前田の算数

前 田 の 算 数  実 践 事 例
2年生 「はこの形」 ステキたからばこを つくろう!

第1時:お試しの箱作り@ 自由に箱を作る 【60分】

あれ!?ぐにゃぐにゃの箱になっちゃった… 


通常、「箱の形」の学習は、まずは箱の形を観察をして、その後、自分で作るという流れで進めていく。しかし、本単元では、あえて箱を作ることから学習をスタートさせた。

普段見慣れているつもりでも、いざ作って見ると、案外うまく作れない。
子どもたちは
「あれ、箱の形ってどうなってたっけ?」
と、家から持ってきた空き箱の形を観察していった。

実際に作ってみることで「観察したい!」という切実感を高めていったのである。



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 素敵な箱をつくりたい! 
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図工の時間に、アルミホイルで「魔法の鍵」とその周りに飾る「魔法のアイテム」を作ってきた。
黒い紙の上に置いて掲示していたのだが、どうも「魔法のアイテム」がコロコロと転がってしまう。
そこで、
「素敵な宝箱を作って、その中に『魔法の鍵』や『魔法のアイテム』を入れてみたらどうかな。」
と提案し、私の作ってきた宝箱を提示した。
子どもたちは、
「わあ、綺麗!」
「僕たちも宝箱をつくって、『魔法の鍵』や『魔法のアイテム』を入れたい」
と、ステキな箱を作りたいという願いを抱いていった。


アイテムが、転がっちゃうなあ


ステキな宝箱をつくろう

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 箱の形ってどんな形? 
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『四角い箱の形』の宝箱を作ることを伝え、
まずは、『四角い箱の形』についてのイメージを持たせることにした。
「身の回りで、『四角い箱の形』をしたものはありますか?」
と問いかけると、子どもたちは、
「本棚!」 「そうじロッカー!」 「金庫!」 「ポスト!」など、
身の回りのものの中から、箱の形を見出していった。さらに、
「氷!中がつまっていて、何も入らないけど、形は箱の形だよ」
「教室!大きくったって、箱の形だよ」
「教室の時計!薄っぺらでも箱の形だよ」
などと『四角い箱の形』の概念を、ふくらませていった。

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 素敵な箱をつくりたい! 
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まずはお試しの箱をつくることを伝え、子どもたちに1p方眼の印刷された画用紙とセロハンテープを渡した。
「画用紙を使って好きな四角い箱を作ってごらん」
と投げかけると


 ・十字型の展開図を作り、サイコロ型の箱を作る子。

 ・十字型の展開図のように、角を折り曲げて箱を作る子。

 ・大きさが適当な6枚の長方形を適当に組み合わせて作る子。

 ・持ってきた空き箱の面の形を写し取って作る子。

 ・空き箱の面の形を展開図のようにつなげて写し取る子。


など、子どもたちは思い思いの方法で箱の形を作っていった。


写し取る子


展開図をつくる子
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 あれ!?うまくできないぞ… 
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普段見慣れている箱の形でも、いざ、自分で作ってみようとすると、案外なかなかうまくいかないものである。
子どもたちは
「あれ、箱の形って、どうなってたっけ?」
と、これまで何気なく見ていた箱の形をじっくりと見つめ直していった。

そして、箱の形を作りながら、
「先生、箱の形の中に、長方形があるよ!」
「先生、正方形もあるよ!」
「長方形と正方形のまじった箱もあるよ!」
などと、発見したことを嬉しそうに報告に来た。

中には
「先生、箱の形は八角形だね!」
と言いに来た子がいた。
一瞬何のことか分からず、私がキョトンとしていると、
「だって、かどが8つだよ」
と、その子は言う。
なるほど、頂点に目を向けていたのである。

こうして、子どもたちは、既習を生かし、構成要素に着目しながら、箱の形を観察していった。




ぐにゃぐにゃに なっちゃった


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