>> 第五話 / 孤独のパズル
人生とは皮肉屋だ。
自分の「したいこと」と「やらなければいけないこと」は大概合致しない。
「したいこと」をしている人間のなかで、どれだけ心からそれを行う事を喜べるモノがいるのだろうか。
そう考えてみれば、フランヴァールの悩みはどこにでもある悩みの一つだったのだろう。
ただ、一つだけ違うのは、フランヴァールは吸血鬼であり、その街を支配する「公子」であり、今ちょうど「後の1000人のために、一人を殺せるか」について悩んでいる所だという事だろう。
トロッコ問題ではないが……。
彼の悩みはいかなる形で決着するのだろうか。
殺すか、世界を滅ぼすか。その二択しか残ってないのか。
終末の息吹の中で、それでも抗おうと蠢くものたちがいた。
誰も死なせず世界を守れる、そんな第三の選択肢を求めて。
フィオナ : こんばんは。
ヴィクター : こんばんはー
エルヴィン : ぬるぽ。
フィオナ : ガッ
ST : こんばんは! お久しぶりにございます。 (※この日のセッションは一週間ほどお休みのあった後でした)
エルヴィン : 無事ガッされた! お久しぶりです~。
ST : さて、問題なければはじめちゃいまーす。
エルヴィン : 了解でーす。さーて、何をしようとしてたかさっぱりわからないぞー。(思い出して!)
ST : お、思い出して!
【エルウッド邸にて】
ST : リアニと面会するため、公子のもとへ急ぐエルヴィンくんたち──同時に、フィオナさんもまた、同じ場所へと急いでいた。
まずは、エルヴィンくん・ヴィクターさん。公子のもとへ向かうわけだけれど、全員で行く?
エルヴィン : それを実は考えていて、こう、こっそりと一人で行こうと、あやしく準備をはじめます。
こそこそ、こそこそ。(リュック準備)
こそこそ、こそこそ。 「あ、パディ! ぼくちょっと出かけるかもしれないから、ネコの餌が空になってたらここね!」 こそこそ……。……バレる??
ST : シークレットダイス (ころころ) 「はっ? え、出かけ……」 なんだか明らかに気づいたなあ、という表情をした。ただ言い出せないようだ。
エルヴィンくん、ヴィクターさんたちにはちゃんと隠す? それとも隠すフリだけ?
エルヴィン : 「ぴゃっ! ……ナイショ、ナイショだよ」 ヴィクターさんにも一応、隠して行動します。
ヴィクターさん、レナさん、リズンナさんとパディにはあくまでここにいてもらって、もしサバトの人間たちが来たら逃げるようには伝えたいので、パディにだけそれとなく。
「もし、ぼくがいない時にサバトの襲撃がきたら、パディはタブレット端末をつかって急いで逃げるんだよ?」 と……説明しておき、準備したいです。
……パディだけでも逃げて、みたいな言い方になってしまった!
ST : 「……どこへ、行くつもりなんだ?」 パディは遠慮がちに聞いてくるよ。
そうだなあ、隠して行動するならヴィクターさん相手で対抗判定のほうがそれらしいか。
エルヴィンくん、交渉・隠密で難易度6。ヴィクターさん、知覚・共感で難易度6。ヴィクターさんのほうが成功数が多ければ気づく。同数以下なら気づけない。
フィオナ : ヴィクターさん相手の隠密は大変そうですね。
ST : 今回は隠密そのものというより、「こっそり行動しようとしている意図に感づくかどうか」も含んでいるから、そのせいもあるかな。
ヴィクター : ヴィクター知覚が4で共感が3、合計7で判定~ 7b10>=6 (ころころ) DiceBot : (7B10>=6) → 7,7,10,5,5,7,6 → 成功数5
エルヴィン : 2b10=>6 ダイスの数の時点で負けてる! 交渉1、隠密1ですぞ~。 (ころころ) DiceBot : (2B10>=6)
→ 9,5 → 成功数1 ヴィクターさんからよく見える感じになってた!
