>> 第三話 / 全てはゲヘナとなる






 突如現れた二人の美女と美少女。
 カマリリャ・サバトと両勢力に追われていた彼女たちはヴィクター・ブラウンの手をかりて、何とかエルヴィン・エルウッドの邸宅にたどり着く。

 そこで明らかになったのは、彼女は「父のない吸血鬼」であり、また「父のない吸血鬼から生まれた仔」であるという事。
 つまり、ゲヘナの鍵とされ追われている二人だったのだ。

 思わぬ所で重要人物と出会ってしまったヴィクターとエルヴィン。
 二人は果たしてどんな選択をするのだろう……。






フィオナ : こんばんは。


ST : こんばんは~。 さて、それでは問題なければ始めますズイ。


フィオナ : よろしくお願いします。


エルヴィン : OKです、ずいずい! ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ


ヴィクター : ですぞですぞ!




 【エルウッド邸にて】




ST : 姉妹の姉の方、レナがエルヴィンから、自分達の置かれた状況を聞いていた、そのとき。

 彼女に外へ出された妹、リズンナは彼女を見守るヴィクターさんと二人、部屋の外にいた。
 ちなみに、別室のようなものはあるのかな? それとも ろ・う・か?


エルヴィン : 漫画の本ばっかりの書斎とか、普通の客室とかもありますよ、それとも、ろ・う・か?


ST : では、客室でいいかな。客室の片隅で彼女は、ぽつんと座り込んでいる。

 「……」


ヴィクター
 : 廊下じゃなくてよかった……。 「隣、いいか?」 と言ってリズンナちゃんのとなりに陣取ろうとします……ススス。


ST : 拒否はされない。首がわずかに上がり、こくん、と縦に揺れる。


ヴィクター : ではお言葉に甘えて隣に行き、座らずに立ったままでおしゃべりを続けたいと思います。


ST : ヴィクターさんが見下ろすと、白い服を着た少女はとても小さく見えるだろう。


ヴィクター : 可愛い女の子と二人ということで少しドキドキしながら……。 「腹、空いてねえ?」 とか 「調子はどうだ?」 とかとりとめのないことを聞きます。

 おじさんは少女の対処方法がわからない!


ST : ゆらりと少女の髪が揺れる。話しかけられたのに気づいて微かに顔を上げる。

 腹が空いていないか、という問いには、小さく首が振られる。調子は、と聞けば、 「ちょうし」 と返される。
 ぼんやりしたような、虚ろな赤茶色の眼があなたに向けられる。


ヴィクター
 : (まいったな……) 視線にちょっと戸惑いながらも、 あ! と思いついた顔をして 「そういえば」「あのレナ?との関係ってどんなだ。詳しく教えてくれよ」 と聞いてみます。


ST : 「れな」 彼女は少し考えこむようにして、あなたから掛けられた言葉を飲み込む。 「ねえさん」

 「れなは、ねえさん。……を、守ってくれる」 ……のところで、彼女は自分を指さす
 いかな少女とはいえ、見た目の年齢に対して、その言葉はあまりにもたどたどしい


ヴィクター : 「守ってくれるねえさんか。やさしいねえさんなんだな……」 オレには厳しいけど……とちょっと複雑な顔を浮かべ、 「お前ら、いくつだ?」 と聞きます。


ST : 彼女はしばらく考えて指を折りはじめ、しかし、途中でやめてしまい、首を振る。


ヴィクター : 「わかんねえのか……ま、年齢なんてさほど重要じゃねえし問題ないか」 おじさんも20を超えてからは適当である。



フィオナ : もしかして、自分の年齢も把握できなくなっている……?

 血族になったときに発生した副作用なのか、それともほかに何か理由があるのか、いずれ調べる必要がありますね


エルヴィン : 学校にいってなくて、教育も受けていないような生活で、密かに育てられていた的な、先天的なものなのか……後天的なものなのか、はレナさんに聞いてみれば分かりそうですね。


フィオナ : ですね。とりあえずはレナさんにそのあたりの事情を聴いてみないと



ヴィクター : 「じゃあ……どっから来たんだ? オレの家は……あのぼろ家さ」 と笑って言います。


ST : ん、と一方向を指さす。街のはずれか、外だろうか?


ヴィクター : 「この街の外か?」


ST : こくん、と頷く。


ヴィクター : 「街の外からか……外から、ここまで逃げてきたのか?」


ST : こくん。


ヴィクター : 「なるほどね……」「姉ちゃんと二人で逃げてきて大変だったな。少なくとも、ここは安全だから安心しろよ」 とポンポン頭をなでて……撫でれるかな?



