農業風景の日常詩
あぜみち・37
   

3/4付
 先日の大雪で我家のアスパラハウスが一棟ペチャンコに。ネギや水稲の育苗用ハウス二棟は無事だったのが何よりでした。
三棟とも同じ仕様ですが、助かった方は鉄骨で一部補強してあり、その差が出たようです。
 しかし、大型の連棟ハウスが倒壊し、出荷が始まったばかりのトマトも全滅し、廃業に追い込まれた近くのトマト農家を思うと胸が痛みます。
被害が広範囲なため、この先の野菜価格に影響しそうですが、原発事故や今度の大雪にしても、災害は常に我々の常識や想定を超えた所で発生する事を改めて感じました。
(塚原)


3/11付
 梅の花が咲き始めました。今年の冬は長かったですね。3月になってもまだまだ寒くて、春は遠いなー。
 大雪に振り回されて、いつの間にか終ってしまった2月、大変でした。一日も早くおだやかな春になってほしいです。
 暖かくなれば田んぼの準備も始まり、忙しくなります。冬眠から目を覚ますカエルたちと一緒に、ぴょん!と飛んでみましょうかね。
(五月女)


3/18付
 我家の枯れ草の中に可憐な福寿草を見つけ、心もホッコリ。
淡いピンクの梅の花に県北にもやっと春の兆し。うれしい朝です。
どこかに出かけたい気分ですが、ネギ蒔きの真最中、農作業も本番を迎えます。
 今年は大雪災害等、農業にとって厳しい現実。そこに消費税増税、TPPがおそいかかってきて、死活問題です。我家では雪の被害は何とか難をのがれましたが、やはり農業資材や農機具の値上げ等々、不安材料ばかり。
マスコミの"駆け込み買得セール"キャンペーンにカチン!ときています。
あきらめず消費税ノー!!の声を大切に。
(猪鼻)


3/25付
 昨日、長年在籍した土地改良区の役員を退任しました。16年前、私が入った当時と比べると、水路や農道等もすっかり整備され、まさに隔世の感すらあります。
しかしこの間に要した費用は、組合員数120名程の小さな改良区ですが、約5億円で、これもほとんど国や県からの補助金でまかなわれています。農業予算がよく問題になりますが、農家人口の減少や高齢化で、水路の草刈りや堀さらいもままならぬ状況では、国土や国民の食糧を守る為にも必要な予算はあるという事をぜひ理解していただきたいと思います。
(塚原)


4/1付
 桜が咲きました。枯れ枝に花、といった様子で、まだ緑の葉もない景色の中、薄いピンクの花の色は春そのもの。「待ってました!」と一声かけたくなります。
 4月から消費税が上がり、ガソリンも大幅に値上がりし、私たち一般人は節約の日々、になりそうです。
思うに被災地の人たちは大丈夫かしら、と心配になります。精神的な痛手、進まぬ復興、それに加えての増税、大変ですよね。
みんなガマンの日々になりそうです。
 ガマンの先に明るい未来がほしいのですがねー。
(五月女)


4/8付
 春の淡雪が咲きかけた桜の花びらにうっすら、さぞや桜の花もビックリしたことでしょう。その雪も昼前に地面にしっとりと染み込んで恵みの水に。
 家のまわりでも、静かだった田んぼにトラクターがにぎやかになり、春本番の作業が活発に。とっても心地良く、作業にも力が湧いてきます。
 4月1日の消費税増税の前にと肥料や資材を購入も焼け石に水、とわかっていても少しでもとの思い。何とも腹立たしい限りです。冬の支払いが今から思いやられます。"営農破壊税"そのものです。何としてもなくしたいものです。
桜満開でも喜べない今年の4月です。
(猪鼻)


4/15付
 2月の大雪で倒壊したハウスや施設等に、国や県、市町から緊急的に助成金が出ることになり、再建をあきらめていた人たち(我家も)にとっては朗報となっています。
特に今回は甚大な被害のため、施設や農作物の撤去、再建費用も含め80%の支援が受けられる事となり、被害農家も前向きな気持ちになっています。
何かと対応の遅い国が急いだ背景には、廃業者が続出することや、地域経済にも大きな影響が出ることを懸念したと思われますが、問題がひとつ。それは肝心の資材が不足していて、いつになったら再建できるのか、全く見通しが立たないことです。
当分、順番待ちの状況が続きそうです。
(塚原)


4/21付
 芝桜のあざやかなピンク、花水木の白、木々の新芽のやわらかい緑、と日ごとににぎやかになってきました。
 田んぼも田植えを目前に、あぜを整備したり、肥料をふったりとにぎやかです。
 こうして毎年繰返していける事の幸せに改めて気付いています。福島の原発の廃炉にむけての作業の大変さ、もう人間の力では解決できないのでは、と思うほどです。
 心の底から春を喜ぶ日が来てほしいです。
(五月女)


4/29付
 丹精こめて育てた早苗もいよいよ田んぼに。田植えの始まりです。
今年は雨が少なく、地下水頼みの我家は少々水不足。水の管理に四苦八苦。明日からの雨に期待しているのですが…。
 苗は天候の良さも加わってすくすく成長、両方はうまく行かないようで、トホホ…です。
それでも整地され、水を張った田んぼは鏡のよう。青空と緑の風景を写し出し、カエルの合唱も徐々ににぎやかに。大好きな季節の到来です。
 こんな風景も仕事も奪われかねないTPPは絶対反対です。農業、くらし、地域を守るためにはTPP交渉から撤退するしかありません。
 この夏誕生する初孫のためにも頑張らなくちゃ!
(猪鼻)


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