>> 第四話 / しらみつぶしの襲撃






 一人の少女は、毎日平穏に生きていました。
 彼女の住む場所は貧しいけれど。学校にも行かず、友達もおらず、両親もなく、頼れるのは姉だけだったけれど。
 彼女は、幸せだったのです。
 だけど運命とは残酷で、その幸せをたった一夜で変貌させてしまいました。

 彼女は、吸血鬼になってしまったのですから。

 かくしてサバトは語る。
 ゲヘナを迎えるために、父なき子とその仔は予言者たると。
 カマリリャは惑う。
 父なき仔、その予言者の抹殺により、ゲヘナはしばし遅れるだろうと。

 どちらが正しいのか、どちらが間違っているのか。
 あるいはどちらも間違っていて、正解などどこにもないのか。

 そんな夜でも、闇は静かに広がっていた。





ヴィクター : こんばんはー。


ST : こんばんは! では、準備もよろしいようなので始めます。


エルヴィン : りょうかいですー。 ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ ← とうとう辞書登録した




 【教団にて】




ST : 教団を襲撃したサバトの一団。それを率いるのは、カーチスと名乗る指導者だった。

 彼がフィオナに語ったのは、これまでの前提を覆す言葉。真実か、それとも?


フィオナ : 「そうそう。一応確認しておくが、今まで話したことの中に嘘はないだろうな?」 と聞いて、探りを入れます。


ST : 「嘘をつくつもりはないよ」 鷹揚に頷く。


フィオナ : ST、共感などで確認することはできますか?


ST : 交渉+共感難易度6。 ただし、STが振る。 (シークレットダイス)(ころころ)



フィオナ : 念のための確認。


エルヴィン : 正直、嘘ついてなさそうだからちょっと困るんだよな……。



ST : なるほど。支配者然とした彼の鷹揚な態度は、そのうちにあるものを読み取るのを困難にしている。明らかな嘘を感じるような兆候はない、分かるのはそれだけだ。


フィオナ : (読めんな……。だが、話の筋は通っている。嘘と切り捨てるのは賢いやり方ではあるまい)


ST : さて、カーチス+烏合の衆 vs フィオナさん という現状だ。どうする?


フィオナ : 「まあいい」 と話題を変えます。 「ところで、貴殿らはこれからどうするつもりだ? おとなしく帰る、というわけではないのだろう?」


ST : (シークレットダイス)(ころころ)

 「目当てのものはここにないんだろう?」 そう彼は意味ありげに微笑む。 「勝手に探させて貰うのも一興だが、あなたの態度を見るに、事実、無さそうだ」


フィオナ : 「あったら、今頃公子閣下に届けているさ」 と肩をすくめます。


ST : 「だろうね。その時までここにお邪魔してティーパーティというのも悪くはないが、話が長くなりそうだ。お暇させてもらうよ」


フィオナ : 「そのまえに」 と軽く引き留めます。

 「帰るなら、貴殿の部下の一人を軽く殴らせてくれ。教団を襲撃されておいて何もなしに相手を帰らせました、では、さすがに示しがつかんだろう?」


ST : 「構わないよ。殴れるなら好きにするといい」 言うと、烏合の衆の一人に何か話しかける。相手が難色を示すや否や、流れるような威圧で従わせる。


フィオナ : 「壁に穴をあけずに、玄関から入ってきてくれれば、お咎めなしにしたのだがな」


ST : 「そうだね、次はそうさせてもらうよ



エルヴィン : (次もあるのか……!?)



