農業風景の日常詩
あぜみち・11
   

11/3付
 那須連山の紅葉ラインも徐々にすそ野に降りてきて、秋を満喫しながら農作業の昨日。今日は一転、山もすっぽり灰色の雲の中。寒さも身にしみます。体調管理もしっかりとですネ!
 秋の収穫も一段落、春まで野菜出荷が本番です。今月から我家のコシヒカリも皆様の食卓へ届けられます。八十八手の手間と書く"米"愛情をプラスして育てました。心の片隅にそんな思いをチョッとでも感じてご賞味下されば嬉しいです。
「努力しない農家」等、私の周りで会った事などありません、鳩山さん!
(猪鼻)


11/10付
 直売所を開設して1ヶ月が経ちました。
スタートするまでは、こんな目立たない直売所に本当に人が来てくれるのかどうか?と不安だらけでしたが、客足も少しずつ伸び始め、固定客も出来た様子に少しホッとしています。
この秋は5年ぶりの野菜が安値の年となり、当分の間は苦戦するとは思いますが、元祖産直の先輩としても、一日も早く他の直売所に追いつけ、追い越せを目標に頑張っています。
(塚原)


11/17付
 朝夕はずいぶん寒くなりました。木々の葉の赤や黄色が、秋の澄んだ陽射しを浴びて輝いています。
 先日、久しぶりにスーパーに行きましたら、野菜の安いのにビックリ。レタスもキャベツも白菜も、この価格より安く売るのは大変だろうとため息が出ました。生産農家にとって、大事に育てた作物が、「捨てるよりましか」位のお金にしかならなかったら、泣くに泣けません。
世の中全体がきびしいのはわかりますが、安全な食べ物を求め、家族の健康を願う主婦にとっては疑問がわいてきます。
これから先、一生懸命働く農家を大切にしなければ、人々の健康も守れないような気がします。
(五月女)


11/27付
 晩秋か、初冬か、行ったり来たりのこの時期
陽足だけは、日毎に短くなるのが、はっきりわかるようになった。
夕日の落ちる頃逆光に映える茜雲を見ると一日の疲れを癒してくれる。
来年早々八十路にさしかかるわたしにとって、今頃の落日の輝きは自身の生きざまに重ね合わせてみたいのかも知れない。
あっちで小突かれ、こっちで小突かれているような、今の世相のなかの高齢者の多くの仲間たちが、も少し胸を張って、若い人々のうるさい存在になって。
今からでも遅くはないのだ
もっと叫べ、輝け、そしてもっと、もっと翔ぶのだ。
では又
(国母)


12/1付
 早朝、ゴミ出した少しの寒さに身を縮込ませ、ゴミを置いて目を上げると、隣家のイチョウの輝きに一片に覚醒。さわやかに一日が始まりそうです。
早いものでもう"師走"、時に追われながらも今年も充実した日々を過ごせたのではないかと思います。
 政権が変っても、くらしや経営の厳しさは変わりなく、今後も期待が持てない現実。何とか変えて行く心意気と力を持続するためにも、踏ん張って、来年の作付計画もしっかり立て、皆様と共に歩んで行きたいものです。
(猪鼻)


12/8付
 最近私の周りにガンを克服した人が2人います。
驚くことに、どちらも胃の全摘手術を受けながら、退院直後から猛烈に働いていることです。
よく「病は気から」とは言いますが、あまりの気力に病気の方が逃げ出したようで、仕事をバネにして病気に打ち勝つ姿に、敬服しています。
暗いニュースが多い中、この2人から今年一番元気をもらいました。
(塚原)


12/15付
 夜になるとあちらこちらイルミネーションがきれいな頃となりました。 我が家ではクリスマスケーキ用の苺の出荷で大忙しです。
忙しい忙しいと言ってる間に今年も終わりです。
 この一年、私は少しでも成長できたのでしょうか。反省する事がありありです。
登山は下山が難しいといいます。私もゆっくり、ケガをしないようにマイペースで出発点に無事戻りたいと思います。まわりの景色を楽しんで、時には休憩をして・・・。
来年は、日々まじめに働く私たちにとって、楽しい事、うれしい事がたくさんありますようにと願っています。
(五月女)


12/22付
 そんな、こんなで今年も終章近く、これが今年のお便りの最後とか。
それにしてもこの一年間引きつづいて飽きもせず、御愛読いただき本当にありがとうございました。
ところで私事ですが、来年は、何時の間にやら時は流れ、光陰矢の如く過ぎ去り、八十才の大台に。
でもよく「年寄りは少しお静かに」と言う向きもありますが、そうはいきません。時に必要とあらば未だ大声を出して、まわりの人々の心をゆり動かせたらとも思います。
 来年もよろしくお付き合いを。
皆さんどうぞよいお年を。
では又。
(国母)


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