北海道の旅(その5)

                   北海道の臍、旭川へ

(7/27 日)稚内―サロベツ原野―豊富―美深―朱鞠内湖―士別―旭川

 このホテル(全日空稚内)は礼文、利尻への観光客が早立ちするので朝食は5時45分からである。行って見ると大勢の観光客でごった返している。バイキングも社員食堂の如し。

これなら夜のうちに何か買ってきておいて部屋で食った方がよほど良い。

6時30分に出発。電信柱もなく、対向車もない海岸沿いの道道106号線をひたすら飛ばす。今日も曇りで肌寒く、利尻富士は麓がわずかに見えるのみである。

稚咲内(わかさかない=ワッカ・サク・ナイ飲み水のない川)まで30km以上、ここから444号でサロベツサル・ペツ湿原・川原生花園に向かう。エゾカンゾウは終り、わずかにワタスゲの白い穂とギボウシが少しあるのみ。散策路を一回りすると、センターの売店も開いたので、エゾカンゾウのマウスパッドを記念に買う。ここは、乾燥化が進みつつあり、熊笹が増えてきていて、その除去の研究をしている。 


  

 



     花のないサロベツ原生花園 







         

                 一ヶ月早ければこの景色だったのにーーー

 444号を進み、豊富イペ・コル・ペツ食物を持つ川)町を抜け道道84/121号で幌延ポロ・ヌプ広い原野)町に進み、トナカイ観光牧場に行って見た。

ここは、町と個人の共同で始めたが、今は町営。100円なりでえさを買って食わせたが、身体に似合わず小さな歯で器用に食べる。その辺のタンポポやクローバーなど何でも食う。

牧場の周辺は公園風に整備され、青い芥子など色々な花が植えられていた。ここは、宗谷本線の幌延駅の近くだが、国道40号線から離れていて、観光客を呼ぶのは大変だろう。

 

      幌別トナカイ観光牧場(管理棟)            fトナカイ(草なら何でも食う)

 ここから名寄まで、国道40号と宗谷本線の間を天塩テシュやなが北上して流れている。この川の下流流域は、海産物など産物が豊富で縄文からアイヌまで栄えた所で江戸時代も松前藩の重要な拠点であったが、この辺りから上流は山間で、明治まで殆ど手付かずであり、三日月湖など川の流れが変化した跡が各所にある。

道道256号を雄信内オノブ・ナイ川尻に原野のある川)まで宗谷本線に沿って南下してみた。雄信内駅に立ち寄ると、駅前の商店は閉鎖されている。稚内までの列車は一日3本しかない。

夏草に埋もれた駅の周辺を見ると、北海道の鉄道の役目は終ったのだと言う感じを強く受ける。

             

                        雄信内駅

 ここから、国道40号に入り、中川町で、この年の4月にオープンした道の駅「なかがわ」に立ち寄る。メロンが安いので今晩食おうと買おうとするとそれならと言って食べごろの切り売りのものを出してきてくれた。

先に進み、山道を進み、道の駅「おといねっぷ」に立ち寄った。看板を見ると北海道随一の豪雪地帯で12mも積もったことがあるとか。音威子府オ・トイネ・プ川口の濁っているもの=濁川

この辺りから先は次第に平野が広がり、蕎麦畑の蕎麦の花が満開である。

 道の駅「美深」ピウカ石河原)があり、その奥に森林公園びふかアイランドがある。ここの町営びふか温泉に入り、昼飯に蕎麦など食う。温泉は標準的な町営温泉といえるだろう。しかし、北海道は300円と安い。

チョウザメの養殖などもしていてチョウザメ館もある。JR美幸線があったが、日本一の赤字線で昭和60年に廃止、その跡に5kmほどトロッコ列車を走らせている。残念ながら時間無し。

                

                                    びふか温泉

 ここから国道275号で朱鞠内シュンクニ・タイエゾ松林に向かうはずであったが、道を間違え、名寄近くまで行ってしまった。そこで、途中から道道688号に入り、275号に出た。

この途中のみずほPAからは美深方向が一望できて中々良い眺望である。

               

                             みずほPAから見た美深

 朱鞠内湖は、人造湖としての湖面面積は日本一だというが、人造湖の例に漏れず、水位が低い時はダム湖特有の裸ののり面が見え、自然の湖のような美しさはない。

朱鞠内PAから戻る予定であったが、湖畔のキャンプ場を過ぎ、雨竜第一ダムまで行って見た。このダムの発電所は、王子製紙により北海道電力になる以前に作られたもの。

 

     朱鞠内湖(対岸ののり面が見える)     雨竜第一ダム(展望台からで手前は殉職者碑)

ここから、道道729号、850号で士別に向かい、少しそれて、世界のめん羊館に行く。小高い丘の上にあり、色々な羊を飼っている。100円なりの餌を買って食わせてみる。

羊と言っても、気の荒いのも居るようで、注意書きがあった。丘の上の設備は、中々しゃれていて、丁度、結婚披露宴をの準備中であった。

 





世界のめん羊館

(手前が牧舎、丘の上が観光設備) 

 





              

                 丘の上のめん羊館(中間のラベンダーが綺麗であった!)