ST
 : 部下A は いやそうなかお を している! だが殴ってよい。



エルヴィン : サバト員も大変だなぁ。(棒)



フィオナ : (……なるほど。やはり、この男は誠実だ。あるいは私に誠実だと信じさせようとしている……。嘘を言っている可能性はさらに低くなった)

 「よろしい。では、この男を殴るとしよう」 と言って、件の男をごく軽く平手打ちします。あくまで形式上の報復です。


ST : ぱん、と軽い音が響くだろう。


フィオナ : 「これで私から言うことはない。せいぜい帰り道に気を付けて戻るといい。もしカマリリャに捕獲されることがあっても、カーチスと貴様(殴られた男)だけは助命嘆願をしてやるとしよう」


ST
 : 「それは光栄だ。では、失礼するよ」 部下らを引き連れ、彼はあっさりと引き下がっていった。波が引くように、本当にあっさりと。


フィオナ : カーチスたちが去ったのを確認後、通話状態にしたままの携帯電話を手に取って耳に当てます。

 「サバトの者たちは去りました。こちらへの増援は不要です」


ST : では、携帯電話の向こうからは、評議員ルミノサの声ではなく、公子そのひとの声が響いてくる。

 「ええ、会話内容を確認しました。 ……感謝します、フィオナ」


フィオナ : 「私は直ちにリアニ氏のもとに向かいます。同時に、私の仲間にも警戒を呼び掛けるつもりです」


ST : 「分かりました。 ……かの血族の言葉の内容……、いえ、何でもありません。彼との面会の手はずを整えておきます」


フィオナ : 「もったいなきお言葉です」 と恐縮しますが、カーチスの言葉が真実であるかどうかは、ここでは聞きません。



エルヴィン : ……秘書のルミノサってどういうイメージだろうな。

 俺のイメージは、色白で氏族はトレメール。
 いつもスーツ姿でタイトなスカート、髪は頭の上で結い上げて、ちょっと地味めの黒縁眼鏡と黒スーツ、謎のクリップボードみたいなのをもってる人。なんだけど。

 ルミノサの名前は憶えたけど、実は公子さまの名前を憶えてないエルヴィン・エルウッドくん(30)


フィオナ : ルミノサさんは、いかにもできる秘書、みたいな感じなイメージがあります。


ヴィクター : 敏腕秘書!


エルヴィン : みんなで考えよう最強の秘書! キャリアウーマンから未亡人臭があるといい!



フィオナ : 「はい。それでは直ちに行動に移ります」 と言い、通話終了後、すぐにジョナサンと教団の運転手を呼び寄せます。


ST : ジョナサンは身の埃を払った格好で、教団の運転手とともにやってくる。顔立ちが少し緊張している。


フィオナ
 : 「時間がない。ジョナサン、すぐに私を背負って駐車場に向かえ」


ST : 「分かった」 何故か、とは聞かない。車椅子は運転手が抱えて持っていく。


フィオナ : 運転手には、危険ななか来てくれたことに謝意を示しつつ、リアニ氏の所に自分たちを乗せていくよう命じます。

 「ここを襲った者たちが次に襲うかもしれない人物がいる。急がねば」
 車に乗ることができたならば、次はエルヴィンさんに電話します


ST : リアニの居場所には、公子の館を経由して向かうことになる。運転手はアクセルを強めに、道をすり抜けながら急いでくれるだろう。

 車椅子は車に積まれ、あなたの傍らには緊張した面持ちのジョナサンがいる。
 電話だね。問題なく繋がるよ。


エルヴィン : 電話がきたらすぐにとりますよ。 「はい、こちら宇宙刑事シャバンです! 地球の危機ですか!」


フィオナ : 「エルヴィン。私だ。よく聞け。サバトの襲撃を受けた。かなりの数がいる。しかも、雑魚ではない強力な血族も一名確認している」


エルヴィン : 「サバト……んー、何でフィオナさんところ? んー? 雑魚じゃないやつ、話分かるひと? 名前は……? ぼくの所にはこないよね? こられても、こっちも出すもんないんだけど」


フィオナ : 「こちらに来たのは例のケイティフを探してのことだ。名前はカーチス。おそらくは反ヴェントルーラソンブラだ。そちらに行く可能性も否定できん。判断は任せる」


