> 世界樹の迷宮を、リプレイ風に記録していくよ。
前回までのあらすじ >
第3階層、11階12階の地図を作る事になったら、間違った地図を3回も渡されてギルドのマッパー涙目。
でも、何とか11階の地図は作り上げ、レンおねぇさんからブシドー秘伝の書なんてぇもんをもらったよ。
> 秘伝の書の行方
前回のセッションから数日後。
都内、某所。(いつものばしょ)
GM : 「さて、前回無事に迷宮からブシドー秘伝の書を持ち帰り、ギルドにブシドーを登録する事が出来るようになった訳だが……」
シェヴァ : 「マユナシがそっとブシドー秘伝の書を、センに手渡した訳だね」
GM : 「そうやってジブリ的叙情に満ちた例えをすれば、お前がレンさんをマユナシ扱いする罪が軽くなると思ったら大間違いだぞ!」(笑)
リン : 「でも、これでブシドーさんが、ギルドで登録出来るようになったんですよね?」
GM : 「そうだね……キミたちは、ブシドーをいれてもいれなくてもいい」
アイラ : 「ブシドーってどんな職業なの?」
シュンスケ : 「……攻撃力に特化した職業だな。高い攻撃力を持つ代わり、守備力が薄い、という極端なキャラだ」
アイラ : 「攻撃……前衛職って訳だね」
シェヴァ : 「ま、今の俺らのギルドになら、無理に入れる必要ないんじゃないかな。前衛は俺(ダクハン)と、シグ(ソド男)と、アイラちゃん(ソド子)で三人も居る訳だし!」
シュンスケ : 「それに、一人登録すれば、誰か抜けなければいけない。無理に登録する必要はないだろう、そうだな、シグ」
シグ : 「………………」 (じーっ)
シュンスケ : 「……シグ?」
シグ : 「よっしゃぁ、黒髪ポニテ子! キミに決めたッ!」
一同 : 「何か勝手に決めてらっしゃる!」
シグ : 「でも、可愛いだろこの、ブシドーの、黒髪サラシポニテは! 黒髪で! サラシで! ひんぬぅで! ポニテだぞ! 全く……俺を、どうしてほしいんだッ!」(笑)
アイラ : 「どうとも、してほしくないと思うけどッ!」(笑)
シュンスケ : 「あぁ、別にお前に媚びている訳ではないと思うぞ」
シグ : 「いや、きっと彼女は俺の恋人になるために生まれてきたのだ! そう考えなくては、ここまで俺好みの造詣である必要性が感じられないッ! という訳で……登録するぞ、俺の恋人を!」(笑)
アイラ : 「……ちょっと、何言ってるのよシグっ!」
リン : 「そ、そ、そうですッ……シグは、そういうの……いけないと思います!」
シグ : 「い、いいだろ別に……俺だって月9みたいな恋したい時期があるんだよ!」
アイラ : 「だーめ! ……大体、シグ! 貴方この前の責任だって、まだとってないじゃない!」
シグ : 「ん、責任。何のハナシだ?」
アイラ : 「だからっ、私の……ムネ、見たでしょッ! ほら、責任とりなさいって言ったじゃない!」
GM : (……この前、地下8階に5日間こもったアレか)
シグ : 「何とッ……ムネ肉の間違いだろう!?」
アイラ : 「ムネですぅ! もぅ、そういって誤魔化そうったって、そうはいかないんだからね!」
リン : 「そ、そうです……ボクだっておパンツ見られたんですから、ダメですよ! ボクとアイラさんに、責任とってくださいッ!」
シグ : 「うはッ、リンまで……しまった、思い出されてしまったか……」
シュンスケ : 「……大体、ブシドーを入れようにも、今抜けられるメンバーが居ないだろう?」
シグ : 「それは……そうだな、誰かリストラする、とか」(笑)
GM : 「何言ってるんだ、今の前衛で一番のリストラ候補は、攻撃力が一番低いお前じゃないか? 剣しか持たない! ってポリシーのせいで、アイラと随分水をあけられているぞ」(笑)
シグ : 「それを言われると、確かに……そうだなぁ」(笑)
アイラ : 「そうそう、諦めて今のパーティで一緒に行く、いいわね!」
シグ : 「はい、はい……ちぇー」
リン : 「もー、そんなにポニテがいいんなら、髪……もっと伸ばそうかな、ボク」
シグ : 「ん、何か言ったか、リン?」
リン : 「えっ……ななな、な、何でもないですよ、何でもっ!」
> 再び、蒼い悪夢。
GM : 「……という訳で、結局ブシドーは登録しない事で落ち着いたみたいだけど……さ、どうする。このまま、ダンジョン戻るかい?」
アイラ : 「そうだね、地図作り再開といきましょ、今どこまで地図は出来ているのかな?」
シェヴァ : 「えっと……地下11階の地図は殆ど出来ているね?」
シグ : 「すると、次は地下12階だな! 確か、樹海磁軸を出たすぐ傍に地下12階に降りる階段があっただろ、そこから降りて地図を作ればいいよな?」
シェヴァ : 「んー、それが、そうもいかないみたいでさぁ」
シグ : 「何だって?」
シェヴァ : 「実は、その階段から下りたフロアはもうあらかた埋まっているんだよ。地下11階の地図を作る途中、落とし穴に落ちた事があっただろ? その時、大体埋まっちゃったんだ」
シグ : 「何ぃ!? また、隠し通路を見落としているパターンじゃ、あるまいな!?」
シェヴァ : 「見落としたりしないってば! ん……でも、今まで落ちた落とし穴の形状からすると……新しい通路を行くには、落とし穴に落ちないといけないみたいだね」
シュンスケ : 「……意図的に落ちなければ埋まらない場所がある、と?」
シェヴァ : 「そうだね。地下11階に、4つの落とし穴が並んでいる所があるだろ。 その、左から二番目の落とし穴に落ちると、まだ踏破してないマップに出られるっぽいよ」
アイラ : 「ひだり……?」
シェヴァ : 「右利きのアイラちゃんが、お茶碗持つ方ね」
アイラ : 「私、お箸は左利きなんだけど?」(笑)
シェヴァ : 「じゃぁ、お箸を持つ方」(笑)
シグ : 「ま、場所が解っているなら早い。早速、その落とし穴から地下12階の探索としゃれ込もうぜ!」
一同 : 「おー!」
