不定期感想の部屋(2004年)
2004年1月24日作成
最終更新日 2007年4月15日

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【10月24日】  【10月30日】  【11月9日】  【12月19日】

【12月19日】
2004年不定期感想(その14)

【DS】 ニンテンドウDSの所感

 ゲームそのものは、劇的に変わったわけではないが、肝であるタッチペンの操作に関しては、やはり、新鮮な楽しさがあった。タッチパネルの感触も非常に良好で、操作環境に関しては、申し分のない出来栄えではないだろうか。こうなってくると、ハードの売り上げを牽引するキラーソフト(DSであればポケモンの新作)がいつ登場するのかが、今後の課題であろう。
 「タッチペンで操作するだけで、誰もが手軽に楽しめることを実現した」ただそれだけでも、DSを発売した価値は十分あったと思う。それに、この手の感覚による楽しさは、万国共通なので、国内のみならず、世界中でヒットする可能性を秘めたハードだと思う。
 とりあえず、ソフトも3本程購入したので、それらの感想も簡潔に述べておこうと思う。いずれも、タッチペンを意識したゲームデザインで、面白さに幅を持たせることに成功した良質なソフトであるといえよう。

直感ヒトフデ

 基本はシンプルでありながらも、パズルゲームにある特有の中毒性はバッチリなので、ちょっとした時間潰しには最適なソフトである。やはり、パズルは単純なルールで悩ませるのが一番のようだ。

さわる、メイドインワリオ

 初代も十分楽しかったが、タッチペンとマイクを使用することで、これまでの操作では得られなかった楽しさが味わえた。タッチペンと似たようなところでマウスがあるが、手で持ってクリックする煩わしさがない分、前者の方が、あらゆる点で便利なように感じた。

スーパーマリオ64DS

 N64版は店頭でちょっとしかやってないので、ほぼ、初めてではあるが、3Dアクションとしてのギミックは、十分詰め込まれていた思う。慣れないうちはタッチペンによる操作は非常に難解だと思っていたが、ある程度動かせるようになると、思いの外楽しくなってきた。

【アニメ】
機動戦士ガンダムSEEDデスティニー 8話〜10話(TBS)

 途中からということもあって、なんだかよく判らんことが多いにも関わらず、面白そくなりそうな予感をひしひしと感じた。登場する人物の大半が、本心を隠して相手との腹の探り合いをしていて、本当の目的が不鮮明にしてあるところが、割と良かったりする。前作では、最後の方で、強引な幕引きに興醒めした経験があっただけに、今回は果たしてどんな結末になるのであろうか。
 現実の世界でもそうだけど、戦争の根本的な原因の追求がどうでもよくなってきているところや、一部の狂人によって世界が混乱したことに乗じて敵を殲滅させようと目論むところなんか、実際の世界情勢を見ているかのような興味深い事態になっている。
 黒幕とおぼしき人物(ジブリールだっけ?)にしても、崇高な能書きを語る割には、相変わらず、先の事を考えられない馬鹿野郎というのも気に入った。こういうキチガイ系キャラは、とんでもない展開に無理矢理持ち込もうとするが得意技である。だとすれば、今後彼の動きで、情勢がどのように動かされてしまうのか、要チェックであろう。
 そして、何か含みのありそうな仕草で、いきなりアスランに抱きついたラクスに扮したミーアも、今後の展開になにかしら絡んできそうなキャラになりそうだ。国民に絶大な人気のあるアイドル「ラクス」の及ぼす影響の大きさを考えると、彼女のもたらす力がどのように利用されていくのか、今から楽しみである。




【11月9日】
2004年不定期感想(その13)

【芸能】 アイドル歌手受難の時代

 モーニング娘。を中心としたハロープロジェクト出身のアイドル歌手は、基本的には普通に可愛い女の子である。その為、これまでと同じようなアプローチで、過去の栄光を取り戻そうというのは、相当な無理難題ではないだろうか。
 例えば、小倉優子クラスの神懸り的な可愛らしさは、ある意味天性なので、努力だけではどうにもならない。その上、そういうタイプのアイドルに限って、自身の可愛さを十二分に引き出す戦略を、本人、もしくはアドバイザーなんかが仕立てているものである。そうなってくると、「普通の可愛さ」しかない素人同然のアイドルが、人と同じような努力だけでスターになれようはずがない。
 人気絶頂にまで登りつめたモー娘。にしたって、全国を手渡し行脚するなど、普通のアイドルには真似の出来ない努力をしたからこそ、大勢のファンがついてきたんだと思う。確かに、ちょっと可愛いと周りの人間はちやほやするであろうが、それもごく僅かな期間だということを忘れてはなるまい。
 ただでさえ、CDの売れ行きが右肩下がりを続けている現状では、綿密な市場調査をした上、発売前のプロモーション戦略で、世間を「アッ」と言わせるような宣伝をしない限りは、アイドルに限らず、純粋に歌でヒットさせるのは、非常に厳しい時代になったと言えよう。

【プロ野球】
2004年日本シリーズ 中日 対 西武(全7戦を終えて)