ST : ヴィクターさんvsハードモード少女。


フィオナ : ちょっと気になったのですが、リズンナさんは文字の読み書きはできるんでしょうか?


ヴィクター : それも何か探ってみたほうがいいですかね?


フィオナ : お願いします。もし、現代アメリカで読み書きができないとなると、相当に特殊な事情があると思われます。


エルヴィン : 街の外で生活って、なんか急にワイルドな出自を感じさせるしな……。



ST : 手を避けたりすることはないよ。ちょっと心地よさそうに目を細める。


ヴィクター : (小動物……うさぎみたいだな……かわいい……) なでなで……。


ST : 白い服だしね。

 なおリズンナとの会話だけど、一段落するまでは続けてかまわないよ。明らかに時間のかかることをするならシーンを戻すけど。


ヴィクター : 暇なので、できれば絵本やらなにやらがあると嬉しいのですが……ありますかね?



フィオナ : エルヴィンさんなら、絵本とかも持ってそう。



ST : 客室にはなさそうだけど、 まんがのほんばかりのしょさい になら何かあるんじゃないかな? 取ってくるくらいは問題ない。

 絵本は……ある?>えるくん


エルヴィン : アルヨー。エドワードゴーリーアルヨー。


ST : ワーオエドワードゴーリーカー。


エルヴィン : はらぺこあおむしとかもあるんじゃないかな……?


ヴィクター : ゴーリーか……ひえ……はらぺこあおむしで……。



エルヴィン
 : 普通にかわいい絵本と、ゴーリー系が入り交じった本棚です。(?)


ST : えるえるくんらしい。



ヴィクター : では、はらぺこあおむし的な本を持ってきて……。 「字は読めるか?」 と聞きます。読めるのなら本を手渡して……読めないようならおじさんが読んであげます。


ST : 彼女は一度あなたの顔を見上げて、文字を視線で追い始める。

 こくん、と頷いた。



エルヴィン : そういえば今パディはどこにいるんだ……?


ST
 : パディはすみっこで空気になってるんじゃないかな……?


ヴィクター : パティ……空気を読んでGJ。


フィオナ : 目立たないところでおとなしくしてそう。



ヴィクター : ではその絵本を手渡して…おじさんはそれを眺めて……この場はFIXで大丈夫です。


ST : 了解。

 さて、再び、カメラは戻る。途方に暮れて悪態をついたレナ、そして、エルヴィンくん。
 話を続ける? 話が一段落したとみれば、彼女はリズンナを呼びに行くよ。


エルヴィン : 椅子にこしかけて、 「はー」 と一息。

 「うん、まぁ僕から伝えられるのはこれくらいかなぁ……もし、『カマリリャ』に保護を求めるんなら、ぼくも協力できるけど、その件はもっと適任の人を紹介するね」 と伝えます。
 適任=フィオナさんですが。


ST : 「……少し考えさせてくれるかい」 彼女は疲れたような顔で、大きく息を吐いた。


エルヴィン : 「うん、ゆっくり考えるといいよ。今日はこの家に泊まっていけばいい、護衛はヴィクターさんが喜んでやってくれるさ……久しく、姉妹二人でゆっくり休んでないんでしょ?」

 と、にっこり。
 「会ったばかりで信用はされないと思うけど、ぼくは、ぼく個人として、君たち姉妹を引き離したくないと考えているんだ。これは、組織の意向とか関係ない、ぼく個人の意志だ」


ST : 「……その通りだよ。全く、やりづらい奴だ」


エルヴィン : 「……そして、たぶん君を助けてここまできたお人好しの大きなおじさん……ヴィクターさんもね、同じ気持ちで貴方をここまで守ってきたと思うから……ぼくはともかく、彼は少し信用してあげてよね」

 と、またまたにっこり。
 「彼は打算で動けるタイプじゃないから」

 「もしよかったら、リズンナさんと好きな部屋を選んで……二人でいるといいよ」
 と、お話はこのへんにしようかな……。


ST : 「はっ、それは同感だよ」 ヴィクターさんに言及したあなたの言葉に、彼女は少しだけ笑った。



ヴィクター : (エルヴィン君が好感度を上げようとしてくれている……!)


