>> 第十二話 / ふたたび、蒼い悪夢
儀式の為にひたすら地下へと走る中、その歩みを止めたのは爆音だった。
振り返れば瓦礫の山があるのみ。
同行者が退路を断ったのだ。
これは裏切りか。
いや、「猶予」なのだろうか。
しかし今は一時も惜しい。
夢の中で妨害があるかもしれない。あるいは、現実で何者かの妨害もまたあるかもしれない。
だがそれでも、吸血鬼たちは終末に至る夢へと挑む。
それが、誰も喪わず世界を救う唯一の方法だと信じて。
フィオナ : こんばんは。
エルヴィン : おそくなりましたー、すいません!
ST : お、いらっしゃいませこんばんは! 大丈夫ですぞまだ開始時間(ちょっと)前!
エルヴィン : よかった~。
ST : 準備はいかがですかな? おっけーなら始めますぞい。
ヴィクター : おっけーどす!
ST : はーい!
【リズンナの夢】
ST : 夜のものらは、夢の辺へ身を浸す。
眠りの中の眠り。闇の中の闇。深く、深く沈んでいく。
── Vampire:The Masquerade、開幕。
……。
……視界も、音もない闇の中、あなたたちは沈んでいく。
互いの姿も見えない。己の身の感触すら、感じられない。
魂だけ。魂だけが、深く深く沈んでいく感覚。
…………。
ふっ、と。不意に、あなたたちは足が地面についたのを感じる。
足を感じると、膝を。腰を、胸を、腕を、首を、頭を。
肉体の感覚が蘇っていく。
視界はかわらず闇。最後に、自分が目を閉じていることに気づいた。
目を開きますか?
フィオナ : 開いて周囲を確認します。
ヴィクター : そおっと目を開きます。
エルヴィン : 「むにゃむにゃ……もう食べれないよー」(?)
ST : では、眼を開いた者は気づく。そこは、月明かりの降り注ぐ花畑だ。
はかなげな白い花が一面を埋め尽くし、蒼い光がすべてを青く染める。
鼻孔をあまい香りがくすぐる。
あなたたちの足下にも、花が咲いている。
フィオナ : 「花畑とは……。私はてっきり、どこかの街中に出ると思っていたのだがな」 目の前の光景に少々驚きつつ言います。
ヴィクター : 「おはなばたけ……はっ、もしかしてオレたちは…死んだのか……?」 なんてことを思いながらあたりをグルグルみまわします。
エルヴィン : 「いいにおいがするー」(むくり) 起床。 そして、一面の花畑で。 「わぉ、これが終末の世界? 随分ロマンチックだねぇ~」 のほほん。
ST : 辺りを見回しても、遠く遠くどこまでも変わらぬ風景がある。遠くなるに従い小さくなっていく花々が、地平の彼方まで続いている。
その中に、ひとつだけ異なるものがある。
リズンナだ。
花畑の中心に、彼女がひとり立っている。
まばたきもせず、まっすぐに頭上の月を見つめている。
フィオナ : 「リズンナか。ここは一体どういう場所だ?」 と、答えてくれるかどうかはあまり期待せず、反応を見るために声を掛けます。
ST : その表情には何の色もない。月明かりに照らされる横顔は、まるで人形のようだ。
エルヴィン : (リズンナちゃんだ……) 彼女の他には誰もいないかんじです? あと、彼女と自分らはけっこう離れてます?
ST : 彼女はなにも応えない。
彼女とあなたたちのほかには、誰もいないね。そんなに距離はない。近寄るのはたやすいだろう。
フィオナ : (反応はなし。こちらからの呼びかけで彼女の行動を制御するのは難しそうだな)
「……近づくべきだと思うか?」 とお二人に尋ねます。
ヴィクター : 「そりゃ、近づかなきゃなにもわかんねえだろ」 と言いつつ近づこうとします。
ST : あなたを阻むものはない。さく、さくと、足元で花が踏まれる音と、草のかおり。彼女のすぐそばにまで、あなたは近づくことができる。
フィオナ : 「まあ、それもそうか」 と言ってリズンナさんのほうに近づきつつ、自身の装備を確認します。
ヴィクター : 「おーい、リズンナ?」 と声をかけながら目の前で手を振ります。反応はあるかな?
