持ちが徐々に浸透していくシナリオは悪くないなあ、なんて思ったりした。

【PS2】 ことばのパズル もじぴったん

 そんなに中毒性がある訳ではないものの、言葉遊びをやるような感覚でパズルをやっていると思えば、それなりに楽しめる。

【パソゲー】 SNOW(雪月澄乃シナリオ)

 前半のラブコメパートに関しては馬鹿馬鹿しい内容ながらも、頭を空っぽにすればそれなりに楽しめる。後半のシリアスパートもそこにある出来事をなぞっているだけだったとはいえ、まあまあ感動した。
 ただ、全体で見るとあちこちで見受けられる過去の作品(ゲームに限らず)のアイデアをリサイクルして再構築し直しただけの内容には疑問が残る。キャラの設定、デザイン、シナリオ、BGM、どれをとっても何かしら元ネタを想起させる。中にはかなり露骨なものもあったりするのだけど、そうすることが悪いとまでは言わない。せめて、ここだけは他の作品とは違うという特徴を打ち出すべきではなかったろうか。それが無理ならば「ギャラクシーエンジェル」(アニメ)や「エクセルサーガ」(コミック、アニメ)のように元ネタを不条理ギャグで笑わせるというようにしておいた方が余程ましだったのではないかと思った。




【1月7日】
2003年不定期感想(その1)


【CD】 宇宙刑事ギャバン
ベストヒットソング & オリジナルサウンドトラック

この中から気に入ってる曲をいくつかピックアップして紹介

チェイス!ギャバン

 身震いするようなトランペットの旋律で始まり、そのハイテンションを維持したまま雪崩れ込むような感じで、サビの部分を熱唱するところがなんとも素晴らしい。実際ギャバンが敵を追いかけている時に掛かると、映像と曲が絶妙にシンクロしてえもいわれぬ躍動感を味わうことが出来る。

スーパーヒーロー ぼくらのギャバン

 聴いてるうちに気がついたのだが、非常に不思議な曲構成になっている。その原因はどこまでがメロディーでどこからがサビなのか、その辺の境がよく判らないからだ。下手すれば全てサビではないかという気がしなくもないけど、こういう変則的な構成も実は好きだったりする。

蒸着せよ!ギャバン

 なんといってもサビで繰り返される独特なスキャットであろう。「ダイダガダイダガ、ダガディダディ」などを文字にしてみると意味不明であるが、実際に歌っているのを聴くと妙なグルーブ感があるように思えてしまうから不思議だ。

ギャバンダイナミック!!

 このトラック内の2曲目に、かの有名なレーザーブレードのテーマ曲があるのだけど、これがまたいい曲なんだよな。これを聴いただけで当時の興奮が蘇っていくる。

【CD(マキシシングル)】 まぼろし

 知る人ぞ知る「シスタープリンセス リピュア」(本放送は終了)のオープニングテーマ。アニメは前作と比べ、シナリオの方向性や主人公の態度が180度転換したことで、大分趣が変わったが、こと主題歌に関しては同じ路線で勝負してきたようだ。実際聴いてみると、儚くも美しいメロディーをカングー(ボーカル)がアグレッシブに歌うところは、結構気に入っている。
 そんな中、ポップスの基本である「Aメロ、Bメロ、サビ」という形を取らない変則的な構成には、少なからず驚かされた。「まぼろし」では「【1番】サビ@、Aメロ@、AメロA、サビA【2番】AメロB、サビB【3番】Bメロ、サビC」という構成になっている。このようにAメロだけBメロだけのパートがあるのは、日本のポップス界では珍しい部類に入るといえよう。
 確かに特殊な構成ではあるけど、いい曲として仕上がるのならどんな形であろうとオッケーなので、これからも既成の枠に囚われない自由な発想の作品が、次々と登場してくれることを祈っている。

【コミック】 天使な小生意気16巻(西森博之/小学館)

 15巻で死にものぐるいになって敵に向かっていた美木の形相を見た時から思っていたが、今改めて16巻でメグが言った台詞を見て余計にその感じが強まった。美木は自分の為ではなく人の、それもメグの為なら命は惜しまない。そんな悲壮感漂う感じがなんとも切なくて悲しい。メグが「もう美木を戦わせたくない」と言ってるけど、自分も同じように思った。