 終わってみれば西武が日本一になったが、振り返ってみると、どちらのチームも発展途上だったことが、4勝3敗という僅差の割には、それ程白熱しなかったシリーズと思わせる原因になっている。ギリギリのプレーになると、守備側はこぞってエラーしているところや、攻守の作戦が単純な仕掛けばかりなところなどが、今後の課題であろう。
 今シリーズで勝敗を分けたのは、先発で安定した投球の出来る右の本格投手の有無だったと思う。西武には松坂、石井貴、西口の3人に対して、中日は川上だけだったことが、戦況に大きく響いた。中日にはもう1人、大きく曲がるスライダーで西武打線を翻弄した右の山井がいたが、登板が遅かった(第4戦で先発)ことと、第7戦は中継ぎだったことが、裏目に出てしまった。
 他にも左の軟投派である山本昌と右の速球派であるドミンゴがいた。しかし、山本昌は最後まで右投手で通用した戦法を活かしきれなかったし、ドミンゴの制球難は、短期決戦ではマイナスに働いてしまった。
 結局のところ、先発ピッチャーの制球力の差が、思ったよりも大きかったことと、2人の監督による采配に、あまり戦術を感じさせなかったことが、シリーズならではの醍醐味を感じさせなかったのではないかと思う。




【10月30日】
2004年不定期感想(その12)

【ゲーム話題】
対決!!
ニンテンドウDS(ダブルスクリーン)
VS
PSP(プレイステーションポータブル)

 両ハードの価格、発売日がついに決定した。それぞれの設定を見る限り、発表の段階では先行したDSの方が、いずれの面でも優位に立てたと思う。
 値段は両者の性能を考えると、DSはメーカーとして精一杯の価格(税込み15000円)であるといえよう。それに対して、PSPは、DSを意識するあまり「採算が破綻してしまうのでは」というレベルの価格(税込み20790円)になってしまった。
 発売日に関しては、PSPはライバルとのバッティングを避けて、遅めにした(12月12日)ことで、クリスマス商戦を逃してしまう恐れがある。もう一つ気になるのは、先行発売される新型PS2の存在だ。発売時期が悪くない(11月3日)ことを考えると、PSPを無理して今年中に投入する必要があったのか、甚だ疑問である。
 新型PS2は実質新ハードではないものの、買い替え需要も手伝って、かなりの売り上げを伸ばすだろう。しかし、値段や基本的な性能がほぼ一緒で、ソフト的にこれといって差別化されてないPSPは、消費者の購買意欲を半減させてしまうような気がする。新型PS2の売りである「小型軽量化」したというのも、携帯型であるPSPと混合する紛らわしさが、更なるマイナス因子となるであろう。
 一方、DSはというと、米国市場の大きさを考えて、そちらを先行販売させるとはいえ、PSPに比べれば断然ましな発売日(12月2日)なので、数さえ揃えられれば、国内のクリスマス商戦も十分間に合う。
 同発タイトルにしても、PSPは既存のPS2があれば十分なソフトばかりでは、他にアピールする要素で想像を絶するくらいの挽回をしないと、絶体絶命の危機に追い込まれてしまいそうな匂いがプンプンする。
 DSはどうかというと、最大の強みである新しい遊びを提供したことによって、得られるであろう新鮮な楽しさがあるのは、大きなアドバンテージであろう。オリジナルはもちろん、過去の作品のリメイクにしても、ハードの付加価値でユーザーに対して、十分なアピールになると思う。
 今のところ、両ハードを購入するかは未定であるが、仮にどちらかを選ぶのだとしたら、新しい遊びが楽しめそうなDSの方を選ばせてもらう。そして、ハードシェア争いの予想をさせてもらうと、このままの状況で互いのハードが発売されるようなら、携帯ゲーム市場はDSが独占するであろう。




【10月24日】
2004年不定期感想(その11)

【プロ野球】 2004年日本シリーズ
西武 対 中日(第5戦所感)

 川上憲伸の気迫溢れるピッチングを見ていると、本格右腕から繰り出される気迫の投球には、如何に見応えがあるかを思い知らされる。球種を見ると、ストレート、カットボール、スライダー、カーブ、シュート、フォーク、と一般的な投手が投げる変化球を、この試合では、きちんと投げ分けていた。このうちメインとなるのはストレートとスライダーなのだが、対西武戦ではカットボールが有効だとみるや、この球種をメインに、要所で他の変化球を混ぜる幅広い投球で、西武打線を翻弄した。
 川上の快投には、第4戦で好投した山井のピッチングが、大いに参考になっている。山井が得意とする、曲がりの大きいスライダーを武器に、西武打線を完全に封じた。投手だけでなく、キャッチャー谷繁の好リードも光っていた。西武の右バッターが外角を苦手とみるや、徹底してアウトコース攻めを多投した。
 第6戦の展望は、先発が予想される左の山本昌弘が、川上や山井の時と同じような攻め方をしてくるのかであろう。それに対抗する西武打線は、右バッターによる内角待ちを続けるのか否かも注目である。この辺りの駆け引きが、シリーズの勝敗を決めるのではないだろうか。

【コミック】 美鳥の日々 5〜8巻(井上和郎/小学館)

 春日野美鳥という、1人の少女の秘めた恋が成就するまでを、最後まで直球勝負で描ききっていた。使い古した表現ではあるが「これぞまさに、ラブコメ界の王道」に相応しい内容だった。表向きの学園ドタバタ劇に見られる明るさは面白かったし、核心では美鳥の心の弱さが浮き彫りにして、痛いところを突くところを見せられては、何度となく切ねえ気持ちになった。
 そうした数々の葛藤を乗り越えたからこそ、最終話での告白シーンでは、爽やかな感動に包み込まれたのだと思う。安定したラブコメが展開されたまま、最後までこちらの予想を裏切ることなく、きちんと話を収束させているので、この手のジャンルが好きなら素直に楽しめると思う。

