以下は私が登ったルートの印象です。 ルートのグレードは『関東周辺の岩場』のものを載せています。 これに載っている以外にも新しいルートができていました。 ビニール・ケースに入ったルート図が岩場においてあります。
上下のボルト間隔より左右のボルト間隔が近いようなルートがあるのが少し気になります。
多くのルート図では「ビルバーナ」という名前になっていますけれど、このルートの開拓者でもある小林さんのホーム・ページでは「ニルバーナ」になっていました。 サンスクリット語のニルバーナ(nirvana)の訳が涅槃なのでニルバーナが正しいルート名だと思います。
小さいですが下にも岩場があります。 右側のきたないフェースに新しいルートができていました。 ビニール・ケースに入ったルート図が岩場に置いてあります。
あれは1996年の5月頃だったと思います。 涅槃岩で 「ニルバーナ」 を登っている夫婦とおぼしき二人に会いました。 私もこのルートに挑戦しようかなと思って下で見ていたら、彼らは既に登ってしまいヌンチャクを回収するようでした。 「ヌンチャクを掛け代えましょうか?」と言われ、最初は何のことか理解できなかったけど、世の中には親切な人もいるものだと感激しました。
その日は3回挑戦したけれど、非力だった私には歯が立たず、最後はヘロヘロになりながらヌンチャクを回収しました。
しばらくたって CML(クライミング・メーリング・リスト)に参加させていただくようになり、あの時涅槃岩で会った人は、そのころ CML の管理人をされていた I さんであることが判明しました。
一年後くらいに涅槃岩へでかけたとき、人工壁通いの成果でしょうか、結構あっさりと「ニルバーナ」を登れました。 これも I さんのおかげだと思います。
正式名称は天狗岩というらしいです。 岩場の隣に火葬場があることからクライマーの間では涅槃岩で通っています。 時々、黒い服を着た人が珍しそうに岩場を見上げてたりします。 奥多摩方面の石灰岩の岩場が染み出しで登れなくなる夏には、多くの人でにぎわっています。
岩質はチャートで、壁の傾斜は垂直からやや被り気味です。 カチッとした小さいホールドを使うことが多く、ルートによっては指がとても痛いです。 指が強くない私のような人にとっては、かなりきびしく感じられるかも知れません。 染みだしは梅雨の時期をのぞけばほとんど無く、雨後の乾きも早い方だと思います。
八王子あたりから車で出かけると奥多摩の岩場よりかなり近いです。 車を降りて1分で岩場に着きます。 トイレは下のマス釣場の駐車場にあります。
壁は北西を向いていて林の中にあるので日はほとんど差しません。 岩場の下には川が流れていてマス釣場があります。 冬には行ったことがありませんが、かなり寒いでしょう。 春から秋にかけてが適していると思います。 夏でも涼しいことが多いです。 夏には蚊が多いので蚊取り線香と虫よけは必携です。
涅槃岩のルート図としてはつぎのものがあります。
ビニール・ケースに入ったルート図が岩場においてあります。