MSZ-010 DOUBLE-ZETA GUNDAM ZZガンダム
 反地球連邦政府組織(A.E.U.G.) 可変型試作モビルスーツ
ZZガンダム
 「Project-Z」によって誕生した合体可変MS。Zガンダム直系の可変MSだがコンセプトは大きく異なり、かつてのRX-78ガンダムの追加武装であるGアーマーをMS単体で再現することを意図している。
 当時の情勢に合わせて、高出力・大火力兵器の搭載を求められ、そのための出力を満足させるために3機合体可変システムとコアブロック・システムを採用した。試作機MSZ-009は2機合体だったものが、エゥーゴが要求する出力に足りずコア=ファイターを追加して完成。また、合体するコア=トップ・コア=ベースの制御にもコアブロックが採用されており、合体可変時にはこれら2つが不要になるなど無駄も多かった。また、額部に装備されたハイメガ・キャノンやダブルビームライフル、ハイパービームサーベルなど戦艦クラスの火器を常用するため、稼働時間の短さや整備性の悪さといった問題点も多かったが、拡張性は高く、フルアーマー装備型も実戦で使用されている。
 当初は対ティターンズ戦用に開発されており、フルアーマー装備の開発なども並行して行われたため、可変機構を省略したフルアーマー試作機"FAZZ"が本体より半年も早くロールアウトするなど開発スケジュールにも混乱がみられた。結局、本機が実戦投入されたのはグリプス戦争が終結し第1次アクシズ(ネオ・ジオン)戦役が勃発した直後であり、パイロットも予定されたクワトロ=バジーナ(シャア)やカミーユではなく民間の少年ジュドー=アーシタが主に騎乗、終戦まで使われた。その後、レストアされてジュドーと共にジュピトリス2に積載され木星空域で使用されたといわれる。なお、量産が検討されごく数機の量産検討型が制作されたものの、あまりの高コスト・整備性の悪さから遂に量産はされなかった。

RYOKAN's Impression
 「ZZ」のデザイン作業は大変に難航したらしく、最初に永野護がデザインして公表されたものは制作直前にボツとなり、TVシリーズ放映前の模型業界の展示会に出た試作デザインは出淵裕によるもので勿論まるで異なるデザインだったそうな。最終的には小林誠の合体変形コンセプト(模型試作もあり公表されている)を基にして明貴美加と岡本英郎の合作デザインでまとめられた。それだけ迷走したという証拠でもあるのだが、なにしろ「ZZ」という作品自体への評価が複雑なので、ZZガンダムに対する評価もかなり分裂していそう。元々「ガンダム」は「ヤマト」的なものの否定する要素が強かった筈なのだが、ハイメガ・キャノンってどう見ても「波動砲のついたガンダム」なワケで。他にも色々と無理・矛盾があって、MGの解説書でもかなり強引な記述が見られた(汗)。MGらしい設定を書く方も苦労しただろうなぁ。
 キットの方は旧キットやHG(1/144)でもほぼ完全に合体変形を再現していたので、機構的にはそれほど難しい部分は少なかったと思われるが、MS時に脛部分の外装を広げる機構が追加されたりと完成度は高くなっている。ただ、これだけの重量と大きさから、それほど大胆なポーズを取らせるのは流石に不可能に近い。劇中で合体変形の度にやっていた決めポーズ(笑)も関節を固定しない限り無理でしょうな。
 頭は変形の都合もあるが歴代ガンダム系では最も小さく、逆に首より下はガンダム系でも屈指のボリュームだから余計に大きく見える。更に言えば、あの巨大なハイパービームサーベルの刃パーツ(クリアーピンク)は、実はワンサイズ上(1/60)のPGガンダム用ビームサーベルの刃パーツと金型を共用しているのだ…。ダブルビームライフルも含めて重いブツばかり手に持たせるため、(PGでも採用された)手首に差し込み穴を設けて手持ち武器の柄を固定するようになっている。  


■MGシリーズで発売中のZZ系キット
・MSZ-010 ZZガンダム 1999.12
・FA-010S フルアーマーZZガンダム 2000.8
・FA-010B FAZZ 2001.9