エルヴィン : 「カーチス……了解-。目的は、あの、二人? 鍵? の子かな。あっさり帰ったの? そっちに鍵の子がいなかったから? ……物わかりがいいサバト?」


フィオナ : 「そうだ。殴る蹴る以外に能のない他のサバトの雑魚と違って、話の分かる、それ故にこそ厄介な相手だ」

 「それと今のうちに言っておこう。貴殿との協力の件だが、残念ながら貴殿の予想通り、私は貴殿とは協力できなくなった」



エルヴィン : 「話の分かる……何か話をしたの? ……その結果、協力ができなくなったのカナ? ……うーん」 考える。

 「……カーチス、さんと話をした、具体的な事は教えてもらえないのかな~?」


フィオナ : 数秒、考えるように沈黙します

 「……最後にもう一つ、貴殿に伝えておこう。 『認識が逆だった』 貴殿なら、たぶん察してくれるだろう?」

 もちろん、残忍なはずのサバトがケイティフの二人を生かそうとしており、逆にカマリリャが殺そうとしているという意味です。



ST : んんん、その返しかっこいいな!


エルヴィン : おたがいに情報戦をしている感じある~。(ぐるぐる目)


ヴィクター : ちょっと黒い感じの裏のあるエルヴィン君の仕草が好きだわ~。



エルヴィン : 「……なるほど、 『認識が、逆だった』 わけだ……それがカーチスさんと話した結果……」 くくっと、ノドで声を押し殺して笑って。 

 「……まいったなぁ」 ただそう呟きます。


フィオナ : 「一応聞いておくが、今からこちらにつく、というのもアリではある」 絶対にないだろうな、と思いつつ。


エルヴィン : 「ぼくは、彼女たちと話をしちゃったからねぇ……ぼくにとって彼女たちは『鍵』なんて道具(もの)ではないんだ……だからフィオナさん、ごめんね……」

 電話、特に言葉がなければそのまま切っちゃいますぞい。


フィオナ : 「ああ。それでこそ貴殿だ。貴殿がその選択をしてくれたことを心から嬉しく思う。そして残念だよ。これから貴殿らと事を構えねばならんわけだからな」

 「ではな」 と言って、エルヴィンさんが切るのを待ちます。


エルヴィン : 「……そうだねぇ、ま、おたがいに……悔いの無いようにやろうね……アナタに、幸運を」 そういって、電話を切ります。


ST : 切られた電話からは、無情なツーツー音だけが流れてくる……。


フィオナ : 「やむを得んことだ」

 エルヴィンさんとの通話終了後、直ちに公子に電話を掛け、エルヴィンさんたちが離反したと伝えます。


エルヴィン : 「まいったな……」 エルヴィンの方はただ、ため息をついて……とりあえず、ヴィクターさんたちの方に向かいますよ。 「ヴィクターさーん、いるー?」(ぱたぱた)

 こっちも仕込まないといけないからなぁ!


ST : その言葉を、公子は静かに迎える。 「──離反した、ですか。理由は……、」 いや、静かに見せようとしているが、その声の中には驚きがある。


フィオナ
 : 「ヴィクターとは話していませんが、彼もおそらくこちらにつくことはないでしょう」 と言い添えておきます。

 「理由についてはおそらく、我らがあのケイティフ二人を害そうとしている、と思っているからでしょう。私がサバトの襲撃に注意するよう呼び掛けた際、察してしまったものと思われます」
 こちらが察するよう仕向けた、ということまでは言いません。



エルヴィン : やだーお察し申し上げたのはフィオナさんの発言からよォ~、この教祖、できる……!



ST : 「……」 一瞬、沈黙が落ちる。

 「僕は……、 いえ、何でもありません。了解しました」 


フィオナ : 「はい。進展があり次第、また連絡いたします」 と言ったのち、自分の現在地を伝えてから電話を切ります。


エルヴィン : なお、この時エルヴィンも公子側と連絡をとろうとしているんですが、繋がりませんね?


