前田の算数

前 田 の 算 数  実 践 事 例
2年生 「はこの形」 ステキたからばこを つくろう!

第2時:お試しの箱作りA 正方形の色板を使って箱を作る 【45分】

絶 対 に 6 枚 ? 


箱の形は、面の数が6枚である。
これは子どもたちにしっかりと押さえなければならない事実である。
しかし、6枚だという事実を教えるだけならば、図形の学習ではなくて、数のお勉強になってしまう。
それよりも、面が何枚あるかを数える中で
「上下に2枚、側面に4枚あるから6枚」と見たり、
「向かい合う面が3組だから6枚」と見たり、
図形の見方を養うことこそが大切である。

本時では、「絶対に6枚?」と子どもを揺さぶることで、
子どもたちが「だって…」と、その根拠を語っていく姿をねらった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 6枚いるよ。だって…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この日は、正方形の色板を使ってサイコロ型の箱の形を作ることを伝え、
「色板は、何枚いるかな」
と子どもたちに問いかけた。
子どもたちは「6枚!」と自信たっぷりの様子であった。
そこで「絶対に6枚?」と子どもたちを揺さぶってみせた。
「絶対?」と揺さぶると「だって…」と子どもたちは、考えの根拠を語り出す。

ある子が
「証拠があるよ。だって、サイコロに1から6までの数がついてるよ」
と理由を述べた。そこで、
「サイコロの目って、本当に6つ?」
とさらに揺さぶった。
すると、別の子が
「サイコロって、1の裏が6、2の裏が5、3の裏が4って、合わせて7になるようになってるんだよ」
と説明した。
これは、向かい合う面に着目した考えである。
「つまり、2枚ずつのペアが3つあるから6枚だということだね」
とその子の考えを補足し、全体に広めた。

すると、この2枚ずつと数えるという考えを受けて、
「だったら、こんな言い方もできるよ」
と、ある子が手を挙げ、
「上と下、右と左、前と後ろでペアになってるから、合わせて6枚だよ」
と立方体の模型を使いながら説明した。
さらに
「それ、式で表せるよ。2×3=6」
と、別の子が続いた。
式で表して図形をとらえるという見方は大切にしたい図形の見方である。





左右、上下、前後
6=2×3





また、
「数えた面から印を付けていけば間違わないよ。絶対に6枚だって分かるよ」
という意見も出てきた。
それを受けて
「印を付けられないときは、上から順番に数えていけば、間違わないよ」
と他の子が続いた。
何人かに前に出てきてもらって、立方体の模型を使って数えてもらった。

実際にやっていく中で、
「上と下と横で分けて数えればいいね。」
と話が進んだ。
そして、
「この数え方も式で表せるよ。横に4枚、上下に2枚だから、4+2で6枚だよ」
という意見が出てきた。

なるほどと、式で表したことを褒めながらも、
「横に4つって、絶対?」
と、さらに揺さぶった。
すると、ある子が、
「だって、四角形には4つ辺があるでしょ。横の面は上の四角形の辺にくっついてるから、4つだよ」
と説明した。
辺と面のつながりを意識した発言である。


側面に4枚、両底面に2枚
6=4+2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 あれ!?ぴったり合わないよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、こうして6枚要ることが分かったところで、
「箱屋さんの色板メニュー」を提示した。
箱屋さんの色板メニューには、工作用紙を切って作った4種類の大きさの正方形を用意しておいた。
「好きな色板を使っていいよ」
と言うと、子どもたちは、嬉しそうに色板を取りに来た。

大抵の子は、同じ色板を6枚取っていった。
しかし、中には何種類もの色板を組み合わせて合計6枚の色板を取っていく子もいた。
もちろん、それではサイコロ型は作れない。
「あれ、ぴったり合わないよ」
と色板を交換して作り直しながら、
サイコロ型の箱の形は、同じ大きさの色板6枚で出来ていることを学んでいった。


どれにしようかな


あれ、合わないぞ



第3時へ

はこの形TOPへ
前田の算数 TOP