GM : 「という訳で、てくてくてく。 はい、落とし穴おちたー。地下12階に到着〜」
シグ : 「えらく投げやりだな、いいのか、そんなんで」(笑)
GM : 「構うか、すでにレベル40越えしているお前達がこの階層で苦戦するとは思えん」
リン : 「うぅ……でも油断は禁物ですよ、怖い敵さんが居るかもしれないですからね?」
アイラ : 「そうだねっ……それで、ここも、相変わらず海っぽい風景?」
GM : 「あぁ。相変わらずキラキラして、まるで南国の海に居るようだ」
シェヴァ : 「居るモンスターは、カエル(森林ガエル)やら、ミミズ(マッドワーム)って、南海とはほど遠い奴らばっかりだけどね」
GM : 「言うな、ミミズだってカエルだって生きているんだ、樹海モンスターなんだ」(笑)
リン : 「カエルはイヤですけど……この階層は、綺麗で素敵ですよね。何か、海に居るみたいで……」
シグ : 「そうだな……コレであの、硬くてやたら攻撃が痛いアリどもがいなけりゃ、もっとロマンチックだったんだろうけどな」
アイラ : 「ねー、何でアリがこんな所に居るんだろ……海なのに!」
GM : 「と、アイラさんの期待通り、ここにも居るぞー……廊下の先に、ウロウロしているf.o.eが見える」(笑)
アイラ : 「えー、別に期待なんてしてないよ!」(笑)
シュンスケ : 「……通路を塞いでいるのか」
GM : 「そのようだね」
シュンスケ : 「先が見えないな……通路を塞いでいるf.o.eはアリだろうが、その向こうに、まだアリが居たとしたら、戦闘が始まると同時に他のアリが乱入する可能性がありそうだが」
シグ : 「ン、でもよォ。通路を塞いでいるアリを倒さないと、先へは進めねぇだろ。案ずるよりも何とやら、だ。ここは一発ガツーンといってやろうぜ!」
シュンスケ : 「……そうか。そうだな……よし、アリを追いかけてみるか」
GM : 「……ちょい、ちょい、と追いかけて行く訳だね? すると、この丁字路あたりでアリとかち合って……」
シェヴァ : 「戦闘だ!」
GM : 「だな、出てくるのは ハイキラーアント!」
シグ : 「出たなコイツっ……くそ、硬い上に結構攻撃が痛いんだよな……おまけに、仲間を呼ぶし」
シェヴァ : 「軍隊アリ! 軍隊アリだ!」
シュンスケ : 「だが、氷属性が弱点なのは解っている。氷大嵐の術式を組むか?」
シグ : 「いや……それ、燃費悪い(TP消費が激しい)からな。俺たち前衛がふるって攻撃しかけるとするさ」
シェヴァ : 「えー、こいつ硬いから削り切れないよー。殴られると痛いー。噛まれると痛いー」
シグ : 「耐えろ!」
アイラ : 「結局は精神論しかないんだよね〜。でも、まだ先が長いだろうしTPは温存したいなぁ……私、通常攻撃」
シェヴァ : 「俺も!」
シグ : 「ちょ、お前ら通常攻撃かよ、気合い入ってねぇな!」
アイラ : 「じゃ、シグはどうするのよ?」
シグ : 「えっと……つ、通常攻撃で」(笑)
アイラ : 「結局貴方も通常攻撃じゃないっ!」
シグ : 「し、仕方ないだろっ、俺は全体攻撃しか出来ないタイプだからな!」 (←ハヤブサ駆けと各種チェイスしか持ってないタイプ)
と、皆TP温存をした関係でアリにはトドメはさせず。
しかも。
GM : 「じゃ、仲間呼ぶかな……アリ参上!」
アイラ : 「あー、増えたよー!」
リン : 「キラーアントさんだから、大丈夫だと思うんですけど……」
増えたアリなどの始末に手こずっているうちに、気付いた時……。
シュンスケ : 「……シグ、質問しても、いいか?」
シグ : 「どうした、相棒!」
シュンスケ : 「……手こずっている間に、周囲が真っ赤なf.o.eだらけになっているのだが、それは俺の心が汚れているから見えるだけか?」
シグ : 「……気のせいじゃないか? 俺には何も見えん!」(笑)
周囲はぐるりと、キラーアントだらけになっていたのであった……。
アイラ : 「気のせいじゃないよ、シグぅ。もー、イヤだ、こいつらの攻撃痛いんだもん!」
シグ : 「むむ……仕方ない、チェイスフリーズをセットする! シュンスケ、大氷嵐を頼む!」
シュンスケ : 「……今いるアリを一掃するんだな、了解した。術式を編もう」
GM : 「了解、このターンで氷全体攻撃&チェイス攻撃か……これで、アリは一掃されるね」
シグ : 「よっしゃぁ、伊達にダラダラ通常攻撃してた訳じゃねぇって事よ!」
GM : 「だが、取り囲んでいるアリは乱入してくるぞ。戦闘は続くぞ」
シェヴァ : 「うぇ〜」
シグ : 「そう、イヤそうな顔するな。囲まれてる、って言っても今周囲に居るのは乱入してきたコイツと、もう一匹だ。あと二匹の相手なら出来るくらいはTP残ってるんだろ?」
シェヴァ : 「そうだけどさぁ……」
シグ : 「きっとこいつらを倒せば道も開ける、もう少しの辛抱……」
GM : 「……と、シェヴァを諭している所で恐縮なんだが……キミらの背後に、新たなるF.O.Eの気配が感じられるッ!」
一同 : 「は?」
GM : 「だから、背後からまた別のF.O.E(アリ)が迫っているようなんだ。さぁ、戦え命のある限り!」
一同 : 「な、何だってぇー!?」
アイラ : 「えっ、えっ、何で何で、後ろのF.O.Eは今倒したよね。ね、シュンスケさん?」
シュンスケ : 「……確証はないが……ひょっとしたら、ここのF.O.E……アリは、無限に沸いて出てくるのかもしれん」」
GM : (ふふふ、そうだそうだ……この蟻にはちょっとした仕掛けがあるのだよ・笑)
シグ : 「なぁっ……だとしたら、今のアリも倒したらまた沸いて出て、もたもたしていたらまた俺らは囲まれるって訳か!?」
GM : 「さぁ、どうだろうねぇ?」(笑)
アイラ : 「GMさん笑ってるぅ……あの笑い顔、きっとそうなんだ!」
GM : 「GMの顔色をうかがって判断するのはやめてくれ」(笑)
