農業風景の日常詩
あぜみち・8
   

5/12付
 大型連休中にナス苗(1本200円)を1600本程定植しましたが、そのナス畑で困った出来事が2件。ひとつはナス畑の周辺に「防風と防虫」を兼ねて、ソルゴー(イネ科の牧草で緑肥になる)を播いたところ、芽が出た直後にカラスに見つかり、全部ついばまれてしまったこと。勿論これを想定してテグスを張りめぐらせてはいたのですが。
もう1件は、定植を終え支柱も立て、そこにナス苗を固定する一連の作業がやっと終了し、ヤレヤレと思った翌日、支柱ごと何本も盗まれてしまいました。道路ぞいの畑なので、人参やネギはよく盗られてはいましたが、苗のうちにもっていかれたのにはガッカリ。このカラス以下の人間の仕業には腹が立ってなりません。(塚原)


5/19付
 ちょっと寒いなと思う日があれば、プールに入りたい程暑い日もありで、体調を整えるのに一苦労です。
 長い連休も終わり、いよいよ本腰を入れて仕事に勉強にと世間は動き始めたのに、新型インフルエンザの感染が次々と報道されています。
そんなニュースに気をとられていたら陸上自衛隊のソマリア沖派遣、宇都宮駐屯地からとのこと、身近な所で戦争の足音をきいているようでイヤーな気分になります。平和を守るにはきれい事だけではすまないのでしょうが、建前だけでも銃は持たない、戦争には参加しないという事はしっかり守ってほしいものです。世界平和はもっとちがった方向から進めるべき問題だと思います。
こんな私のつぶやきでも小さな波を起こしてくれればいいのですが・・・。(五月女)


5/26付
 日毎に季節の深まりが目に見えてきました。
連綿と果てしなく続く青田、…のはずが工場が立ったり、その間にはさまれた田んぼも水を張ったまま田植えがされなかったり、全くの草ぼうぼうの耕作放棄地だったり。緑の風にのって聞こえる蛙の鳴き声もあまりに静かだ。
年毎に強まる減反と、蛙など爬虫類に広がるツボカビ病のウィルス菌によって、越冬して卵を産める蛙が激減しているとのこと。
 朧月夜に田毎の月、賑やかな蛙の混声コーラス、そんな手近な自然の営みさえ今、少しづつ消えようとしているのでは、これはちょっとやべえかなと思われる方々がひとりでもふたりでも増えてきたらと思うのですが。 では又。
(国母)


6/2付
 久々の雨に那須の青田も生き返り、風になびき、刈り取り間近の麦田とのモチーフも美しく朝露に輝いていました。
 我家も田植え、ネギの定植も先週やっと終り、これからは夏に向って田畑の雑草退治に忙しくなります。合い間にする自家野菜作りはとっても楽しい息抜きです。梅雨前の晴れ間が勝負時、コンバインのBGMのリズムに乗って!こんな小さな家族農業がむくわれる日が来ることを信じて…。(猪鼻)


6/9付
 今扱っているにんじんは、彩誉(アヤホマレ)という市場で現在人気の品種です。
1月27日に畑に播種をして、すぐにトンネル掛けを行い、4月に入ってからトンネルを外したもので、除草剤を含め農薬は全く使わず栽培しました。
 人気といえば、アスパラを少々ハウスで栽培していて、これを近所のそば店で直売しているのですが、評判が良くすぐに売れてしまいます。
私にはわかりませんが、食味が良いらしく、専門家に聞いた話では、アスパラはトウモロコシやたけのこ同様、時間が経つと急激に食味がおちる野菜なので、どうやら朝採りで鮮度が良いため、と知り納得。(塚原)


6/17付
 新緑の青森へ、いちご生産者の奥様方と旅をしてきました。
五能線に乗って日本海に見とれたり、ねぷた会館でお祭り体験をしたりしました。夜は遅くまで日頃の悩みを語りあいました。
それぞれ家事に仕事に大忙しで、自分のことは二の次三の次、まさに農家のたくましいお母ちゃん。これだからりっぱな苺ができるんだ、と納得です。
 次の収穫のためにハウスの後片付け、苗の手入れと忙しい日が続きます。また来年、楽しい旅ができるよう、身体にも気をつけて働きたいと思います。(五月女)


6/23付
 梅雨、シト、シトと今日も明日も、庭のあじさいの紫の花びらにつゆ玉が重たそう・・・が、今までの梅雨の普通の情景の一つでした。
ですが今年はオタマジャクシが降って来た話は別にしても、今朝の雨はまさしくしのつく雨。
わたしんちの稲は陸田なので排水路がなく天気が良くなったら自然に蒸発するのを待ったり(天に昇って雲の元になる)、地中にしみて地下水に返す。でも稲は人間なら胸のあたりまで水につかってアップアップで可愛そう。
折しも今日はテレビで温暖化を少しでも止めようエコ特集とかでノリカさんが朝から出ずっぱり、おっと、もう一時間ほどであしたに、はよお休み。(21日PM11:00)
では又。(国母)

【篠突く雨】しのつくあめ
激しく降る雨。どしゃぶりの雨。篠つくような雨。
篠竹を束ねて突きおろすように、細いものが集中して飛んでくる意から。


6/30付
 雨が降る前にと、この二日間昼ごはんもそこそこに畑の除草を夫と二人。管理機と手作業で汗を流しました。畑の真中、ネギの根元にかわいい珍客を発見。ひばりが4個の卵を抱えていましたが、気配で飛び立ちビックリ。そっと見守っていると、戻って暖めている様子。そっと胸をなでおろした。ひなになるのが楽しみ。カラスに食べられませんようにと願うばかりです。作業後の畑の緑の隊列のすがすがしい事。疲れもいやされ、百姓である事の幸せを感じる瞬間です。
 こんな気持ちを逆なでする様な、もうけ第一の企業進出に道をひらく「農地改悪法」、廃棄にするまで、その中身を語り広めていきたいと思います。耕作者の立場、権利を保障している今の農地法で充分。農業で生計を立てられる様、市場原理主義をやめ、価格補償制度を作り、いらない輸入米を禁止すれば、国内生産量も上がり、耕作放棄地もなくなるはずです。そして自給率向上も。
 日本の農地の人口扶養力は世界でもずばぬけて高いのですから。これは私たち生産者の誇りでもあります。(猪鼻)


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