エルヴィン : エルヴィンは、とりあえず周囲に誰かこないか、何か異変がないかを確認します。眠る前の記憶が確かなら、「夢にも追ってくる」可能性もあるんで。
ST : 反応はない。彼女の見開かれた眼にあなたの手がうつるだろう。
フィオナ : 現状不明な点。
①武器や防具などの装備品は持ってきているのか、こちらでも使えるのか?
②ここでの時間の経過は、現実世界と同じなのか?
エルヴィン : 起きたらもう3日たってた! とかありそうね~。
ヴィクター : 浦島さんにならないよう気をつけなきゃ……。
ST : 装備だが、眠る前に持っていたものがそのままある。使えそうだよ。
周囲に異変はないようだ。誰かが来るような気配もない。
リズンナはなにかを待つように、ただ月を見つめている。
フィオナ : 「武器を持っているなら今のうちに取り出しておけ。実際に使えるかはまだわからんが」 と言って自分は杖を握りなおしておきます。
ヴィクター : 「む……」 と言いながらぐっぱーぐっぱ—と手をにぎにぎ。身体が動くならヴィクターは十分です。
エルヴィン : 「とりあえず、彼女を守るにせよ近づいたほうがいいよね?」 といい、花畑をあまり荒さないように注意深くあるいて、彼女の隣にむかいます。わしゃわっしゃ。
フィオナ : エルヴィンさんは確か銃を持ってきてましたね?
エルヴィン : 銃はもう……ないのだ……。今は亡きパディに渡してしまったから……。(?)
フィオナ : 今は亡き。(笑)
ヴィクター : 悲しい……。
フィオナ : 了解です。花の丈の高さにもよりますが、敵からの狙撃とかありそうですね
リズンナさんの体を動かすことができるなら、姿勢を低くさせて目立たなくしたほうがいいかもしれません。
相手の魔術師が銃を使う可能性は高くなさそうではありますが……。
ST : 彼女の隣に立つと、気づくことがある。
エルヴィン : ピコーン! 何でしょう。
ST : 地平線の向こうが、少し明るい。
エルヴィン : (夜明け?) それは、夜が明ける太陽のような光なのでしょうか? それともまた別のイメージ?
ST : 先程まではまったくの闇だったはずの果てが、わずかに薄青く染まりはじめている。
まさに夜明けです。
太陽がのぼる直前の、あの色に違いありません。
フィオナ : 「彼女をここに置いておくわけにもいかんが、動かしてもいいものだろうか……?」 と思案中。
ヴィクター : 「おいおい、太陽…だよな、このままじゃまずいんじゃないか……?」 夢だと大丈夫なのだろうか?
ST : 彼女は夜明けの光を見ても動じることなく、その場に立っています。
エルヴィン : リズンナちゃんの手をとり、声をかけます。 「リズンナちゃん……夜明けは恐ろしいものでは、ないのかな?」 と。
ST : 彼女は応えない。
フィオナ : ヴィクターさんの声でようやく太陽に気付きます。 「まずいな。どこか隠れられる場所はないか」 と周囲を見回します、
ST : 辺りには山も壁も家もなく、ただただ花畑が広がるばかり。
少しずつ、空の端が明るくなっていく。薄青から、緑、そして黄色へ。
……さあ、どうする?
フィオナ : 「全員、私の影に隠れろ! 私ならしばらくは持ちこたえられる」 と咄嗟に指示します。
……頑健持ちなので太陽光にもいくらかは持ちこたえられたはず。
隠れている間に何か見つかるか、ここの陽光が無害であることが判明すれば大丈夫。
エルヴィン : 「まぁ、フィオナさんとヴィクターさんは伏せて? ぼくはこの光を少し『受けて』みる……リズンナちゃんを一人にしておく訳にはいかないし、女性を盾にするのはねぇ」 と。
必用ならヴィクターさんなら大穴も掘れるんじゃないかな。
フィオナ : 「……わかった。だが一応、ヴィクターとリズンナには私の影に入ってもらう」 実はこちらもこの陽光を受けて確認してみたかったので。
ヴィクター : 「わかった、そうさせてもらう……」 できればリズンナを抱えて影に入りたい……リズンナは抵抗するだろうか?
