>> 第七話 / そして誰もが敵となった






 一つの平穏が潰え、一つの絶望が始まる。
 だが暗澹とした絶望の中に、僅かな光が灯ろうとしていた。
 それは可能性の光。
 そして希望の光。

 その光は果たして、寄り添い生きる二人の姉妹を救う事が出来るのだろうか。
 それとも……。




ヴィクター : こんばんはー。


ST : こんばんは! では皆さん全員問題なければ始めますぞ~


ヴィクター : はーい。


エルヴィン : OKでーす!


フィオナ : お願いします。




 
【TAXI~エルヴィン邸にて】




ST : 巫女は謳う。神託は語られる。

 神託は一夜の夢に消えるか、世界は一夜の夢と消えるか。

 ──
 朝焼けの気配も近い闇の中を、あなたがたは行く。

 シークレットダイス(ころころ)



ヴィクター 
: 謎ダイス!


フィオナ : さっそくシークレットダイス。



ST : 移動中は平穏なものだ。道をゆく酔っ払いや些末な喧嘩、若者の他愛ない叫び声などはあっても、襲撃されることはない。

 別行動ということで、まずエルヴィンくんから処理しようか。
 二台のTAXIは途中で別れ、エルヴィンくんとパディを乗せたTAXIは君の家へ向かう。

 ヴィクターさんと別れてパディと二人なら、パディは端末を君に返そうとするけど、受け取る?


エルヴィン : いや、パディにもっててもらいます。

 「ぼくは使わないからもってなよ」 と、 「あ、でも変なアプリとかいれたらダメだからね? そういうの監視できるよう別のパソコンと連携してるから」 といって笑います。


ST : 「えっ? い、いや、入れないが」 ふるふると首を振る。

 パディはTAXIの中で扉に隠れるようにして縮こまっている。
 そうこうしているうちにTAXIは家へ着くだろう。


エルヴィン : 「とにかく、一応もってなよ。メールとかも出せるから、もしパディに何かあったら連絡が出来るし……一応、君のことも大事に思ってるんだよー、ぼくは」

 とキラキラした目でいいつつ……。家に戻ったら、もう寝ちゃいそうな時間ですかね?


ST : どう受け取っていいのか困っているような視線を返しながら、パディはあなたの言葉にもごもごしている。

 少し話して寝るくらいの時間かな。話さずにスッと寝てもよい。



エルヴィン : うーん……。

 「リアニさんが、夢の世界で神託を行えばそれは無効になるということ」
 「だから、それが出来る魔法使いを手配してほしいこと」
 「リアニさんの所に、あやしいサバト? の吸血鬼がきたこと」


 このへんは、ぼくよりフィオナさんが伝えた方がいいのかな? ぼくはこう……信用ひくそう!


フィオナ : エルヴィンさんから報告しても問題ないとは思いますが……。では、こちらから伝えておきます


エルヴィン : よろしくですー。


フィオナ 
: 了解しました。



エルヴィン : 「パディはお客様用のベッドを準備したから休むといいよ」 と、パディに休むようにつたえて……。

 パディが端末に悪いメールをおくってないか、密かに連携してるパソコンでチェックしておきます。

 (パディには悪いけど、元サバトだからサバトの父には逆らえないだろうし……念のため、あやしい通信してないか確認しないとね) って感じです。


ST : なるほど。じゃあ連携がうまくいっているかどうか、一度だけ知性+コンピューター難易度6してもらおうかな。毎回はいらない。


エルヴィン : 6b10=>6 知性が4、コンピューターが2。  パソコンの設定はちゃんとうまくいってるかな~? (ころころ) DiceBot : (6B10>=6) → 6,1,1,3,6,9 → 成功数3 成功1です。ぎりぎり?



ヴィクター : んん~?


フィオナ : 1が2つとは



ST : なんというぎりぎり。まあ連携はうまくいっていそうに見える。特段怪しげな通信はないね。


エルヴィン : 「よし、大丈夫そうだから……明日にそなえて寝よう!」

 ぼすんとベッドに入ると、それにあわせてネコたちがにゃーにゃー入ってくる。みんな夜行性だから夜は一緒に寝るのだ……ってあたりで、エルヴィンはターンエンドかな?


ST : そうですな。スヤァ……




 【教団にて】




ST : 一方、教団組も無事に教団へ到着していた。

 ジョナサンがフィオナさんを介助しながら、さりげなくリズンナを周囲から隠すように立ち、レナもそれに従う。
 戻ったフィオナさんを教団員たちが出迎えるだろう。


フィオナ : 「留守の間、ご苦労」 と信者たちをねぎらいつつ、レナさんとリズンナさんを部屋に案内します。



エルヴィン : 護衛のヴィクターさんはどこに寝るのかな……教団の中ならこう、少し部屋が離れて出入り口の近くとかかな?