【CD】 チャック(SUM41/ユニバーサルミュージック)

 ギターの激しい演奏に呼応するように歌うボーカルの叫びが、FMで流れたのを聞いた瞬間にビビッときた。「We're All To Blame」はパンクロックと称されるだけあって、独特の激しいメロディーは、ちょっと癖になりそうである。ただ、緩急の意識が強すぎるあまり、バラードのパートが地味に聴こえてしまうのはもったいない気もする。そうしたマイナスはあれど、それを吹き飛ばすだけの強烈なインパクトがあったのも確かである。
 もう一曲「No Reason」は前述のに比べるとロックに近い曲ではあるものの、トータルバランスではこちらの方が上ではある。最も、インパクトという点では、ちょっと及ばないのが痛し痒しといったところか。




【9月27日】
2004年不定期感想(その10)

【GBA】 ファミコンミニ 悪魔城ドラキュラ

 慣れるまでは昔ながらの難易度にシビアさを感じた。倒したと思ったらすぐさま新たな敵が出てきたり、こちらから攻撃しようとした途端に反撃してきたり、といったように、心理的に嫌らしいアルゴリズムが随所に見られた。
 中盤以降は、敵の行動パターンにランダム要素が入ってくるので、余計に対処が難しくなっている。場所によっては少しでも躊躇すると、完全にパターンが狂って、手に負えなくなることがしばしばあった。そうした厳しい場面がありはすれど、繰り返し練習すれば必ず道が開ける難易度なので、1周目であれば誰でもクリアは可能である。
 グラフィックは当時にしてはよく書き込まれている。ただ、BGMはディスクの容量の限界からか、全体的に大人しいように感じた。それもそのはず、最近になってクリアする程度は遊んでいた「悪魔城伝説」が、全てにおいてレベルの高い完成度だったからだ。ディスクの約三倍はあろうかという大容量と特殊音源チップを搭載することで、演出関連も格段に美しく仕上がっていた。とはいえ、当時の状況を考えれば、バランス調整に多少の難があることを除けば、歯ごたえのある面白いアクションゲームではないかと思う。
 それにしても、聖水で敵の動きを止めてから鞭で叩くという発想は実に素晴らしい。大抵のボスキャラはもちろん、最後の敵ドラキュラの最終形態さえも(ま、これは十字架でもいいんだけどね)、それを利用すれば楽に倒せるくらい、実用性の高い武器だった。

【GBA】 ファミコンミニ 謎の村雨城

 先の「悪魔城ドラキュラ」も不条理なところがあったが、「謎の村雨城」はさらに輪を掛けて酷かった。雑魚キャラが1面からランダムで動くばかりか、主人公の間合いを的確に見切ってしまうなど、隙のない攻撃をする敵が多いのには参らされた。主人公鷹丸の攻撃力にしても、爽快感とは無縁な貧弱な武器しか無く、お陰でゲーム中は少しの油断も許されない緊張状態を強いられる。
 その後も敵側の攻撃だけが激しくなるという理不尽さに、ストレスは溜まりまくる一方だった。それでも、当時は桃雨城主(ボス)までたどり着いた記憶があるが、今はその一歩手前の桃雨城下(道中)で苦戦中である。最も、ゲーム自体が単調で飽きやすい内容なので、このまま途中で挫折してしまう可能性が濃厚である。

【DVD】 松浦亜弥 シングル V クリップスA

 パッと見、スタッフが入れ替わったのか?と勘ぐってしまう程、映像のセンスがガタ落ちしていた。いずれも単調な映像の垂れ流しというものばかりで、これではとてもではないが、楽しい気分にはなれそうにない。
 前作では、松浦のいろんな一面をこれでもかと見せることで、ファンに対してアピールをしまくっていた。それが、今作になると、ほとんどといってもいいほど、見るも無残なものばかりになってしまった。おそらく、アイデアが尽きてしまったのだろうが、前作での凝った映像を見ていただけに、もう少しなんとかしてほしかった気もする。
 曲そのものはというと、3曲のバラード系はどれも捻りのないベタな作りで駄目だった。アグレッシブ系は、ラテンやユーロビートといったノリの良い曲は、個人的には気に入っているものの、松浦らしさを特徴づけるリズムが微塵も感じられないところに、痛し痒しなもどかしさを感じた。




【7月19日】
2004年不定期感想(その9)

【社会問題】 プロ野球合併問題

 正直なところ、球団同士の合併や、1リーグ制に移行することは、良いとも悪いとも言えない。確かに、オールスター戦や日本シリーズがある2リーグ制の方が面白いし、盛り上がりもすると思う。
 しかし、現状のままでは、パリーグの経営が成り立たないというのであれば、1リーグ制に移行してしまうのも、止むを得ない。そこに、年々低下する巨人の人気回復を画策せんとする、ナベツネオーナーの独り善がりな思惑があろうとも、経営を改善させるには、何かしら手を打たなければならないだろう。
 とはいえ、原因となっているパリーグ球団の赤字が、どの程度のものなのかを、衆人に対して、具体的に判りやすく説明するのが筋であろう。何の理由もなく、ただ経営が苦しいから合併だの、1リーグだのと騒ぐのは、どうにも腑に落ちない。
 本当にプロ野球のことを考えるのであれば、せめてオーナーレベルでの会議でだけでも、正確な情報の公開をすべきである。今のまま、なんだか知らないうちに事を進められれば、事の成否がどうであれ、誰も納得しないと思う。