ST : 彼女は抵抗しない。あなたに抱えられるままでいる。抱えられながら、眼を見開いたまま月を見上げている。 人形のようではあるが、その肌の感触は柔らかい。
ヴィクター : それではパパっと抱きかかえて影に入ります、よいしょ。
エルヴィン : 「ぼくなら小さいしいざとなったら花畑に伏せるだけで結構大丈夫だと思うからさ」 五体投地エルヴィンの完成である。
ST : 空が、明るんでいく。
それは、ヴィクターさん、あなたにとって、ひどく久しぶりに見る夜明けだろう。
やがて、空の端に、きらりと黄金の光が見えた。
ヴィクター : (ああ、やっぱり朝日は綺麗だ……) なんてのをぼんやりと思いながらいます。
ST : あなたは気づく。その光は眩しいが、あなたの身を焼くほど眩しくはない。
ただただ静かに、美しく、夜が明けていく。
フィオナさん、エルヴィンくん、あなたたちにとって、きっとその光は、遠い昔に見たきりのものだろう。
ヴィクター : 「綺麗だな」 と、ぽつり呟きます。
フィオナ : 「まさか、この身で人間たちのように陽光を浴びることになろうとはな。夢というのはつくづく面白いものだ」
エルヴィン : 「……久しぶりに見た夜明け。だね。あぁ、でもこれは『太陽の光』じゃないみたいだ。夢だからかな? それとも……これも『予言』かな?」
エルヴィンは自分の予知を思い出しつつ…… 夢だからかな、と判断します。
ST : ヴィクターさん、あなたの腕の中で、リズンナが不意に身じろぎをした。
ヴィクター : 「んお? どうした?」 すっとリズンナを開放します。女の子は許可がないときにさわっちゃいかん。
ST : 眼が、さらに大きく開かれる。解放された彼女は、夜明けに向かってまっすぐに手を伸ばし、
……見知らぬことばで、なにごとか呟いた。
そのとき、あなたたちは悟る。
たったいま、あえかな声で呟かれた、それこそが神託。
花が一斉に枯れていく。空が、遠くに見えていた花畑の風景が、書き割りを砕くように崩れていく。
リズンナがくたりと力を失い、眼を閉じた。誰も手を伸ばさなければ、その場に倒れるだろう。
ヴィクター : とっさに抱きかかえます。 「おっと」
エルヴィン : 近くにいるのはヴィクターさんかな? 「ヴィクターさん支えてあげてー!」
「今の、神託? 言葉だった? ぼくはよく聞こえなかったけど……?」 目ぇぱちくり。
ST : では、彼女の柔らかな肌の感触が、あなたに伝わる。あなたの腕の中で、彼女はくたりと力を失い…… 眠っている。
ヴィクター : 「ふう……」 生きていることに安堵し 「よくわからなかったな……あれが神託ってやつなのか?」
ST : 空が崩れ、地面が崩れ、その向こうにあるのは、あなたがたが見慣れている街の風景だ。
エルヴィン : 「リズンナちゃんの『夢の檻』が神託によって開き、これから『夢という名のより現実に近い世界』で、崩壊が始まるのかな? ……神託は一気になされるものじゃなく、少しずつ行われるのかもね」
ST : 健やかな朝の光に包まれた街並みは、あなたがたをも光に包んでいく。
やがて花畑がすべて崩れ去ると、あなたがたは不思議なものを見る。
路地のあいだから、停まった車の中、家々の窓から、眠りから起こされたような表情の人々が── 明らかに夜の眷属とわかる顔をした人々が、不思議そうに光の中へ這い出てくるのを。
フィオナ : 「ヴィクター。彼女が起きるまで背負ってやってくれ。移動する必要もあるだろうからな」
ヴィクター : 「わかった」 背中……は不安が残るので、お姫様抱っこで行こうと思います。
フィオナ : 周囲の光景を見て警戒を深めつつ、血族と思しき者たちの様子を観察します。
ST : みな不思議そうに、光に照らされる己の掌を見ている。
というわけで、まだもうちょっと探索シーンがあるんじゃ。どうする?
