農業風景の日常詩
あぜみち・6
   

1/13付
 元旦から地区恒例の新年会を始めとして、三が日はよく酒も飲み、その後葬式や旅行、土地改良区関連の行事等が続き、何か慌ただしく半月が過ぎた感があります。
そんな中でも4日以降は1日の休みもなく農作業は続けてきましたが、これも昨年就農した息子の働きも大きいので今年は思いきって経営戦略を立て直し、規模拡大も含めた攻めの農業に転換しようと考えています。
政治の世界も大きな変化の年になりそうですが、共に頑張って良い年にしましょう。(塚原)


1/19付
 寒いのももう少しのがまん、立春まではあと何日かなーと日を数える毎日。寒いのが苦手な私ですが、朝7時前には霜でまっ白に凍ったビニールハウスの戸をあけてイチゴの収穫を始めます。ありがたい事に一晩中地下水を屋根から散水しているハウスの中は8〜10℃はあります。価格が下がったとはいえ、重油を使わずにすむことはまさに省エネ、省経費です。時代がこうなるとほかに節約できるものはないかさがしています。
 心配な事はたくさんあるけれど、どうせ生きていくなら笑いながら福の神様と一緒に暮らしたいもの。心は豊かに、ゆったりのんびり時の流れに身をまかせ生きていけたらいいけどな―――。(五月女)


1/26付
 ようこそ今年も又このコーナーでお会い出来て何か心の中にも光の春を覚えます。
皆さんお元気にお過ごしのことと思います。一年、そして又一年と元気に過ごせると何かホッとするものです。「それってお年のせい」とは思いたくもないですが。たまたま「こんなハズぢゃなかった」と思う時もなくはないのも事実。そんな時あの能の桧舞台中央でシテの翁が「ヒョイ」と空を切って飛び上がるシーンを自身に重ねて思い描くと急に体が軽くなりトラクターのハンドルさばきもあざやかに・・・と。要は気の持ちようでと言うことで、この一年もどうぞおつき合いの程を。では又。(国母)


2/2付
 暴風雨一過、小鳥のさえずりもかしましく、暖かくおだやかな朝を迎えました。ネギの出荷の車を走らせる前方には真白な山々がスッキリ。朝が弱い私、これで一日のパワーをもらっています。
 春の農作業の準備も始まる中、先日、又もや減反を強いる座談会が市内各所で開かれました。一方、派遣切りやリストラで一時農業へ導いた自治体もありましたが、体験した人達の反応は良かったとの事。それはそれで良いのですが、私達生産者にとっては矛盾を感じています。というのも高齢化や耕作放棄地、後継者不足など、多くの問題を抱えているところに若い担い手をと声高に言われても・・・こんな状況に押しやった政治の責任はどうなのでしょうか?一時間/50円台の労賃、後継者などあろう筈もありません。場当り的な農業政策はもうゴメンです!
国民の誰もが願う食糧の安全、安心は輸入に頼るのではなく、自国で。
充分に賄えるのですから。
今年もおいしい米を作ります。一農婦ヨリ。(猪鼻)


2/10付
 毎年この時期"しもつかれ"の記事を書いている様で恐縮ですが、今年も3回作りました。家によって味付けは多少違うようですが、我家のはシンプルで大根、人参、大豆、味噌、酒粕、鮭の頭だけで、酒粕と鮭の頭以外は全て自家製なのと、人参を多く使う為か色も良く、甘みもあり、毎日食べても全然飽きません。それに大釜で大量に作るので一週間位は毎日食べていますが、段々と熟成してくるのか味にまろやかさが出てくるようです。市販のものも食べたことがありますが、まずくてガッカリしました。
食べ慣れない人にはきらわれる食べ物ですが、先人が残してくれた数少ない郷土料理でもあり、安上がりで体にも良い"しもつかれ"是非作ってください。(塚原)


2/16付
 庭の梅が咲き始めました。まだ本格的な春とはいえませんが陽射しはずいぶん力強くなってきました。イチゴの実ったビニールハウスの中は、午前10時前には30℃近くになります。太陽エネルギーってすごいです。
 鳥たちのように空の上から地上を見れば、人間のしていることは地球全体のわずか何万分の一の面積の中でのこと。この不況どう流れていくのか、鳥たちの目にはどう映っているのでしょう。ともあれ大事な地球、壊れてしまわないように、様々な物を破壊してしまう戦争はやめて、人々が静かに平和に暮らしていけるようにする、そうすれば私たちの幸せも確かなものになるはず。物的な豊かさより心の豊かさを求める時代が来ている、そんな気がします。(五月女)


2/23付
 今年も又米の生産目標通知なるものが各農家に配布されてきました。うちの場合ですと全面積の約44%が米を作らないでと言うことに。これを1uでもオーバーすれば、米の価格に約15〜20%の価格差、大きく値上がりした肥料の助成はほんの少しだがそれもない。その他諸々、いわゆるペナルテイが待っている。残った田んぼは野菜を作るにしても限界があるし、自給が望まれる大豆、小麦など個人で対応しても、とても価格で(助成全くなし)とても合わない。一区画7ヘクタール以上の作付けが必要。
 春になれば水が小川に
田毎の月、蛙のコーラス
それは夢の又夢、
気の重い春、又やってくる。
では又(国母)


このページの最初へ

前ページへ
次ページへ



私たちのモットー
主な生産野菜





農事組合法人栃木産直センター