前田の算数
前 田 の 算 数 実 践 事 例 | |||
2年生 「はこの形」 ステキな たからばこを つくろう! | |||
第3時:お試しの箱作りB 長方形の色板を使って箱を作る 【60分】 3本ぴったりなら、全部ぴったりだよ! |
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教師が用意したいろいろな形の長方形の色板の中から、 6枚の色板を選んで組み合わせ、箱を作った。 「向かい合う面の形が同じだから、2枚ずつ3種類選べばいい」 ということは、大体の子が気付く。 しかし、実は、2枚ずつ3種類選んでも、なかなか箱にはならない。 辺の長さを揃えなくてはいけないのである。 どんな3種類を選べばいいのかを考える中で、 最初は、「向かい合う面の形は同じ」と、面の形を漠然ととらえていた子どもたちが、 辺の長さに着目して「面の形」をより明確にとらえていった。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 長さがかわっても同じだよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ この日は、長方形の色板を使って箱の形を作ることを伝え、 「どんな色板がいるかな」 と子どもたちに問いかけた。 まずは、必要な色板の枚数を確認した。 子どもたちは 「簡単。前に習ったでしょ」「6枚だよ」 と自信たっぷりの様子であった。 そこで「前とは違う形だけど、本当に6枚?」 と尋ねると、 「だって、長方形は長さが長くなっただけで、正方形の時と同じだよ」 「正方形を作って上からびしゃっとすれば、同じことだよ」 と、子どもたちは、前回と形が変わっても、面の数は変わらずに6枚であることを確認していった。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 選び方にコツがありそうだよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 色板を6枚選べばいいことを確認した上で、 「こんな6枚の選び方はどうかな」 と、わざと箱にならない6枚の選び方を提示した。 例えば「オレンジ色ばかり6枚」や「全種類1枚ずつ6枚」といった選び方である。 すると、子どもたちは、 「それじゃ出来ないよ。最初に12pのを選んだら、2枚目も12pのを選ばないと」 「2枚ずつ3種類の色板を選ばないと」 などと、6枚の選び方に着目していった。 そこで、選び方にも、何かコツがありそうだということを確認し、実際に作って試してみる場を設けた。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2枚ずつ3種類いるよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 活動する中で、子どもたちは、2枚ずつ3種類にしないといけないことに気付いていった。 そして、2枚ずつ3種類の色板を取ってくるのだが、ここで「あれ」「どうして」が生まれる。 2枚ずつ3種類とっても、うまくいかない場合があるのである。 さて、大抵の子は、次のように操作していた。
このように、まず、面の形に着目し、「向かい合う面の形が同じこと」に気づき、さらに、向かい合う面の形が同じでもうまくいかないことから、辺の長さに着目するといったように、それまで漠然ととらえていた面の形を、より明確にとらえていった。 こうした操作の中で生まれた気付きを、言葉で表すことで意識化させたいと考え、話し合いの場を設けた。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2枚ずつ3種類でも、出来ない時があるよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「どんな6枚を選べばいいのかな」 と問いかけると、まず 「2枚ずつ3種類選ばないといけないよ」 という意見が出てきた。 「向かい合う面の形が同じだから」 だというのである。 向かい合う面の形は同じというのは、本当だろうか? 誰の箱の形でもそうなのだろうか? それぞれ自分が作ったはこの形を見ながら、確認する場を設けた。 調べてみると、やはり、どんな箱でも向かい合う面の形は同じであった。 そこで、 「なるほど。2枚ずつ3種類選べば、箱の形が作れるんだね」 と子どもたちに投げかけた。 しかし、子どもたちからは、「ダメ―」という声があがった。 「2枚ずつ3種類でもできない時があるよ」 「辺の長さが違ったら出来ない」 というのである。 赤(10×18p)、青(10×12p)、黄(7×18p)の3種類の色板を例に、前で試してみた。 確かに、赤と青はぴったり、赤と黄はぴったり合うのだが、青と黄がぴったり合わない。 それを見ていた子どもたちから、 「青じゃなくて、オレンジならいい」 という声があがった。 青をオレンジ(7×10p)に変えて試してみると、赤と青もぴったり、赤とオレンジもぴったり、オレンジと赤もぴったりになった。 「へえ、青ってダメな色なんだね」 と言ってみせると、 「違うよ。そうじゃなくって…」 と子どもたちは、うまくいく理由を説明し始めた。 |
向かい合う面は同じ形だよ 2つの辺はぴったりでも… ほら、辺の長さが合わないよ |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 辺の長さはたったの3種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ここで、他にもうまく箱の形になった色板の組み合わせを紹介してもらい、箱になる色板の組み合わせとならない色板の組み合わせとを比較する場を設けた。 「どんな3種類を選べば箱になるのかな」 と問いかけると、 「全部ぴったり合わないとダメ!」 と、子どもたちは、自分なりの言葉で説明していった。 その「全部」とは何なのか、「ぴったり合う」とはどういうことなのか、子どもたちの考えを細分化して、もう少し詳しく掘り下げていくことにした。 「ぴったりってどういうこと?」 と子どもたちに尋ねると、 「辺の長さが同じってこと」 と子どもたちは答えた。 「それじゃあ、全部ってどういうこと?」 と尋ねると、 「1つでも辺の長さが合わないのがあるとダメってこと」 と子どもたちは答えた。 そこで、 「1つだけ合っててもダメなの?」 「ダメー!」 「2つだけ合ってたら?」 「ダメー!」 と確認していった。 しかし、 「3つだけ合ってたら?」 と尋ねたところで、「あれ?」が生まれた。 「ダメー!」という声に紛れて、1人の子が「いい!」と言ったのである。 3つだけ合ってればいいとは、どういう意味なのか。 その理由を、前に出て説明してもらい、みんなで聞いてみることにした。 「この辺とこの辺が一緒だったら、長方形の向かい合う辺の長さは同じだから、この辺も絶対一緒の長さになる。この辺とこの辺も…」 と18pの辺を指差しながら説明していった。 その説明に合わせて、同じ長さの辺に同じ色のテープを箱に貼ってみせた。 同様に、12pや8pの辺についても、説明に合わせて、それぞれ違った色のテープを貼ってみせた。 結果、赤、青、黄の3種類のテープが貼られた箱ができあがった。 つまり、辺の長さが3種類になるように、色板の組み合わせを選べばいいということである。 |
比べてみると… 3つだけでいいよ テープを貼ってみると… |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ どんな箱でも、4本ずつ3種類だね ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こんなに多くの辺があるのに、長さはたったの3種類っていうのは、本当なのだろうか。 それぞれが作った箱や家から持ってきた箱を確認してみる場を設けた。 3色の油性マジックで同じ長さの辺に色を塗ってみると、確かにどの箱も同じ長さの辺が4本ずつ3種類ある。 「やっぱり、3種類だよ」 「同じ長さの辺は4本ずつあるよ」 「同じ長さの辺は、同じ向きをしているよ」 と子どもたちは、同じ長さの辺が同じ向きに4本ずつ3種類並んでいることを、実感を伴って理解していった。 |
どんな箱でも、そうだよ |
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