エルヴィン : 「……明らかに、吸血鬼が朝の世界に出ている、か。これがゲヘナの第一幕かな? 吸血鬼は夜の制約を失う……力なんかはどうなんだろうね?」
ぞろぞろ出て来た夜の眷属をこっそり眺めてます。
ST : 力がどうなるのかは、見ているだけだと分からないね。血族たちはみな毒気を抜かれたような顔をして、争いをしかけるものはいない。いまのところ。
フィオナ : 電話はつながるのだろうか、と不意に気になり、公子のもとに電話をかけてみます。
「もし、血族としての力も失っているとしたら厄介だ。普段と勝手が違いすぎるからな」 と電話を掛けつつエルヴィンさんに言います。
ST : 電話が現実と同じように動作し、 『お客様のおかけになった電話番号は…… 』 そんなメッセージが流れた。
フィオナ : 「ふむ。ダメか。もし繋がったらどうなるのか少し興味があったのだがな」
エルヴィン : 「逆に吸血鬼の能力をもったままだったらそれも危険だよね、暴動みたいなのがおこるかもしれないし」
フィオナ : 力がそのままなのか確認するため、手っ取り早く自分の二の腕をつねってみます。本来なら頑健があるので出血したりはしないはず。
ST : 血は出ないが、痕ができる。本来は傷ひとつできぬはずのあなたの肌に。弱まってきている、と感じてもよいだろう。
フィオナ : 「ほう。興味深い……」 と痕を見ます。この夢の中での奇妙な現象に、知的好奇心を揺さぶられ通し。
ヴィクター : 「おいおい、痕ができてるぞ……大丈夫なのか?」 あまり痛そうなのはよろしくない。
フィオナ : 「全く問題ない。むしろ面白い」 と答えます。 「とはいえ、面白がってばかりもいられんな。まずはまわりの者たちに聞き込みでもしてみるか?」
エルヴィン : 「んー……神託の前に、ゲヘナに重要なのはケイティフといわれてたけど、逆にケイティフの力が増してるとかあるかもね」 といいつつ、エルヴィンはキョロキョロ……アイスクリームショップがないか探します。
フィオナ : 「では、連中(血族っぽい人たち)に彼らがケイティフなのか確認してみるべきか……」
ST : アイスクリームショップあるよ。人間が列をこさえている。明らかに異様な風体をしたものらが近くにいるのに、彼らは騒いでいない。
フィオナ : 一番近くにいる人(?)の所に近づいていき、 「もし。どうされたのですか?」 と尋ねます。
ST : 「あ、ああ。おまえも血族か?」 きょろきょろしながら、彼はあなたに応じる。
フィオナ : 「ああ。貴殿も血族なのか。先ほどから落ち着かない様子なのはもしかして、太陽の光についてのことか?」
ST : こくんと頷く。 「おまえも今朝、目を覚ましたのか?」
フィオナ : 「ああ(嘘は言っていない)。そうしたらこのありさまだ。ところで私はヴェントルー氏族なのだが、貴殿は?」
ST : 「あー……」 彼はちょっと目をそらす。 「まあいいか、ラソンブラだ。下っ端だから、上のやつらみたいに頭は切れないけどな」
フィオナ : 「ラソンブラ氏族か。まあ、この昼の街では氏族同士でのわだかまりなど関係ないな」 とおそらくサバト関係者である可能性は軽く流しておきます。
ST : 「まあそうだな。やりあう気も起きねえや」
エルヴィン : エルヴィンは 「ここカードつかえますか?」 とカード差し出して、ジャモカコーヒーとラブポーションを購入します。購入できたらそれを食べてみますね。
エルヴィンは「食事できない」吸血鬼だから……吸血鬼力(?)が弱まってるなら食べられるはず!
ST : カードは使えるよ。冷たいそれは、ほんのりと微かに、甘さとよい香りをあなたの舌に伝えてくる。
エルヴィン : 「んーーーすごい! 20年ぶりのアイス! こんな味だったんだ……」 といいながらアイスをもってヴィクターさんの所に戻りながら……。
「たぶんぼくら、もう吸血鬼じゃないよこれ!」 とほぼ確信したみたいに言う。
ヴィクター : 「ふむ……酒があると最高なんだが……」 アイスは良いけどお酒はまた飲みたいところである。
ST : 酒を手に入れるなら、そのへんのグロサリーで売ってるよ。アイスクリームショップにはちょっとない。
ヴィクター : ぐぬぬ……飲みたいけど、リズンナちゃんがいるので我慢我慢。
エルヴィン : 「最初の神託は、全ての血族が吸血鬼としての力を失う……みたいな感じかな?」 アイスを食べ終わって、周囲を見る。
「それにしても、光のある世界に出るとぼくら……こんなにも浮くんだね」
フィオナ : 「ところでこのあたりを歩いているほかの血族に見覚えは? 貴殿の仲間はいるか?」
ST : 「いるよ。ああ…… 一人だけいねえな。新しく入った蚊がいたんだが」 ”蚊” その言葉は、ケイティフを指す蔑称だ。
フィオナ : 「そうか。行方不明者がいるのか」 (ケイティフが不明、か……。おそらくは予言に関係あるのだろうが、まだ何とも言えんな)
エルヴィン : そういえば、さっきの「花畑」では電話通じなかったけど、こっちの「街」ではどうだろう?
