| MS-07S Z'GOK ズゴック (シャア=アズナブル少佐専用機)
ジオン公国軍 水陸両用モビルスーツ |
ジオン公国は地球侵攻作戦の一環として水陸両用MSの開発を当初から進めており、MS-06系の改良型としてMS-06M "ザク・マリンタイプ"を開発したが耐圧や装甲形状の問題から実戦への投入は不可能と判断され、これをテストヘッドに(MSM-01に改番)新型MSの開発を行った。その結果、水冷式システムを導入し空間・陸戦用MSの2〜3倍の出力を持つジェネレーターの搭載が可能となり、早い時期からMSへのビーム兵器の搭載を可能にした。
最初にロールアウトして実戦投入されたMSM-03"ゴッグ"はMS-09を開発したZIMMAD社によるもので、同時期にMIP社で開発が始まったMSM-07は設計最終段階でMSM-03の実戦データによる改良も取り入れられるなど製造が大きく遅れ、結果的には後発の特殊用途MSM-04"アッガイ"よりも遅れて実戦投入された。しかし、それだけに水陸両用MSの決定版といえるだけの高性能を誇り、陸戦用MSとしても非常に高い能力を示した。
また、MIP社では他の主力MSの開発を担当していなかったことが幸いしてMSM-07のロールアウト後も改良に大きな力を注ぐことができたため、初期量産型の登場後も高性能型のS型、統合整備計画の実施によって登場した最終型といえるE型へと進化していった。公国軍の地球侵攻後はキャリフォルニア・ベースにMIP工廠が設置され、地球上で大部分が製造された。派生機種としてMSM-08"ゾゴック"の開発が確認されている。
MSM-07をはじめとする公国軍水陸両用MSの特徴は、腕および脚部に採用された"フレキシブル・ベロウズ・リム"と呼ばれる構造で、MSM-07Sでは量産機から伸縮機構が追加され、先端部のクローを打突として使用する際の破壊力を増加している他、その運用上から外部武器の携行が不可能なため腕部にメガ粒子砲を内臓している。
U.C.0079年11月下旬のジャブロー攻略戦など各地で戦果を挙げたが、12月上旬に連邦軍によるキャリフォルニア・ベース奪還後は公国軍の海上戦力の衰退とともに活躍の場を失い、また終戦時に大半が投棄されたこともあって戦後に連邦軍に接収・回収された機体はきわめて少なく、直系の後継機種も開発されなかった。
|
内部構造 (制作途中に撮影) |
RYOKAN's Impression
ガンキャノン以来久しぶりに作ったガンプラ。量産型ズゴックが登場したとき、シャア専用機もすぐに出るモノと思っていたのだがなかなか出ず、ほとんど1年過ぎてから発売された。しかも世間ではちょうどモー娘。の加護ちゃんがズゴック化して話題になってた頃で(汗)、なんつータイミングで出るのかと思ってみたり。発売後すぐに買ったのだが学会後もなかなか余裕ができず作り始めたのは2003年の末で、1月下旬に完成。
シャア専用機とはいえ、
ザクや
ゲルググのようにアニメ設定上では特に外見が変わるわけではないのでこれだけ間隔が空いたのは意外だったが、単に色違いにしなかったのがバンダイらしい処で、量産機にはなかった腕・脚のフレキシブル・ベロウズ・リムに伸縮機構や内部チューブを追加し、腰の可動範囲を広げてジャブロー攻防戦でのジムをひと突きで串刺しにするシーンを再現可能にし、さらには映画「哀・戦士編」ポスターで大河原氏が描いた4本爪バージョンの腕に交換が可能になっている芸の細かさ。
組み上げてみると横幅を取っているのは上半身くらいで、ウエスト以下の胴体はかなり細身で、フレキシブル・ベロウズ・リム構造のせいで腿や腕がまっすぐ下に降りずガニ股になっていることと頭がないことが全体の印象に影響を与えていることが分かる。
しかし、MGシリーズの1年戦争登場MSを組んでいるといつも思うことだが、まさかズゴックのフルヌード状態を無改造で作れるキットが出てくるとは思わなかったよなぁ(笑)。シャア専用機カラーであるサーモンピンクと小豆色のパーツの成型色もMG初期のキットであるザクやゲルググに比べると光の透過性が低減されるなど格段に改善されている。
水陸型MSでMG化されているのはズゴックとゴッグだけだが、今後はやはりアッガイも登場するだろうし、インストの解説を読む限りでは「0080」に出てきたズゴックEもいつか登場するのかしら。
■MGシリーズで発売中のMSM系キット
・MSM-03 ゴッグ 2003.6
・MSM-04 アッガイ 2005.7
・MSM-07 ズゴック (量産型) 2003.5
・MSM-07S ズゴック (シャア=アズナブル少佐機) 2003.11
|