フィオナ : レナさん、リズンナさんの部屋は一緒にしておいたほうがよさそうですね。あと、場所は駐車場に近く、いざという時に速やかに脱出できる場所にしようと思います。

 ヴィクターさんは、お二人の部屋の近くで護衛してもらうのが良いかと思います。たとえ、施設への侵入を許しても、二人さえ無事ならば相手の目標は達成できませんから


ヴィクター : (できれば一緒の部屋にいたいところですが) お部屋近いとこがいいですな……。



ST
 : 「ご無事でなによりです、我らが教祖」 教団員たちはそろって頭を垂れる。レナはその様子にどうにも座りが悪そうな顔をしている。


フィオナ : 「留守中、何か変わったことは?」 と一応聞いておきます。


ST : 「孤児院の女が寄付を求めに訪ねてきました。我が教団と関係の深い院で、不審な様子は無し。その他はございません」


フィオナ : 「よろしい。寄付の件はいつも通りに。以後も何かあれば速やかに、私かジョナサンに報告するように」


ST : 「分かりました」 教団員が表情も変えずに承諾する様子が、青年があなたの右腕として教団に定着しつつあるのを感じさせる。


フィオナ : 教団員に指示してから、レナさんとリズンナさんを部屋に案内します。駐車場に近く、かつ、外から直接侵入されない部屋に二人で入ってもらい、その隣にはヴィクターさんに入ってもらいます。


ST : レナは疲れたようにはぁ、っと長い息をつき、リズンナの手をとって部屋へ向かう。


ヴィクター : (さすがに女性の部屋には入らせてもらえないか……) ちぇーっ。


フィオナ
 : 「ヴィクター。二人のことは頼んだぞ」


ST : 教団員向けの寝室があるね。いくつか並んでいるから、隣の部屋にヴィクターさんを置くこともできる。


ヴィクター : 「応。任された」 と目の前で拳をこう……ぱしっとうち、ニッコリ答えます。夜這い(夜?)はしないから大丈夫だぜ!


ST  「少しは頼りにしてるよ」 と、部屋に向かうレナから一言。


フィオナ : ヴィクターさんたちと別れる前、人間の教団員が全員去ったのを確認してから、公子に連絡を入れます。

 一応、吸血鬼全員とジョナサンが聞いている前で報告を行っておきます。報告内容を捻じ曲げていない、ということを見せる目的で


ST : なるほど。ヴィクターさんやレナたちはそこにいる状況、ということですな?


フィオナ : はい。


ST : では、

 ……。
 …………。

 妙に長い間のあと、電話がつながる。

 「フィオナ?」
 公子の声だ。


フィオナ : 「はい。フィオナ・フィッツジェラルドでございます。報告がこのような時間になってしまったことをお許しください」


ST : 「いえ、構いません。報告をどうぞ、できれば手短に」


フィオナ : 「はい。それでは」 とヴィクターさんたちのほうを一度見てから報告を始めます。

 「さきほど、リアニ氏を訪問した際、ケイティフ二人の命を救う方法について聞くことが出来ました。そして、案の定というべきでしょうか、サバトの襲撃があり、彼奴らがこちらの妨害のために広範囲を探っていることがわかりました」

 「ケイティフの命を救う手段なのですが、これは神託を夢の中で行わせ、無効化するというものだとのことです。つきましては、そのために優れた魔法使いの助力が必要となります」

 「再び、あの方にお助けしていただくことは可能でしょうか?」



ST : 「夢、 ……そうか。聞けば呆気ないものですが、あなたがたと彼の関係があってこそ、その言葉を聞きだせたのでしょう」

 「分かりました、手配しましょう。そして、フィオナ」
 「こちらからも、悪い報せが一つあります」



フィオナ : 「はい」 心して聞きます。


ST : すう、と彼が息を吸うのが、微かに聞こえた。

 ルミノサが、カマリリャの、……公子としての責務を果たすため、僕の代理として動き出しました
 「僕は個人として、かの魔法使いに連絡を取ります。ですが、それ以後の助力は困難です。また、事が解決するまで、以後の報告も不要です」




エルヴィン : 公子さまとルミノサの関係ってどういう感じなんだろうな。ルミノサは、公子さまを少なからず思ってるのかしらん?

