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いってきました




クリックすると大きくなるよ




レンタカー
釧路-根室間の足
Sクラスにしてはまあまあ






根室・花咲岬
根室・花咲岬
流氷はまだ見えません


有名な車石
観光パンフレットより
見えると思って行ったのに…







慟哭の森美術館
慟哭の森美術館

森といっても
市内にあります








納沙布岬から太平洋を望む
納沙布岬から太平洋を望む



アザラシとくまちゃん
アザラシとくまちゃん(友好)
望郷の家・北方館にて

へんな施設名ですが
行ってみると
その秘密がわかります
「家」ねえ…



納沙布岬灯台
流氷押し寄せる
納沙布岬灯台







大野屋の夕食
必殺!大野屋の夕食
まことも食べたのか?


ナローな半島と流氷、そして鹿?の巻

2003年2月13〜16日 決行
うつほ記



 2003年の目標を「ラグジュアリーアンドナローバンド」に決定したスタジオうつほメンバーですが、2回目の旅は、北海道でも長く狭い半島の先っぽ、根室半島を目指し、さらに享楽の限りを尽くすため、西端から東端へ奔走しました。

その1 2月13・14日(木〜金)

 13日の夜に岩内を発ったわれわれスタジオうつほメンバーは、新札幌駅でまず腹ごしらえ。構内の居酒屋で馬刺し他数品を食し、適度に酔って釧路行きの寝台列車「まりも」に乗りました。

 寝台とはいえ、基本的に列車なので、かなり揺れました。津軽海峡の「はまなす」と大した変わりはありません。やっぱり寝付きにくいです。追分付近で窓から外を眺めることにしました。
 ちょうどあと2日ほどで満月になる、ちょっとだけ欠けた月が、列車を追いかけるようにして、枝だけの疎らな林の上から、煌々と雪原を白く照らしていました。いいものを見たなあと思いました。知らないうちに頬が緩んで、気分がよくなって、眠くなったので寝ました。
 たびたび信号場で停車していたので、その都度がたんと揺れて、おちおち眠っていられないなあというのが正直な感想です。思ったよりは寝付きがよかったんですが。
 それでも結局、じき到着を告げる車内アナウンスまで寝てました。

 降りたらさすがに寒かったです。くまちゃんは「まりも」の撮影をしてたので、うつほは先にひとりで乗り換えしようと思って案内に沿って進みました。根室にはレンタカーで行くことにしていたのですが、レンタカーは8時でないと開きません。その間、2時間あります。くまちゃんの思いつきで、ちょっと寄り道をしようということになりました。 
 6時まえでホームはまだ暗くて、眠いせいもあってなんだか様子がよくわかりません。ホームにおおきな(とはいえかけらの)流氷が置いてありました。よく考えたら列車が居ません。変だと思ったら、ずうっと後ろの方にいました。たった1両なので、わかりませんでした。乗り込んだらすぐ発車。あぶなかったです。
 でも乗り遅れてもよかったかも知れません。くまちゃんが行きたいと云っていた駅は、釧網線「細岡」です。周りには何にもなくて、お日様が昇ったばかりで一番冷える時間。たぶん氷点下15度前後だったでしょう。湿原沿いの川から「けあらし」(川から蒸発した水分が冷やされて水滴となる現象)があがっていました。鼻がなんだかちかちかします。どうやら、鼻息が凍っているらしいです。鼻毛も凍る寒さを初めて体験しました。
 待つこと20分ほど。ようやっと次の駅で折り返してきた列車がやってきました。寝不足プラス極寒で、もうふらふらです。

 再び釧路の駅に戻ったら、何よりおなかがすいてどうにもこうにもヘビーな気分でした。氷点下10度程度の駅前を小走りで駆けて、至近の和商市場へ。テナントのうち半分以上は8時開店で、店の人たちは一生懸命準備していました。幸い「和幸」という食堂があいていて、おばさんが「どうぞー」と商売熱心にも声を掛けてくれたので、まよわず入ってホッケの定食を注文しました。どんぶり飯でしたが、完食。

 食べると当然眠くなります。レンタカーの運転はくまちゃんにまかせて、うつほは厚岸までねむりました。国道ではなく浜沿いの道道を行ったので、カーブが多くて、怖くて寝るしかないのです。厚岸から花咲までうつほが運転しましたが、根室市に入るあたりから、林がまばらになってきて、牧場だらけになりました。もう馬も牛もめずらしくありません。
 周りには山も森もなく、ぱらぱらと生える、林にもならないほどの木の群生がある位。初めて見る風景でした。

 根室の花咲岬には、車石という名勝があります。丸く車輪のように溶岩が固まった石があちこちにあります。放射状節理というそうです。でもどうしても写真のように見える場所が見つかりませんでした。探していたら、あっというまに時間が過ぎて、12時半。市内の北側、根室湾を見下ろす坂からは、海が真っ白に見えました。オホーツク海側は、流氷が占めているのです。時間がなかったので、流氷の感慨に浸るのは後にして、13時に、市内の「慟哭の森美術館」を訪問する約束をしていたので、急いでそばを食べて、5分ほど遅れて美術簡に到着しました。

 「慟哭の森美術館」では、昨年夏木田金次郎美術館でも展示された、茂木幹の元アトリエです。是非訪問してみたい、と思っていました。行ってみたら、木田美術館の展示とは全然違って、とても明るい色調で生き生きとして見えました。
 といっても、木田美術館が暗いという訳ではありません。木田美術館の時は、なんというか、木田金次郎と比べたら、思索的というか、哲学的というか、そんな落ち着いた色調に見えたのですが、どうもここでは違いました。その日が晴れだったせいか(根室の冬は晴れの日が多いんですね)、とても快活で、気持ちよく、絵の具をキャンバスにつけるのがとても楽しくてしょうがない、そんな絵に見えました。
 管理されている桐沢さんご夫妻に、無理をいってあけていただいたのですが、とてもご親切に歓待していただき、感謝しております。とてもすてきな美術館でした。

 美術館を後にして、やっぱりナローバンドを標榜するには、先っぽにいってみなくてはなりません。今現在行くことのできる(北方領土を除く)、日本の一番東、納沙布岬。これはいかなくてはならないでしょう。
 ここ数日の寒波で、遅れていた流氷が、根室半島の先のほうまで来ていました。流氷を見るのは初めてだっだので、思わず興奮しました。
 車で30分ほど走って岬についたら、流氷が取り囲んでいた、という実感です。冬だけに、寒々しい。少し曇っていたので、北方領土は見えません。いろいろ施設が建っていました。さすが東端。北方館の中にある(ただでみることのできる)望遠鏡で、東方をみましたが、流氷だけでした。残念ながら流氷の上にアザラシ、なんてこともありません。貝殻島に建つ灯台らしきものだけが見えました。
 せっかくここまで来たので、本当に東端の、納沙布灯台下で写真をとりました。そのあとは、さっさと市内に戻り、今夜の宿(くまちゃんおすすめの大野屋)へ。ここはかの藤田まこと御用達の宿。さっそく1月の紫綬褒章受賞記念パーティーに、ここの女将が招待されていた様子を撮影した写真が、ロビーに飾ってありました。
 ちょうどバレンタインデーだったので、チョコレートがサービスで部屋についてました。至れり尽くせりです。夕食も部屋食でとても贅沢な待遇でした。これは、ラグジュアリーそのものです!

(→その2「鹿と牛と鳥と馬と」へ)





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