【DVD】 新世紀エヴァンゲリオン(Volume1〜7)

 いろいろと物議を醸した最終25、26話で、登場キャラによる答えの出ないことに自問自答して葛藤するところは、【パソゲー】の「MOON.」を彷彿させる。内容のほとんどが、「言語明瞭意味不明」だったことが気になりはするものの、おそらく何かしら意図するものがあるのだろう。
 DVDではテレビ放送とは違う結末を描いた別バージョンも同時に収録していたものの、行き着くところは、結局のところ一緒だったような気がする。人類保管計画なんて大層な名目がありはしたが、結局のところどうでもいいようだ。それよりも、多くの人が抱えているであろう「精神的な不安」をクローズアップすることが、この作品最大のテーマとして伝えたかったのかもしれない。
 そう思っていたら、ふとした時に、作品の意図するものが朧気ながらも浮かんできた。つまり、人類補完計画とは「人の歴史をリセットして、何もかもやり直す為の壮大な計画」ということのようだ。抹消されし人類が培ってきた経験をデータとして保存し、それを、選ばれしアダムとイブで人類の歴史をリスタートさせようというのが、計画の概要らしい。
 だとすると、テレビ版の最終25、26話の内容も理解出来なくもない。最後は「学芸会オチでした」みたいな感じではあるが、それまでの荒唐無稽としかいいようがない登場人物達の台詞も、蓄積されたデータの一部分なのかな、と考えると合点がいく。
 人類は間違った方向に向かってしまったかもしれない。しかし、一から出直すことが可能であるなら、もしかしたら、ベタな学園ラブコメが繰り広げられる、馬鹿馬鹿しくも楽しい世界に導けるやもしれない。そんなメッセージを伝えようとしていたと考えると、なかなか興味深い内容だったのかな、と思えるようになった。




【5月26日】
2004年不定期感想(その8)

【ゲーム話題】 PSPとニンテンドーDS(5月12日)

 E3で発表されたPSPのラインナップを見ているとPS2で発売されたソフトが目立つのだが、果たしてこれでいいのだろうか。PS2とほぼ同じ内容のソフトをわざわざ携帯ゲームとして遊びたがるだろうか。それも高価になると思われる価格(ハードの性能を考えると、税込み3万円がいいところか)のハードも一緒にである。
 もう一つ気になるのは、性能がPS2並みにしてはソフトの容量が最大1.8ギガバイトしかないことだ。3DCGをフルに使えば、莫大な容量を使わなければならないだけに、ゲームキューブ(一枚の容量は確か1.5ギガバイトだった)の二の舞になりはしないだろうか。
 そうした理由から、自分としてはPSPが売れるとは到底思えないのだが、それでも間違って大ヒットしてしまったとしたら、もはや、自分の感覚というのは現代のユーザーとは大きく乖離してしまったということなのだろう。現実にそうなってしまったら非常に悔しいので、今の段階で出来ることは、失敗してくれることを祈るだけである。
 対するニンテンドーDSは、二大新機能(上下二画面にタッチパネル)を活かしたソフトが出るのかどうかが一つのポイントになるだろう。それよりも、ポケモンシリーズがこれまでと同様にソフト、ハード両面で貢献してくれるかどうかが、ハード普及の大きな鍵になるのは間違いない。それと、価格については、なんとも難しいところだが、思い切って1万5千円プラス税くらいにしないと、ライバルに対抗できないかもしれない。
 ただ、今回のハード競争の勝敗とは関係なく「先細りし続けるゲーム業界にいつまでもしがみついてないで、新たな事業で一からやり直すことを、真剣に考えてもらう時期がきたのでは」なんて思ったりもしている。

【アルバム】 マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
ボーカルコレクション ジュエルBOX1(ポニーキャニオン)

 本放送で流れていた時から気になっていたが、こうして改めて聴いてみても、ブラックビューティーシスターズが歌っていた「黒の協奏曲〜concert〜」は、暗く淀んだ悪のテーマソングを見事に体現していて、実に素晴らしい。ともすれば、主人公側が歌っていた明るく前向きな曲なんかよりも魅力を感じてしまうくらいだ。歌詞にしても「平和なんて幻、鏡に映らぬまやかし」といったように、正解のない世の中の本質を突ける悪の魅力というものが色濃く表現されている。
 あと、オープニングの主題歌も結構上手いボーカルが、爽やかさの中に切なさを内包した曲を歌っていたことが、印象に残っている。

