農業風景の日常詩
あぜみち・77
   

11/2付
 秋も深まってきましたね。ぎんなんが道に落ちているのを見かけて、もうすっかり秋なのだと実感しました。なんだか今年はあっという間に夏が通り過ぎていったような感覚です。コロナ禍の中で、あまり自由に動けなかったからでしょうか。とは言え川遊びやキャンプは大いに賑わった様子で、人間はたくましいなあと感心してしまいます。GOTOキャンペーンの報道や人の動きを見ていると、コロナってもう大丈夫なの?と誤解してしまいそうですが、マスクや消毒等の対策がうまくいっているのでしょうか。本当のところはまだハッキリしていないみたいです。
 今年も残り2カ月、先の見える状況ではありませんが、あまり悲観せず、できることをやっていくしかありませんね。鍋物の具材も多く出てくるようになりましたし、寒い夜はそろそろいいかも知れませんよ。水炊き、ちゃんこ鍋、おでん、ポトフやシチューもいいですねえ。寒い日のお楽しみです。(小室)


11/9付
種苗法改正心配
 もうすぐ大豆の収穫時期です。種まきのころ雨が続き、種が腐ってしまうのではないかと心配しましたが、どうにか乗り切りました。水はけの悪いところは一部発芽しない所がありました。味噌用として「里のほほえみ」と「サトウイラズ」を少し作りました。サトウイラズは緑色の甘みのある在来品種です。特徴は実のヘソ部分が黒く、味噌にしたときに少し目立って、ゴミや虫のように見えますが、甘味があり、豆腐にも人気があります。登録品種ではないので、今問題になっている種苗法改定で自家採取許諾制になっても当面問題なく作り続けられます。
しかし、里のほほえみは2036年まで育成者権があり、もし、種苗法改正されると、自家採取して作り続けるのは許諾を得ないとできなくなります。種苗法改正は一旦多くの人たちの反対にあい見送られましたが、しつこく成立を狙う自民、公明政権により今国会で成立が狙われています。
登録品種の自家増殖を許諾制にする?許諾は得られるのか?手続きはどうなる?いくらかかる?違反したら本当に懲役、罰金?海外への新品種流出はなくならない?本当の狙いは?疑問だらけです。やはり、種子法廃止、農業競争力強化支援法、TPPなどとセットで見る必要があると思います。
 私たち農民、国民の財産である、種子の権利を企業に差し出し、農民は多国籍巨大バイテク企業から買え、自家採取したら重罰、と脅されているとしか思えません。結果、委縮効果もあり、いずれ栽培品種の減少、多様性も失われ、これから訪れるであろう、気候変動にも弱い農業となり、食料危機の引き金にもなりかねないと思います。我々の将来の食料をどうするのか考えたら、自家採取許諾制は大きな問題を含んでいます。まさに、種を制する者は世界を制する―大きく見れば、自然界の法則、生物多様性にも逆らう事と思います。(國母)


11/16付
 皆さんお久しぶりです。ここの所、随分と外気温も下がり、平地でもあちこちで木々の紅葉が見られてきました。寒い季節が身近に迫ってきています。
当方の住む田園地区からは、朝夕の空気の澄んだ際には、大きな富士山の姿を見る事が出来、日本人に生まれてきて良かったなとついつい思ってしまいます。
そんな原風景を見ながら、毎日が月曜日続きの我が家では、家族とパートさんで秋野菜の収穫作業を行い、ワイワイガヤガヤして楽しい日々を過ごさせて頂いております。
 先日、奥さんが大鍋で「人参、ゴボウ、大根、芋、餅、味噌」のだし汁の効いたけんちん汁を作ってくれました。皆で体と心を温めてくれる一杯として、頬張る事で一日の疲れが吹き飛びました。
改めて、食は大事だなと思う今日この頃です。
 新型コロナの影響で世の中の状況が一変した時期だからこそ、少しでも気持ちに余裕を持たせ、皆様へ安全で手頃な野菜の供給が出来る様に頑張りますので宜しくお願いします。
それでは、心穏やかにお体に気を付けてお過ごしください。(渡辺)
追記:11月の誕生花 シクラメンがあり、ホワイト:清純、レッド:嫉妬、ピンク:憧れ・内気 だそうです。


11/24付
 田んぼでは稲刈りが終わり、麦蒔きをしています。
畑は霜で真っ白。レタスが霜に弱いのでビニールをかけました。
これで一安心。
 8月は猛暑と水分不足で、人参を蒔いても生えが悪くまばらでした。
どうにか育った人参です。
あげはちょう″の幼虫は、人参の葉を好んで食べています。
冬、どのように越すのか、幼虫を集め、人参の葉をあげ観察しています。
(柏崎)


11/30付
 この時期3〜4回ある筈の飲み会等も今年は全くなくなり、飲食業界も大変だろうと思いますが、冠婚葬祭関係も大分様変わりしているようです。
私の住む純農村地帯でも、ようやく古い因習から抜け出し、簡素化の方向に進み始めていて、この新型コロナを機に、世の中全体が大きく変革するのではとの予感がしますが、農業の世界にも間違いなく待ったなしの状況が迫ってきています。
(塚原)


12/7付
 今年も最終月の配送となりました。いつも以上に早い一年だったような気がします。ずっとコロナに振り回され、安倍政権に振り回され、菅政権にもといった具合に、リーダー不在のこの国はどこへ行ってしまうのか不安ばかりです。しかもこのどさくさに改定種苗法が国会で成立。あまりニュースにもならず、何?という国民も多いのではないかと思っています。農家にとってはどうなって行くのか、戦々恐々としています。
 まだ早いかも知れませんが、来年はもっと落ち着いた年になるといいですね。願わくば、本当に国の事や国民の事を思った政治をやってくれる政府が誕生してほしいものですね。(職員。com)




12/14付
 種苗法改正案が成立してしまいました。来年4月から施行とのこと。いったいどうなるのか。有機栽培では種も有機栽培であることが求められるので、自家採取することが多く、私の所も稲・麦・大豆・菜種・エゴマなど自家採取で大変多いです。登録品種が多いので、どうするか悩んでしまいます。今年と同じく種蒔きすると罪になるなんて考えられません。それも育成権者の権利を侵害したとなれば10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金。農民はどこまでバカにされるんでしょうか。
 今年は台風の影響が少なくて、エゴマも無事に収穫できて良い実が取れました。搾油も始めましたが、風味の良い癖のない良い油になっています。エゴマ油にはオメガ3脂肪酸(アルファリノレン酸)が6割くらい含まれ、これが体に吸収されると青魚に含まれるDHA、EPAに変化するとのことです。動脈硬化を防止して心臓、肝臓、腎臓、脳など血管の多い臓器に良い働きをしたり、また腸内細菌にもよくて、免疫力を向上させるなど期待されているようです。この油は体内で合成されないので、食べ物からとらなければならず、1日2gくらい、エゴマ油では3〜4g中さじ1つくらいで良いそうです。(國母)




12/21付
 寒い日が続いています。
 今年もあと数日。野菜は台風の被害がなかったからなのでしょうか順調に育ったからなのでしょうか、安価が続いています。中値、安定を望むのですが。
 春大根の種を蒔きました。毎月蒔き、収穫をずらします。これから春野菜の種を蒔く時期です。今の安価にこりず、蒔きます。
あげはちょう″の幼虫がさなぎ″になりました。春が楽しみです。
来年も、美味しい野菜作りに努力します。
(柏崎)




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