シグ : 「チッ、それじゃぁあまり時間かけて戦え無ぇな……アイラ、シェヴァ、TP温存はかえってヤバイ! いくら俺達でも、無限にわき出るアリを相手にする程無尽蔵じゃねぇからな……ガンガンスキルをつかっていけ!」
アイラ&シェヴァ : 「らじゃりました!」
シグ : 「次のターンにはもう一匹アリが乱入するからな……その時に、シュンスケ。大氷嵐を頼む。俺もチェイスを組む!」
シュンスケ : 「……了解した」
と、本気モードになれば前衛の火力が高いチーム。
さく、さくと削られ無事にアリは一掃されるものの……。
GM : 「うん……やっつけられた、アリを退治した!」
シェヴァ : 「けどッ、もう背後に新しいキラーアントが迫っているよ! どうする、シグ!」
シグ : 「どうするったって……後ろに敵が居るなら、退路はないだろ、進めッ!」
リン : 「ふぁ……うう、何か小さい頃に見た、いっぱいのアリに襲われる映画を思い出しちゃうです……」
アイラ : 「……ねぇ、シグっ。進んだはいいけど、また前にアリが居るよ!」
シグ : 「……復活したアリか? えぇい、他に道はないのかッ!」
シェヴァ : 「……なさそうだよ、どうする。先に進むには、あいつらと闘わないといけないみたいだ……」
シグ : 「チッ……お前ら、気合い入れてけよッ。血路を開く為にもういっちょ、アリどもをぶちのめしてやれッ!」
幾度も復活するアリたちには手を焼き。
また、復活するアリのペースの早さもあり……。
シェヴァ : 「ううう、少し進んでもまたすぐ、アリが復活して出てくるよ……」
シグ : 「……クソ、思うように進めないな……シュンスケ、大丈夫か?」
シュンスケ : 「……スマン、俺はもう限界だ。帰還の術式を編む程度のTPは残してあるが……大氷嵐は、もう打てん」
シグ : 「……俺もチェイスはもう打てん。ここらで潮時だな……皆、一度引き上げるぞッ」
メンバーのTP切れにともない、アリの物量に飲まれる形で、撤退を余儀なくされるのだった……。
> 黒い絨毯
GM(宿のフロアマスター) : 「『はいっ、お泊まりですね。ぼったくり価格で貴方をいやします、にこにこ宿のフロアマスターです。お金次第で何でもリカバー!』」
アイラ : 「……何か、宿自体に久しぶりに泊まる気がするけど……相変わらずぼったくりだよね、この宿ッ!」
シグ : 「ホントだよ……だが、流石にTP切れしたアルケミストを連れて、二階層の泉まで行くのも危険だからな」
シュンスケ : 「面目ない」
リン : 「……でも、困りましたね……叩いても叩いてもアリさんが出てきちゃって、これじゃぁ前に進めないですよ?」
シグ : 「……だなぁ、アリたちもまた、いい具合に通路を塞いでいる訳だし」
シェヴァ : 「……」
シグ : 「……どうした、シェヴァ。真面目腐った顔で地図なんざ眺めて」
シェヴァ : 「……いや、実はそのアリなんだけどさ。少し、気になる所があって……ほら、これみて」 (と、地図の左側・西側を指す)
シグ : 「おお……一応、ここまで地図は出来たんだな、アリを避けながら西へ向かったと思ったが……」
シュンスケ : 「その地図が、どうかしたのか?」
シェヴァ : 「実は、俺らアリにおっかけられて殆ど死にものぐるいだったから、あの時は気付かなかったんだけどさ……この、西側にいるアリ。一匹だけ、動かない奴が居たんだよね」
GM : (ギク)
シュンスケ : 「……本当か?」
シェヴァ : 「んー……あの時はF.O.Eを避けるのに精一杯であんまり気にしてなかったけど、多分こいつだけ動いてないよ。じっと同じ場所に居た気がするんだ」
アイラ : 「何だろ、一匹だけ動かないアリなんて……軍師かな? 諸葛孔明みたいに、陣頭指揮とってるとか!」
シュンスケ : 「……案外、そうかもしれないな」
リン : 「……アリさんたちの、リーダーですか?」
シュンスケ : 「あぁ……陣頭指揮をとっている、というのは考えすぎかもしれないが、無限に出る蟻の原因をコイツが作っている可能性はあるだろう」
シグ : 「……確証はあるのか?」
シュンスケ : 「確証はない。だが、可能性は高いと思うぞ。この空間に動かないF.O.E、あたかも隠れ潜むようだろう……挑戦する価値は、あるんじゃないのか?」
シグ : 「そうだな……どの道、地図を埋めなきゃいけねぇんだ。このF.O.Eが陣取るマスも埋めなきゃいけないんだろ。試してみる価値は……あるよな! よし、行くぞ皆。この動かざるF.O.Eの正体を確かめに行くぜ!」
一同 : 「おー!」
と、シェヴァに動かないF.O.Eの存在を見抜かれ。
さばみそギルドの面子は、早速この動かないF.O.Eを確かめに迷宮へと舞い戻る……。
GM : 「……そんな訳で、キミ達はわき出るアリをかき分け……ついに、動かないF.O.Eと対峙する」
シグ : 「へへっ、鬼が出るか蛇が出るか!」
リン : (どきどきどき)
GM : 「鬼でも蛇でもなく、アリが出たッ! という訳で……ハイガードアント様のお出ましだ!」
アイラ : 「はいがーど?」
シュンスケ : 「ガードアントの上異種だな……ハイキラーアントではなく、ハイガードアントが出た事で、ますますコイツが何かしらを守っているアリである可能性が高まったな」
アイラ : 「……それにしても、キラーアントもハイキラーアントも。ガードアントもハイガードアントも、見た目が全然変わらないよ! これじゃ、どっちが上異種なのか区別が出来ないじゃない!」
シュンスケ : 「アリだから個性がないんだろうな」
アイラ : 「もっと個性をつければいいのに……キメラアントくらいにさ」(笑)
リン : 「ネフェルピトーさんですか!?」
シグ : 「それは個性が強すぎるだろ」(笑)
シェヴァ : 「そうだよ、それにキメラアントだったら王が居るだろ! キメラアントの王になんか、俺たち絶対勝てないって!」(笑)
シグ : 「本誌でもまだ終わってないもんな」(笑)
等と茶化しつつ、ハイガードアントに挑む冒険者達。