【プロ野球】 2004年の横浜

 とにかく中盤(5、6回)でリードすれば、中継ぎの川村、ギャラード、加藤、デニー、木塚がローテーションで投げ、最後は大魔神佐々木で締める形が出来ている。後ろがしっかりしているので、先発投手は100〜120球を目安で交代させられるので、継投のタイミングさえ間違えなれば、守りはほぼ完璧であろう。
 打線は、若手で成長著しい内川のバッティングは目を見張らせるべきものがある。守備に難がある(元々ショートだったが、チーム事情で今はセカンド)ものの、それよりはシーズンを通して活躍出来るかが当面の課題であろう。これで、不調に喘ぐ中堅の鈴木尚典と、二年のジンクスにハマっている村田が復調してくれると、打線にさらなる厚みが出てくると思う。あとは、故障気味の多村が、怪我で戦線を離脱するようなことにならないよう、ひたすら祈るだけである。
 頭の痛い問題となっている中日とヤクルトとの対戦であるが、現状ではこれといった対策が思いつかないので、今まで通りの戦い方から苦手意識を克服していくしかなさそうだ。



【5月5日】
2004年不定期感想(その7)

【ドラマ】 牡丹と薔薇 完全版(フジテレビ)【4月23日放送】

 可愛さ余ってにくさ百倍という言葉を地で行く、恐るべき愛憎劇だった。なんといっても、香世の行過ぎたまでの一方的で歪んだ性格は、ともすればギャグとさえ思えるくらい常軌を逸していた。それもこれも香世が心より信じていたぼたんに裏切られたからに他ならない。様々な行き違いによってぼたんと香世の溝が広がるにつれて、半狂乱になって暴れる香世の顔は本当に恐ろしかった。香世の仕打ちによって、ぼたんの命まで瀬戸際に追い詰められてしまうまでの怒涛の展開には、ただただ圧倒された。
 少女時代の宿命的な出会いと別れ、そして大人になって再開してからの数奇な運命に翻弄される、ぼたんと香世が繰り広げた信頼と裏切りの果てにあったのは、永遠の姉妹愛だった。子供の頃に誓い合った「決して離れ離れにならない」という約束を、2人が同じ境遇を体験することでようやく果たされたというのも、なんだか皮肉としかいいようがない。ぼたんと香世が築き上げた幸せを裂く事は、何人たりとも決して出来やしないということのようだ。

【ドラマ】 渡る世間は鬼ばかり
パート7について(TBS)【4月1日〜】

 今シリーズのテーマは「何を拠り所に生きるか」のようで、若者は何を目標にして頑張るのか、老後の生きがいとは何か、そして、親子は何を支えに暮らしていくのか、といったようなことを見据えながら、話は進むようだ。
 ただ、このドラマの良さというのは「人のいうことを聞こうとしない我侭な人間に周りが振り回されて迷惑する」ことにあったと思う。そこへいくと、今のところ、物分りのいい人ばかりで問題が膨らまないのが、面白さに欠ける。
 そうしたら、幸楽のケータリングで食中毒事件に巻き込まれることで、少しは面白くなりそうだ。この件で鍵を握るのは、今までいい人だった光子になりそうだ。これまでは多少言い返す程度の控えめな性格だった彼女が、事件を境に強気な発言で周りを引っ張る強引な部分が顔を出してきた。光子の変貌が今後、どの程度影響を及ぼすのか、楽しみである。
 ただ、修復困難なトラブルの発生の遅さがそのまま視聴率の低迷(平均16〜7%)に繋がっているのが気掛かりだ。数字だけ見れば悪くないが、前のシリーズは常に20%を超えていたことを考えると、ちょっと心配である。

【NHK教育】 オタクの何がいけない?
(しゃべり場14期)【4月23日放送】

 一通り見たけど、提案者の主張は「なんだか違うな」と思った。何かに悩んでいるというのではなく、ただ純粋にギャルゲーにハマっているというだけのようにしか見えなかった。それでも十分オタクと呼べるのだろうけど、やはり公共の場に出すからには、普通に会話の出来る人間でなければならなかったのだろう。そもそも重度のオタクであればメンバーに選出されるはずもない。大多数の人間がまともだと想定される思考の持ち主だったせいもあって、互いの立場からの率直な意見が交換されただけという、今ひとつな内容だった。
 そもそもオタクの何がいけない?と反語を用いている割には、それほど不満を抱いているようには見えなかったのが、何をか言わんやである。結局のところ何が言いたかったかがあまりはっきりしなかった。多くのパンピーから支持を得てない趣味をしているというだけで、後はその他大勢の人と変わらない幸せな生活をしているのなら、わざわざ番組に出て主張するまでのことではないように思った。



【3月31日】
2004年不定期感想(その6)

【アニメ】 ふたりはプリキュア 9話(テレビ朝日)【3月28日】

 内容そのものは完成度の高い8話と比べると劣ってしまうものの、なぎさとほのかの日常に重点を置き、敵との戦闘はおまけという流れは同じだったので、安心して観ることが出来た。8、9話のようにスタッフの意図がはっきりした演出が続くようであれば、今後も視聴は続けていくと思う。
 ただ、もし自分がスポンサーの立場であったら、不満が無い訳ではない。単にキャラクターの肖像をプリントしたメーカー特有の商品なら問題はなかろう。しかし、アニメに登場するアイテムを商品化する場合はそうもいかない。やはり、ある程度は番組の中でその存在を強烈にアピールするべきだろう。
 せっかくアイデア次第でいくらでもバリエーションを増やせるカード方式なのだから、やりようはいくらでもあるはずだ。もし、企画段階で煮詰まっているのだとしたら、せめて、カードをスラッシュさせる場面を増やしてみるだけでも、商品に対する印象度は変わってくると思う。本当に商品を売る気があるのなら、もう少し活躍の場なり何なりを考えなければならないと思う。

