ケニア編−第19話 マサイ・マラの優雅な生活 | |||||||
夕方のサファリのため、フロント前のロビー(?)へ行く。マラ・シンバ・ロッジは、川縁に 建てられており、このロビーもバルコニー状になっていて、京都の川床のように川岸へ せり出すような構造になっているのだが、西洋人のお年寄り夫婦がそこから川の方を見て 指さしている。なにかいるのかなと見に行ってみると、大きなクロコダイルがのっそりと 横たわっていた。大きく口を開けた姿は勇ましいのだが、そのまま動かないので、間抜け にも見える。いったい、なにがしたかったのだろう? 16時過ぎ、いつものようにゲームドライブへ出発する。夕方のサファリは、これが最後だ。 ロッジの近くで、家畜の牛を放牧しているマサイに出会った。こんな、すぐ近くにライオンが 住んでいるようなところで放牧なんて!と、ぼく達からしたら信じられないようなことだが、 彼らはずっと昔からそんな生活を続けてきたのだ。 ところで、このマサイ・マラは国立保護区であるが、以前に訪れたアンボセリやナクル湖は 国立公園であった。その違いに、マサイの放牧も関係しているとチェゲは教えてくれた。 国立公園というのは、基本的に周囲を柵で囲まれていて、その中ではロッジや公園の管理 事務所のみが人間の生活の場として許されている。しかし、国立保護区というのは柵で 囲っておらず、人も動物も出入りは自由。だから、保護区ではそこで生活しているマサイが いて、放牧もやっていると言うわけだ。そう言えば、アンボセリやナクル湖の公園内に入る 時には両側に柵が続くゲートで入園料を払ったが、マサイ・マラではゲートをいつ通ったかも 定かではなかった。ガイドブックの地図にはゲートが記載されているので、存在はしている らしいのだが・・・ そんな説明を聞きながら先へ進んでいると、まずはガゼルの群れに出会った。お馴染みと なったガゼルのしっぽフリフリ姿を眺めていると、無線で木陰で寝ているチーターの情報が 入ってきた。さっそく、車をそちらへ走らせる。
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