RX-78GP03S STAMEN ガンダムGP03S (ステイメン)
 地球連邦軍 宇宙用攻撃型試作モビルスーツ
ガンダムGP03
 「ガンダム開発計画」によって試作された3号機RX-78GP03"デンドロビウム"のMSユニット。RX-78の汎用性の再検証を主目的として設計されたGP01(/Fb)、核攻撃という特殊目的をもって設計されたGP02Aと異なり、1年戦争時にジオン軍が開発し成功を収めたモビルアーマーを、MSを軸とするシステムで実現し拠点防御または征圧を目的としたもので、武器庫の携行と自前での換装を可能とする圧倒的な攻撃力とIフィールド発生器による耐ビーム防御力を備えた巨大なアームドベース"オーキス"と合体して運用される。また、当初はGP01同様に水平収納方式コアブロックシステムを採用したが、テストトライアル後球形の全天周モニタタイプのコクピットに換装され固定された。
 オーキスのウェポンコンテナに格納された武装を取り出すためにフォールディングアーム(隠し腕)が両腕に内蔵されている。また、ビームライフルこそGP01と同型のものだがシールドやバズーカもウェポンコンテナ格納のため折り畳み機構が採用されており、オーキスにはこのほか連邦軍史上初搭載のIフィールド発生器・マイクロミサイル・大型集束ミサイル・メガビーム砲・格闘用大型クローアーム・500m爆導策などが装備されている。またオーキスとのドッキングおよびロッキング・システムとして機能するテールバインダーはMS単体時にはAMBACシステムとして働き高い運動性を誇る。
 本来まったく運用方法の異なるMSとMAの両方の機能を兼ね備え、また、複雑な火器管制システムを持つために新開発のOSが搭載されたが、それでも尚パイロットにかかる肉体的・精神的負担は大きく、パイロットに対して特定の処方による投薬が推奨されていたとされる。
 GP01・02Aとは異なり全くの空間戦闘用であるためロールアウト後も地球には降ろされず、AE所有のドック艦ラビアンローズに残されてU.C.0083年10月下旬にテストトライアルを開始。その後11月11日、GP01Fbを失ったアルビオン隊になかば強奪される形で実戦投入され、コロニー落下阻止限界点付近でアクシズからデラーズ・フリートに譲渡されたMA:AMX-002(AMA-X2)"ノイエ・ジール"やシーマ軍のMS:AGX-04"ガーベラ・テトラ"と対戦したが、連邦軍の放ったソーラ・システムによりオーキスが大破。戦後ステイメンのみ回収された模様だが、連邦軍の公式記録からはGPシリーズ全ての存在自体が抹消されているため詳細は不明とされる。
 あまりに巨大で開発にも製造・維持にもコストがかかるためGP03の設計思想を直接受け継ぐ機体は登場しなかったが、MSとMAの両方に対応できる運用方法やOSの開発は、その後の可変MS/MAやRX-178"ガンダムMk-II"の追加武装であるFXA-05"Gディフェンサー"の開発に生かされたと考えられる。

GP03S:後方パース
RYOKAN's Impression
 MG・HGUCでデザインリファインを担当し信者も多いカトキハジメ氏が映像上のガンダムのオリジナルデザインに参画した最初の作品が「0083」で、ジム・カスタムやジム・キャノンIIでは「0080」のアレックスからのデザイン(出渕裕)の流れを生かしてデザインし、最終盤の主役機であるGP03で初めてガンダムのデザインを担当した。つまりMG・GP03Sはジム・カスタム&クゥエル同様、自身のデザイン作品のセルフリファインということになる。バックパック部分やテールバインダーなど曲面主体の複雑な面構成を持ちRX-78形式のガンダムでは最も美しいデザインとされることも多い。ウイングゼロ(OVA版)や「SEED」のフリーダムなど、後に登場する鳥の翼のような複雑なウイングを持ったガンダムの嚆矢でもあるだろう。
GP03S:フォールディングアーム
フォールディングアーム展開
 GP03Sが映像上でMS単体(ステイメン)で動くのはソーラ・システムに焼かれた後の短いシーン位だから、大半はオーキスと合体した"デンドロビウム"での活躍がメインだけど、これはもぉガンダムというかMSではないです(笑)。多段ミサイルランチャーコンテナを次々と射出して周囲のMS・戦艦に爆撃を雨霰と浴びせて殲滅し、敵MSや戦艦からのビーム砲撃はすべてIフィールドで防御し、戦艦すら伝導縛や巨大ビーム砲で吹っ飛ばすか超巨大ビームサーベルで切り捨て、接近してくるMSは巨大クローアーム(サーベルを持つのにも使用)で捕らえて捻り潰す。この鬼のような強さは最近出たDVD「イボルブ」のCGで見ることができます。強すぎ。歴代ガンダムとの比較でも宇宙世紀ガンダムでは最強候補のひとつでしょう。宇宙世紀以外も含めた全ガンダムで比較すると単体でもおそらく最強な上にほとんどオーキスと同様なミーティアまで持っているフリーダムが群を抜いているんだろうけど。
 ガトーが乗るノイエ・ジールとデンドロビウムの対決てのは、作品としては先発(時代的には後年の出来事だが)の「ZZ」のラストにあたるキュベレイZZガンダムという2機の怪物的な巨大MS同士の一騎打ちの再現を意図しているような。
 しかしデンドロビウム、HGUC(1/144)で本当に出たのは流石にびびった…。28000円という値段もだが。PGより高いぞ。

GP03S:脚部フレーム
 ところで先述した「イボルブ」用にGP04"ガーベラ"のCG画も描き起こされたそうだが、このGP04、「0083」劇中ではロールアウト前にアナハイムとシーマ軍の裏取引で外装をジオン系MS風に偽装してAGX-04"ガーベラ・テトラ"として渡されシーマが騎乗、最後はデンドロビウムのビーム砲の餌食になったのだけど、何年か前にホビージャパンがガーベラ・テトラのデザインを担当した明貴美加氏に「ガンダムGP04として完成していた場合」のデザインを依頼して模型制作を行っており、以後このデザインでGP04がSDやゲームに登場するようになり「イボルブ」にもちらっと登場したということは、最早オフィシャルの設定になったということなんだろうなぁ。まぁゲーム設定やコミック登場のMSがMGで出るくらいだから、GP04もガーベラ・テトラと内部フレーム共用でいずれMGとして登場するのかもしれない。

■MGシリーズで発売中のGPシリーズキット
・RX-78GP01 ガンダムGP01"ゼフィランサス" 1997.7
・RX-78GP01Fb ガンダムGP01 フルバーニアン 1997.12
・RX-78GP02A ガンダムGP02A "サイサリス" 1998.6
・RX-78GP03S ガンダムGP03S "ステイメン" 2001.4