だが、ガードアントの上異種とはいえ基本的に攻撃パターンが同じハイガードアントに苦戦する事もなく。
シグ : 「……もらったぜ、おっかけ攻撃だッ!」
GM : 「……あぁ、それで倒れた。そして、ハイガードアントを倒したと同時に、周囲のアリも消えるね」
一同 : 「おおおおおおおー!」
GM : 「ちぇ、もう少し苦戦してくれるかと思ったんだがなぁ……案外あっさりバレちゃったな」
シグ : 「よしよし、アイツが軍師だったか!」
GM : 「軍師というより、巣穴を守っていたガードマン役なんだな、これが」
アイラ : 「という事は、巣穴を守っている奴を一匹ずつやっつければ、このアリ達はいなくなるのね?」
シュンスケ : 「……全ては消えないだろうが、少なくても無限に出る事はなくなるだろうな」
シグ : 「……よし、それなら巣穴を守るガードアントを探して潰してくぞっ!」
一同 : 「おー!!」
と、無限にわき出るアリの正体も解ればあっけなく。
一個、一個と確実にアリの巣は潰されていき……。
GM : 「む……それが最後のハイガードアントだな、これで全部の巣穴が潰されたか」
アイラ : 「ホント! やったぁ、これでやっとアリの相手しなくて済むよ〜」
リン : 「お疲れ様でした、アイラさん」
シェヴァ : 「地図もあらかた埋まったよ! 穴から落ちた先の部分は、殆ど埋まっているハズ!」
シグ : 「あぁ……しかしアリの多い階層だな、ここは」
アイラ : 「ねー。何か私達が冒険する前にバルサンした方が良かったんじゃないかな、ここ」
シグ : 「もしくは、地球防衛軍に来てもらうとかな」(笑)
アイラ : 「その人たちなら、蜘蛛も殲滅させてくれそうだね」
シグ : 「糸に巻かれて死ぬかもしれないけどな!」(笑)
リン : 「これで、地図も完成しているんですか?」
シェヴァ : 「見える道は殆ど埋めたけど……」
GM : 「……でもまだ、完全に埋まってはいないみたいだね」
シュンスケ : 「何処かに、隠し通路があるんじゃないか?」
シェヴァ : 「だとすると……ココの通路付近だろうね」 (と、MAP北側の、長い通路の間にある隙間を指す)
シグ : 「確かに、ココだけ不自然に隙間が開いてるな」
シェヴァ : 「だろっ……ココのフロアを埋めれば、終わると思うんだ!」
シグ : 「よしっ……せっかくだ、この通路も探って、隠し部屋みつけて、地図完成させて執政院に持っていこうぜ」
GM : 「了解、壁にそって進みながら、隠し通路を探す訳だね」
シェヴァ : 「たんとんとん、たんとんとん、道ないかなー」
アイラ : 「たんとんたんとん、たんとんとん、隠し通路ないかなー」
シグ : 「アイラ、壁は優しくたたけ。お前が触れた所がクレーターになっているぞ」(笑)
アイラ : 「そんなお化け筋肉じゃありまーせんー!」
GM : 「と、キミ達が壁を叩きながら進むと、壁かと思っていた箇所から光が漏れているのに気付く」
シェヴァ : 「あった、隠し通路! これで地図が完成するよ!」
シグ: 「よっしゃ、長かったな……」
GM : 「……と、キミたちが光の漏れる方向に足を進めると……出たフロアは異様な雰囲気に包まれていた」
一同 : 「何ですと!?」
GM : 「そう……フロアには無数のアリが闊歩し、その中央には今まで見た事のない張り詰めた緊張感の中、一個の怪物が鎮座している……」
シュンスケ : 「……女王蟻か!」
GM : 「恐らくはそうだろう。中央で鎮座するそれは自ら産んだ数多の戦士達を従え、ガラスのように輝く虚ろな視線を彷徨わせる……」
シェヴァ : 「やっば、ボスだ……コレボスだよねぇ、どうするシグ!」
シグ : 「男に撤退はない、ぶち込むぜ! ……と、言いたい所だが、流石にハイガードアントの連戦で疲弊してたら勝ち目はねぇな。一度エトリアに戻って、体制を立て直すぞ! シュンスケ!」
シュンスケ : 「了解した……帰還の術式を使おう」
GM : 「じゃ、一端帰る訳だね。キミ達は女王の目を逃れるよう、その場から尻尾を巻いて逃げ出した、と」
シグ : 「逃げたんじゃねぇ、戦略的撤退だからな!」(笑)
> 玉座に挑む冒険者
GM(宿のフロアマスター) : 「『昨日はお楽しみでしたね! またのご利用をお待ちしています!』」
シュンスケ : 「……別に楽しんではないんだが」
シェヴァ : 「ドラクエ1だ、ドラクエ1!」
シグ : 「……また、ぼったくられちまったが、一泊したおかげで気力体力ともに充実したな!」
アイラ : 「うん! これで、あのボスみたいなのと戦えるね!」
GM : 「……んじゃ、回復済ませた所でボスに挑戦するのかい?」
シグ : 「当たり前だろッ……へへ、尻尾を巻いて逃げた! とか抜かした事……後悔させてやるぜ!」
……こうして、再び蟻たちが闊歩するフロアに戻る。
シグ : 「到着っ、さぁ親玉はどいつだ!」
アイラ : 「アイツでしょ、中央に居る、いかにもボスって色の奴!」
GM : 「アイラの指さす方向には、無数の兵隊に囲まれ悠然と巣くう一匹の巨大な蟻が居た……よっしゃ、この階で最大の難敵、クイーンアント様の登場だ!」
シグ : 「よしッ。皆、陣を整えろ! 気合い入れていくぜ、攻撃は……シュンスケ?」
シュンスケ : 「……大氷嵐の術式を組もう」
シグ : 「だったら俺はチェイスフリーズだ!」
アイラ : 「ヘッドバッシュ、いっくよー!」
シェヴァ : 「俺はどうしよう……何つかってくるかな、こいつ。頭はアイラちゃんが封じてくれると考えて……よし、アームボンテージだ!」
GM : 「もうやだ、この縛り軍団」(笑)
リン : 「ボクは、医術防御……間に合うといいですけど」
GM : 「よし、お前ら準備はオッケーだな、それじゃ、攻撃は……クイーンアントからだ!」
シェヴァ : 「うへ、マジで!? 俺、早さには自身あったのにッ!?」
GM : 「巨体だがモーションは早いぜ……狙いはシグだ! ダメージは、117!」
シグ : 「なぁっ、マジかよ!? ……身体半分もってかれたのは久しぶりだぜ」