ヴィクター : 図体はでかくても気づくのだ。
フィオナ : 大差がつきましたね。
エルヴィン : 明らかに挙動がおかしかったんだ!
ST : 単純な隠密比べならまた違う技能になります。
ヴィクター : 「──黙ってどこかに行くのは感心しないぞ」 エルヴィン君をジト目で見つめながら言いまする。
エルヴィン : 「ぴやー! バレた!」 鞄を取り落として あわわわ…… そしてまぁ、バレたら仕方ないって顔で。
「実は、今からリアニさんに会いに行こうと思って」 と、ヴィクターさんに打ち明けます。
ヴィクター : 「一人でか?」
エルヴィン : 「ヴィクターさんは、レナさんとリズンナさんを守らなきゃいけないでしょ? リアニさんの所は……公子様の庇護下にあるから大丈夫だと思うし、一人でもヘーキかなって……」 と、ちょっと自信なさげ。
実は内心 (リアニさんを狙ってるサバトがいるかも) とは思っているのだ。
ヴィクター : 「ふーん……」 と聞きながら少し考えます。レナ&リズンナとエルヴィンくん……。
「……皆でいっちゃあ駄目なのか?」 ヴィクターとしてはどちらも見張っておきたいところ……。
エルヴィン : 「うー……リアニさんの所、何があるかわからないし……危ないかもしれないよ? それに、レナさんとリズンナちゃんの意見も聞かないと……」 もじもじしてます。
なまじ 「ゆっくりしてていいよ」 と言い出したのが自分なんで 「くる?」 と言いづらいのだ。(?)
ST : 「自分達がなんだって?」 名前を出したところで、のっそりとレナが出てくるよ。会話しているのにさすがに気づいたらしい。
エルヴィン : 「ふわっ!」 じたばたして、ヴィクターさんの後ろにまわって、ヴィクターさんの手を持ち上げながら。
「実はエルヴィンの奴が、【ゲヘナや鍵について詳しいと思う奴】 の所に単独で行こうとしてた所なんだ。エルヴィンは、一人で行くつもりだが、ゲヘナについて詳しく知るあの男と君たちを会わせないのもフェアではない、そんな思いと、奴の所に向かえば危険が伴うという思いで葛藤してるようでな……」 と、ヴィクターさんの声色でいいます。
ST : 名探偵!(笑)
エルヴィン : ヴィクターさんの声色、CVなんだろう。
ヴィクター : CV安元さんで……いや、やっぱ誰でもいいです。(笑)
フィオナ : コナンの蝶ネクタイですね。
エルヴィン : 黒田さんとかそういうしぶ声が出てほしいう゛ぃくたさん! エルヴィンのCVは三瓶由布子さんでお願いします。
ヴィクター : 最高……。
エルヴィン : 最高……三瓶由布子さんはいいぞ……。
ヴィクター : 「……だ、そうだ。どうする? ついていくか? 嫌ならここで待っててもいいぞ」
ST : 「なに面白いことしてるんだい。 ……ふうん。確かに、下手に出歩けば危ないだろうね」 ふん、と鼻を鳴らす。
「今更蚊帳の外にされるのは癪だ。行くよ」
エルヴィン : 「……わかった、そうだよね。知れる事は全部知ってもらう……ようにする! ……ヴィクターさんは、二人の護衛たのむよ!」 という訳で、皆でいきます。
TAXIは2台かな。パティは……無理しなくていいよ……?
ヴィクター : 「よし、そうと決まれば支度だ。ちゃちゃっとすましていくぞ」 と言いながらいそいそ支度準備します。
ST : 「お、置いていかないでくれ!」 パディもついてくるよ。動機がなさけないけど。
(レナ)「ああ。身支度してくるから、勝手に出発すんじゃないよ」
このメンバーだと女性はレナ&リズンナだけなんですな、フィオナさんいないから。
エルヴィン : では、TAXI2台に連絡して、リアニさんの所に向かいます~。 >ST
女性は女性の部屋で。
「あんまり役に立つものないかもだけど、ぼくの服とか使えるのあったらつかっていいよ!」 ……なぜか女の子用の服があるんですが、まぁ、うん、察して。
ST : では、簡単な身支度を済ませ、全員で出発する。 ちなみにどういうふうに分かれる? >TAXI二台
ヴィクター : ヴィクターは女の子とのりたいです!!