 一休みして、和寒アツ・サム楡の木・傍ら) に向かい、和寒ICから旭川鷹栖ICまで高速を飛ばす。旭川で給油して、今日泊まる予定のホテルパコ旭川は?と聞くと、あそこは、駅前だが温泉が売りなんですよという。温泉ということで選んだのだが、行って見ると駅前の大きなビジネスホテル。駅前のメイン道路は日曜日で歩行者天国になっていた。

夜は、旭川ラーメンを食おうと店を聞くと、横浜のラーメン天国にも店を出している蜂屋の醤油ラーメンが良いというので行って見る。ここの能書きは、鯵ととんこつのスープのあわせ味だとか。

しかし、腹が減った小生には、博多だろうと旭川だろうとラーメンはラーメン、なんでもうまい状態であり、評価不能。

 町は、今までの中で一番活気がある。しかし、地元のデパートなどが廃業し、その跡に100円ショップのダイソーなどが入っている。ここでナイフを買って、ホテルで道の駅で買ったメロンを食う。

温泉は単純炭酸塩で設備はまあまあ。

(この日349km)

 

(7/28 月) 層雲峡―糠平―帯広―十勝川

 朝、4時過ぎに温泉に行った。入ろうとすると間違って女湯に!!こちらが寝とぼけたのか、暖簾を架け替えたのか?女の子が居てびっくりした顔!!

昨夜、買っておいたサンドイッチなどを食って、6時ごろ出発。層雲ソウウンペツ滝の多い川――大町桂月が命名)への道は特に何も無く、朝一番、7:40のロープウエイからリフトに乗り換え、黒岳の7合目まで行く。途中から霧がかかったが山頂部分は何とか見えた。しかし、しばらくすると見えなくなる。早すぎると女房は文句を行っていたが、やはり早起きは三文の得。

「動物に餌をやらないでください」という看板があるが、7合目の売店のおばさんはリスに餌をやっている。

 

                黒岳ロープウエイ(昇りの時間だけ遠くの山並が見えた)

 

                      fig13 黒岳7合目から

 山から下り、流星、銀河の滝を見る。柱状列石が柱のように立ち、その間から滝が流れ落ちている。500m近く登ると両方が見える双瀑台があるというが、時間上無理。

有名な柱状列石の奇観である大函、小函は旧道が閉鎖されトンネルとなったため、車で行けるのは大函のみ。ここに立ち寄って層雲峡を後にする。                   

             

            流星の滝                      銀河の滝

                

                         大函

 39号で士幌(シュウウヲロー=広い土地)に向かうが時間がありそうなので、石北峠に寄り道する。この北見国道の建設には網走監獄の囚人達が使われ、厳しい環境の中で大勢、死んでいったとのこと。峠の雲見台からの眺望は木が茂っていてあまり良くない。戻って、大雪PAによる予定が通り過ぎてしまった。

大雪湖を横目に下っていくが、今日は、朝早すぎたためかいささか眠くなり、カーブで対向車線はみ出したりするので三国峠PAに寄る。若い夫婦が茶店をやっており、ソフトクリームを買って一休み。

下は山の囲まれた盆地の樹海である。

 

           石北峠                        三国峠

 273号線をさらに下ると糠平(ノカ・ビラ=人の形の崖)があり、糠平温泉がある。糠平温泉は、木材資源の切り出しなどで栄えた古い温泉である。鉄道(士幌線)も通っていたが、廃線となり今はその石橋がダム湖である糠平湖の水面が下がった時に現れ、幻の橋として特に有名なのがタウシュペツ(=樺の木の多い川めがね橋で観光名所となっている。

ここのひがし大雪博物館で自然や歴史を知ろうとしてのだが、月曜で休館である。全ての予定をマッチングさせるのは難しい。

ここの糠平館観光ホテルで温泉に入り昼食。ここには林間の混浴露天風呂があるが今は使われていない。漸く、元気が出てきた。

            

               タウシュベツめがね橋(協力:NPOひがし大雪アーチ橋友の会)

 士幌町に入ると、開拓時代の直線道路になる。国道を走っても面白くないので道の駅「ピア21しほろ」により、ここから、国道と平行する道を走って見る。稲作も広く行われている。地球温暖化の時代、これからは稲作も北海道か?

このまま、帯広オ・ペリ・ペリ・ケプ川口が幾筋にも裂けている川)まで進み、有名な六花亭の本店に行って見る。女房は今夜食うのだと賞味期限3時間限定というサクサクパイなるものを買う。

和菓子もやっているが主力はチョコレート系。コーヒーが只で、これを飲みながら試食している人もいる。コーヒーを飲んで、十勝川トカブ乳房ーー川が二つに分かれていたから)温泉へ。

ここに大きな花時計がある十勝が丘公園があるというので行って見た。中々綺麗な所で、北海道特有のパークゴルフを楽しんでいる人も多い。

今夜の宿は、近くのかんぽ十勝川温泉。立派な設備だが経営は成り立つのだろうか。

           








十勝が丘公園の花時計 









                     

                              士幌周辺の農村

(この日236km) 

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