農業風景の日常詩
あぜみち・21
   

7/5付
 カレンダーは7月となりましたが、暑い夏がこれから本番と思うとため息が出ます。
それに、「電力不足」「原発問題」、文字を見るだけで2〜3℃気温が上がる気がします。
 こんな暑い夏が続くと、我が家でもパイナップルやバナナができるようになるかも知れません。昔からの農業なんて言ってられず、新しい、気候にあわせた作物を考える時代になりそうです。
 暑さと雑草に追われる日々ですが、バテないように、と自分に言いきかせつつ過ごしています。
 少し早いですが・・・。暑中御見舞い申し上げます。
(五月女)


7/21付
 久々の雨、大地もやっとうるおいホッとしているのでは。
 大震災から4ヶ月、汚染餌牛が宮城県の生産者にまで拡大したというニュースに愕然となりました。先祖伝来の仕事も廃業するしかないと嘆く生産者に言葉は重く、政府の後手に回った対応に同じ生産者として身も引き裂かれる思い。怒り心頭、許せません。
 私たちの所でも、自家製野菜が心配との声が拡がり、新婦人の仲間が農民連分析センターにジャガイモ等、数品目を検査して頂き、ジャガイモにセシウムが検出されたが極めて低く、他のキュウリ等は検出されず、食べても安全との結果に胸をなでおろしたところです。
今年の産直米も同様にすでに検査を予約しました。農家も加里(カリウム)を振る等、対策をとっているところです。
 もう二度とこんな想いは繰り返したくありません。原発に頼らない生活、再生可能な自然エネルギーに、私達の生き方も再考する絶好の機会なのではと思います。
(猪鼻)


7/26付
 連日、ナス畑と家との往復だけの単調な生活を送っていると、記事を頼まれて書く事がみつからず、もっと普段から問題意識を持っていなければ、と反省しています。
 そんな中でも今一番気になるのが、栃木県産牛からも見つかった放射性セシウム汚染です。これは、被害者が加害者になってしまうという、バカげた事が現実に発生したということで、同じ農家として、畜産農家の不安と怒りは察するに余りあります。
 今後、実りの秋を迎え、収穫される米がどうなるのか?不安が続きます。
(塚原)


8/2付
 今年も暑い夏、と思っていたのに、梅雨がもどってきたような天候が続きます。
 急に涼しくなったせいか、どうも体調がすぐれません。暑い日々の疲れが出たのでしょうか。これでまた暑い日が来ると畑の野菜たちと同じに、しおれて元気がなくなってしまいそうです。
 これからお盆を迎えますが、どうもそんな気分になれません。放射能の心配が様々な食品に及んでいるせいでしょうか。安心して作物の収穫を喜べる、そんな秋が来てほしいです。
(五月女)


8/9付
 暑さが戻ってきたようで「秋立つ日」ではなく、夏再来のようです。
 さて、私事ですが、このところ持病の「脊髄側湾症」の悪化で、医師からコルセットを装着しないと日常的にも影響が出てくる事を告げられ、止むなく、家族と相談の結果、もうこのあたりでお休みをいただいて、「見たい事、やりたい事も残っているだろう」と言う事で、長らく皆さんにご愛用いただいた野菜の出荷はやめさせていただくことに致しました。長い間のおつきあいに感謝しています。自家用を少し多目に作って、との方法もありますが、いずれ中途半端なものになることは、私の好むところではありません。
 一期一会、時に思い出して下さればうれしく思います。これからは精一杯好きな事をみつけて、と二人で心躍らせています。
(国母)


8/23付
 稲穂も頭を垂れ始め、収穫も例年より少し早まりそうです。
放射能汚染の問題もあり、喜びも半減、とてもくやしく、残念な思いです。
 栃木産直センターでは生産者別に、農民連分析センターで検査をお願いし、予約もすんでいます。安全を確認した上での出荷とさせていただきます。これからも安全、安心を第一に、生産者も栽培、肥料の使い方等、工夫をこらし、日々勉強しております。
 やっぱり原発はゼロしかありません。
(猪鼻)
追伸
 国母さんがやめられるとのこと、大変重い決断だと思いますが、生命が一番です。お二人でいたわりあいながら、楽しい人生を送っていただきたいと思います。本当にお疲れさまでした。


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