ST : 正直でよろしい! じゃあ、ヴィクターさんとレナ&リズンナ、エルヴィンくんとパディかな?
ヴィクター : 大満足! こちらは大丈夫です。
エルヴィン : OKです~。 「パディはヤバいと思ったら逃げてね……」 とかパディを気づかいつつ同伴します。(同伴?)
ST : 「一人で逃げたら余計に怖そうだから、いい」 ふるふる。
エルヴィン : (何でこんなに怖がられてるんだろうな~?) とか思いつつ、出発できそうならしますよ。 エルヴィンはパディに何があったか知らない……!
ST : では、その分担で向かう全員── TAXIが路地を抜けたとき、不意に銃声が響く!
サバトが待ち構えていたらしい。TAXIのタイヤを、窓を狙う銃口。
フィオナ : 敵襲っぽいですね。
エルヴィン : アメリカではよくある事。おっと、チャーリーの夫婦げんかかな?
ヴィクター : 銃社会怖いわあ……。
フィオナ : 吸血鬼すら傷つけうる武器を一般人が所持している国……怖すぎる。
しかしこの攻撃、カーチスの指示によるものではなさそうですね。警察が動きうる状況で発砲してしまう様子から見て、部下の暴走っぽく思えます
指揮官不在ならば、突破できるはず。
エルヴィン : しかし何でこっちがマークされたのだか……。
1.ヴィクターさんたちがここに来るのを見られてた → ある意味一番安心な考え。
2.誰か、カマリリャ側に内通者がいる……? → こーまーるー……。
レスポンスの速さから、ヴィクターさんを追いかけていたサバトがここに逃げたとしってTAXIをマークしてた方かな。と思いたいですが。
フィオナ : あるいは、ヴィクターさんたちが逃げ込みそうな場所としてマークされていて、実際に皆さんが出てきたのを見て、功を焦り発砲といったところかもしれません。
フィオナとヴィクターさんの関係をカーチスが知っていたことからすると、ヴィクターさんが逃げ込む先の候補としてエルヴィンさんの家が挙がっていても不自然ではないかと。
ヴィクター : 2だと非常に困る……タイミングが良すぎるんですよねえ……。
ST : 狭そうな道に張り込んでいたらホシが来たぞ!! という可能性もあるね。実際どうなのかは、ひーみーつー。
エルヴィン : TAXIは走り抜ける事ができそうです?
ST : 銃声を聞きつけて、人間の警察が来るだろう。足を止めて戦闘すれば、足止めを喰らう可能性は高い……走り抜けろ!
運転技能を持っていれば、運転を代わって突破口を開くことができる。遠隔攻撃・妨害できる手段があれば、サバトの銃手を妨害することができる。
そのどちらもなければ、TAXIの運転手を叱咤して走り抜けるだけだ!
エルヴィン : 「運転手さん、近所のチャーリーがまた酷い夫婦げんかで……報酬はメーターの5倍だしますから!」 と、一般の人がもてないカードを見せて応援します。
ST : 「おう、ラジャー! ただ者じゃないと思ったが、やっぱりただ者じゃないね、あんた」 恰幅のよい運転手は、ひとつサムズアップを返して前を向く。
ヴィクター : 「おい、とばせ! 止まるとあいつらに殺されて死ぬぞ!!」 とたきつけます。
ST : 「うるっせーな、分かってるよ! 今やる所だ!」 髪を奇抜に染めた若者の運転手は、言うとアクセルを踏み込む。その背後で、レナが銃を窓に引っかけてサバトを威嚇する。
ヴィクターさん、エルヴィンくん。ダイス数4個で、難易度6の判定を。代理で判定してもらうというやつですな。
TAXIの運ちゃんの敏捷+運転判定。>代理
エルヴィン : 4b10=>6 (ある意味) 幸運判定……かな? (ころころ) DiceBot : (4B10>=6) → 5,4,2,10
→ 成功数1 ウワァァァァ! あぶないはしをわたる!
