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おさしみの出てきた仙水荘 8/24 | |||||
●山の天気は行って見なきゃ分からない。
甲斐駒登山の日になった。 登山の日。気になるのはやはり天気のことだ。 このごろお天気はとてもへんなのだ。熱帯低気圧が居座ったり,曇りや雨の日ばかりだったり。インターネットで調べてはいたけど,現地に行ってみなければわからないのが,山の天気なのだから。山の天気は変わりやすいのだ。 ●食文化のちがい さて,静岡から国道52号を通り甲斐駒に向かった僕は,途中,友人のK君,N君達を乗せて,午後1時頃広河原についた。ここからは,自家用車は進入できないのだ。ちょっと曇りかな。 途中お昼の食事は,モツ煮そば定食だった。体力が付きそうな定食だ。モツ煮とそばの定食なんて静岡にはないなあ。となりの山梨に来るだけで,食文化が変わってしまうのだ。そう,山梨でカツ丼と言えば,ご飯の上にキャベツとカツが乗っかっていてソースがかけてあるものだし,安倍川餅に黒蜜をかけてあるのが信玄餅になってるし。これも旅の楽しみというわけだ。 ●最近の登山は,,,,,, 広河原の駐車場の車を見て驚いた。なにわ 横浜 名古屋 etc.... おっと。静岡とか,山梨とかの車はないじゃないか。全国から来てるよ車で。今は車で来る人が多いんだなあ。 駐車場に車をおいて,登山者の義務,登山届けを出しにレストハウスに行った。あたりを見ると,女性が多い。ぼくたちより年上のようだ。大学生の頃は絶対こうではなかった。若者だけのものだった登山ブームが,南アルプスにまで押し寄せているという感じだ。それに,女性が増えてきたと言うことは,南アルプスも施設が良くなってきたということだろう。 ●天気はいつもピーカン バス停で並んでいると,バスの運転手さんが,話しかけてきたので,天気を聞いてみた。「昨日までは 雨ばかりだったねえ。 バスも出なかったことがあるよ。でも,きょうからは ばっちりだ。 事務所でそういってたよ。」「えっ ほんと!! よっしゃ」気分はいきなり,ごきげんになった。 そうだ。僕たちはついているのだ。昨年立山に登ったときもそうだった。前日までずっと続いていた雨が,僕たちが登った2日間だけ晴れてくれたのだった。今年もきっとついてるぞ。おれたちゃ いつも ピーカン。晴れ晴れマークだ! ●トリカブトのおでむかえ 30分ほど,バスに揺られて,北沢峠に着いた。おもったより人が多い。 さてと,水を補給して,僕たちは,すぐに出発することにした。今日は,仙水小屋に泊まることになっているのだ。もう少しバスの便がよいと,その日のうちに甲斐駒と言うことも可能だろうが,バスが到着する時刻からして,登山は明日にしなくてはならない。 沢沿いにだらだら坂を下っていく。沢を渡るところで高山植物が出迎えてくれた。青紫の花トリカブト。とってもきれいな花だ。(風が吹いて花が動いてしまった。)この花の根っこには,アイヌが熊を殺すときに,矢じりに塗ったという猛毒が含まれているのだけど,そんな感じが全然しない。神主さんがかぶる烏帽子のようでちょっと気高い感じがする。ただ,美しすぎるのはちょっと不気味なのかも。 ●山小屋でおさしみが食べれられるとは 小屋について,早速ビールで乾杯。夕日が西に傾いてくる。曇り空から日が射してくる。おっ。晴れてきた。この調子なら,あしたはきっと晴れに違いない。 夕食は,なんと4時だった。それに,何と,うわさどおり お刺身が出た。すごい。量は少ないけど れっきとしたイカとマグロ。山に行っておさしみに巡り会えるのはここだけかもしれない。 この小屋の主人の考え方が他の小屋を変えていると,N君は言っていた。おしゃべりを聞いていると,山で刺身が食べられることに素直に喜んでいる人と,山にはそんなものいらないと言う人がいた。ぼくは,素直に喜ぶ口だ。インパクトがあるし,魚好きにはまた来たくなる小屋だ。 この刺身の出る仙水小屋の噂はインターネットや雑誌で流れているようで,それを目当てにやって来たという人が多かった。ぼくらもそうだったけど。やはり,現物を見て素直に驚いた。 テラスで食事をしていると,夕焼けの中,スーッ スーッ と綿毛が飛んできた。幻想的な風景だ。何だろうこの綿毛。小屋の人に聞いてみるた。柳の種だそうだ。 ●メロンおじさん 食後,隣のおじさん3人組が,メロンをごちそうしてくれると言ってきた。すっごいラッキーだ。お刺身の次はメロンか。それに,すっごい体力があるひとたちだ。メロンやスイカを山に持ってくるのは,体力ありあまりの大学の山岳部くらいなものだと思ってたのに。お年は60過ぎてるってことだし。筋肉ばりばりの体だ。人間鍛えるってことはすごい。40代でへらへらの体は60代の鍛えた体に全く勝てない。びっくりした。 このおじさん達と,この先何度も出会うことになる。僕らはおじさん達をメロンおじさんと名付け,あちらは静岡の若い衆と呼んでくれた。旅の楽しみは出会いだ。 消灯は7時だ。とってもはやい。朝は3時になると,パッと電気がついて全員起床し,4時には朝食だ。健康的な山小屋だ。宿泊者の中には,のんびりできないと言っていた人がいたけど,ぼくは好きだな。山は,早起き,早出,早到着に限るのだ。朝食の時間を聞いて,お弁当を止めて朝食をとってから甲斐駒にのぼることにした。 ●こんな所にも環境を考えて トイレに入ると,使用済みペーパー専用の投入口があった。屎尿は処理し,処理しにくい紙は燃すのだろう。 テラスには,太陽光でお湯を沸かすパラポナアンテナが空に向かっている。 環境を考えている小屋のご主人の物の考え方が忍ばれた。 夜は,何度も目が覚めた。12時頃トイレに行くと,星がきれいだった。ちょっと星座には自信があったけど,とんでもなかった。いつも見る星座が分からないほど星が多すぎるのだ。ただ,いつもはそこにあるといわれても,そんな気がする程度にしか見えない天の川が,くっきり見えた。星空を見上げるだけでも,ここに来たかいがあったというものだ。 山はピーカンに限る。 もどる 2日目につづく |
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