【コミック】 頭文字D
プロジェクトD [栃木エリア]編(しげの秀一/講談社)

 劇場版で一区切りしたので、もうこれ以上はやることないだろう、なんて高を括っていたらとんでもない。これを読んでいたら、車の世界というのはまだまだ底知れぬ奥深さがあるんだということを目の当たりにした。
 確かに映像的な派手さというものは感じられなかったものの、より速く走る為に必要な「向上していこうとする気持ちを維持すること」が如何に難しく、そして大事なのかということを、今回の話で改めて痛感させられた。




【3月22日】
2004年不定期感想(その5)

【アニメ】 ふたりはプリキュア 8話(テレビ朝日)【3月21日】

 最初の頃は後半パートのほとんどを敵との戦闘に時間を割きすぎたのが災いして、変身したヒロイン達のピンチばかりが強調され、そこから何事もなかったかのように必殺技で強引にフィニッシュする展開が非常に鼻についていた。ところが、久し振りに今回の放送を見てみたところ、かなり面白かったというだけでなく、今後の製作方針に関しても一つの指針になるような興味深い展開が繰り広げられていた。
 個人的に堪能させてもらった最大の要因は、物語の比重を主人公2人(美墨なぎさと雪城ほのか)の心理描写に重点を置き、敵との戦闘はおまけ程度にしたことである。今回は彼女達の友情に亀裂が生じるというありがちな話ではあるが、互いに素直になれないところを様々な手法を用いて丁寧に描くきることで、非常に好感の持てる内容にまで昇華させている。仲直りするまでの過程にしても、2人の感情を前面に押し出すことで不自然さを感じる隙を与えない演出は、圧巻であった。
 内容の充実も然ることながら、「何事に於いても徹底的に考えるのが一番大切だ」ということを、真摯に伝えようとしていたことにも感心した。なぎさとほのかが、互いの気持ちを親身になって悩んだからこそ、今まではっきりしなかった部分が朧気ながらも理解できた訳だし、それによって相手を許そうという気持ちも生まれたのだと思う。
 おそらく、彼女達が真剣に考えるのは今回限りかもしれないが、出来ることなら今後も、自分や周りとの関係や敵との戦いで、試行錯誤していく様子を中心に展開していけば、ひょっとしたらダークホース的な存在になるかもしれない。

『電波系ソング(「ふたりはプリキュア」主題歌)について』
(3月31日加筆修正)

 主題歌「DANZEN! ふたりはプリキュア」が一部で「電波系」と噂されているが、どうしてなのだろうか。その理由を考えると、「普通では考えられないくらい執拗にタイトルを連呼する」ことが原因ではないかと思われる。
 リフの至るところで「プリキュア」を連呼してるし、関連するワード(プリティーでキュアキュアなど)も無駄に充実している。最後もオーケストラヒットによるインパクトのあるリズムと共に「プリキュア」を二度繰り返して終わらせることで、強い印象が残る工夫を凝らしている。こうした一連のクドイ手法が一部の大人にとっては「電波系ソング」として聞こえてしまうのだろう。
 考えてみるとプリキュアの主題歌は作品同様、非常にオーソドックスなスタイルをとっていると思う。お子様向けあることを意識した単純明快な歌詞なんかは、まさにその典型である。だとすると、周りが評する「電波系」というよりは、「一昔前の懐かしいアニメ主題歌を再現しようとしていた」と考える方が、むしろ妥当ではないだろうか。

『黒と白』

 おまけで言わせてもらうと、どうしてなぎさが「キュアブラック」で、ほのかが「キュアホワイト」なのかを考えてみたところ、彼女達の苗字がそれぞれの色に対応していたことに気がついた。つまり、美墨なぎさには「墨」、雪城ほのかには「雪」、というように黒と白を連想させる漢字を当てはめていたからだった。判ってみればなんてことないのではあるが、それでも、黒と白を振り分ける設定までもきちんと考えていたことに、今更ながら驚いた。




【3月12日】
2004年不定期感想(その4)

【コミック】 覇王 1巻
(木村シュウジ【原作】朽葉狂介/竹書房)

 オープニングで「誰が世界一の雀士なのか」を殊更大げさに煽りまくるところがなんとも可笑しかった。実在するプロの雀士(一部仮名)とコミックに登場したキャラが一つの大会に勢ぞろいするというのも馬鹿馬鹿しくて大好き。前にトリビアの泉で「ウルトラマンVS仮面ライダー」を紹介していて、そこでは2大ヒーローが対決する訳ではないのに、インパクトがあるからというだけでVSをつけていたが、それ以上の出鱈目な設定というのがいたく気に入った。
 はっきりいって麻雀なんてゲーセンの脱衣麻雀くらいしかしたことがないので、細かいルールであるとか攻め方のポイントの説明のところはさっぱり判らなかった。さらに言えば「哭きの竜」がどれだけ凄いのかというのも、昔のファミ通で掲載されていた4コマギャグで見た程度で、それ以上のことは全く知らない。ではあるのだけど、実際読んでみると、当時使われていた有名な台詞が出ただけで竜の存在感というものがひしひしと伝わってきた。試合でも異様なまでの勝負強さを強調することで、彼独特のオーラというものがあるように感じられた。ここまでくると「よくもまあこんなにも下らないことを」と思いつつ、「ここまで徹底されると、逆に面白くなるもんなんだな」と妙に感心してしまった。

