MS-06S ZAKU-II ザクII (シャア=アズナブル少佐専用機)
 ジオン公国軍 指揮官用モビルスーツ
シャアザク  1年戦争を代表する名機MS-06には多数のバリエーションが存在し、量産型はF型(宇宙空間戦闘用)・J型(地上戦用)が主体となっているが、エースパイロット向けに空間戦闘における性能を向上させたS型(FS型)が少数生産された。これはF型のエクステリアおよび生産設備を生かして、当時開発中の高機動型(R型)の技術を投入したもので、外観こそF型とほとんど変わらないものの、装甲材の変更・ジェネレータの強化・プロペラントおよびサブスラスターの増加により大きく性能を向上させており、一般に「量産型より3倍速い」と言われたが、これはS型の性能向上よりもむしろ搭乗したエースパイロット達の技量に依る部分が大きいものと考えられる。
 なお、ジオン軍では、エースパイロットにはパーソナルカラーを施すことが認められており、S型では特にルウム戦役で連邦軍の戦艦5隻を沈め2階級特進したシャア=アズナブル少佐の「赤い彗星」が有名だが、他にも「黒い三連星」がルウム戦役の戦功でC型から乗り換えて一時期S型に騎乗していたとされ(ただし間もなくR1A型に乗り換えた)、他にも指揮官自ら陣頭指揮を執る場合に用いられた頭部バルカンを増設したガルマ=ザビ大佐専用機や、大型ヒートホークや両肩にスパイクアーマーを装備し巨大な体躯に合わせてコクピット周り及び胴体を改造したドズル=ザビ中将専用機などが知られている。
 あくまで宇宙空間戦闘用としての性能向上型のため、地球の重力下では使われない機能の分がデッドウエイトとなってしまい性能的にはF型と大差なくなり、かえって稼働時間が短くなる欠点が露見した。シャア少佐はU.C.0079年10月にホワイトベースを追って地球降下後もMS-06Sを使用していたが、直後に地球攻撃軍司令官ガルマ=ザビ大佐戦死の責任を問われ宇宙攻撃軍のドズル=ザビ中将によって左遷され、その後キシリア=ザビ少将麾下の突撃機動軍に移籍して新型MSを与えられたため、以後は搭乗していないものと考えられる。


■MGシリーズで発売中のMS-06系キット
MS-06F/J ザクII (量産型) 1995.10 ※クリスタルVer.・コーティングVer.あり
・MS-06S ザクII (シャア=アズナブル少佐機) 1995.10 ※クリスタルVer.・コーティングVer.あり
・MS-06R1 ザクII (シン=マツナガ大尉機) 1996.6
MS-06R1A ザクII ("黒い三連星"仕様) 1999.6
・MS-06R2 ザクII (ジョニー=ライデン少佐機) 1996.6
・MS-06F2 ザクII (F2型) 2002.4
・MS-06F2 ザクII (F2型・連邦軍カラー) 2002.9