農業風景の日常詩
あぜみち・40
   

9/2付
 今日から9月、我家の今年の夏は、小さな天使が舞い降り、時には悪魔となり、泣き叫ぶ声に"てんやわんや"。踊らされた9月。おかげで田んぼはヒエが見事に成長、ネギ畑も雑草で大賑わい。産直協議会も欠席する始末。本当に申し訳ありませんでした。
 直後に事務局よりFAXを頂き「価格は昨年とほぼ変わらず」との報告に、生産者として皆様の厚情に熱いものがこみあげてきました。
 余剰米と豊作(?)を理由に、今年の前渡し金は一万円以下と言われる中(JAはいまだに金額を提示せず)将来の米作りがおおいに不安です。
 異常気象による土砂災害、放射能汚染、また戦争への道は、食糧生産にとって最悪の事態です。
 「天使の父」いわく、「トトロのめいちゃんのように、トウモロコシを抱かせてあげるのが夢」
農業を次世代に引き継がなければ、と決意した一日です。
(猪鼻)


9/9付
 この夏の異常気象の影響か、野菜が高騰との報道を何度か見ましたが、価格が上がっても出荷量が減少した分、農家の手取りはあまり変わらない、というのが現実です。
それよりもマスコミでもっと取り上げて欲しいニュースが今年の米価の大暴落です。
今年度産の米の概算金(仮渡金)が発表されましたが、栃木県産「コシヒカリ」は前年より3,800円安い1俵8,000円で、県内作付が最も多い「あさひの夢」に至っては6,500円という安さです。もちろん最終的には、追加払いという形で清算されますが、余り期待できない状況です。
 安倍内閣に代わってから「農業、農家所得倍増目標」なるものを打ち出していますが、ますます農家収入は減る一方で、改めてこの政権の無能、無策ぶりには呆れるばかりです。
(塚原)


9/16付
今週の生産者エッセイはお休みです
代わりに…
(しんぶん「農民」より)
 米価が1俵(玄米60kg)8000〜9000円という異常事態に突入しています。
8000円は1968年〜1970年当時の政府買入れ価格と同じです。
当時の米生産コストは6587円だったのでコストを償っていましたが、今年はコスト16000円の半値で"バーゲンセール"を強いられている構図です。

農業存続の危機ですね!(職員com)


9/23付
 朝夕はびっくりするくらい涼しい今日この頃です。
 我家でも稲刈りが終わり、苺の葉かき作業が始まりました。
収穫の秋、何といっても米ですよね。それが大幅値下げ。栃木米だけどうしてこんなに差がつくのか、怒りがこみ上げてきます。
安心して農業が続けられるように政治に求めたいのですがねー。
言葉だけでなくて、もっと地方に暮らす私たちを大切にして下さい。
「ぐち」や「ぼやき」の私の秋です。
(五月女)


9/30付
 秋風がさわやかな季節。我家でもコシヒカリの収穫が終り、遅い品種を残すのみ。「米作って飯食えねえ!」ほど暴落した今年の米価。安倍内閣の「地方再生」の絵空事に怒る!
 先日、長野県の御嶽山の噴火で、人はもちろん農作物にも甚大な被害をもたらしました。
農業とは自然相手の仕事。深くお見舞い申し上げます。
それだけに手厚い保護と補助体制が絶対必要なのに。
 農家を見殺しにする安倍内閣はやめてもらいたい!
(猪鼻)


10/7付
 10月に入ってあちこちで稲刈りが終った田んぼを見ていると、つい我家でも早く刈らなければと焦る心が出てきますが、昔の人はそんな有様をよく「となり百姓」と言っていました。すべてが手作業だった時代には、仕事の遅れた農家には、近所の人が手伝い、お互い助け合いの精神があり、そのためか人様のお世話にならないよう、早く自分の仕事を片付けてしまおうという思いが強く働いたようです。
 今はコンバインの時代、始まればアッという間に終ってしまう稲刈りですが、それでも気になるのは、やっぱり私もまだ「となり百姓」なのかも知れません。
(塚原)


10/15付
 度々の台風に、ビニールハウスが飛ばされないようにあちこち止め直したり、排水の溝を掘ったり大変でした。
 そんな時でもハウスの中では毎日白い花が咲き始め、ミツバチが元気に飛び回っています。彼らが上手に交配の手助けをしてくれるので、苺が大きく育ちます。
収穫まで様々な病気や害虫の心配が続きます。加えてミツバチがしっかり働いてくれることも収穫に影響します。ガンバレ苺!ガンバレミツバチ!
 追伸、台風19号、すごい風でしたが、なんとか無事でよかったです。
(五月女)


10/21付
 加工米の稲刈りも終え、米づくりも一段落。米価暴落の中、年末の支払は目白押し、行先は不安材料ばかり。
 それに加え、年金、医療の改悪…。社会保障目的の消費税はどこへやら。
きょうも「政治とカネ」小渕経産相が辞任の会見ニュース。国民のくらしなどそっちのけ、安倍政権もほころびが…。
一日も早く退陣してもらいたい!怒りがこみ上げる。
(猪鼻)


10/28付
 私が子どもの頃は、この時期、田んぼでイナゴとりをする人を何人も見かけましたが、現在では田んぼや水路に生息していた多くの生き物たちが、いつの間にか姿を消してしまい、逆に増えたのがカラスで、以前とは生態系が大きく変わってしまった様な気がしてなりません。
 イナゴやホタルがいなくなったのは農薬の影響。カエルや小魚等が減ったのは、用排水路のコンクリート化の為と思われますが、どちらも生産性を上げる為には必要なもの。そう考えると今後、農業を続けていく上では経済効率と環境保全の両立が何よりも重要になってくると思います。
(塚原)


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