ST : もちろん。(サムズアップ)


エルヴィン : ツーツー……。 「話し中だ! 先にやられたかもしれない! ヴィクターさーんたいへーん!」 と屋敷を徘徊します~。


ST : では、ここでエルヴィンくんたちにシーンを移そう。




 【その頃のエルウッド邸】




ST : 電話は切れ、電話を手にしていた少年からはただならぬ気配が漂っている。

 真っ先にレナが聞いてくる。 「何があったっていうんだい」


エルヴィン : 「レナさん起きてたの? リズンナちゃんは?」 驚きつつ。


ST : 「起きてるよ。そんなに騒がしくされちゃ、起きないわけないだろ」


エルヴィン : 「いや、うーん……そうだな、言わない方が心配だもんなぁ」 と独りごち。

 「ごめん、レナさん。どうやら『カマリリャ』も君たちにとって、安全な組織ではなさそうなんだ」 と告げます。


ST : 「……何があったんだい」 「教えてくれるんだろ?」


エルヴィン : 「ぼくは、カマリリャという組織を甘くみていた……人間に害をなさない組織だけど、吸血鬼にだったら時には冷酷になるって訳だ……いま、ぼくの……仲間が、そう教えてくれた」 仲間、うん、フィオナさんは仲間だな……と噛みしめるように呟いて。

 「実は詳しい事はわからないんだ、だから憶測でしかないんだけど……
ゲヘナを、望んでいる「サバト」は、多分きみたちをすぐに殺す必用はない。むしろ君たちを必用としている」
 「だけど、そこに君たちを委ねた所で、やっぱり君たちの自由は保障されない……ぼくは、レナさん、リズンナさん。
あなたたちの別離を望んでないからね、だからやっぱり、サバトは信用ならない

 「えーと、ここまではOKかな?」 とレナさんに確認。


ST : 「ふん、そうか。<カマリリャ>とかいう連中は、あたしらを殺したがってるってわけだ」


エルヴィン : 「まだ確証はないけど、そう考えた方がいいかな、って。だから、ぼくはそこが一番安全な隠れ場所だと思ってたけど、前提が崩れちゃった訳だ」 と、嘆息。

 「ほんと、参っちゃったよ」

 「最も、この場所にいる事はまだ知られてない。そのうちは、二人ここで隠れていて、ヴィクターさんを護衛にして……一時の安寧だけど、そのうちに、安全な場所を考えようと思うんだ」
 「……もし、
バレて逃げる事になったら、ヴィクターさんをつれていって。あの人、本当に強いからさ! ……そして逃げてる間に、君たちが別れなくてもいい方法を、ぼくは考えるから」


ST  「……あんたらが何を考えてるか分からないけど、少しは信用する気が起きたよ」

 「奴らの仲間なら、そんなこと言わなけりゃよかったんだから」



エルヴィン : 「ふふ、別に信用しなくてもいいよ。ぼくは今、君を命がけで守るゲームの最中なんだ。君たちの安寧を守り切れればぼくの勝ち、たったそれだけの事さ。吸血鬼なんてロクな奴じゃないから、恩を感じる必用もなければ、信用もしなくていい、誰でもね」 といってクスクス笑った後。

 「きょうだいが、ひきはなされるのは悲しいもんねぇ」
 と、本当に、心からの言葉のように告げた。


ST : 「……ああ」



ヴィクター : ちょっとずつ好感度上げてくれてるの嬉しい……。


フィオナ : 回が進むごとにちょっとずつ好感度が上がってますね。



エルヴィン : 「だから、レナさんはリズンナさんと一緒にいてあげて。絵本を読んで、手を握って、優しく髪を撫でてあげて……二人の時間を大事にして……あぁ、ヴィクターさんにも声をかけてくるね。二人は、安全なところでゆっくりしてて」 そういって、ヴィクターさん探しを続行します。 「ヴィクターさーん」


ST : 「ああ、そうするさ……」



ヴィクター : 「おう、呼んだか?」 とひょっこりあわられますひょこ。



エルヴィン : でかいヴィクターさんがひょっこりした!