リン : 「シグ、大丈夫ですか!?」
シグ : 「あぁ、大丈夫大丈夫!」
リン : 「待っていてくださいね、このターンには医術防御しますから、もうこんな大きなダメージは許しませんよ!」
GM : 「とはいえ、クィーンアント一匹だとなぁ。次はキミたちの攻撃か……」
シェヴァ : 「よっし、アームボンテージくらぇい!」
GM : 「ぐは! まさか縛ら、れ……た?」 (むむ。クイーンアントは封じ系ききやすいんだが、アームボンテージだと連続攻撃である女王の鉄槌が封じられてしまったか、残念……)
シェヴァ : 「へへッ、キラーアント、ゲットだぜ!」
GM : 「ゲットされてない! 昆虫採集されてたまるか!」(笑)
アイラ : 「アイラも続けるかなっ……ヘッドバッシュで、脳漿ぶちまけろっ!」
GM : 「そう簡単にぶちまけられてたまるか! いたたた……痛いけど、縛り効果はでないよ。まぁ、アイラの攻撃は痛いけどな」
シグ : 「そうだな、流石、パーティナンバー1の筋肉なだけあるな」(笑)
アイラ : (ギロッと!) 「あーら、シグ君、どういう事かなぁ、それ?」
シグ : (ビクッ!) 「いや、別に何でもないでござんすよ。あはははは!」
リン : 「医術防御、完了しました! これでさっきみたいな大ダメージは受けないと思いますよ」
シュンスケ : 「俺も、術式は完了した……大氷嵐よッ!」
シグ : 「まってたぜシュンスケ! おっかけ攻撃、氷属性になった俺の剣の味を知れぇイっ!」
GM : 「ぐはは! ……うん、でもまだまだキラーアントは元気だな」
シグ : 「うーん、流石にボスになると簡単に倒れたりはしねぇか」
GM : 「当たり前だ。(笑) と、そこで、キラーアントの周囲に居たアリたちが一斉にこちらを目指して動き出すね」
シグ : 「チッ、めんどくせぇなぁ」
アイラ : 「でも仕方ないよ、周囲の敵はきりがないもん!」
GM : 「よし、それじゃ2ターン目!」
シグ : 「シュンスケ、次はどうする、又得意の氷連発か?」
シュンスケ : 「……いや、弱点を突けた方が有効かもしれん。次は大雷嵐の術式を編もう」
シグ : 「了解、それじゃ俺はチェイスショック仕掛けるぜ」
アイラ : 「私はヘッドバッシュ! こうなったら頭縛るまで続けるんだから!」
シェヴァ : 「俺はレッグボンテージにしておこうかな、アイラちゃんが頭封じするのを期待して」
GM : 「ぐは、シェヴァさては、エクスタシー狙いか!?」
シェヴァ : 「当然だよっ、ボスは体力あるからねらえるモンはねらってかないとね!」
リン : 「ボクはシグに回復を……」
シグ : 「大丈夫だって、リン。この程度の怪我……むしろ、エリアキュアを飛ばしてくれた方が嬉しいかな」
リン : 「わかった、それじゃ、エリアキュアII!」
GM : 「よし、それじゃ、クィーンアントの攻撃だ。攻撃は……土けむり! そーれ、わっしゃわっしゃわっしゃ! 命中率を下げて、抵抗出来なかった奴を盲目状態にするぜ!」
リン : 「わっしゃわっしゃって、何かGMさん少し楽しそうですけど……」(笑)
シグ : 「でもっ、何だこりゃ、周囲が……一気に悪くなったぞッ!」
GM : 「抵抗できなかったのは、シグとアイラか……二人が盲目状態になったぞっと」
アイラ : 「ううう、何も見えないー。敵、何処ー!? これじゃヘッドバッシュもあたらないよぉ!」
リン : 「大丈夫ですか、アイラさん。すぐにリフレッシュしますからね!」
シグ : 「くそ……直接攻撃組は正直、これは辛いな……」
シェヴァ : 「あれ、シグと前衛で盲目にならなかったのは俺だけか……てぃ、レッグボンテージ」
GM : 「アウチ! でも、流石に連続で封じられはしなかったな……それでもダメージは200オーヴァーだが」
シュンスケ : 「強くなったなシェヴァ」
シェヴァ : 「もう、装甲が薄いだけの俺じゃないよ!」
アイラ : 「アイラは、ヘッドバッシュするけど……あたらないなぁ」
GM : 「盲目状態と物理攻撃は相性が悪いからな……あたらなかったね」
アイラ : 「もー、盲目嫌い!」
シュンスケ : 「大雷嵐の術式は完了したが……」
シグ : 「チェイス行くぜ! でも、俺も盲目だからスカしたりしてな……どうだ?」
GM : 「大丈夫、あたったよ。(笑) ダメージは……やぱりお前らのツイン攻撃は辛いな」
シュンスケ : 「……数値的には、なるほど。やはりレベルの高い氷属性の方が高い数値になるか」
GM : 「そうだな……じゃ、次……3ターン目だ」
リン : 「ぼく、すぐにリフレッシュ!」
アイラ : 「ありがとー、リンちゃん! じゃ、私はこのターンは、リンちゃんのリフレッシュ待ちで……アイテムでも使っていようかな。ブレイバント!」
※ブレイバント : 攻撃力を上昇させるアイテム。
シェヴァ : 「俺は、引き続き足封じ狙いでレッグボンテージね〜」
シグ : 「それで、どうする相棒。今度は火属性試しに撃ってみるか? だったら俺もチェイスファイアにするが」
シュンスケ : 「……そうだな、頼む」
GM : 「よし、次のターンもクィーンアントの攻撃からだ……いくぞ、土けむり!」
アイラ : 「また? 私はもう、もう盲目になっているから別にいいんだけどね」(笑)
GM : 「俺も本当は攻撃力のバカ高いスキルを使いたかったが、土けむりのコマンドが出てしまったんだから仕方ないだろ」(笑)
リン : 「でも、大丈夫ですよ、リフレッシュすぐかけてありますから!」
GM : 「そーなんだよなー、俺はキミらの相談を聞いていても出てきたコマンドに土けむりしかなかったら、土けむりしか使う事が出来ないんだ、くそ、無駄打ちしたぜ!」
シェヴァ : 「あー、でも、今度の土けむりは俺まで、盲目になっちゃったよ……俺の方がリンちゃんより攻撃順番早いから、スキル無駄打ちしちゃうかもな……まぁいいや、カンでここッ!」(ぺちっ!)