ヴィクター : 4b10>=6 (ころころ) DiceBot : (4B10>=6) → 5,8,1,3 → 成功数1(成功数0) 危ない橋を渡れてない!
エルヴィン : 渡れてない!!!
フィオナ : 判定がヤバい……。
エルヴィン : なんでヴィクターさんの方が失敗してしまうのか……。
ヴィクター : おっちょこちょいちょい……。
ST : シークレットダイス (ころころ)
おおっと! ではヴィクターさんが乗るTAXIが足をとられかけたその瞬間、レナが発砲する。
その場に響く銃声。
二台のTAXIは、無事に路地を走り抜けた……。
フィオナ : ヴィクターさんが失敗して、それをレナさんがサポートして挽回するというのは、相棒感がありますね。
エルヴィン : (うんうん)(画面の前で頷いている)(誰にも見えない)
ヴィクター : 「グッジョブだぜレナ……」 危ないところだった……。
ST : 「黙ってお姫様してる訳にもいかないからね」 ふっと硝煙を吹き、銃をしまうのだった。
【公子の屋敷】
ST : サバトの追撃をかわして、公子の館まで辿り着いた二台のTAXI。だが門は閉ざされている。
「……閉まってるけど。乗り越えて行くのかい、これ」
エルヴィン : 「? リアニさんのところは、ここを経由しないといけないはず……だけどな……」 あたまの上に「?」浮かべますね。
TAXIのおっさんたちにはひとまず謝礼をプジョーのTAXIがかえるくらいお支払いした後
「よければここに2台、TAXIを待機していてほしいなぁ、ヤバいなと思った時の足にするためにさ」 と告げておきます。
ST : 「それはちょっとな。しばらく撒かにゃあ、足がつくぜ? 代わりに、呼んでくれたらいつでも行くから、それで勘弁してくれよ」 言うと、運ちゃんは名刺を渡してくれる。
何かぶつくさ言いかけた若者を一発叱咤して、TAXIは去っていく。
エルヴィン : TAXIにバイバイして、閉まってる門は……回りにまず、先に来ている車とかないか確認します。 (もしかしたら、先に誰かきてる?) と考えつつ。
ヴィクター : 「ベルとかないのか…もしくは携帯とかか?」
ST : 門の周囲を探すなら、館の裏からあなたたちを手招きする手の存在に気づくよ。公子のそれではないが、古風な門番じみた篭手を纏った手だ。
エルヴィン : 手招きする手を見つけます。 「ヴィクターさん、あれ! おばけ!」
ヴィクター : おばけの言葉に 「ふあっ!?」 驚き飛びのきます……きゅうりを見た猫のように……。
ST : きゅうり! 「ひえっ!?」 ヴィクターさんがあげた声に、パディがつられて飛びのく。
「……なにやってんだい」 レナが呆れる。
館の裏に回る?
エルヴィン : 行ってみます。 「おばけが呼んでる~」 好奇心猫を殺す。
ヴィクター : 「やめろ!! おばけなんて、い、いるわけ、ないだろ!!!!」 とエルヴィンくんについていきます。
ST : では、そこには古風な鎧を身にまとい、槍を持った時代錯誤な男がひとり。無言で壁を操作すると、そこに扉が現われる。
無言のまま、入るように促してくる。
エルヴィン : 「おお、はいてくおばけ!」 促されるまま入ります、先方は任せろ!
ST : ヴィクターさんも入る?
ヴィクター : 「お、オレはここで待ってる。見張りも必要だろ????」 おばけと言われてちょっと怖いよう。
エルヴィン : 「レナさんとリズンナちゃんもくるよね? しんがりは任せたよヴィクターさーん」 入る事が確定してしまった。
ST : じゃあレナとリズンナはヴィクターさんを置いてさっさと入る。門番はヴィクターさんにも入るように促してくるけど、入らずに待つ?
