RX-77-2 GUNCANNON ガンキャノン
 地球連邦軍 中距離支援型モビルスーツ (量産先行型)
ガンキャノン  U.C.0079、連邦軍の"V計画"の一環として開発されたMS。開発当初から白兵戦用MS(RX-78)との連携を前提として、後方からの支援砲撃や中距離からの狙撃を主任務としているため、開発途上のビーム兵器(ビームライフル)を携行はするものの、主武装としては実体弾を射出する240mmキャノン砲(またはスプレーミサイルポッドに換装)を装備している。また、装甲は機動性より耐弾性を優先した設計となっており、本格的な近接戦闘用兵器であるビームサーベルは搭載されていない。
 また、RX-75・RX-77と同様にパイロット及び自己学習型コンピューターの確実な回収を目的とするコアブロックシステムを採用。また、連邦軍が独自に開発したMSとして最初に二足歩行を実現したMSであり、テストトライアルでは陸戦兵器としての二足歩行MSの利点の確認作業をRX-75との比較検証によって行われていた。
 初期試作型のRX-77-1を経て製造された初期生産型であるRX-77-2は6機が製造され、うち3機がサイド7にてテストトライアルを行っていたU.C.0079年9月中旬にジオン軍の攻撃を受け1機を残して破壊され、残された1機が第13独立部隊ホワイトベースにて運用、カイ=シデンが搭乗した。その後ジャブローにて改修と機体の追加配備を受け、それまでRX-75に搭乗していたハヤト=コバヤシも搭乗。機体No.はカイ機が108、ハヤト機が109で、両機とも一年戦争最後の決戦だったア・バオア・クー攻防戦にて撃破されるまで活躍を続けた。
 その後RX-77-3(重装型)やRX-77-4"ガンキャノンII"、RX-77D(量産型)などが登場したが、次第に支援タイプMS量産型もRGM-79系ベースに移行し、RGC-80"ジム・キャノン" RGC-83"ジム・キャノンII"などが登場している。

ガンキャノン内部
内部構造 (制作途中に撮影)
RYOKAN's Impression
 実はTVシリーズの企画段階で大河原さんが主役メカとして描いたのはガンキャノン顔で、NGが出て最終的に安彦さんが描いたのがあのガンダム顔のベースデザインという話を聞いたことがありますけど、まぁ確かにコレは主役顔ではないわな(笑)。
 このキットが今迄で一番時間かけて作ってます。っても単に、修論書き終わったら作ろうと思って買っておいて発表後に作り始めたものの、博士課程に上がってから忙しくてなかなか作ってられなかっただけなんですが(涙)。
 2002年冬に出たキットで、作り始めて感心したのは赤色パーツの成型色。どうしてもプラスチックは光が透けてしまうので素組ではスカスカ感が出やすく、特に赤色系はこの傾向が顕著で、このため塗装しないと重厚さは出ないことが多く、成型色を生かして表面はそのままにする場合は裏側を塗装して透過光を遮断することになる。ところが、MG・PGシリーズの開発過程においてプラスチックに混ぜる顔料の比率(単純に比率を上げれば透過度は下がるが成形もしにくくなる)や種類も検討された結果、発色がよく透過も少ない白色や赤色の成型色パーツが登場するようになった。これは凄い進歩だと思うのですよ。まぁ隙間から見える部分の見栄えのために、結局は今回も赤色パーツ(大半は外装甲)の裏側を内部メカ色で塗装してるんですが。

 HGUCでは特殊な手首パーツに差し替えることで伏せ姿勢でのキャノン発射ポーズを可能にしたが、MGでは手首パーツ自体が90度曲がる機構を備えた平手状態のパーツを装備している。このポーズをさせるため首の上向き許容角を稼ぐための機構も入っていて、これだけ頭を上向きにセットできるMGキットは初めてだろう。従来キットでは変形の都合上ZZガンダムがけっこう上向きにすることができたが。
キャノン発射ポーズ
キャノンを発射する伏せ姿勢
 それから、ガンダム同様にコア・ファイターを変形の上内臓が可能だが、このコア・ファイターがガンダムより進化していて、ガンダムの時はバランスの問題でやや小さめのサイズだったのが今回のはひと周り大きい(全く同じ機種の筈なんだが)。それにガンダム付属のでは差し替え式(コアブロック変形時には取り外し)だった垂直尾翼が変形時に引き込まれて自動収納されるように進化。これはPGガンダムからのフィードバックだろうなぁ。
 ちなみにこのガンキャノンのコアファイターのパーツ、ランナー構成上はガンキャノン用のパーツを省略してコアファイター用パーツだけでも製造できる構成になっているので、いずれ登場するであろうと思われるガンタンクまたはガンダムVer.2.0ではコアファイター部分のパーツを共用する計画なのだろう。また、近年のキットでは手首バーツおよびビームサーベルのビーム刃部分パーツ(着色透明軟質パーツ)の共用化が進んでいるが、ガンキャノンでは上述の理由もあって手首は専用パーツだし、そもそもビームサーベルを持たないのでビーム刃パーツがある訳もなく。今のところバリエーション展開は存在しないし、RX-77-1も77-3も77-4も77Dもけっこうデザインが違うのでパーツ流用での商品化はキツいだろうなぁ。せいぜいコアファイター共用でガンタンクくらいか。