GM : 「カンで当てられた! くそ、シェヴァめ、目隠しプレイもお手の物だな!」
シェヴァ : 「ちょっ、そんな趣味ねぇから!」(笑)
アイラ : 「そうそう、シェヴァさんは目隠しされる方だから、見えて無くても解るんだよ!」
シェヴァ : 「だ、だから違うからッ!」
アイラ : 「あっははー……冗談だよ、冗談! 次、私の番だね。はブレイバントで攻撃力あーっぷ!」
シグ : 「……ドーピングブレイバントスープだ! さぁクイーンアント、アイラを止められるか!?」(笑)
シェヴァ : 「次のターン、アイラちゃんが凄い勢いでクイーンアントをクシカツ!するんだね」(笑)
アイラ : 「血管から注射(たべ)る事でさらに倍! ……なんて、違うよ、そんな筋骨隆々にならないから!」(笑)
GM : 「さて……シュンスケ&シグの火攻撃も何とか耐えきったな、3ターン目。このターンに、周囲に控えてきたハイキラーアントが乱入してくるぞ!」
アイラ : 「もー、めんどっちぃなぁ〜、子蟻の相手はしたくないよー」
シュンスケ : 「……大丈夫だ、ハイキラーアントは氷が弱点。これからは俺が氷属性の攻撃を連発しよう」
シグ : 「チェイスで乱入してきた蟻どもも同時にたたけるしな」
アイラ : 「んー、シグがそう言うなら、子蟻の始末は二人に任せちゃって私は女王蟻に専念しようかな。クイーンアントにヘッドバッシュ!」
シェヴァ : 「俺も、女王蟻にレッグボンテージ!」
リン : 「ボクは、余裕があるうちに医術防御しておくね!」
GM : 「よし、それじゃ行くぜ、次のターン、最初はクイーンアントの攻撃はアイラに噛み砕き!」
シグ : 「カキン! しかし肉が硬すぎてはがたたなかった!」
アイラ : 「だから、そんなに筋肉ないわよっ、私は!」
GM : 「そうだ、アイラ君だって可憐な女の子だぞ。ダメージは入るよ、63」
シグ : 「流石はアイラ、俺の体力を半分削った敵相手にそれだけのダメージで押さえるとは、筋肉の鎧を着ているな」
アイラ : 「リンちゃんの医術防御があるからですぅ!」
GM : 「そして、ハイキラーアントは、仲間を呼ぶだけか……キラーアントが現れた」
シュンスケ : 「大氷嵐の術式!」
シグ : 「チェイスフリーズ、おっかけ行くぜ!」
GM : 「!! ……キラーアントは倒れた。うぅ、やっぱりお前らのおっかけ、きついなぁ」(笑)
シグ : 「ソードマンとアルケミストの相性は抜群だしな! ……どうだ、シュンスケ、この冒険が終わったら俺と組まないか?」(笑)
シュンスケ : 「そうだな…………」
シェヴァ : 「え、え、シュンスケ、シグと組むの? じゃ、俺どうするのさ、俺っ……まぁ、勝手についてけばいいか、うん」
シュンスケ : 「……うるさいのが勝手についてくるが、構わないか?」(笑)
シグ : 「考えておくわ」(笑)
GM : 「まぁ、ハイキラーアントはまだ生きているけどな。そして……さらに援軍、もう一匹ハイキラーアントが追加されて、、5ターン目だ!」
シグ : 「チェイスフリーズでいいか、シュンスケ?」
シュンスケ : (無言で頷く)
シグ : 「よし、チェイスフリーズ」
アイラ : 「全然封じ出ないなぁ、ヘッドバッシュ!」
シェヴァ : 「俺も全然だ、最初だけまぐれあたりだったかな、レッグボンテージ!」
リン : 「ぼくは……TP温存しようかな。防御にします」
GM : 「攻撃は、ハイキラーアントからだ、アイラにがぶり!」
シグ : 「ズッギューン!」
アイラ : 「だから、私からはそんな鉄板を打ち抜いた音しないもん!」
シグ : 「何をいう、ズッギューンは、荒木先生の表現するキスの効果音だぞ」(笑)
GM : 「そうだ、アリのキスだ。(笑) ダメージ減らして置いてね。ハイキラーアントだから、ダメージは少ないけど」
アイラ : 「むー……ダメージ受けるキスなんていやだなぁ」(笑)
GM : 「もう一匹の蟻は、粘液でろでろでろー、素早さを下げにきたぜ! 皆の素早さダウンだ!」
アイラ : 「でも、元々私たちの順番はアリさんの後だけどね」(笑)
GM : 「ん、そうか……以外と無駄が多いな、こいつらのスキル。ちなみに、クィーンアントは土けむりね」(笑)
アイラ : 「また?」(笑)
GM : 「人生って同じ事の繰り返しなんだよ」
とはいえ土けむりで盲目になるキャラクターはなく。
攻撃は順調に入っていき、いよいよ……。
GM : 「……6ターン目、だけどそろそろクイーンアントの体力にかげりが見え始める。というか、ぶっちゃけ赤体力だ、ぴよぴよぴー」(笑)
シグ : 「終わりが見えてきたな!」
シュンスケ : 「そうか、もうTPがなくなる頃だったからちょうどいいな」(笑)
シェヴァ : 「結局エクスタシー入らなかったな、仕方ない、ジ・エンドいれてみようかな」(笑)
GM : 「やめてくれ、ボスが即死効果のある攻撃で倒れるのは何となく格好悪い」(笑)
シェヴァ : 「GMさんに望まれた、じゃ、俺ジ・エンドね」(笑)
GM : 「やめてくれといったのに、いじめかっこわるい!」
シェヴァ : 「しかも、ブーストで」(笑)
GM : 「そこまで徹底的に叩こうとするなんて! いじめ本当にかっこわるい!」(笑)
シグ : 「シェヴァにとってのやめては、芸人のやれ! といっしょだぜ」(笑)
GM : 「後のキャラはさっきのターンと概ね一緒かね。んじゃ、こっちの攻撃は、ハイキラーアントがリンに攻撃」
シグ : 「んなぁんだと、後衛を……しかもリンを攻撃するなんてぇ!」
GM : 「何をいう、僧侶から叩くのは基本だぜ……っと、とはいえリンは後衛でガードしているからな、ダメージは1だ」(笑)
リン : 「はい……大丈夫ですよシグさん、全然痛くないです!」
GM : 「それについで、もう一匹の蟻も攻撃。シグに、ダメージは9」(笑)
シグ : 「こそばゆいわ!」
GM : 「はぁ、やっぱり医術防御入ると攻撃が入らないなぁ……クィーンの攻撃も通常攻撃なら20程度だ」
アイラ : 「次、あたしの攻撃ね! ヘッドバッシュ!」
GM : 「ぐぁ、だが……まだだ、まだ終わらんよ!」
シェヴァ : 「たたみかけでジエンド……クリティカルで、ダメージは330!」
GM : 「ぐは! まだ終わらん! まだ終わらんよ!」
シグ : 「つか、ジエンドってクリティカル出るんだ、初めて見た」
シェヴァ : 「俺も初めて見た、今まで即死かミスかしか見た事なかったから」(笑)
GM : 「よし、何とか前衛の攻撃は耐えきった、か……」
シュンスケ : 「……だが後衛の攻撃はこれからだな。大氷嵐の術式は、すでに完了している!」
GM : 「ぐはっ……そうだったな、流石にソレは耐えられない。巻き揚がる氷の嵐に身をよじり、巨大な体躯を持つ女王蟻は今……嵐の中に倒れ伏した!」
一同 : 「おー、ぱちぱちぱち!」
GM : 「とはいえ、まだ女王蟻が呼び出した側近は残っている訳だが」(笑)
シグ : 「露払いにおっかけ攻撃だ!」
GM : 「ぐぁ……それで殆ど一層されたね、残った一匹は通常攻撃で方がつくだろう……キミたちは、クィーンアントを倒す事に成功した! 同時に周囲に居た蟻の姿もなくなったよ」
シグ : 「女王が居なくなり、四散した訳か」
GM : 「そうだね、静寂がフロアを包む。あれほど賑やかだったのが嘘みたいだ」
リン : 「終わった……ん、ですね」
シェヴァ : 「あぁ。これで……やった、皆! 地下12階の地図が完成したよ!」
一同 : 「……」 (しーん)
シェヴァ : 「あれ、皆元気ない?」
シュンスケ : 「クイーン戦で、力つきたんだ……」
シェヴァ : 「そっか……俺まだわりと元気なんだけど」(笑)
シュンスケ : 「そうか、それなら丁度良い……」 (ばふっ!)