ヴィクター : 「ぐぬぬ……」 エルヴィン君に任されて門番に促されたので……渋々入ります。
ST : では、ヴィクターさんとパディがしんがりとなり、扉をくぐる……
門番がその後に続くと、背後で重い音。扉が閉じると、そこには何もなかったかのように、壁だけが残った……。
門番が先に出て、エルヴィンくんたちを導く。外から見た館の大きさとは釣り合わぬ、下って上り、曲がってはまた曲がる難解な廊下を歩いてゆく。
エルヴィン : 長い距離だと小さい子が心配だ……時々ふりかえり 「リズンナちゃん、大丈夫? つかれたらおんぶしてあげるね!」 といいます。おまえは潰れるぞ。
ST : 「大丈夫だよ」 と返るのはレナの声。見ると、レナがリズンナを負ぶっている。
いい加減歩き疲れたころ、見覚えのある場所に出る。地下へ続く、長い長い、階段の前。エルヴィンくん、君にとっては特に、その記憶は鮮やかだろう。
エルヴィン : (リアニさんの部屋……!)
ST : 門番がその階段にかけられた錠を解く。
兜姿で一礼して、門番はあなたたちに道を譲る。
さて、階段を降りる?
エルヴィン : 「ここに、ゲヘナについて詳しい人がいるはずだよ。人為的に【鍵】である存在を作ろうとして、ゲヘナの到来を早めようとして、今は罪人なんだけど……そんなに怖い人じゃないよ」 と説明しながら階段降りますね。
ST : 長い長い階段は、あのときと同じように君を迎え入れる。
階段のはじまりが遠くなるころ…… その小さな部屋の扉が、小さな灯りを伴って君の前に現われる。
そのまま開ける? ノックする?
エルヴィン : のっくのっくとーんとーん! 「リアニさーん、いますかー! 久しぶりですー、エルヴィンですー」 といいながら。わりと元気!
ST : ……。
…………。
少し間があいて、少しかすれた声が返ってくる。
「エルヴィン・エルウッド? ああ、きみだ。ん、来てくれたんだね」
かちゃりと扉のノブが回る音がして…… そのとき、背後から足音。
レナが咄嗟に振り返る。
そこにいたのは、フィオナ・フィッツジェラルド、そのひとだ。
フィオナ : 鉢合わせか。
ST : Yes。
エルヴィン : 先にフィオナさんのほうが来てるかな、と思ってたんですけどね~。
フィオナ : 渋滞に引っ掛かったか、公子が意図的に足止めしたかで、遅くなったのではないかと。
ST : というわけで合流です。フィオナさん、あなたはジョナサンを連れて、リアニに面会するためにこの場に来たところ、エルヴィンくんたちと出会ってしまった。
エルヴィン : 「!? フィオナさん……!」 驚きの声。
ST : ちなみに車椅子は上に置いているよ。
フィオナ : 「……はて。なぜ、貴殿らがここに? 不思議なめぐりあわせもあったものだ」
ST : 「示し合わせたんじゃないのか?」 経緯を知らないジョナサンはちょっと不思議そうだ。
ヴィクター : 「なんで、ここにいるんだ??」
エルヴィン : 「示し合わせてはいないよ、むしろ……ねぇ」 と意味深に笑いつつ。
「ぼくは、リアニさんに詳しくゲヘナというものについて聞きたいと思ったんだけど……フィオナさんたちはまた違うみたいだね」
フィオナ : ST、もしかして公子の館を通った際、足止めを受けたりしましたか?
