2006/06/16 Blog より
DXPresentation 0.01 リリース
TMPresentation のサブセットで、DirectX を描画に用いる
プレゼンツール DXPresentation 0.01 をリリースした。
これの開発動機は、TMPresentation でミラーツールへの転送が
遅くて綺麗か、速くてきたないかの2択になってしまったことにある。
前者を選択するとミラーツールとメインウィンドウのサイズが違う場合に
パフォーマンスが悪くなっていまう。TMPresentationでは後者を選んだ。
なぜこうなったかというと、巨大な文字をラスタ展開したものをまるごと転送しようとするからだ。
元々 TrueType はアウトラインデータなのだから、最初からそれをベクタとみなして
ポリゴンで考えれば効率がよくなると考えた。
上記の TMPresentation でのミラーツール問題のいちばん簡単な解決方法として
DirectX でのレンダリングを試してみる。
まだ機能がかなり貧弱だ。特にペンでの書き込み、画像の表示、プレゼンターツールは
必須と考えている。時間をみつけて実装したい。
ちなみに TMPresentation はほぼ完成したと思っている。
動作にはそれなりの性能を持つ GPU が必要だ。
また、.NET Framework2.0 と Managed DirectX 9 も必要だ。
なおプログラムは C# で作成した。
2006/05/09 Blog より
高橋メソッドから思いついたこと
仕事が恐ろしく忙しいので、このところ自宅でコーディングすることは全くない。
今年のゴールデンウィークは全て出社した。
ところで高橋メソッドについてネットで調べてみると、絶賛する意見もあれば批判的なものもあり、興味深い。その中で「学会発表・客先では使えない」といったTPOに関するものがいくつかあった。このメソッドがオープンソースコミュニティの中での技術者に対するプレゼンで容易に受け入れられるのは納得できるが、それ以外の場面で万能なわけではないだろうと私も思う。以前も書いたがトークの巧みさを補助するツールとして、コスト対効果が非常に良いメソッドであると思う。
さて、高橋メソッドだけではできないことが一つある。それはプレゼンのストーリーの中でじっくりと聴衆に考えさせたい場面で、それが視覚的な表現をもって大きな効果をあげるスライドの提示だ。たとえば何かの実験から得たヒストグラムや、電子顕微鏡の画像や、何かの「複雑な概念そのもの」などだ。これらが本質的に平面的であるなら静止画でもいいが、大抵の場合生のデータは3軸以上を持っていて立体または超立体的だ。そこでプレゼンターの意志によるダイナミックな操作により、多次元のデータを2次元のスクリーンへ観衆の前で変換していくようなツールがあると面白いのではないだろうか。(以前トランジションエフェクトは必要ないと書いたが、それはスライドが1分に数枚から数十枚ある場合のことで、上記のような表現の中では必要になることもある)
上記のようなツールは、特定分野ごとに「データ可視化」というジャンルで無数に存在すると思うが、一般的なプレゼン目的のツールでは自分は見たことが無い。実装するにはプリレンダリングを伴わないから相当なグラフィックのパワーが必要になるだろう。また数値や画像データだけでなくテキストデータも同次元で扱えれば、プレゼンに通しで使えるものとなり便利だ。時間があれば作ってみたいものだ。