「パディとかも力が使えないかな?」 パディに連絡してみます。 この世界にいるのかな。
ST : パディに連絡するなら、しばらくのコール音の後、 「エルヴィン?」 パディの声が電話の向こうから聞こえる。なんだかぷるぷるしてる。
エルヴィン : 「あ、パディ。大丈夫? ……あれ、何か……声の調子おかしいけど、どうしたの?」 この世界ではパディを勝手においていったままなのだろうか?
ST : 「平気なのか? 辺りが明るいんだ。明るいのに、みんな外へ出ていく。こわい」 ぷるぷるしている理由はこわいかららしい。
フィオナ : 「ところで、ここに来た経緯は覚えているか。うまくすれば脱出の方法がわかるかもしれん」
ST : 経緯は、は今話してる血族に向けて聞いてる?
フィオナ : はい。
ST : 「経緯? 来たって、どこにだ?」 男は不思議そうな顔をしている。
フィオナ : ここにきているほかの血族は、どういう理由でいるのか確認しておきたいところ。
エルヴィン : 多分「夢のなかだけど、彼らにとっては現実」だから、こう……「あり得る未来にいる」って感覚だから、彼らは「日常の延長」でこの街にいて、突然吸血鬼じゃなくなったんだと……思う! 予想だけど。 (その確認のための質問だったらごめんね)
フィオナ : 「この場所さ。ここが元居た場所とは違うということはわかっているんだろう?」
ST : 「?」 ってなってるね。
フィオナ : 「寝て目が覚めたらこうなっていたのか? それとも何か儀式でもやったか? 最近妙なものを飲まなかったか?」
ST : 「普通に朝に寝て、眼が覚めたらこうだったんだ。おまえは違うのか?」
エルヴィン : エルヴィンは、パディに 「パディは明るい所ダメなの? ……他の血族も外に出てるけど、大丈夫そうだし。ぼくなんか、アイス食べたよ!」 と報告しつつ……。
「でも、パディがダメだったら無理して外に出ない方がいいかもね? ……元々あんまり外にでないかもだけど」 とかいって 「じゃ、ばいばーい」 一方的に話して切ります。自由!
ST : えるえるくん自由!
フィオナ : 「ああ。私は少し違う。(魔法の薬を)飲んで寝転がっていたら、寝ていたのとは違う場所で目が覚めた。だから、別の世界に飛ばされたのだろうとは容易に予想の着くところではあったのだが……貴殿は違うのか?」
エルヴィン : 「フィオナさん、この『夢』の世界の人はたぶん、『疑似世界で儀式したリズンナちゃんの神託』の影響で『仮のゲヘナ』が訪れている……言うなれば『架空の未来の人』だから、きっと突然、起きたら吸血鬼じゃなくなってたんじゃないかな?」
と……推測だけどいってみる。
という事は、ヴィクターさんも普通の体力だから……リズンナちゃんを長時間背負ってるのは重たい?
ヴィクター : 重さ……? 重さどうだろう……いつもより重く感じる…のだろうか。
ST : ヴィクターさん元から力持ちそうだしなあ。いつもよりちょっと重たいような? くらいかもしれない。
フィオナ : 「異世界転生したら人間だった件」
ヴィクター : やったぜ(ガッツポーズ)案件だ。
エルヴィン : そうそれ! 転生したら人間だった件。 この場合死んでないから……転生じゃなくて、何だっけ。転送?
フィオナ : 転移……?
エルヴィン : 転移、か。なんかこの「異世界転生」と「異世界転移」が、なろう系小説でも別ジャンルらしいから。
ヴィクター : 別ジャンルなんだ……転移チート系が好きだな~。(こなみ)
エルヴィン : トラックにみんなよく轢かれるらしい!