ST : そこらへんは渋滞に引っ掛かったか、襲撃を受けた時にエルヴィンくんたちのTAXIが無茶して飛ばしたせいと思ってください。 後ろからフィオナさん! なんでー!? ってシーンを作りたかったの。
フィオナ : 了解です。
ST : いや、足止めを受けたとか、そういうことはないね。ただ、フィオナさんたちは表から来たので、そのときに少々手間取ったりはしたかもしれない。
公子にすぐに会えなかったりね。
「公子が」意図して足止めしたわけではないよ。
ただ、表沙汰にできない面会であるとは気づいてもよい。
フィオナ : (我らのほうが先んじてここに向かっていたと思っていたが、エルヴィンとヴィクターに先を越された……。これはどういうことだ? 公子閣下から足止めを受けるようなことはなかった。つまり、これはあのお方の意志ではない。とすると……)
「貴殿らもなかなか鋭いな。さすがといったところか(エルヴィンたちはこの場所を抑えるべく、私が考える以上に速やかに動いたということだ)」
エルヴィン : 「実は以前にもリアニさんにあってるんだけど、その時リアニさんがここまで明確なヴィジョンをもってゲヘナを再現してると思わなかったからね」 とかいいつつ。
「リアニさんに会いに来たんだ、とりあえず入ろう」 と、部屋に行く事を促します。こんなに大人数大丈夫かな、とか思いつつ。
ST : では、ドアをくぐってくる人数を見ると、リアニが 「うわ」 とちょっと驚いた顔をする。
エルヴィン : 「えへへ……何というか、大人数でお邪魔します~」 と、申し訳なさそうに……リアニさんは変わりないかな?
ST : 「たくさんだ。すこし狭いけど、入ってよ」
部屋は散らかっていたが、本を片付けたり押し込んだりしてスペースが作られる。狭いが、ベッドの上に座ったりすればどうにか場所が作れるだろう。
リアニは少し弱々しい表情をしているが、怪我をしているとか、そういったことはない。
フィオナ : では、エルヴィンさんたちの後ろを取っているということを利用して、彼らが逃げられないような位置に陣取るよう動きます。現時点では、皆さんが公子の勢力圏であるこの場にやってきたのを利用して、袋のネズミにするつもりです。
ST : なるほど。では、ジョナサンが意図を察して同じように動くだろう。ただし、いかんせん狭い部屋の中なので、エルヴィンくんたちもその挙動に気づいていいよ。
「ん、すごく多いね。きみはゲヘナの巫女、鍵の子だ。きみはその同胞。エルヴィンに、ヴィクター、フィオナ、あとの二人は?」 ジョナサンとパディの顔を見てちょっと不思議そう。
フィオナ : 今のところ、公子の真意を知らないのでこのような行動をとっています。
現時点では 「公子閣下は苦渋の決断を下し、ケイティフ二人を殺害するおつもりである」 と考えています。
エルヴィン : エルヴィンはそうとは知らず、とりあえず元気のなさそうなリアニさんを気遣いますね。
「あれ、リアニさん、元気ない? ……カルヴァドスをもってきたけど、前あげたの残ってるかな」 と、綺麗な香水瓶にいれたそれを差し出して……。
ST : 「ん、 ……大丈夫だよ。ずっと閉じこもってるとね、気がふさぐだけさ」 ありがとう、と微笑んで香水瓶を受け取り、うっとりとその香りを嗅ぐ。
エルヴィン : 「あぁ、やっぱり! リアニさんは鍵の巫女がわかるんだね……」 と納得したように呟いて。
ST : 「ああ、わかるよ、ぼくが欲しかったものだもの……」
エルヴィン : それから慌てて。
「あっちの人は絵描きでフィオナさんの従者、もう一人はパトリックっていって……ヴィクターさんの……アレ」 何故か濁した言い方をした。
ヴィクター : (あれ……とは……)
フィオナ : アレ。(笑)
ST : アレ と紹介されて、 「そうかあ」 と、なんだか生暖かい視線がやってくるよ。
フィオナ : 皆さんの動向を注視しつつ、この状況について考えています。
(エルヴィンとヴィクターはなぜ、のこのことこんな場所までやってきた? そして、公子閣下はどうして彼らにここに入ることをあえてお許しになったのだ? ……前者はわからんが、後者は今の私の意図と同じく 「袋のネズミにするため」 だろう)
エルヴィン : 「んー、でも困ってるんだよね、リアニさん。えーと、ぼくは【鍵】と思ってたけど、彼女……【父のない子】は【ゲヘナの巫女】と、呼ばれてるの? 実は、彼女たちがそうなんだけど……彼女たちはそれを【やりたくない】っていうんだよね」