フィオナ : ヴィクターさん、ちゃんと信頼されてる。


エルヴィン : 何だかんだいって冷たく見えますが、信用してない人のあとはついてこないですわな。


ST : んんん”!! ……ちょっとおまちを…………失礼しました。 足打った。


エルヴィン
 : STの足ーーー! 比較的セッション中にトラブルにあうSTーーー!


ヴィクター
 : ohそれはイタイ……!!


フィオナ : 不意にどこかぶつけると痛いですよね。


ST : うん……。 (´・ω・`)


エルヴィン : イタイノイタイノトンデケー……。


ST : ありがとう……。 (´・ω・`)



エルヴィン : えー、この家の中なら好きにしていい事と、ただ外に出る事、窓に近づく事は危険だという事は伝えて、レナさんにはここでゆっくり待機してもらう事にしたいと思います。護衛は頼んだよヴィクターさん……!


ST : では、ここで彼女がリズンナを呼びに行く。ヴィクターさん・リズンナと合流することになるよ。


エルヴィン
 : では、こちらはフィオナさんと連絡をとりますね。ちょっと話す事が多いから電話にしようかな……。


ST : では、フィオナさんと連絡をとるエルヴィンくんから処理しようかな。


エルヴィン : ちなみに、パディのほうをちょっと見て。

 「……パディも巻き込まれたねー、ごめんね。でも、今聞いた事、サバトに流したり、彼女たちに何かしようとしたら、多分きみ怖い目にあうよ といったりしてます。


ST : パディはぶんぶんと首を振る。君の言葉の中身が脅しであることを、ちゃあんと分かっている。

 さて、フィオナさんに連絡を取るのかな?


エルヴィン : 電話をしたいと思います。忙しくないかな? と思いながら、フィオナさんに。

 電話の傍受……とかはないよね) ドキドキ。


ST : さてどうだろうね? 電話は問題なくつながるよ。


エルヴィン : 「もしもし、フィオナさんのお電話ですか?」


ST
 : フィオナさん、エルヴィンくんから電話がかかってくるよ。


フィオナ : 「ああ。そちらは無事か。エルヴィン」 と答えます。


エルヴィン : 「うん、大丈夫。それより、件の二人に遭遇したよ……今どこにいるのか、とか、そのへんはちょっとわからないけど、下水道に身を隠すっていってたから、大丈夫だと思う!」 と、しれっと嘘を交えながら会話します。

 (ごめんねフィオナさん、一応、念のためね……)


フィオナ : 「そうか。逃げることができたのなら何よりだ」 あえて、それが嘘であるかどうかを問いただそうとはしません。

 「できることなら、二人とも話したかったが、まあいい。それよりに、そちらで何かわかったことはあるか?」


エルヴィン : 「それで、幾つかわかった事があるんだけど……まず、彼女たちは本当に、ある日突然吸血鬼になったのは間違いないみたい。吸血鬼の「父」が教える常識を一切知らなかったからさ」 と、いいつつ 「まぁその点を言えば、ヴィクターさんたちもそうだったけど、それとは本当に違う、突然なってた、みたいだ」


フィオナ : 血親なしでなったということか。これはいよいよ怪しいな。サバトやカマリリャの一部の者が血眼で追うわけだ」

 「……今のうちに言っておくが、今後判明する事実によっては、私は彼女たちを捕らえる側になるという可能性も無きにしも非ずだ」
 「私と緊密に協力すればより良い対処ができるだろうが、同時に
私が敵に回った時のリスクも生む

 「すでに分かっていることと思うが、そのあたりは十分に考えて行動してくれ


エルヴィン : 「……フィオナさんはとてもぼくたちの事をよくわかってるねぇ、うん、そう……そういう時は……どっちも生き残れるよう努力するよ」 と、少し笑っていいます。



ST : フィオナさんええひとや。



エルヴィン : 「それと『仔』をなしてたのも本当だった……あの二人はどうやら本当の肉親みたいで、二人で離れる事を頑なに拒んでるんだ」

 「だから、フィオナさんにお願いがあるんだけど……公子様にこの事を伝えて、何とか二人とも保護できるような場所を提供してもらえるように、ならないかな? 多分、二人一緒なら納得してくれそうなんだよね」 と。フィオナさんに伝えます。

 暗に (その判断次第では……) という含みはありますが。(腹くろヴィン)


フィオナ  「わかった。公子閣下にはその旨お伝えしておこう。言っておくが、私は貴殿らと対立する場合に奇襲はしない。事前にそちらに一報を入れてから行動するつもりだ」


