農業風景の日常詩
あぜみち・7
   

3/2付
 今年になって、もはや2枚のカレンダーをめくってしまいました。時のたつ早さを年々益々感じています。
久々に晴れ渡った昨日、県北の婦人15人分のみそ作り。ワイワイガヤガヤと楽しく作りました。大豆は、もちろんみんなで種をまく作業から収穫まで我家の田んぼで作り、こうじの米も地元産のコシヒカリ。"おいしいみそ"の太鼓判、出来上がりました。お昼はすいとんで舌づつみ。大豆作りの大変さや、太古からの日本の食文化のすばらしさ等、話に花が咲き、実りある収穫日よりでした。秋のふた明けが今から待ち通しいですネ!!(猪鼻)


3/10付
 こんなに雨の多い3月というのも珍しいのでは、と思っていますが、特にレタスの換気や収穫作業の時に、田んぼがぬかるんでいる為に非常に苦労しています。逆に雨が少なく、からっ風が吹くような天気が続くと、レタスの中にホコリが入ってしまい売り物にならなくなった、ということもあり、露地野菜の難しいところです。
また、この時期は各種団体の総会が集中し、私もいくつもの役職についている関係で、酒を飲む機会が多く、こちらの方もなかなか適度とはならないものです。(塚原)


3/16付
 満開の梅の花の香りが漂って、いよいよ春本番です。
受験があったり、卒業があったりでこの時期は何かとおちつかない時期です。
田んぼも畑も種まきの準備が始まりました。自給率をあげるためにもおいしいお米をつくってたくさん食べてもらおうと思っていると減反のお知らせ。それも昨年よりまた増えています。ここ何年か少しずつ増えているのには腹がたちます。少しずつでもまとまれば大きな面積になります。
まじめに働く農家をばかにしているのか!と言ってやりたい今の農政、補助金なんてたくさんいらないから作りたい人の田んぼには全部米をつくれる、そんな農政であってほしい。(五月女)


3/23付
 昨日はこの時期には毎年二、三回はやられる強風の御見舞、 30アールのブロッコリーのトンネル畑が強風に吠える魔物のように大きくうねる。
こっちを押さえればあっちが飛び、悪戦苦闘の3〜4時間。ようやく少しおさまった夕方、ホッとしながら「老後のためも楽ぢゃないネ」とオレ。「老後、老後といつからが老後よ」とお母ちゃんにまぜ返され、二人で顔見合せて大笑い。
4月末からの収穫までには又何があるかわからないけれど、それは又大変だけれどその時はその時で、それもいっそ楽しんぢゃえと逆に開き直っています。(国母)


3/31付
 寒の戻りでしょうか、ここ2〜3日ビニールハウスのまわりも霜柱が立つ程寒い県北です。それでもこぶしの白い花が春の光の中で一斉に咲き誇り、思わず見とれ、うれしい気持ちに。やっぱり春ですね。
 ネギ苗も青々と繁り始め、種籾(たねもみ)も水の中でふくらんで、芽を出す準備OKのようです。農作業も春本番を迎えて、一日フル回転、ことしも四季折々を身体いっぱい感じ、働ける喜びを皆さんに少しでも伝えられれば幸福です。(猪鼻)


4/7付
 このところネギやレタスの出荷で忙しい上に、土地改良区や農協関連の総会や歓送迎会等が続き、ゆっくりお花見もできないと思っていました。
ところが昨日、土地改良区の事業で、黒川の取水堰から始まり、最下流まで約5km位の区間の点検を行ったので、途中、河原ではウグイスの鳴き声を聞き、桜並木の下でお茶を飲み、堤防の両側に咲いている満開の菜の花の香りをかいだりと、思いがけずに仕事も忘れ、自然のすばらしさを肌で感じていました。
そんな中、北朝鮮のミサイル発射のニュースを聞き、驚くと同時に平和の大切さをあらためて感じました。(塚原)


4/13付
 街中は木々が若葉を広げ、急ににぎやかになってきました。今年はあっという間に暑くなりました。私も朝、何を着ようか迷っていますが、木々もびっくりしているのではないでしょうか。
 この時期、田植え前の田んぼの準備、いちごの収穫と大忙し。一息ついてせめて半日ゆっくりハイキングでもしたいと思うのですが、思うようにはなりません。一応自営業なので自分で決めればいいのですがね。
庭の花々を横目でながめつつ"行ったつもり"になりそうです。(五月女)


4/21付
 時期(とき)は春、草萌えて、陽射しさんさん、木々の緑が目に痛し。生命天地に満つ。
いざ出陣ならぬ春耕のトラクター、エンヂンの音軽やかに、その作業中、ふと後に目をやると、掘り起こされた土の中で冬眠未だ覚めやらぬ一匹の蛙、表土にはね上がって目を覚ました途端、エンヂン音を聞きつけてやってきたカラスの一撃に、白い腹を上にして動かなくなったその時、低空で近づいてきた茶色っぽい少し大きめの小鳥(?)百舌(もず)だ。蛙の足をつかんでさっと飛び去った。当のカラスも、ポカーン。
ほんの3〜4秒の一瞬の出来事、動き巡る自然の一コマ。
春の陽はそのすべてをやさしく見つめていた。
では又。(国母)


4/28付
 桜の葉も繁り始め、我家の庭も藤、花みずき、つつじなど一斉に咲き誇り、雨上がりの澄んだ青空をキャンバスに春真盛り。ゆっくり愛でる間もないのが惜しい。
 早苗も成長し、田植えも間近。忙しさもピークに。ネギ、フキ等野菜の出荷に追われ、一日もアッと言う間に過ぎて行きます。それでもこの充実感は幸福な事です。
こんな私達生産者の願いとは真逆な"農地改革法"なるものが国会で議論されていますが、内容を知れば知るほど、日本農業の末路を見るようで空恐ろしい。大企業によって農地を買い荒らされはしないかと心配です。(猪鼻)


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