伍堂卓雄

　石川県金沢出身。父は幕末・明治期に種痘医として活躍した医学者の伍堂卓爾（同墓）。
　1901(M34)東京帝国大学工科造兵学科卒業。卒業後、海軍造兵中技士となり、海軍大学教官、'17.5.1(T6)海軍造兵廠督官として米国駐在、同年.12.1英国駐在で大監となり、翌年命帰朝。 '19呉工廠砲熕部長、'22少将となり、兼製鋼部長、'24呉海軍工廠長などを歴任し、'26海軍造兵中将に昇進し、'28(S3)艦本出仕、予備役編入。 同年、満州にある昭和製鋼所社長となる。'29南満州鉄道顧問、鉄道運賃審議会会長を歴任。
　'37.2.2林銑十郎(16-1-3-5)内閣の商工大臣兼鉄道大臣に就任（〜'37.6.4）。同年.5.31貴族院議員に勅選される。 '38日本商工会議所・東京商工会議所会頭。'39.8.30阿部信行内閣の商工大臣兼農林大臣に就任（〜'40.1.16）し、岸信介を商工次官に起用している。 '42日本能率聯合会と日本工業協会が統合され(社)日本能率協会となり、初代会長に就任。'43第7代商工組合中央会（日商）会頭、'45軍需省顧問。工業規格統一を提唱するなど、戦時下の生産効率向上に努めた。
　敗戦後、'45.12.6第4次Ａ級戦犯容疑で逮捕命令、巣鴨プリズンに拘留されたが、'47釈放された。日本能率協会会長に復帰。工学博士。正三位。 享年78歳。著書に『国防資源論』『金属材料学』などがある。養子は財界人の永野重雄(20-1-22)の弟の輝雄。 伍堂輝雄（同墓）は弁護士、日本航空会長などを務めた。

＜コンサイス日本人名事典＞
＜帝国海軍提督総覧＞
＜森光俊様より情報提供＞

伍堂輝雄、 伍堂卓爾、 林　銑十郎、 永野重雄