ST : レナは息を詰めて状況を見守っている。ヴィクターさん、君は彼女の握りこんだ拳が震えているのが分かるよ。
フィオナ : (二人がそれを予想していないとは考えられない。彼らはそうと知ったうえでここに来たのだ。それだけのリスクを犯したうえで、ここで何かをしなければならなかったのだろう。……それが何かわかるまでは動くべきではあるまい)
ST : 「ん、そうだよ。【鍵】は、かたちになったから、【巫女】 になる。神託を受けて、それをことばにする」
エルヴィン : 「実は先に公子さまと話をしたんだけど……ここの公子様は 【カマリリャとしてすべき事はわかってる】 けど 【なすべき事と、自分がしたい事】 に齟齬があるっていうんだ……あの人に、彼女たちを差し出して、もし公子様が【なしとげた】としても……きっとここの公子様はダメになってしまうと思うんだよ……だから、ねぇリアニさん…… 【巫女】 を……誰か他のものに代替えする事は、できないのかなぁ?」
そしてしれっと。 「元々その役割、ぼくにさせたかったんだよね?」 といったりします。
ST : 「うん」
エルヴィン : 「今でもぼくがする事はできない?」
ST : 「そうなれば、あの公子の役割は、きみを殺すことになる」
「きみは、それでいいと?」
リアニは悲しそうに微笑む。
エルヴィン : 「もし代替えが可能なら……ぼくはきっとうまくやってみせるよ」 と意味深に笑うね。 「……本当にゲヘナを見たい奴にやってもらうのが一番だと思ってるからね」
フィオナ : 「……待て!」 と狼狽しながら言います。 「それは一体どういうことだ! 貴殿らは一体何を言っている!?」
エルヴィン : リアニさんに 「ちょっとまってね」 のポーズをして、フィオナさんの方を向きます。
「今いったのは、嘘じゃないよ。いま、フィオナさんの目の前にいる【吸血鬼】たちが、実の姉妹で、父のない吸血鬼で、巫女なんて道具じゃない……何も知らないまま担ぎ上げられた少女たち」
「そして、公子様は 【ゲヘナを遅らせるためにすべき事】 を知っていて、それでも 【それは自分のやりたいことではない】 と思っている……」
「ここまでは、公子様……いや【フランヴァール】という一人の吸血鬼、あるいは「人としての理性」からの言葉だよ」
フィオナ : 「ああ。そこまでは知っている……。だが」 と、まったく理解できないという顔で言い淀みます。
エルヴィン : 「だから、ぼくはリアニさんなら彼女たちをその役目から解き放つ方法を知っているんじゃないか、そう思ってここに来たんだ」
フィオナ : (まさか……まさか、公子閣下はエルヴィンたちをそのためにここに入れたというのか? 確かにそれならばつじつまは合う。しかし……)
ようやく多少は落ち着きを取り戻して 「そうか。では、貴殿は死ぬつもりでここに来たと? 会ったばかりの者たちのために命をなげうつつもりであると、そういうわけか?」
エルヴィン : そこでふっ、と笑うと、フィオナさんに耳を貸すよう手をちょいちょい、します。耳元で囁きたいけど、ぼくの身長じゃ無理だ~。
フィオナ : ジョナサンに見張りを続けるよう目で合図して、エルヴィンさんに耳を貸します
エルヴィン : 「……なぁに、代替えが可能ならサバトの奴にそれをやってもらうだけだよ。ゲヘナを望んでる奴らが巫女をやるべきだし、そうすれば何の遺恨も鳴くつぶせるだろう」 そしてくっくっと、喉を鳴らして笑うでしょう。
フィオナ : 「そういうこと、か」 と小さくつぶやいたのち 「わかった。では、リアニ殿と話を続けてくれ。邪魔をしてすまなかったな」 と言って監視に戻ります。
エルヴィン : 悪ヴィン。
ヴィクター : わるヴぃん。
フィオナ : ワルヴィン。
エルヴィン : 「とにかく、ぼくとしては運悪く吸血鬼になってしまった彼女たちに、せめて平穏な……二人で平穏に過ごす方法を考えたいんだよね。それで、リアニさん……巫女の代替え、ってのは……可能なのかな?」
サバトに押しつける事ができれば僥倖。そうじゃなくても、自分がオトリになったほうがまだマシ。と考えているのは事実ですん。
ST : 「きみのそういうところに、ん、ぼくは感服する。けれど」 リアニは寂しそうに目を伏せる。
「巫女はかたちになってしまった。形になってしまったものを代替えることはできないし、……ん、」 彼はそこで、レナの背後にいるリズンナの顔を見て、少し言いよどむ。
促す?