シェヴァ : 「うはぁ! し、シュンスケ、何するんだよっ、急にその、ぎゅっと……」
シュンスケ : 「TP切れだ……とても動けそうにない。悪いが……肩を貸してもらうぞ」
シェヴァ : 「え……何だ、ビックリした……いいよ、俺の肩で良ければ、何時でもどーぞ」
リン : 「……シグも、肩が欲しいですか?」
シグ : 「俺は……大丈夫だ、まだやれ……」
アイラ : 「TP切れはシグも一緒でしょっ! チェイス攻撃は、TP少ないソードマンにしては消費が大きいんだから。ほーら、無理しないで……リンちゃん! こいつ……支えてあげよ!」
リン : 「はい!」
シグ : 「い、いや、俺はホントにだいじょ……」
アイラ : 「いーのいーの、女の子の好意は受け取っておくモノよ」
シグ : 「だが……」
アイラ : 「それにっ……たまには、ね。ちょっとだけ……こう、してたいんだよ……いいでしょ、シグ?」
シグ : 「……わかった、じゃ……肩借りるぜ。アイラ、リン」
アイラ&リン : 「うん!」
かくして、第3階層最初の難関をクリアしたさばみそギルドご一行。
果たしてその先に待ち受けているのは一体何か!
ワクワクテカテカした気分になったり、ならなかったりしながら次回へ続くのである!
> 幕間劇 〜 それぞれの、一面。
かわらない現実。
かわらない日常。
仮初めは仮初めで、現実は現実。
二つの世界は永遠に交わる事なく、静かに過ぎていく……はずだった。
キミは少しずつ、現実へ浸食していく日常の世界に。
触れても、触れなくても良い……。
……セッション終了後、都内某所。(いつもの、西園寺研究室)
GM@西園寺馨 (以後 西園寺) : 「はーい、皆さんお疲れさまでしたー。システムは終了したから、もうゴーグルやらを外していいよ。椎名君、プログラム・フレスベルグは問題なく終了しているかい?」
シュンスケ@椎名淳平 (以後 椎名) : 「…………」
西園寺 : 「シーナ君?」
椎名 : 「ん……あ、あぁ。システム、オールグリーン……問題なく終了しています」
西園寺 : 「急に黙らないでくれよ、おじさん心配しちゃっただろ。あ、いや、おじさんというか、井上喜久子お姉ちゃんと同じ年齢なんだけどさ!」
アイラ@桐生若葉 (以後 若葉) : 「西園寺さん、いつもそれ言うけど、それ17才って事? それとも、リアルな喜久子おねぇちゃんと同年齢って事?」(笑)
西園寺 : 「何を言う、リアルな喜久子お姉ちゃんなら、17才のはずだ!」(笑)
リン@芹沢梨花 (以後 芹沢) : 「うふふふ……西園寺さんて、本当に面白いですね」
西園寺 : 「面白いだけじゃない……心もイケメンだぜ! しかも……夜の俺はもっとイケメンさ! どうだい芹沢君。そんなイケメンの俺と……ガチで恋、してみないか!?」
シグ@桐生和彦 (以後 桐生) : 「なっ……セクハラか、それは……裁判所に行けば訴えられるぞ、梨花」(笑)
西園寺 : 「いきなり裁判所とか、非道ぇ! ううう、イヤじゃー。この若さで裁判所のお世話になりたくないー」
芹沢 : 「あはっ……大丈夫ですよ、西園寺さんを訴えたりしませんよ!」
西園寺 : 「おおお、流石は芹沢君。良心! 天使! このギルドの天使だよ!」
芹沢 : 「でも……お付き合いは遠慮しておきます! だってボク……好きな人が、居ますから!」
西園寺 : 「がーん!!!」
桐生 : 「…………」
シェヴァ@七瀬澪 (以後 七瀬) : 「あれ、カズ君ちょっと顔紅いよ、大丈夫? 熱とかある?」
桐生 : 「なぁっ、何でもねぇよ!」
七瀬 : 「あはは、本当に何でもないのかなー」
桐生 : 「うるせぇって……というか、お前こそ大丈夫かよ。顔色、悪いぞ。熱とかあるんじゃねぇのか?」
七瀬 : 「俺? 大丈夫だよ、でも少し風邪気味かな、頭暖かいから」
桐生 : 「……お前の頭が暖かいのは今更、だけどな」
西園寺 : 「ううううう……芹沢君、好きな人が居るのか……」
芹沢 : 「はいっ」
西園寺 : 「そんな……言ってくれれば……俺の事が好きなら、もっと早く言ってくれればいいのにッ! 俺も芹沢君の事、第一印象から決めてましただぜ!」
若葉 : 「この人っ……梨花ちゃんの好きな人=自分だと完全に思っている!」
七瀬 : 「うわぁ、どっから来るんだその自信!」(笑)
芹沢 : 「西園寺さんじゃないです、ごめんなさい!」(ぺこり)
七瀬 : 「しかも梨花ちゃんに速攻断られているし!」
西園寺 : 「うわぁ。馨、超ショックー。でもカオル負けない。だって強い子だから! というかコレ、ツンデレ的なものだよね!」
七瀬 : 「そして西園寺さんは全然動じないね」
椎名 : 「うむ……西園寺さんの精神力のタフさは尋常じゃないからな」
若葉 : 「偉い偉い、梨花ちゃん大人になったんだね〜。 という訳で、今日はこのまま、梨花ちゃんの大人祝いとして、ちょっとご飯食べにいってきまーす」
桐生 : 「ん……何だ、お前今日は外で飯食うつもりか?」
若葉 : 「うん! 兄さんも、どうせいつものファミレスとかに行くんでしょ。だったら、私は梨花ちゃんとご飯に行こうかと思って」
桐生 : 「お、いいなぁ……俺もついて……」
若葉 : 「残念、完全予約制のお店なんでーす。兄さんの席はな・い・の! えへへ……女の子同士で話するんだから、兄さんはだーめ!」
桐生 : 「なんだよ、つまんねぇな……」
若葉 : 「七瀬さんは来てもいいけど、どうする?」(笑)
七瀬 : 「ちょっ、俺、女の子じゃねーし!」(笑)