 「愛しいフランヴァールが苦悩している、公子である彼が、自分の版図でサバトをのさばらせゲヘナに至る事になったら、彼は全てをうしなう。そうなるくらいなら、私が責務を果たす」

 みたいな感じなのか。それとも。

 「フランヴァールのばか! いくじなし! それでも公子か! いいわ、私がやる!」 って感じなのか……。



フィオナ : 「……かしこまりました。ルミノサ殿はどのような展望をお持ちなのでしょうか?」 一応確認します。彼女の行動次第では、そちらにも警戒しないといけませんので。



ST : 「彼女は巫女を抹殺するつもりでいます。それが、最も確実な手段だからです」

 ここで聞き耳…… もとい。知覚+警戒難易度6。フィオナさんだけね。


フィオナ : 「……!」 動揺して思わず声を発しそうになるのを抑えます。リアニ氏から授けられた計画が失敗した場合の自分の行動予定と一致しているので。

 2b10>=6 知覚+警戒 さて、どうなる (ころころ)DiceBot : (2B10>=6) → 2,4 → 成功数0(失敗!) やったぜ!


ST : オップ。じゃあ特に何もわからないね。あなたが咄嗟に声を抑えた直後、向こうでも沈黙が落ちる。 「……」


フィオナ  (そういえば、ルミノサ殿がおられないな。いつもはまず彼女が電話を取るはずだが……)



エルヴィン : (ルミノサさんが敵……つよそう……)


フィオナ : ルミノサさんが公子の後ろにいて会話を聞いている可能性もありそうですね? だとすると、場所を言うのはまずい


ヴィクター : 「あらあなた、失敗なさっていましてよ?」


エルヴィン : リズンナちゃんを奪還したいカーチス、そして、リズンナちゃんを抹殺したいルミノサ……か。今の所、「リズンナちゃんが鍵」と明確に知ってるのは……誰なんだろう? カーチスは気付いてそうだけど。



ST : 「……武運を、フィオナ。あなた方に任せることを心苦しく思いますが、よい結果とならんことを」

 彼はそれだけ言うと、あなたが止めなければ通話を切ってしまう。


フィオナ : では、最後に魔法使い氏にはエルヴィンさんに連絡を入れてもらい、そこで彼に直接場所を伝える旨、言っておきます。


ST : では、それだけ伝えることができた。


フィオナ
 : 通話終了後、全員に向き直って言います。 「諸君。カマリリャが敵に回ったぞ」


ST : 「は? どういうことなんだい」 真っ先に声を上げるのはレナだ。



エルヴィン
 : ウォォン、フィオナさんもカマリリャで最終的な判断は同じなのにほんと巻き込んだ感じで申し訳ないワン……。(これはあんまり反省してないマルカヴ)


フィオナ : 捉えようによっては、ルミノサさんの手の者(ただし、リアニ氏の策の失敗後)が入り込んでいるとも言えます。


エルヴィン : ワオーン……。



フィオナ : 「正確に言えば、公子閣下は貴殿らの味方だが、今現在この版図は公子閣下の代理の指揮下にある。彼女は巫女を抹殺するつもりだ。無論、私は彼女に協力しない。貴殿らに、リアニ氏に教えていただいた策が失敗するまでは協力する約束をしたからな」


ST : 「その代理ってヤツが、リズンナを殺そうとしてるってわけかい」 舌打ちひとつ。 「四面楚歌じゃないか、文字通り」


ヴィクター : 「なんか打開策はねえのか?」


フィオナ : 我らが速やかに事態を正常化させる以外にないな。我らがこの場所にいることは公子閣下には伝えていない。よって、たとえ閣下が代理の監視下にあったとしても、我らの現在地は露顕してはいない。ある程度絞り込まれているとは思うがな。それと、魔法使い殿の助力については、公子閣下が約束してくださった。後日、エルヴィンに彼から連絡があるだろう」

 「今はここで休むことだ。そして、日没と同時に、即座に場所を移動する」



ST : 「待ちってやつか、落ち着かないね……」


フィオナ : 「今から夜明けまでの時間では、代理であるルミノサ殿やその配下も活動できまい。そう焦ることはないだろう」


ST : 「ふん、そうだね。昼に出歩けやしないことは、思い知ってるさ……」 自分の手を見ながら、レナはどこか、悔しそうだ。



エルヴィン : フィオナさんはルミノサさんと接触できればあるていどわかり合えそうだけど……なんかこう、ルミノサさんって結構やり手感あるから、容赦なく「疑わしきは滅する」とかしそうなんだよなぁ。有り体にいって、「誤チェストでごわす」