エルヴィン : (パディ、リズンナちゃんの、耳を塞いで) と小声でいってから、促します。(?) 聞いてしまったらパディのせい。
ST : パディは頷いてリズンナの頭に触れて、その感触にちょっとおろおろしながら、耳を塞ぐ。
リズンナは不思議そうにされるがままでいる。
リアニは続ける。
「神託をしゃべるために、まさらになってしまった彼女の知性も、もどらない」
彼がそう告げたとき、レナがとうとう激昂して、彼に殴りかかろうとする。
止める?
ヴィクター : ヴィクター止めに入りまする。
ST : 「離せよ!」 ヴィクターさんなら止められるだろう。判定は不要だ。 レナは君の手に止められてじたばたともがく。
ヴィクター : 「気持ちはわかるが落ち着け」 とレナを押さえながら言います。
ST : 「何だってんだよ、神託がどうのとか……、あのときまでは、リズンナは普通だったんだ。でも、それが、突然こうなっちまってさ、何だってんだよ!」
エルヴィン : 「……レナさん、ひょっとしてリズンナさんが……こう、なるまえに、妙な事を言ったりしてた……? リズンナちゃん、その時から急に子供っぽくなった、とか?」
ST : 「なんにも言ってなかったよ。普通に明日の話してさ、好きな子がいるって、おんなじ学校に通えたらいいのにって、そんな話してさ……、そうやって、普通に寝ただけだった……」
ほろり、と、彼女の眼から涙がこぼれる。リズンナは不安そうにそんな姿を見上げていて、ぼんやりとしているながらも、その眼には確かに彼女を案じる色がある。
エルヴィン : 「突然神託を言うとかそういう訳じゃないんだねぇ」 と、リアニさんに聞く。
「ところでリアニさん、あの、女の人で……巫女は、どっちなの?」 とここは小声で。レナさんの言葉が本当なら、巫女はレナさんのはずだけど。
ST : レナはヴィクターさんの腕の中でうなだれる。
「ん、あの小さな子だよ。神託はね、これからされる。神託がなされたとき、ゲヘナははじまる」
エルヴィン : (ぼくが吸血鬼っぽく感情なく振る舞う間に、ヴィクターさんは好感度をかせいでおいてね!) と思っていた。
ヴィクター : ショタ(おじさん)に気を使われてるおじさん。
エルヴィン : 「そうだったんだ! ……父のない子が、リズンナさんだけど、それが……自然に発生した吸血鬼が、ゲヘナの巫女か……神託は、実はわりと準備が必要なのかな? ぼくのときは……ぼくが巫女になるための準備をしたけど」
ST : 「ん、何もいらないよ。ぼくは早めたかった。その子は、自然に生まれた。来るべき時が来ただけ」
「でも、思ったよりはちょっと早かった。ん、 ……ぼくがしたことも、何か影響したのかもね」
エルヴィン : 「え、じゃぁ突然神託を話し始めたりする可能性もあるの?」 困ったなー顔。
「それを聞いてもぼくたちは役に立てられないよ、うーん……確定してしまった巫女が、もう一人生まれるとか……そういう事も、ない? ……あるいは、そういう可能性が少しでも存在するのなら……もう一人の巫女をぼくがやるのも、やぶさかではないんだけど」
ST : 彼は少し逡巡してから、口を開く。
「ん、彼女のためにできることはね、ひとつしかない」
「それは──」
というところでダイミングがよいので、今日はここで以上です。
エルヴィン : それは何!? 了解です、お疲れ様でしたー!
ヴィクター : お疲れ様でした!
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