ST : ここは轢かれるだけじゃなく、トラックドライバーが異世界転生する話を作らねば。
エルヴィン : 轢かれた人が異世界転生をし、ひいたトラックドライバーが魔王として異世界転移をする話し?(こじれてきた)
ヴィクター : ややこしや……。
ST : なるほど??
フィオナ : 逆にトラックに転生する話とかどうでしょう?
ST : なるほど??? それは新しいな。
エルヴィン : トラックに轢かれ異世界に転生した俺がトラックになっていた件?
ヴィクター : つよそう。
フィオナ : そしてそのトラックがまた誰かをひき……。
エルヴィン : 新たな異世界転生トラックを……こわい! これホラーだ!
ヴィクター : ガンガン飛ばされてしまう……まきこまれ異世界転移チートごはん物は愛読しております。
ST : むしろ異世界の人間が現代世界に転移してくる話もあったなあ……あれSUKI。
エルヴィン : (などとこの時は言っていたが、後に 「異世界でいすゞのエルフが活躍する話」 が実際に出るとはこの時は知らなかった……)
ST : 「そうなのか。じゃあ、実は違う世界だったりするのか……?」
フィオナ : 「どうもそういうことになりそうだな。とはいえ、特に気にするようなこともないだろう」 とエルヴィンさんの言葉を聞いて納得しつつ、目の前の血族に答えます。
ST : 「ううん……」 彼はぽりぽりと頭を掻きながら、とりあえず家に戻るらしい。
フィオナ : 「協力感謝する」 と最後に言っておきます。
ST : 終末の世界というには、あまりにも穏やかな朝の街。
エルヴィン : 「ただ、その血族さんのいう『入ったばかりの下っ端』がいないのは気になるよね? ……ケイティフが、カギになる。ゲヘナにまつわるノドの書物にはそんな事が書いてあったよね」 と、ちょっと小声で。
フィオナ : 「そうだな。ケイティフだけいないというのは気になる。この後で何か重大な役目を持って現れるのか、単にここにいないだけなのかは不明だがな」
ST : では、そのあたりで一つ知覚単独で判定を。難易度は6。
エルヴィン : お、全員オッケーな判定です?
ST : あ、全員OKです。
エルヴィン : 主語がないえるびん。全員が判定してもOKなやつです?
ST : ノー主語で返答するST。
フィオナ : 2B10>=6 知覚 (ころころ) DiceBot : (2B10>=6) → 2,6 → 成功数1
エルヴィン : 5b10=>6 知覚は5。いっけーいドーン。 (ころころ) DiceBot : (5B10>=6) → 9,4,8,6,5 → 成功数3 イチガナイ!
ヴィクター : 4b10>=6 (ころころ) DiceBot : (4B10>=6) → 5,3,3,10 → 成功数1 ふええ……。
エルヴィン : みんな1がない……これはフラグ……?
ST : では── 一つ気がつくことがある。
朝の街には柔らかな光があふれている、それはいい。
戸惑った顔でふらふら歩く血族たち、それもいい。
それよりも問題なのは、さきほどから聞き込みをしたりアイスを食べたり色々とやっているのに。
太陽の位置が、空の色が、ぴたりと変わらないことだ。
ずっと、終末の朝焼けのまま。
フィオナ : 時計を確認してみます。時間は経過していますか?
エルヴィン : 「? 太陽が止っている……。これってどういう事? 偽物の太陽? それとも、地球が回るのを辞めたやつ?」
ST : 時計を見れば、しっかりと時間は過ぎている。
ヴィクター : 「地球が回るのをやめるってのはありえねえだろ……」 隔離されている、とかか? すっぽり切り取られたような……?
エルヴィン : 「時計がうごいていても、地球の自転が止ってるかはわからないのが難点だね、時計は優秀だから地球が回らなくてもうごくもんね? あ、でも自転がとまると……どうなるんだっけ?」 地球宇宙分野は詳しくないエルヴィン。 自転がなくなると、重力もなくなるからみんな外にはじき出される?
