予防接種について

平成6年の予防接種法の改正により予防接種は、「義務」から「勧奨」による国民の「努力義務」に、
また接種方法も「集団」からかかりつけ医を中心とした「個別摂取」へ変更されました。
予防接種に来院されるお母さんは多くの不安と疑問を抱えていらしゃいます。
そこで予防接種を行なうかかりつけ医は、ていねいな予診と診察を義務づけられています。
そして予防接種に関する情報を提供し、保護者の疑問に答えていく必要もあると考えます。
この項目を不安解消に役立ていただければれば良いと考えています。

■ 予防接種の種類

定 期 接 種
種類 接 種 対 象 年 齢 回数 間隔 備 考
DPTT期
(三種混合)
生後3以上90ヶ月未満 初回接種
(標準は3ヶ月以上12ヶ月以下)
3回 3〜8週
追加接種
(標準は初回接種終了後12〜18ヶ月を経過したもの
1回
DPTU期 11〜12歳 1回
BCG 出生後〜6ヶ月未満まで  1回 2005年4月からツ反中止
ポリオ 生後3〜90ヶ月   (標準は3ヶ月以上18ヶ月以下) 2回
麻疹(はしか) 生後12〜90ヶ月  (標準は3ヶ月以上24ヶ月以下) 1回
風疹 生後12〜90ヶ月  (標準は3ヶ月以上36ヶ月以下) 1回
12歳以上16歳未満 男女とも 1回 2003年9月までの経過措置
日本脳炎T期 生後6〜90ヶ月 初回接種 (標準は3歳) 2回 1〜4週
追加接種 (初回接種ごおおむね1年経過後 1回
日本脳炎U期 9歳以上12歳以下 (標準は小学校4年生・9歳) 1回
日本脳炎V期 14歳以上15歳以下(標準は中学2年生) 1回 14歳未満では接種できません


任 意 接 種
種 類 接 種 対 象 年 齢 回数 間隔 備考
おたふくかぜ 1歳以上のおたふくかぜに
かかってない希望者
1回
みずぼうそう
(水痘)
生後12ヶ月以上の水痘に
かかっていない希望者
1回
インフルエンザ 全年齢層 2回 1〜4週 生後6ヶ月から7歳くらいの
お子さん、
高齢者は、積極的に
おすすめします。


■ 他の予防接種との間隔

生ワクチン(BCG、ポリオ、麻疹(はしか)、風疹、おたふくかぜ、水ぼうそう)
                     
4週間以上あけて、他の予防接種(不活化ワクチン、生ワクチン)接種可能

不活化ワクチン(三種混合、二種混合、破傷風、日本脳炎、インフルエンザなど)
                     
1週間以上あけて、他の予防接種(不活化ワクチン、生ワクチン)接種可能
  

■ 標準的な予防接種時期

       

■ 予防接種を受ける時の注意点・・・予防接種を安心してうけるために以下の点に注意されて下さい。

@ 受けられる前に、病気のことやワクチンの効果・副反応などを知っておいていただきたいと思います。
市町村から配布された「予防接種のしおり」に一度目を通されておいてください。
A 予診票の記入を済ませましょう。
★体温は接種前に病院で計り、記入します。
★アレルギー(卵など)がある時は記入しておいてください。
B 機嫌は悪くありませんか?発熱、下痢、発疹はありませんか?
健康状態のよい時にうけましょう。
★当日体温が37.5℃以上あると、予防接種はうけられません。
★下痢、咳、鼻水がひどい時も予防接種はうけられません。
★1ヶ月以内に麻疹、水ぼうそう、突発性発疹症などの感染症にかかった場合は
 4週間は接種は控えます。
C 接種の前に診察をうけます。その時に不安なこと、不明のことがありましたら、必ず質問しましょう
D 予期できない重篤な副反応がおこることがあるので、30分はすぐ帰らず院内で様子をみてください。
E 接種当日は、入浴を含めていつもと同じ生活でいいのですが、激しい運動はさけてください。

■ ワクチン計画 


★ 3ヶ月になったら予防接種を開始しましょう。
  最初に三種混合からはじめられることをおすすめします。その次にツベルクリン反応をし、
  BCGを
うけられるのが良いでしょう。
  三種混合は三種(ジフテリア・破傷風・百日咳)のワクチンです。この中で百日咳は
  赤ちゃん特に1歳未満の乳児がかかると命とりになることもある恐ろしい感染症です。
  ですから三種混合接種を一番に受けられることをおすすめします。
  その後BCG をしましょう。
  結核は昔ほどではありませんが、少しずつ増えていて注意が必要な感染症です。
  特に小さいお子さんが感染すると重症になることもあります。
  ですから三種混合1期3回が終わってから、できれば6ヶ月までにBCGを受けておきましょう

ポリオはいつからうけるべきでしょうか?
  
三種混合1期3回、BCGが終わられてから
でいいでしょう。
  ポリオは春、秋の年二回集団接種で行なわれているところがほとんどで、
  その限られた期間のため慌てて受けられる方もいらっしゃいます。
  しかし日本国内にいる限りは感染することはありません。
  三種混合、BCGが終わられてからでも遅くありません。

★ 1歳になったらうける予防接種は
   1歳の誕生日が過ぎたらまず麻疹(はしか)の予防接種を受けましょう
   そして風疹、三種混合追加と受けましょう。

★ 任意の予防接種はどのように考えたらよいですか?
  任意の予防接種を受けていても現在のワクチンで完全に病気にかかることを防ぐことは無理です。
  しかし自然に罹るより重篤な合併症の頻度が減ったり、症状も軽くすむので、接種をおすすめします。

★ アレルギー等の疾患をもっている時は?
  卵アレルギー、ゼラチンアレルギーなどの場合、問題になることがあります。
  アレルギーがあるときは必ず主治医に申し出て、指導をうけてください。



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