【社会問題】 浅田農産会長夫妻の自殺ついて

 これまでの経緯(方々に謝罪し、会社では再建を前向きに考えていた)を考えると、果たして事件責任を放り出して自殺なんてするものだろうか。もしかしたら、コナンや金田一少年や古畑任三郎といった推理もののなんかでよくある「自殺に見せかけた殺人」なんて途方も無い可能性を勘ぐってしまう。
 ただ、本当に自殺だというのであれば、例えその先には辛いことばかりであったとしても、生きて責任を全うしてほしかった。こんなこというと「死人に鞭打つようなことしなくても」と言われるかもしれない。しかし、それなら「事件の真相が判らないまま被害が拡大してもいいのか」と反論したくなる。
 ただでさえ鳥インフルエンザやBSE問題で食品安全に関してナーバスになっているところに、鶏からカラスに感染している可能性が高いと報じられれば、何を信じていいのか判らなくなる。今のところ日本では人に感染したという報告はないようだが、原因究明が遅れることで人に感染するだけならまだしも、死亡してしまう事態にまで発展してしまったとしたら、一体誰が責任を取るというのだろう。報告義務を怠った会社は当然としても、対応の仕方次第では国や関連する企業も、同様の責任を取らなければならない事態にまで発展することも、大いにあり得る。
 日本という国は何か問題が発生しても「隠蔽すればいい」という事なかれ主義が根付いているが、それではなんの解決にもならない。今回の事件をきっかけに、いつまでも根本的な解決を後回しにせず、原因を徹底的に解明して二度と同じ悲劇が起こらないように対策を施してほしいものである。




【2月28日】
2004年不定期感想(その3)

【社会問題】 発明の対価200億円について【1月31日】

 今回の額が適切かどうかなんて知る由もないが、少なくとも今回発明されたものが世界規模で影響を与える画期的な発明であることは揺るぎない事実のようだ。新聞やラジオの解説なんかを聞いてて特にそう感じた。
 今回の判決で他の企業は「このことをきっかけにまた巨額の請求をされるのでは」なんて心配しているが、今回のようなことなんて滅多に起こらない。理由は「1人の科学者による創意工夫によって生み出されたものであり、会社も融資をしたのは最初だけで以降は一切の援助をしていない。そして、一つの発明特許で千億単位の売り上げが見込まれるというのに、今回の発明で得た報酬はたったの2万円、おまけに会社は先に発明者に対して損害賠償請求をしてしまっている」である。
 現在は、売り上げに対する報酬こそ会社によってマチマチであるが、どこの会社もチームで開発を進めるのは当たり前だし、その為の設備投資もしている。損害賠償請求にしても、莫大な利益を守りたいが為に一人の開発者を拘束しようとばかり考えている非人道的な態度は、裁判でも会社側に不利な状況を作ったのではないだろうか。そうした事情を踏まえて考えてみると、今回の判決が如何に特殊で稀な事例であるかが容易に判ると思う。
 この発明の凄さは、単純なところでは寿命がこれまでのものとは比べ物にならないほどの長持ちで、信号や将来開発されるであろう蛍光灯といったものであれば半永久的(おそらく今世紀中)に使用することが出来る優れものである。他にも、携帯電話を始めとする液晶関連技術が飛躍的に向上し、美しいカラー液晶が世に誕生したのも全て、青色発行ダイオードのおかげといっても過言ではない(らしい)。
 このように良い事尽くめであるだけでなく、近い将来これを凌駕する発明が生まれにくいことが誰の目にも明らかで、さらに、この発明によって生み出される利益が桁違いであることを考えると、発明の対価に200億を支払う判決が下されるのも頷ける気がする。それに、こういうことでお金を出し惜しみしているようでは、研究者のみならず、あらゆる分野の優秀な人材は皆海外に流出してしまうだろう。そうした人材流出を防ぐ意味も含めて、企業はこれまで以上に柔軟な対応をしていかなければ、熾烈を極める競争社会で生き残るのは難しいと言わざるを得ない。




【2月8日】
2004年不定期感想(その2)