フィオナ : 「気味が悪いな。今のところ肉体に悪影響がないのは不幸中の幸いだが、あまり屋外に長居したくはないな」
「自転が急に止まると慣性で地上のものが吹き飛ぶと聞いたことはあるが……。ここは夢の中だからな」 と困った顔で言います。
「とりあえずは移動手段を確保しておこう。それでどこに行けるかはわからんが、あるに越したことはないだろう」
エルヴィン : 「フツーにTAXI呼んでみる? そういえば人間さんは、フツー通りというか……ちょっと胡散臭いぼくらを見てもあんまり焦ったり、慌てたりしないね」
フィオナ : 車をレンタルするべきか、タクシーを呼ぶか、教団か下水道入り口まで戻って車を確保するか。
エルヴィン : TAXIで、運転手さん……人間にもヘンな事がないか情報をあつめたりしてもいいかも? こう、血族が吸血鬼っぽさなくなったのは把握したけど、人間はどうなのかなってのある~。
フィオナ : 「そうだな。教団や下水入り口まで車を取りに行くにせよ、そこまでの足は必要だからな」 とタクシーを呼ぶことに同意します。
「確かに人間たちの反応も奇妙だ。タクシーを呼んだら、運転手に話を聞いてみるか」
ヴィクター : 「同感だ」 タクシー呼ぼうぜヘイタクシー。
エルヴィン : 以前聞いた威勢のいいTAXIの番号に電話してみます。寝てたら別の人でもいいか。
「テレビとかラジオとかも聞いてみたいね、TAXIでどこにいこうか……フィオナさんの教団?」
ST : TAXIを呼ぶとすんなり来てくれる。 「よう、今度はどうした?」
エルヴィン : (はやい……)
フィオナ : 「そうだな。教団に電話をかけてみて車を確保できそうなら教団に、駄目なら確認もかねて下水入り口にでも行ってみようと思うが、どうだろうか?」
ヴィクター : 「ああ……それでいいぜ」 と同意しまする。
フィオナ : では、運転手さんには少し待ってもらって、まず教団のほうに電話をかけてみます。
ST : 教団に電話をかけると…… 「フィオナ?」 なんと、ジョナサンが電話に出る。
フィオナ : 「ジョナサンか。そちらに動かせる車両はあるか。あるならばいつでも出せるように待機させておいてくれ」
「それと一応確認するが、今、教団に私が向かっても問題はないな?」
ST : 「分かった。 …… 無事でよかった。皆、帰りを待っている。いま、どこに?」
フィオナ : 「今は街の中だ。そちらも陽が出ている中で血族らしきものたちが歩き回っているのだろう? 我らもそういった血族と話をしていたところだ。今からそちらに向かうから待機していてくれ」
ST : 「分かった」
TAXIは待機していてくれている。メーター上がるけどな。
フィオナ : ではいったん電話を切って 「教団本部に行こう。あちらは問題ないようだ」
エルヴィン : 「TAXIはどうする? 教団の車がきたら追っかけてもらおうか? それとも帰らせちゃう?」 TAXIのおっちゃんスマヌ。
フィオナ : 「それはあちらについて、状況をこの目で確認してから決めよう」 と言ってタクシーに乗り込みます。あまり待たせるのも悪いので。
ST : 「よう、来たな。で、どこへ?」
窓に腕をかけて電子煙草をふかしていたおっちゃんが、煙草をしまってあなたたちに聞く。
フィオナ : 「ここに頼む」 と言ってスマホの画面のマップを見せます。
エルヴィン : ついでにちょっと話を。昨日と今朝とで何か変わった事がなかったかとか、そういう「人間視点」の変化を聞いておきます。
ヴィクターさん、フィオナさん、リズンナちゃん、エルヴィン。ふたり子供だから乗れるよね!
ST : 「ラジャー」 特有の甘い匂いが、微かに周囲に漂う。一台で全員乗れるよ。ちょっと 「ムキュッ」てなるかもしれないけど。
フィオナ : ジョナサンは問題ないとして、普通の人間である教団員がこの世界ではどういった反応を示すか不明なので、一応、タクシーもキープしておきたいところ。
エルヴィン : すぐこの変化に気付いてるのかどうなのか……わかんないですしね。
フィオナ : そしてそもそも、この世界の人間があちらの世界の人間と同じなのかどうかも不明。
明らかに怪しい風体の連中が闊歩しているのにまるで気にも留めない当たり、こちらの人間は向こうとは何か違うのかもしれない。
エルヴィン : ゲヘナがきてからこう、知らずに「価値観そのもの」がズレてる場合もありますしね。
フィオナ : その「価値観のズレ」によって彼らがどう行動するのか、想像できないのが怖いところです
ST : TAXIは朝の光の中を走り出す。
「変わったこと? そうだなあ……」
TAXIを走らせながら、おっちゃん考える。
「特にないな。ああ、ここんとこ欠かさなかった朝飯を抜いたことくらいかね」 と、冗談めかして言う。
フィオナ : (やはり、街の異常をまるで認識していないのか)
エルヴィン : 「そっかー……ところで、今日はずーっと朝だね!」 と、ちょっと太陽についてふってみよう。どう考えてるんだろう?