エルヴィン : 「ありがとう……ふふ、ぼくも逃げながらフィオナさんに逃げている報告をしそうだなぁ」 案外本当にしそうだと思いつつ。

 「最後にもう一つ、フィオナさんに伝えておくね。 『認識が逆だった』 アナタなら察するだろうけど、つまり、そういう事だよ」


フィオナ : 「……?」 とっさには理解できませんが、いくつか候補に思いを巡らせます


エルヴィン : 「それでは、公子様の報告、そして公子様の判断など、取り次ぎお願いします~。ぼく、絶対余計な事喋っちゃうからさ」 と笑いつつ。

 「では、ぼくは地下下水の溝さらいは遠慮するんで、彼女の行き先は深入りしないよ……おやすみなさーい」 と、特にフィオナさんから質問などなければ電話切るモードですね。


フィオナ : (なるほど。そちらが伝えられる情報はその表現が限界。つまり、それほど重要なことなのだな)

 「ああ。公子閣下のご判断を仰いでから、またそちらに連絡しよう」
 特に何もなければ、会話を終えます


エルヴィン : こちらも終了でおっけーです。 彼女たちはどこにいるんだろう。(すっとぼけ)


フィオナ : 「エルヴィンは私を信用しきってはいない。そのエルヴィンがヒントを出しつつも、直接には教えたくないようなことか……」 認識が逆という言葉に考えをめぐらします。




 【教団にて】




ST : フィオナさん、あなたが今いるのは教団内かな?


フィオナ : はい。戻ってきています


ST : 電話を切った瞬間に、教団の一角で ドォン! と激しい音がする。


フィオナ : 急いでそちらに向かいます。


ST : 急ぐあなたのもとに、ジョナサンが走ってくる。

 「襲撃だ! 相手はサバトらしい、何人もいる。爆発物を持ってた」


フィオナ : 「無事だったか、ジョナサン! 被害状況は?」


ST : 「壁がやられたくらいで、死者はいない。人間の教団員には無理するなと伝えた」


フィオナ : 「よろしい。そなたは私に先行して現場に向かい、教団員に避難するよう伝えろ。敵と遭遇してもそなた一人で戦おうとするな、決してな」


ST : 「分かった」 彼はここ最近で教団の構造や状況をよく学んだ。ひとこと落として頷き、走りだす。


フィオナ : では、ジョナサンを追って杖をついて可能な限り早く現場に進みます。

 「エルヴィン。私の所に彼女らを逃がす判断をしなくて正解だったな。おかげでサバトの屑どもの目から逃れることができたのだからな」 とつぶやきます。


ST : 現場に着くと、数名の教団員が即席のバリケードを築いている。ジョナサンがバリケードの前に残った彼らに、避難するように伝えている。


フィオナ
 : 「あとは我らで対処する。そなたらは直ちに避難せよ。私はこれから、愚か者どもに神罰を下さねばならん」 と大袈裟に言いつつ、人払いします。


ST : 教団員たちはあなたの言葉を聞き、こうべを垂れてその場から避難する。ジョナサンは彼らを導きながら、彼らとともに奥へ消えていく。


フィオナ : ジョナサンが彼らの護衛についているのを確認し、敵が来るまでに公子に連絡を入れます


ST : 公子は不在らしい。電話をするなら、ルミノサが出る。敵が来るまであまり時間はない。連絡できても一、二文程度だろう。


フィオナ : 「こちらフィオナ。緊急につき手短に。私の教団が敵襲を受けました。件の血族二人はここにおらず無事 敵が来たあともそのまま切らずに持っておきます。


ST : 「件の血族を確保した、と認識しても?」 相手から返答が来る。


フィオナ : 「”私は”確保していません」 とだけ答えます。


ST : 「了解。伝えます」

 電話を手にしたあなたのもとに、バリケードをあっさりと破壊した血族らが雪崩れ込んでくる。その数、十数名。明らかに烏合の衆と分かる連中を先頭に。


フィオナ : 「うむ。実にサバトらしいゴミの群れだ」 と聞こえないような小声でつぶやきます。


ST : どうする?