若葉 : 「あはは……それじゃ、私たちそろそろ帰りますね。お店の予約もあるし」
芹沢 : 「はい……西園寺教授、今日はありがとうございました」
西園寺 : 「ん、いやいやこちらこそ。女の子が来るのはいつでも歓迎だよ。何なら、今度是非、夜這いとかかけてくれないかな。普段見せない俺の新しい一面、見せてやるぜ!」
若葉&芹沢 : 「絶対無理でーす!」
西園寺 : 「しくしくしくしく……」
若葉 : 「あははは……それじゃ、西園寺さん、じゃぁね!」
桐生若葉、芹沢梨花が退室する。
西園寺 : 「女の子はいつも早く帰ってしまうな……もっといてくれてもいいのに……」
桐生 : 「まぁ、そう気を落とすなって。代わりに、女の子みたいな七瀬が居るんだからよ!」
七瀬 : 「女の子みたいなって、男です俺はー……もぅ」 (と、立ち上がる)
西園寺 「っと、どうした、七瀬君?」
七瀬 : 「食器、片づけていこうかと思って。西園寺さん、いっつも食器片づけないでそのまんまだから」
椎名 : 「そうか、じゃぁ俺も手伝うか?」
西園寺 : 「シーナ君はダメだ!」
桐生 : 「んぁ、何でだよ。いいじゃねぇの椎名にもやらせれば……」
西園寺 : 「教え子時代に、良く解ってる……シーナ君の片づけレベルは、綺麗にファイルされた資料を床にまき散らして、片づけた、と言い張るレベルだ! 片づけるたびに、重要な資料が消えていく……あの悪夢を、ここで再来させたくはない」
桐生 : 「椎名、お前って案外……ずぼらなんだな」
椎名 : 「……片づいているぞ、俺の中ではな」
桐生 : 「逆に、七瀬は適当だけど片づけは結構しっかりやるんだよな。ただ、少しおっちょこちょいっていうか、よくモノを壊すのが心配だが……」
がしゃんがしゃんがしゃん!
桐生 : 「……言った傍からか、おい!」(笑)
椎名 : 「おい、澪! 大丈夫か、怪我はないな。何か壊したのか?」
西園寺 : 「まぁ、皿なら新しいのを七瀬君が買ってくれればいいが……」
七瀬 : 「…………ッ」
西園寺 : 「……七瀬君? ちょっ、おい、七瀬君、大丈夫か!?」
椎名 : 「……澪? みおっ、どうした、急に倒れたりしてッ……」
七瀬 : 「っぁ……ぅくっ…………」
椎名 : 「澪、みおっ、大丈夫か、おいッ……しっかりしてくれ……」
桐生 : 「……落ち着けッ、椎名! お前がしっかりしろ! な、七瀬……どうした? しゃべれないくらい辛いのか?」
七瀬 : 「うぇっ……ぇ……」
西園寺 : 「救急車の手配が必要だな。激痛を伴う腹部の痛み……それと、吐き気か……七瀬君は、熱に強い方だな?」
椎名 : 「は、はい……平熱が36.3度ですが、38.0くらいまでは平気で生活してますよ、大概の場合……」
西園寺 : 「……私の研究室で倒れたのはラッキーだったな、椎名君。七瀬君の現在の状態をデータ収集した結果、体温は38.2度。血圧は98/62、脈拍は98、血中酸素濃度は98%か……嘔吐の気配があるな、痛みの箇所は……右下腹部、か」
桐生 : 「え、何だよ西園寺さん……医者?」
西園寺 : 「職業上、医者とやりとりが多くてね。いらん知識ばっかりついた結果だ……桐生君は救急車の手配を頼めないか。救急車を呼んだ事は?」
桐生 : 「無いッスよそんな……」
西園寺 : 「最初に、火事ですか救急ですか、と聞かれる。救急ですと答えろ。25才男性、10分ほど前から右下腹部腹痛と嘔吐の症状ありと伝え、ここの住所と電話番号を伝えてくれ。電話番号と住所の控えは私の机の上だ。っと、ストレッチャーが入れないからな、出入り口まで抱きかかえて移動してくれ。この研究室もあまり知られたくないしな」
桐生 : 「わ、わかりましたっ!」(電話をかけはじめる)
椎名 : 「……すいません、西園寺さん」
西園寺 : 「気にするな、可愛い七瀬君の身の上を案じているのは私も一緒だよ……あぁ、どの病院に搬送しますか、と聞かれたら、出来ればS総合病院に診てもらえ、あそこの野嶋は手術がウマイぞ。虫垂炎なら、すぐ診てくれるだろう」
椎名 : 「虫垂炎……ですか?」
西園寺 : 「盲腸といった方が覚えがいいか? ……そうだろ、吐き気で右下腹部の腹痛。熱……間違いない。君が心配してる事態じゃないさ」
椎名 : 「……すいません、西園寺さん、本当に」
西園寺 : 「七瀬君の事で君が取り乱す姿を見るのは初見じゃない。それに……以前私は、それを利用さえしたんだ。気にするな」
七瀬 : 「っ……んぅ……」
桐生 : 「すぐきてくれるってよ、救急車!」
西園寺 : 「そうか……それじゃ、悪いがこの研究室からは出た方がいいな。さっきもいったが、ここは救急車が入るには少し不親切だからな」
椎名 : 「はい……大丈夫か、澪?」
七瀬 : (無言で頷く)
桐生 : 「すいません、西園寺さん! 今度何か、ウマイ酒でももってきますから!」
西園寺 : 「礼はいらんよ、モノもな。まぁ、七瀬君が元気になったら、また顔を見せてくれ」
桐生和彦、七瀬澪、椎名淳平が退室する……。
西園寺 : 「さて……まぁ、虫垂炎なら入院期間は短くて一週間って所かな。それにしても……」
床に散乱したガラスを眺める。
西園寺 : 「私も根性が悪いな……七瀬澪に熱がある事、今日のセッション始める前から全部気付いてたってのに……」
誰も居ない空間を眺め、西園寺は一人微笑む。
西園寺 : 「……はは、やっぱり椎名淳平に、未練があるんだな……私は」
外からはサイレンの音が空しく響いていた。
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