ST : ひょっこりびくたさん。



エルヴィン : 「ヴィクターさん! たいへんたいへん! フィオナさんが僕らと袂を分かち、我々はカマリリャの仇敵とあいなりて、それでも姉妹の仲を断絶することたがわず! それが武士道なりて候!



フィオナ : エルヴィンさんがサムライになってる。(笑)


エルヴィン : レナさんの前だと冷静を装えたが、もう無理だった!



ヴィクター : 「なるほど、さっぱりわかんねな! とりあえず落ち着け」


エルヴィン : すーはー、すーはー、深呼吸。

 「えーと、フィオナさんが、サバトの話が分かる奴と話した結果、「カマリリャの方が彼女たちを殺したがってる」可能性が出たんだ。だから、カマリリャには、彼女たちを渡せなくなった……OK?」


ヴィクター : 「なるほど……大体OKだ。で、オレは何をすればいい? 守ればいいのか?」


ST : リズンナは不思議そうに、レナの横であなたたちを見ている。

 そこで空気になってたパディが会話に入るよ。
 「殺そうとしてる、って、……本当なのか? なぜ……?」 



フィオナ
 : あ、そういえばパディ。


エルヴィン : 何を話すと思ったらわりと普通の意見だった!


フィオナ : もとがカマリリャに投降した敵対者ですからね。今後は注意してみておいたほうがいいかもしれません。


エルヴィン : 元サバトとして(というほどサバトでもないけど)意見があるのかと思ったらなかったな~。


ST : 下っ端オブ下っ端だからね。



エルヴィン : 「理由はわからない、けど、どうやらサバトは彼女たちを生け捕りにしたい理由があり、カマリリャには殺してしまいたい理由がある……ただ、その件に関していうと、ぼくはちょっと思う事があったんだよね、この版図で、あまりにもケイティフが多い事……とかさ」 

 
と、考えて……。
 「だから、ヴィクターさんは、もし何か……誰か攻め込んできたとか、そういう時は真っ先に、二人をつれて逃げて欲しいんだ。パディは……元々巻き込まれただけだから、隠れててもいいけど、力を貸してくれるなら、貸してくれるとうれしいにゃぁ……ぼくにね!」


ST : パディは落ち着きなさそうに視線をさまよわせて、それから、決心したように頷く。 「わ……、分かった。協力する」



フィオナ : 逃げるか裏切るかと思ったら、意外とまともに協力してくれそうな感じ。



エルヴィン : 「ヴィクターさんは、暫くここで彼女たちの安全の確保……護衛をお願いしたいんだ。ぼくは……公子様に直接確認したい事、リアニさんに聞きたい事なんかがあるからさ……」

 と、そこでぽんぽん、ヴィクターさんの肩を叩いて。
 「レナさんと、リズンナさんの事は全面的に任せたからね!」


ヴィクター : 「そういうことなら、お安い御用だ。オレは頭を使うのは向いてねえからな……」

 「応」 と拳をバシバシ合わせてエルヴィン君に答えます。


エルヴィン : 「そうだ!」 そこでピコーン。 エルヴィンなら、「タブレット端末」とかもってそうですよね。もっててOKですか? >ST


ST : お、成程。タブレット端末…… エルヴィンくんなら持ってそうだね。場所も家だし、許可しよう。


エルヴィン : では、そのタブレット端末をヴィクターさんにお渡しします。

 「これ、ヴィクターさん、逃げる時とかに使って、Go○gleマップとか出る奴だから、地図とか……迷っても大丈夫!


ヴィクター : 「ええ……」 エルヴィン君から端末を受け取るも、しどろもどろなります……たぶれっととは……?