フィオナ : 逃げるのは間に合わない。よってとりあえずは話しかけてみます。

 「やあ、諸君。何かお探しか? 悪いが
目当てのものここにはないぞ」
 電話は切らずにおいています。サバトたちが何か重要な情報を話すかもしれないので


ST : 興奮した烏合の衆どもはすぐにでもあなたに飛び掛かりそうな気配を漂わせていたが、その後ろから制止の声がかかる。


フィオナ : ちょっと状況がまずいですが、最悪の事態になっても、情報だけは送っておきたいところ。


ST
 : 「お会いできて光栄だ、フィオナ・フィッツジェラルド女史。なに、あなたが我々の追っている相手へ声をかけていたのを、私の部下が見てね」

 「しかしそうか、無いか。それは残念だ。てっきり、あなたが確保するものと思っていたのだがね」



フィオナ : 「こちらこそ、会話の成立するサバトに出会えてうれしいよ。貴殿の名は?」 と聞きます。


ST : カーチスと呼んでくれれば」 反ヴェントルーラソンブラ。聞いただけでそうと推測できるような声だ。



エルヴィン : 支配できるものの声、ってやつかぁ。



フィオナ : 「よろしく、カーチス(話が通じるのはありがたいが、それだけに厄介そうでもある)」


ST : 「しかし、フィッツジェラルド女史。あなたは、あの腑抜けた公子にあれを渡すつもりかな?」


フィオナ : 「ああ。できればそうしたかったが、今となっては無理な話だ(本音)。残念ながら私は仲間に信用されていなくてね、彼女らの現在地さえ把握できていないのだよ」

 「立っているのは疲れるな。座ってもいいか」 と言って戦意のないことをそれとなく伝え、その場に腰を下ろします。


ST : 「あぁ、構わないよ。そうかそうか。あなたがそれで構わないなら、言うことはないが。差し出がましいと分かってはいるが、あなたがあれについてどの程度把握しているか、少々心配でね」 カーチスは構わずに続け、烏合の衆らを下がらせる。


フィオナ : 「その口ぶりだと、私より彼女らのことを知っている、と確信しているようだな。まあ、その内容は聞くまい。聞いても言ってはくれんのだろう?」


ST : 「いや? 伝えても構わないよ。知らぬまま選択させられるのは悔しいだろう」


フィオナ : 「……え!?」 素で驚きます。 「貴殿、サバトだろう? カマリリャにそれを伝えてよいのか?」



エルヴィン : 喋りたいサバトだった!


ST : サバトちゃんは喋りたい。


ヴィクター : サバトチャンは喋りたい。(笑)


フィオナ : さて、何を聞いていきましょうか?


エルヴィン : そして彼らは何を喋りたいんだろうか? 何かこう、口ぶりからすると 「今のままじゃゲヘナきちゃうよ~? いいのいいの~?」 みたいな感じですが。


フィオナ : こちらが把握していない情報で、かつ、知れば公子に彼女らを引き渡すのを躊躇するようになるかもしれない情報っぽいですね


エルヴィン : まぁサバトの言う事だからなぁ……。


フィオナ : まずは聞いたうえで検証、ですね。



ST : 「ああ、サバトだ。但し、騙し打ちはあんまり好きでなくてね」 「なのでこうして、正面から来たというわけさ」


フィオナ : 「そうか。いや、なんというべきか……」 と言って困惑したように笑います。 「どうしてサバトにいるのか不思議な男だな、貴殿は」

 (機会があれば、カマリリャに勧誘しよう)


ST : 「お褒め頂いていると見ていいのかな? さて、聞きたいかな? 止めておくかい?」

 「あなたは駒に殉ずるたちではないだろうと、思ってはいるけどね」


フィオナ : 「もちろん、聞こう。だが、私はそもそも何を聞けばよいのかすら見当もついていない」

 「とりあえずは、彼女らの出自について。いったいどこの生まれで、なぜ、ああなった?」


ST : 「出自、出自か。面白いところから聞くものだ」

 「出自については私も詳しくないよ、ただの賤民で、この版図ではないどこかの街の、貧民さ。まあ、そのおかげで、我々とあなたがたが潰しあう間に、この版図まで逃げてくる程度のしぶとさはあったらしいがね」


フィオナ : 「もとは何の変哲もない人間であった、と。それがどうしてあんなことに?」


ST : 「なぜか── 時が来たのさ。彼女らは賤民としては、とても不幸だったろうね。偶然、時が来たときに、運命が訪れるところにいたというだけで、ああなったのだから」


フィオナ : 「彼女らであったのは必然ではなく偶然だった。なるほど。それで、貴殿らはどうやって彼女らを見つけた? 特別な存在であるかどうかなど、見ただけではわかるまい?」


