偏在化する電脳社会、WPCEXPO2003
それでもやっぱり新しい製品(モノ)
次は折角なんで新しい製品群もほんの少しだけ注目しておこう。まずは本来主役であるはずのPC本体の新製品から。
昨年鳴り物入りで「これからのPCはこのスタイル!」といわんばかりに、マイクロソフト始め多くの企業が発表していたタブレットPCだが、改めてそれを大きくアピールするような様子は殆ど見られなかった。これはもちろん、このスタイルが定着したからでは無く、この1年で市場に受け入れてもらえなかった事の現れであろう。旗振り役のマイクロソフトでさえ今回はまともな販促行動はしていないのだから、製品化する各メーカーだってそりゃ新製品を作ろうとはしないよね。デザイン競争も何だか一段落だし、やっぱりユーザーがPCに求めるものは使い易さと安定稼動という事ではないかなと思う。
そういう意味でというには強引な引用だが、使い易さの面ではSONYの「バイオV」の様にテレビ機能との融合を高めた家電的な進化、そして安定稼動という面ではNECの水冷クーラー搭載PCの様に熱処理と騒音対策という事への対策等はユーザーに分かり易いアピールポイントの様に思える。自作ユーザーと化してしまった自分としては、特に後者の安定稼動については今後個別のパーツにもこうした流れが来て欲しいと思うところだ。
SONY VAIO V
NEC VALUESTAR
今回の新製品で(購買意欲とは別に)個人的に気に入ったのはこれかな。
パナソニックの「D−snap」シリーズ。
平たく言ってしまえばデジカメとデジタルビデオカメラ(一部機種はこの機能無し)を融合させたようなものなんだけど、機能としては他にもボイスレコーダーやMP-3を利用した音楽プレーヤーとしても利用可能。記録メディアをSDカードのみとする事で従来に無い小型化を実現し、512MB程度のカードがあれば動画をMPEG-4で1時間程度記録できる。
そして興味深かったのは同社DVDレコーダーの「DIGA」との連携。記録した映像をSDカードを介してデータのやり取りと閲覧が可能なのだ。DVDレコーダーで記録したテレビ番組をD−snapのモニターで(小っちゃいけど)観る事ができるし、その逆も可能という事。自分、同社DVDレコーダー持ってるけど、生憎SDカード挿せない頃のなんでちょっと悔しい。
ところでシリーズというくらいなんで幾つかタイプがあるんだけど、個人的に気に入ったというのはこの内の「SV-AV50」という機種。収納時はレンズも見当たらず、まるで携帯電話のような姿をしていながら、モニターを開放するとレンズ部分も出てくるというギミックが何となくいいなあ、と。はっきり言ってこのシリーズは玩具的なアイテムなんだけど、そのライトさが惹かれる訳だ。
(でもお値段はライトとはいかなさそう・・・)
ところで一応付け加えておくと、パナソニックとしてはSDカード媒介とした(ブリッジメディアと呼んでいる)様々な機器との連携をユビキタス構想の一形態として提案していて、この商品が正にその戦略的商品として大きく売り出そうとしているところらしい。
これだけ聞くと「これがユビキタス?」と感じる人もいるだろうが、パナソニックとしては当然、通信等の接続手段も含めた総合的なネットワークを指している様なので誤解無きよう。
D-snap SV-AV50
それからメニュー操作のインターフェースには、かつてのトラックボールを髣髴とさせるかのようなオレンジ色の球体が・・・ちょっと違うか?
因みに1コ下のグレードにSV-AS10というのがあるが、最薄9.9mmというコンパクトさを売りにしている。
D-snap SV-AV100
D-snap SV-AV35
まんまDVD画像という事。スゲー。