ST : ヴィクターさんタブレット端末…… 使うなら 知性+コンピューター 難易度6 かな。普段使ってないし。または同行者に頼んでもよい。普段使ってなさそうだし。



エルヴィン : (こ、これはスラム街で生存術を使っていたのと同じような状況では!?) と思った……ちょっと泣いた……。(笑)


フィオナ : レナさんとリズンナさんのどちらかが使えれば、きっと前よりも状況は良くなるはず……パディさんは使えるんだろうか?



ヴィクター : ええと、さすがに戦うときとかに両手がふさがるのは避けたいので、同行者に頼みます……。ちらりと目を泳がせて、助けてくれそうな人は……?


ST : パディレナリズンナがいるね。


ヴィクター : では 「こういうのは、お前向きだろ」 と言ってパディに渡します。オレはできねえからよ……。

 「頼りにしてるぜ」 と一言付け加えておきます・


エルヴィン : 「パディ、使えるならやっぱりヴィクターさんのサポートしてあげて……」 ちょっとしょんぼりしてるエルヴィンなのだ。


ST : 「うわ」 渡されて、タブレットの操作方法を軽く確かめる。彼は一応スマホやタブレットを持っている程度の生活は送ってきたようだ。

 いじけてたけど一応それなりに社会生活してたからね。

 ヴィクターさん……はきっとワイルドな社会生活


エルヴィン : パディに充電器とかわたしながら 「ヴィクターさんとタブレットは頼んだよ……」 って顔します。


ST : 「あ、ああ。分かった」 意外なもの頼まれた! って顔だ。


エルヴィン : では、ヴィクターさんに伝える事を伝えたら、今度はこっち、公子様に電話いきますわん。みんなから離れてこっそりと……こっそり。


ST : 電話はしばらく鳴った後、その向こうから評議員ルミノサの落ち着いた声を響かせる。 「用件を」


エルヴィン : 「公子様に繋いで欲しいですー、あのー、件のー、二人組の件です-」


ST : 「公子は職務中です。伝言があれば伝えましょう」


エルヴィン : 「伝言ではー、伝えにくいですよー? 公子様がー、以前から、ケイティフを、版図に集めていたのはー、同情じゃなくてー、粛正のためだったんだってー、いうー、わるいうわさー

 「ぼくは、公子様の真意を知りたいだけですー」
 「それとも、
それは事実ですかー、ルミノサさん? ふふー、電話を切ったら、ぼくそう判断しますよー


ST : 離反した、と。そう言付かっています。詳細、ないし釈明を」

 「用件については、その後改めて聞きましょう」


エルヴィン
 : 「離反? 誰が、どうしてですー? ……ぼくが? 何の理由があって? ……うーん、わからないなー? ぼくに離反する理由ってありますかね~? 現に今も、公子様の悪い噂を聞きつけて、その真偽を問いにお電話を……これが根も葉もない噂なら、サバトが公子様を貶めて、何かしら策略を練っている事になるでしょう?」

 ……自分で書いてて 「くそいやなガキの台詞だな」 って思ってしまった。


ST : 「釈明は無い、と。公子に代わり、」 そこで彼女は何かを宣言しようとした。突如彼女の声が途切れる。


エルヴィン : ぴやーーーー切れたーーーーーー!!!!(超びびってる)


ST : 電話の向こうから遠く何かが聞こえてくる。

 「フランヴァール!」
 「ルミノサ、代わりなさい!」


 僅かに聞こえるばかりの声だが。それは公の会話の雰囲気ではなく、もっと慌しく、私的な雰囲気のものだ。
 最初がルミノサの声で、次が公子の声ね。


エルヴィン
 : 超聞き耳をたてる。(ニャピーーーーン) フランヴァールそういう名前だったな……。



フィオナ : これは、公子自ら答えてくれそうな感じですね。



ST : しばらくして、電話の向こうから明瞭な声が聞こえてくる。

 「失礼致しました。 ……エルヴィン・エルウッド、何の用件ですか?」 公子の声だ。


エルヴィン : 「フランヴァールさん、お久しぶりです。聞きたい事がありますよ、単刀直入に言いますね。 ……ゲヘナを遅延させるため、その鍵となる存在を殺していたのは、あなたですか?」