ST : 「そこにいたのさ、我らサバトの血族がね。そいつは愚昧な奴で、その意味を分かってはいなかったが」



エルヴィン : リアニさんの行動が「人為的にゲヘナをおこす事」だったとすると、今までの状況に合致するし、リアニさんがサバト側にいたのを考えると、彼の「酔狂と思える妄言」が事実だと知って、きちんと調査しはじめるって事はあり得そうですしね。


フィオナ : とりあえず、聞いてみるべきこと。

 1.彼女らを捕らえてどうするつもりなのか。殺すのか、どこかに閉じ込めてしまうのか、安全は保障されるのか
 2.彼女らはどういう役割を果たす存在なのか



エルヴィン : 何だろう、それ確信だけど、今日のサバトは喋ってくれそうだ!


フィオナ : ダメ元で行ってみましょう。



ST : 転化の瞬間を伝えてくれた。そして、その現象の意味を、持っている意味をもとに考察した訳だ」


フィオナ : 「まったく、運のいいことだな。いや、我らにとっては悪いことだが」


ST : 「まったく、光栄だったと思うよ」


フィオナ : 「そうか。では次だ。貴殿らは彼女たちを捕らえてどうする? 殺すのか。殺さないにしても安全は保障されるのか。自由は認められるのか」

 「まあ、サバトのことだから、彼女らの命になどみじんの敬意も払わんとは思うが」



ST : 「殺しはしないさ。殺したがっているのはむしろ、カマリリャの方だ」


フィオナ : 「……? 意味が分からん。よりにもよって、なぜ血に飢えたサバトが彼女らを生かし、カマリリャが殺しを望むのか」


ST : 「我々がみな理性なき殺人鬼というわけではないよ。意味がわからない? 彼女の存在が、彼らにとって都合が悪いなら、分かるだろう?」

 「もっとも、そこまで伝えていない公子も多いようだがね」


フィオナ : 「まともなのは貴殿くらいではないのか?」 と疑いつつ、 「では、聞こう。貴殿は今、あの二人のケイティフの存在がカマリリャには不都合で、しかも、それを下に伝えていない公子もいると言ったな。では、あの二人はいったい、カマリリャとサバトにとってどういう意味を持つのだ? なぜ、我らにそれを公子閣下が話さないというのだ?」


 ……敵にできるだけ情報を渡さないよう質問するのは難しい。
 質問している時点で 「自分たちはそれを知らない」 と半ば告白しているようなものですが、こちらの手の内をタダで見せたくはないところ。


ST : 「さてね、公子殿の考えは我々には知れないさ。ただ分かるのは、彼女は「鍵」というより── 預言者。ゲヘナの訪れを伝える、預言の巫女だということさ」

 「彼女の言葉でゲヘナは始まる。彼女を殺してしまえば、次の巫女が現れるまで、まあ、しばらくは保つ」
 「我々が彼女を確保しようとしているのは、……聞きたいからさ、単に。大いなる鶏鳴をね」



フィオナ : 「……正気か? 貴殿らはゲヘナの開始を指をくわえて眺めているつもりなのか?」



エルヴィン : うーん、リアニさんが人為的に作りたかったゲヘナの鍵、エルヴィンにさせたかった事もどうにもコレ(ゲヘナに至る予言)っぽいですな。



ST : 「加えておくと、サバトは一枚岩って訳じゃない。あなたがたと同じようによく知らない連中もいれば、ゲヘナが始まっては困るなんて言う腰抜けもいる」

 「まあだが、我々はそのつもりだよ」 彼は薄らと笑った。



エルヴィン : そうだ、適当に笑わして終らせておくんだ!


ST : 適当に笑かして終わらせるっていうとギャグっぽいな!


エルヴィン : その 「ドッ!」「ワハハハ」 じゃなく口角だけを上げて引きつるように 「ククク……」 のほうだ!


ST : わかるけど!


フィオナ : 「なるほどな。たしかにそれは、カマリリャがあの二人を抹殺する理由として十分すぎる」 と言ってから、 「今のところ貴殿と意見が合わないのが実に残念だ。いつか翻意してくれることを心から願うよ」


ST : 「全く同感だよ。あなたと一緒にゲヘナの始まりを見たいものだ」

 かくして彼は言葉を切った。


 ……では、今日はここまで!


エルヴィン : お疲れ様でしたー!







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