華麗に進化?、SDR−4Xの舞台デビュー
Robodex Parade on MegaStage
開場直後の人のまばらな空間。まずは今回の主だったロボット達をざっと確認する意味で、メイン開場であるメガステージで10時30分から始まる"ロボデックスパレード"を見ておかなくてはなるまい。軽く場内を一周してすぐさまメガステージの順番待ちのエリアへ。おっと開場してまだ10分も経たないのに結構並びだしているようだ。ところがそれなりに早く並んだのはいいが、いざ座席に着こうと思うと何故か最前列に着く事は躊躇われてしまった。
「て、テレか?今更!」(←結構弱気な自分)
「・・・まあいい。お子様もいる事だしな」と自分を納得させて2列目に陣取る。
程無くしてパレードのオープニングが始まった。
最初に現れたのは、既に何度かお目にかかっているテムザックの"T4"。どうやら彼女?がナビゲーターを務めるというシナリオらしい。自走式のゆっくりとした歩みと、スクリーンにはそれを操作している人の姿が映し出され自己紹介。
そしていきなり今回の目玉ともいえる奴が紹介された。
T4とそれを動かす人
遠くからはよく分からないので・・・
小さい者達の登場
SONYの"AIBO"、そして"SDR−4X"である。前回のROBODEXで突如"SDR−3X"を発表し、小さいながらも二足歩行や滑らかな動作でのパラパラダンスを見せる事で話題を作ったSONYだったが、すごいとは思っても正直言って食指が動かなかった。ロボット自体の有用性が不透明な時期に、エンターテイメントに特化したロボットというものにどの程度本気で取り組めるのか、また、支持も得られるのか疑問だったからだ。その疑問はこれを見ても完全に晴れた訳では無いが、「役に立たないロボットを作る」というSONYの姿勢に不真面目なところは全く無いという事を感じさせるには十分な仕上がりとなっていた。
剥き出しだったコードや金属パーツはほぼ完全にそのボディに仕舞い込まれ、一層滑らかになった動きや押されても簡単には倒れないようになる等安定性も向上。踊るだけではなく歌を歌いながらという芸の向上も図り、尚且つ人の顔の識別や音声認識もこなす様になってきた。
もう呆れるやら何やらである。素直にスゴイ。
ただ、生憎この広いメガステージ上ではその小さなボディの所作を細かく捉える事は難しい。これは後程SONYブースで再確認する事にしよう。
まだまだ黎明期だけれど・・・
さて、引き続きメガステージではロボット達が入場してくる。SOKの"C4"、ATRの"ROBOVIE2"、"ROBOVIE3"。そして"ASIMO"。
方向性や手法もそれぞれ異なっているから姿も能力も異なってくるのは自然な事だが、何に本当に役に立てるのかを試行錯誤しているこの分野はどれをとっても個性的なものばかりで面白い。これが産業として確立してしまってからでは、恐らく今ある驚きを得る事は少なくなってしまうだろう。
そんな黎明の時代にあるこのイベントは企業だけのものではなく、多くの研究機関や大学などの教育機関が参加している事を忘れてはいけない。これらの機関が手掛ける研究は、大手の民間企業が真面目に取り上げられない奇抜な発想を大真面目にやっている事がある。こんなサイトではそれは表面上ネタとして扱ってしまう事になってしまい申し訳ない限りなのだが、その姿勢に対しては尊敬の念に絶えない。
一通りパレードを終えたステージ上で、とある学校の一つが1台のロボットを披露してくれた。
日本文理大学の"メカロボ"である。
このロボット、みてくれはプロダクトではない事もありお世辞にもスマートとはいえない。ところが驚く事としてはこのロボット、コンピュータを積んでいないというのだ。IT産業盛んなこのご時世にである。歩行を機械制御のみで行うというのだからある意味すごい。詳細はよく知らないが、ここでこのロボットを紹介してくれた同大学の教授はH2ロケットにも関わりのある人物だとか。何やら熱い技術屋魂を勝手に感じ取ってしまった。
肝心のメカロボ自体はラジコンのプロポの様なもので操作するが、倒れた姿から起き上がり、歩くところまで実演してくれた。最後はコケちゃったけど。
このロボットで目標としているのは老人介護向けのそれである。機械だけでの制御は構造の単純化とコスト面を考えての事。機械制御のみの構造でそれがどの程度実現するのか部外者の自分の知る所ではないが、どういう形で成就されるのかは楽しみである。
いきなり寝姿で登場!
きちんと自分で起きられます
歩行速度は速いぞ!
(↑手ブレという噂も)
転んじゃイヤンと、教授慌てる