農業風景の日常詩
あぜみち・35
   

11/5付
 このところ連日のように有名店でのメニュー虚偽表示問題が取り上げられていますが、これはほんの氷山の一角にすぎないのでは、と疑いたくもなります。
先頃も大手米卸業者による産地偽装事件が発覚したばかりですが、以前にも「魚沼コシヒカリ」の産地見学に行った折、「魚沼産コシヒカリ」は生産量の30倍くらいの量が全国に出回っているとの話を、JA魚沼の担当者から聞いたこともあり、食品の流通段階での偽装は我々の想像以上だと思います。
 こんなニセモノがまかり通る世の中で、せめて栃木産直センターの農産物だけは、これからも本物を提供していきたいと思っています。
(塚原)


11/12付
 台風にふりまわされた10月も終り、秋晴れの11月と思っていたら、冬のような寒さです。びっくりですね。
 我が家では台風の後片付けが終り、ホッと一息でしたのに、今度は冬支度に大忙しです。
 ビニールの内側にもう一枚フィルムを張ります。地下水の水温でハウス内の温度を保つことができる、通称ウォーターカーテンです。
重油などを使わずにすみます。これで8℃位の温度は確保できるので、とてもありがたいです。
 もう少し秋晴れのさわやかな日がほしいです。
(五月女)


11/19付
 久々のおだやかな"小春日和"、ネギ出荷の道すがら。
もみじ通りイチョウ並木道も色づき始めて、眠気をさまし、心を癒してくれる。まわりも麦まきも終わり、静かな、美しい田園風景が広がって、農家一軒一軒の心意気を感じます。
 この努力がこの先いつまで続けられるか、真に認められないまま「競争力」の原理で突き進み、伝統文化でもある日本の農業、米作りがつぶされかねない現状に怒りを禁じえません。放射能の影響もまだまだ続きます。
 時代に逆行する悪法を一掃し、一日も早く、田畑にきょうのような"秋晴れ"をプレゼントしたい!
(猪鼻)


11/27付
 ここにきて政府は、減反政策を5年後をメドに廃止するとの方針を打ち出しましたが、これまで40年以上も減反に協力してきた米農家にとっては、政権が交代する度にコロコロ政策を変える一貫性のなさには、ただただ呆れるばかりです。
 結局は究極の自由化であるTPPを見越しての改革と思われますが、日本人の主食である米を、時の政権の都合で、その場しのぎの対処療法で考えるのではなく、もっと先を見据えた、本気の議論をしてもらいたいものです。
(塚原)


12/3付
 いよいよ師走、何かと忙しい季節となりました。
 さて、何から手をつけようかと考えましたが、まずは主婦仲間の忘年会をすることに決定しました。自分の体力が歳とともに落ちてくる事、親の介護、成長してもなお心配な子どもの事等々、様々な悩みやグチを吐き出してスッキリしようという事になりました。
 おばさん達はパワフルです。おしゃべりしているうちにすっかり充電完了です。明日の農業を支えるのは、このおばさんパワーだと思いますが、これから先、この国の食べ物生産はどうなっていくのでしょうかね。
(五月女)


12/11付
 今年もあと3週間となってしまいました。
 震災から3年経ち、復興もままならないまま、TPPの推進と憲法違反、人権蹂躙の「特定秘密保護法」が自公によって強行採決!数の力による暴挙を、テレビ中継を見ながら1束100円のネギを束ねる夜なべ作業をしていました。大多数の国民の意思に背く行為に、本当にくやしく、怒りでいっぱいです。
 暮らしに追われ、なかなか行動できないもどかしさを感じていますが、身近な人に声かけをし、1束1束は小さなものですが、継続すれば大きな束になる事を信じて、廃案になるまでガンバルゾ!
(猪鼻)


12/17付
 今年を表わす漢字一文字は「輪」でしたが、私達農家にとっての一文字は「米」だと思います。
これまで40年以上も続けられてきた減反政策や民主党政権が始めた「戸別所得補償」も廃止の方向へ『農政の大転換』となり、民主党農政を信じてきた人達にとっては、2階に上ってはしごを外された格好で、農業現場はいつもこの「猫の目農政」に振り回されてきました。
 TPP交渉の行方も非常に気になる所ですが、日本人の主食である米をこれ以上「政争の具」にするのはやめてもらいたい、と言うのが米作り農家の本音です。
 今年も一年間おつきあいいただき、ありがとうございました。
(塚原)


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