 (ゲヘナの遅延、というのは……大げさだったかな? でも、この不自然にあつめたケイティフ……意図的に、だとしたら……この人が鍵となる存在を早めにキープし、使われないよう処分する可能性はある……よな……)


ST : 「……離反したと聞いたのは、そのためですか。僕が、……彼女たちを害すると、そう考えてのことですね?」

 「いいえ、いいえ。誓ってそうではなかった。単純に、探すためでした。兆候がどこから現れ、どう生じるのか」



エルヴィン
 : 「離反はしてないんですけどね」 と、からから笑って。

 「でも、これがどうもサバトのブラフ……とでもいうのかな、サバトの流した情報であり、それが事実かどうかぼくはアナタに確認しなければならない……と」
 「あまりに多いケイティフは……リアニさんの言葉からですかね? ……それとも、他の版図の『上』の方かな? ……どちらにしても、あなたはただ好奇心だった……その先について、今、
ゲヘナへ至る現実を見て、あなたは……自分が、どうしたいか……考えてますか?


ST : 「痛い問いだ。どうせねばならないか、は分かっています。十分に。ですが」

 「”どうしたいか” とは、相反する」



エルヴィン : 偉そうOFクソガキ。


ST : 聡明なクソガキって感じで非常によろしい。



エルヴィン
 : 「……フランヴァールさん。あなたは、やっぱりぼくが想像していた通りの……最も吸血鬼らしくない公子のようだ」 と、そこは笑って。

 「そう、どうしなければいけないか、と……どうしたいか、は相反する……だから、ぼくは、ぼくたちは『第三の道』を見つけなければいけない……それを考えるために、リアニさんに謁見を、いいですか?」

 「咎人リアニは、許されない罪人ですが……彼は、人為的に『鍵』を作ろうとした……彼の意見が、見解が必用なんです、公子様……お願いします」



ST : 「分かりました。手筈を、整えましょう。 ……急いで下さい。申し訳ありませんが、迎えはやれません」

 「エルヴィン・エルウッド、聡明な子。あなたに感謝を」 背景にルミノサが何か言っているらしい声を聴きながら、電話は切れる。


エルヴィン : 「ありがとう、公子様」 と、そこでふっと優しい声になり……。

 「あなたのような優しい人は、公子になるべきじゃなかった」 そう呟いた時、電話はもう途切れていただろう。


ST : そして、電話は切れた……。


エルヴィン : 「さて、すぐに支度をするかな……リアニさんの手土産。カルヴァドスを香水の瓶につめて……」 そう呟き、公子様の最後の言葉を思い出す。

 あなたに、感謝を……。
 それは、吸血鬼としておおよそ長い時間を過ごし感情が摩耗したものの言葉じゃなく、紛れもなく「人間」の言葉だった……。

 的なシーンでフィニッシュです。


ST : では、本日は以上! お疲れさまでした!


エルヴィン : お疲れ様でした! クソガキRPしてしまった。(顔覆い)


ST : こういうときはお子様の正論が必要なんですよ感がとてもよかった。それとエルヴィンくんの頭のまわり方が合わさる感。


エルヴィン : 誰も殺さないし殺させもしない道を模索したいよね。


ST : ふっふっふ、がんばれ。


エルヴィン : (こういう奴が困ったら真っ先に弱者を殺すぞ覚えておけ)


ST : 弱者?(ついパディを見る顔)


エルヴィン : パディうぉおおおお!(サバイバルナイフで襲いかかる)


ST : ギャー!! とかいって死にそうだから困る。


エルヴィン : 吸血鬼なのに……!







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