フィオナ : 薩摩怖い。衛府の七忍的なことにならないよう、速やかにこの一件を解決させたいところ。


エルヴィン : やばい方法で処断されてしまう……。



フィオナ : 会話しつつ、今日の日没の時刻を調べておきます。


ST : 了解。具体的な値は省略するけど、日没の時刻を調べることができた。


フィオナ : では、解散前に日没の時間を伝え、その時刻が来たら、即、ここを出ると言っておきます。


ST : なるほど、了解。


ヴィクター : 「んじゃ、とっとと寝ようぜ。何をするにも体力がいる。ちょっとでも回復しねえとな」 大きくあくびをしながら答えます。


ST : ジョナサンはフィオナさんの部屋の隣とかかな? それとも同じ部屋?


フィオナ : 今回のみ、連絡のスムーズさを考えて同室とします。教団の風紀的には問題ですが、緊急時における特例処置ということで。


ST : 了解。彼はあなたから何かあれば駆けつけられるほどの距離を取り、眠りにつく。

 では、そんなこんなで全員眠りについた……。

 全員眠りについた、真夜中、ならぬ真昼。
 ヴィクターさん、知覚+警戒難易度4鋭い感覚補正は織り込み済みです。


ヴィクター : 知覚が4、警戒が3の合計7で判定で判定…… 7b10>=4 (ころころ) DiceBot : (7B10>=4) → 3,4,6,2,9,1,1 → 成功数3(成功数1) んんっ、ギリギリ。


ST : また1が多いな!?



フィオナ : また、1が2つも……。


ST
 : なんだこのイチメデール乱舞!?


ヴィクター 
: イチニデメーエル。



ST : では、眠りに落ちていたあなたは不意に、隣の部屋から聞こえた物音に気付いた。

 起きる? 起きない?


ヴィクター : 起きますむくり。 「んが……?」



フィオナ : 外部からの侵入ではなさそうですね。ヴィクターさんの隣の部屋となると、レナさん、リズンナさんの部屋? 何にせよ、急いで駆け付けたほうがよさそうです。



ST : では、起きたところでいつもの<悪夢を見る>の意志力判定。難易度7ですな。


ヴィクター : 意志力が5で判定……。 5b10>=7 (ころころ) DiceBot : (5B10>=7) → 6,1,4,3,4 → 成功数0(!大失敗!) あああああああ!



フィオナ : oh……! ヴィクターさんが悪夢で叫んでくれれば、こちらも気づけるかも?


エルヴィン : 大失敗のタイミングがあまりにも大失敗!



ST : 大☆失☆敗 ってやつでは? 


ヴィクター : ✝悪夢の中にいる✝


ST : それは恐ろしいというイメージだった。

 あなたが見ていたのは、眠るあなたの顔を誰かがのぞき込む夢だった。
 それだけだ。それが、どうしようもなく恐ろしい。恐ろしい理由はわからないが、ひたすらに恐ろしい。
 あなたは物音を耳にして起きた、ような気がする。己があいまいで、あやふやになっている。きちんと両足で立てているだろうか? 自分はどこにいて、どこで目覚めた?

 物音の源を確かめるか?



フィオナ : 大失敗さんマジ大失敗。


ヴィクター : ポンコツヴィクター。


ST : 神がかったタイミングの大失敗だなと思いました。



ヴィクター
 : (当た真ん中がフワフワしてる…これは夢か、それとも現実か……?) ふと、物音が鳴った気がしたので、その原因を確かめます。


謎の声 : ブーーーーーンとどこから時計の音が聞こえてくる……。


ヴィクター : (とけい…?) 音の咆哮へ進もうとします。


ST
 : 低く唸るような時計の音のなか、靄に包まれたような空間の中に、扉がひとつある……。



エルヴィン
 : 謎の時計の音をすり込ませる夢野久作クラスタ。←謎の声の正体


ST : いいぞ。これはクトゥルフだったのか…?



ヴィクター : 「とびら……?」 すっと手を伸ばして……開くでしょうか?


ST : 問題なく開く。扉の向こうには、超然としたたたずまいのひとりの少女が立っている。あなたはその少女を見て、あなたを覗き込んでいた人影の、あの途方もない恐怖を覚える

 少女はそろりとあなたに近寄ってくる。


ヴィクター : 目で彼女をとらえたまま、 「う……っ」 と思わずあとずさりします……できれば逃げてしまいたい。


ST : 少女は深いうろのような眼であなたを見ながら、近寄ってくる。あとずさりすることもできるし、逃げてもよい。


ヴィクター : では逃げます 「くるな……くるなーっ!」 と叫びながらすたこらさ……。


ST : シークレットダイス(ころころ)


フィオナ : (シークレットダイス……なんだろう?)