ST : 「ん? ああ」
「終末だからな。 ん? 終末ってなんだ?」 自分で言って不思議そうにしている。
フィオナ : 「終末は終末だろう?」 と適当に流します。 「ところで、これから何が起こるかとか、知っていることはないか?」
(この質問、さっきの血族にもしておいたほうが良かったかもしれんな) と少し後悔。
ヴィクター : (終末……週末とかじゃなくてか……?)
ST : 「何か起こるのかい? そら、もうすぐ着くぞ」
フィオナ : 「そうか。まあ、さすがに先のことまではわからないか。祭りか何かあったら面白いのだがな」 と言ってごまかします。
ST : TAXIは教団に着く。駐車場には一台の車が停まっており、車内には運転手がいる。
エルヴィン : (教団の車に乗ってる)運転手さん、フィオナさんの見覚えがあるひと?
ST : 教団の運転手だね。フィオナさんの知っている顔だ。
フィオナ : ではタクシーから降り 「少しの間待ってもらってもかまわないか?」 と運転手さんに言います。料金はしっかり払います。
ST : 「おう、勿論」 TAXIは待っててくれる。
フィオナ : 降りてからジョナサンを電話でこちらに呼び出します。
「私の部屋に置いてある拳銃とナイフを持って、こちらに来てくれ」 と付け加えておきます。
ST : 言われたとおりの装備で彼は出てくる。どこか不安そうな顔をしているね。
フィオナ : 能力が人間並みになっている以上、武器と防具は必須。
エルヴィン : 相手(敵)もそうなっていてくれると有り難いんだけどなぁ。
フィオナ : あっちだけ血族並みだったら、時間切れまで逃げ回るのが得策ですね。
ヴィクター : ひええ……逃げるのは得意でない。いつもの力が使えないと持久力も減ってそうですねえ……。
エルヴィン : 回復もできないよぉ……でも、逆に吸血鬼の弱点がこっちにはない、という強みがあるから……火とかはつかえる! (?)
フィオナ : 「よく来たジョナサン。そなたも現在の異常な状況には気づいているのだろう?」
ST : 「ああ。……違和感を持っているのは、俺だけらしい」
フィオナ : 「やはり。人間の教団員たちは何も不思議がってはいないのだろう。自分の配下に対してこんな言葉を使うのは不快ではあるが、はなはだ不気味だ」
ST : 「あんたには、異常はないか?」
フィオナ : 「異常ならあるぞ。日に当たっても火傷すら負わない」 と言ってから、ジョナサンの耳元に小声で 「それと、血族としての能力がなくなっていることも確認できている」
「実に厄介だ。この件については口外無用。わかるな」
ST : 「……あんたとの繋がりを、感じにくくなってきているんだ。心細くて堪らない」 ぽつりと心情を漏らして、それから真剣な顔で頷いた。
フィオナ : 「案ずるな。この一件を解決すれば、何の問題もない」
ST : 「ああ、そうだな。 ……すまない、弱音を吐いた」
フィオナ : とりあえず、異変が進展するまではこのまま教団内で待機しましょうか? それとも、下水道を調べに行くべきか。
ヴィクター : 下水道を調べたいところですが、不用意に動き回るのは避けるべきか……な?
エルヴィン : エルヴィンは、ちょっとニュースとかで暴動とかおこってないか調べておくかな。ケイティフたちの行動が気になる……。
フィオナ : 確かに。動き回ると隙ができますからね。敵に付け込まれる可能性も上がります……となると、しばらくは教団で待機ですね。
ST :終末の朝に放り出された吸血鬼たち。
不気味な予感だけを孕みながら、世界は穏やかに。
……本日はここまで。
エルヴィン : お疲れ様でした!