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甲斐駒・仙丈
2日目
WakuWaku Garden
甲斐駒・仙丈
1999年8月25日(水)最終更新

苦しんだけど登りがいのあった甲斐駒 8/25
●3時だ 起床だ 朝食だ 
 3時になった。小屋の電気がカッとついた。しばらくして,お食事の準備ができたという放送が入った。ヘッドランプをつけて下の部屋に向かった。山で暖かいご飯とみそ汁の朝食を食べられる。それだけでうれしい。ちゃんとお代わりしておこう。今日はいよいよ甲斐駒登山だ。

●ヤッホー 真っ赤な朝焼けだ
 仙水峠までは,だらだらとした登りがつづく。ヘッドランプをつけながら,峠に向かって大きな岩を越えていく。峠に着くと,ちょうど朝日が昇って来た。朝焼けの真っ赤な雲がホントに美しい。山に来ての朝焼けはどうしてこんなに美しく思えるのかなあ。海で見るのと違って,山の稜線のシルエットがとてもいい雰囲気なんだろうな。

●心臓パクパク
 ここから駒津峰までは,500Mの高度差を1時間半で登る急登だ。朝日が昇ってきて所々見晴らしのいいところがあるが,むちゃくちゃひどい上り坂だ。登り初めてすぐなのに,心臓がパクパクいってる。一番若くて頑丈なN君はとみると,あいかわらず元気だあ。ぼくは,どんどん取り残される。追いつこうにも,追いついていけない。30分はがんばって歩きたいが,体はすぐ休めといってくる。きつい。摩利支天が大きい。ようやく駒津峰にたどり着いた。

●どーんと甲斐駒

 ここからは尾根道だと思っていたが,間違いだったのに気づいた。目の前にどーんと白い岩の塊甲斐駒。いったいどこを登って行くんだろうと思わせる。それに,ここから一度岩場を下って,そして登らなくてはならない。地図ではほどんど分からない程度だけど,せっかく登ったのにと思うから,精神的に疲れてしまう。
 途中女性のパーティに出あった。ここをよく越えてきたなあと思う。

 いよいよ,大きな岩がごろごろしてる六方石を越えて,甲斐駒最後の登りになった。
●真っ赤な朝焼けだ
 最後は,2つルートがあって,一つは岩石帯を登っていく直登ルート,もう一つは摩利支天の方に巻いていく巻き道ルート。同じ道を通るのは芸がないということで,悩みながらも直登ルートを選択してしまった。今回登山経験2回目のK君にとっては,非常に苦しい選択になったようだ。岩のとっかかりを探して,三点確保の基本を忘れず登っていく。ほとんど無言。一歩の大きさが大きいから,心臓は楽だけど,足の踏み場が見つからないと,焦ってしまう。

●なんと甲斐駒は初心者向きではなかったのか

 後からの話だが,山小屋に泊まって知り合った人たちに,甲斐駒の印象を聞いてみた。「甲斐駒の最後の登りはかなりきついね。」「北アルプスの剣岳よりらくだよ。」「北アだとこんな所は,はしごと くさり場で 登りやすくなってるよね」
そうか。そうだったのか。あのカニの縦バイ横バイ という くさり場の難所がある剣岳より楽だってか。いやまいった。楽だといって田じゃないですか来年は絶対北アルプスですよ。K君はそういっていた。

●行いがいいので,,,,。
 甲斐駒山頂は完全の晴れ。ぐるり360度の絶景だ。富士山も見える。北アルプスも,中央アルプスも。もちろんとなりの仙丈や北岳や鳳凰三山もばっちりだ。よく登ったよな。ここまで。自分の力の充実感を山頂で味わった。

●根性で摩利支天にも寄り道
 しばらく休憩していたけど,ガスがあがってきたので,下りることにした。帰り道は,巻き道を通って,摩利支天に寄っていくのだ。
 もうこないかもしれない甲斐駒だから,がんばって摩利支天にも寄った。地図に迷いやすいと書いてあったから若干心配をした。ちょうど,ガスが出てきてルートを迷わせたが,先にいた人たちに聞きながらいけたので,思ったより簡単だった。

●おいおい今から登るのですか
 再び駒津峰までもどって来た。来るときは,気が付かなかったけど,岩石帯にお花が生えている。黄色の花ウサギ菊花はいいな。休まるよ。途中,中高年齢の二人連れに,何組も出会った。大丈夫かなあ。今から登って。山頂はガスっていて何も見えないよ。無理しないでよ。そんな思いが何度も頭をよぎった。

●むちゃくちゃ長い下り
 帰りは駒津峰からもう一つのルートを選んだ。双児山を越えて北沢峠に直行だ。しかし,この道がくせ者だった。樹林帯を下っても下っても,なかなか北沢峠に着かないのだ。駒津峰からコースタイムの1時間30分を30分ほどはオーバーした頃,やっと北沢峠の長衛荘に着いた。つかれた。グロッキー状態の僕であった。明日は ホントに仙丈なんだよな。

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