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解析結果から地盤の弾性波速度分布を求め、ボーリング結果や既存地質資料などと対比して総合的に解釈す
ることにより、次のような地盤状況を把握することができる。
@岩石の種類、硬軟、割れ目の程度や風化・変質
A断層破砕帯の有無や規模
これらをもとにダム、トンネル、橋梁、道路土工、地すべり、造成など多くの土木構造物を対象に、地山状
況の工学的評価や基礎地盤の選定に利用可能である。
本屈折波法の限界は、浅い部分に早い速度層が存在する場合、それ以深の遅い速度層が把握できないことが
あげられる。なお、地下水位以深ではP波速度より遅い伝播速度を持つ地盤の速度を測定できないため、沖積
軟弱地盤に代表される地盤ついてはS波での速度層区分が必要となる。 |
地表付近での発破などによって人工的に弾性波(P波またはS波)を発生させ、地下の速度の異なる地層境
界で屈折して戻ってきた屈折波を、地表に設置した測定装置で観測し地下の速度構造を求める探査法である。
地中を伝播する弾性波には、実体波としてP波とS波があり、屈折法ではP波の初動を利用した測定方法が一
般的である。一方、S波は発破でも起振できるもののP波に比べ減衰が大きいこと、表面波との分離が難しい
ことなどから、かつてはあまり利用されなかったが、近年センサーや処理装置の進歩により利用が促進され、
地震基盤の判定、液状化の検討手法としての有効性が高まってきた。
測定は、起振した波が各地層表面で反射し地表まで戻ってくる時間を等間隔においたセンサーで測定し、こ
れらのデータを解析することによって、走時曲線図を作成し、これより速度層区分を決定するものである。 |
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