【アニメ】 明日のナージャ 47〜最終(49)話
(テレビ朝日)【1月11日】【1月18日】【1月25日】

 これまでの流れを考えると、ローズマリーのあっけない撤退劇には納得がいかない。貴族でいることに嫌気が差したのなら、それとなく匂わす素振りを要所でいいから挿入しておいてほしかった。ローズマリーの役目がうやむやのうちに終わったのは残念であるが、ともかく、ナージャが本物であることがこれでようやく証明された。
 それよりも、問題はプレミンジャー公爵の考えていることであろう。今までの彼の口ぶりから判るように、あくまでも「プレミンジャー家の跡取りに相応しい人間である」かどうかに固執していて、それ以外には全く感心を示していないようだ。それこそ「誰が本当のナージャかなんてまるで眼中にない」と言わんばかりである。
 おそらく、プレミンジャー公爵はローズマリーが跡取りになってくれることを、密かに願っていたのではないか。実際のところ、彼女はプレミンジャー家の欠点を鋭く批判しただけでなく、自分の進むべき将来までもしっかりと見つけてしまうまでに成長していた。これから訪れるであろう、厳しい競争社会を勝ち抜いていくには、ローズマリーのような自分に信念を持ちつつも、したたかな計算の出来るくらいの逞しさがなければならないだろう。逆にナージャのようなお人好しでは、策略の渦巻く社会では生きてゆけないと思う。
 名実共にナージャがプレミンジャー家の正当な娘だということは認められたというのに、頑として母親に逢わせようとしないのはしないのは、やはり跡取りに相応しくないからだろうか。最後まで一貫して頑なな態度を取る公爵の真意が明らかになる最終回では、きっと思いもかけぬ理屈が飛び出すものだと思っていた。それなのに、最終回でようやく見えたプレミンジャー公爵の底の浅い考えにがっかりした。以前ローズマリーが「プレミンジャー家を守ることしか考えてない」と公爵を評していたが、まさに通りの人物だった。だとしたら「最後まで引っ張って公爵の意向をもったいぶって隠す」なんてする必要があったのか甚だ疑問だ。
 その後はというと、ナージャと再会した実の母親が親子であることを大喜びするのだけど、なんか嘘臭いというか、言いようのない不気味さを感じてしまったのは自分だけだろうか。今まで苦労の連続だったのが、あれよあれよという間に全て解決してしまったことに、いささか疑念を禁じえない。何か演出上のマジックで騙されたような、そんな五里霧中な気分が雲散されないまま、番組は終了してしまった。
 確かに、正しいことを信じて疑わなければ、いつか幸せな時が訪れるはずだという理屈は、小さな子供向けへのメッセージとしては間違ってないと思う。しかし、心の底では「いくら子供向けであったとしても、そんなに都合良く事を運んでしまって、果たしていいものだろうか」という疑問もある。
 せめて、本来伝えるべきだったローズマリーの複雑な胸中と、プレミンジャー公爵がいかに浅はかだったかを整理して伝えていれば、幾許(いくばく)かはましな展開になっていたかもしれない、と今では思っている。




【1月25日】
2004年不定期感想(その1)

【参考書?】 萌える英単語 もえたん(三才ブックス)

 とにかく、この本にあるコンセプトにはもの凄い可能性がある。掲載されている用例こそ判らない人には意味不明なおちゃらけた文面(こういうネタは好きだけどね)ではあるが、英文からの意訳そのものには杞憂のセンスを感じた。訳し方にしても、「ぶっちゃけ」に代表されるフランクな言葉遣いであるとか、文面の状況に応じて直訳に囚われない言葉を用いているので、単純に訳文だけを読んでても面白かったりする。
 読んでて思うのは、日本の教育に欠陥があるのだとすれば、一つの絶対的に正しいとされる答えを丸暗記しかさせないことではないか。確かに、勉学の基本は知識なので、それがなければ話にならない。しかし、そこからさらに想像力を高めていこうとするのなら、果たしてそれは本当に正しいのだろうかと疑ってみたり、他にも方法はないかと可能性を考えたりすることが、必要なのではないだろうか。
 もちろん、「もえたん」一つだけでどうこうなるなんてことはないが、この本で考える力を養うきっかけには十分なると思っている。

【コミック】 まほらば6巻(小島あきら/スクウェア・エニックス)

 まさか、あの小夜子が亡くなった旦那と忘れ形見の娘朝美に対して、底知れぬ深い愛情を抱いているとはよもや思わなかった。普段の小夜子はどうしようもない駄目人間ではあるが、愛情の注ぎ方に関しては間違ってないし、そこまで愛されれば旦那も娘も本望であろう。

【マキシシングル】
INVOKE (T.M.Revolution/アンティノス)

 機動戦士ガンダムSEED(アニメ)の主題歌で流れていた時から、ユーロビートを彷彿させる鮮明なリフは強く印象に残っていた。そのため、てっきりユーロビート主体の曲かと思いきや、実はトランス、ハウスを意識した曲調だった。こちらが思っていたのとは違っていたものの、これはこれで厚みのある攻撃的なダンスミュージックに仕上がっていると思う。ただ、せっかく盛り上がりのあるサビなのに、興奮の余韻を存分に味わえる条件である「2ループを満たしている」のが、3番のみ(1、2番は1ループ)だったことは残念でならない。
 それと、意外といっては失礼なのだが、3曲目に収録しているアレンジバージョンが実に素晴らしく、下手するとオリジナルよりもいいと思えるくらいである。元の曲はユーロビートの面影(特にリフの部分)があったが、このアレンジ版ではトランスやハウスといったダンスサウンドを、さらに強調したリズムを刻み続けることで、全く違う曲に生まれ変わることに成功している。

【CD】 メタリカ(メタリカ/ソニー)

 「スシ!(twisting)、鳥!(turning)、風呂!(through)、寝ろ!(the never)」といった、命令調の面白フレーズが空耳アワーで紹介された時から、欲しいと思っていた。その逸品を、この間ついに入手することができた。実際聴いてみると、ハードロックならではの超攻撃的なフレーズはもちろん、次々と命令口調で捲くし立てる変り種のサビは本当に素晴らしかった。ちなみに、空耳な部分(サビ)はどうだったかというと、「寝ろ!」が「寝坊!」に聞こえる以外は何度聴き直してみても、やはり例のフレーズに聞こえてしまうのが、なんとも可笑しくてしょうがない。