ST : 少女の背後でもうひとつの人影が立ち上がり、あなたと少女を追いかけてくる。

 その物音にフィオナさんが気づくかどうかは…… 知覚+警戒難易度7。 >フィオナさん


フィオナ
 : 2b10>=7 知覚+警戒 ファンブルかな? (ころころ) DiceBot : (2B10>=7) → 8,3 → 成功数1 おや?



ヴィクター : ヒューッ!


エルヴィン : (成功した方が不思議がってる)



ST : おや成功だ。なら気づく。ヴィクターさんの叫び声が聞こえる。


フィオナ : 飛び起きてジョナサンを起こします。 「ヴィクターの叫び声だ。何かあったに違いない。いくぞ」


ST : ジョナサンは起こされるとすぐに飛び起きる。

 全員で部屋に向かうと、……ジョナサンが扉を開けた瞬間に、飛び出してきたヴィクターさんとぶつかった。

 ゴツン。
 そこでヴィクターさんもようやく夢から覚めていい。


フィオナ : 「何があったヴィクター? 説明してくれ」


ヴィクター : 「ぐえ」 …………???? 


フィオナ : ジョナサンにはレナさんとリズンナさんの部屋をノックして確認するよう指示します


ヴィクター : 「フィオナか……? おとがして、おそろしいものを、みた……なにかは…………わからない。どうしてこうなっているのか、これは、夢か?」 頭ぐーるぐる。


フィオナ
 : 「どうしたヴィクター? 敵に何かされたのか?」


ST : ジョナサンは頷き、ヴィクターさんの横をすり抜ける。フィオナさん、ちょうどレナとリズンナが部屋に戻っていくのをヴィクターさんの横から見るね。


フィオナ : ヴィクターさんの悪夢のことを知らないので敵襲を警戒。ヴィクターさんが敵にナニカサレタヨウダと思っています。


ヴィクター : 「わからねえ……わからないんだ……目が、覚めたら夢にいるような……現実のような……」



ST : 無理もないオブ無理もない。


エルヴィン : 悪夢を見た時に急に起きると、ちょっと夢にひきずられる時ってあるよね? ない? ……ない?


ヴィクター
 : ある……現実か夢なのか……蝶なのかちがうのか……系のアレ……。


フィオナ : リアルな夢のときとか結構、そうなりますね。


ST : ある~~~。


エルヴィン
 : 起きて「やべ、学校いかなきゃ」とかなる事あるんだ……おじさんもう学生じゃないだろって!


ST : そういえば学校系の夢は見たことないなぁ。


ヴィクター : いまだにある……。 「学校…………会社でござった」


フィオナ
 : しかも、夢の中で目が覚めるんですが、決まってその時間が昼近くで 「やばい。遅刻する」 になったり。


エルヴィン : (あるねぇ……)


ST : 夢の中ってなんかしらうまくいかないこと多いですよね。



フィオナ : 「そちらは無事か?」 とレナさん、リズンナさんに確認します。 「ヴィクター。とりあえず、貴殿はどこかで横になれ」


ヴィクター : 「フィオナ…おまえは、敵か? 味方か……?」 なんとなく、聞いておかないと不安になったのでフィオナさんに聞きます。


フィオナ : 「貴殿が血族の義務を果たす限りは味方だ。……つまり、今現在は間違いなく味方だ」


ST : 無事か? と問うと、レナから 「ああ」 と返ってくるよ。


ヴィクター : 「ああ、そうか……よかった……」 といって少し休みますね。よかった、味方だった。


フィオナ : では、レナさんたちが無事であると確認できたので 「悪いが、昼の間、ヴィクターと同室にしてもらえないか? この男がどういうわけか心身に変調をきたしているようでな」


ST : 「いいよ」 と、レナ。


フィオナ : 「一人にしておくのはまずい。しかし、そちらの安全のためには、ヴィクターが近くにいるべき。やむなくの判断だ。すまんな」


ST
 : 「構わないよ。十分な待遇さ」

 「リズンナが欲しがってるから、そろそろ出てもらっていいかい?」 レナがジョナサンに何か言っているのが聞こえる。

 (ジョナサン)「何をだ」
 (レナ)「さ」


フィオナ : 「そうか。では、ヴィクターを頼むぞ」 と言ってからヴィクターさんに向き直り 「そういうわけで、貴殿は彼女たちの部屋に移ってくれ」 と言います。


ヴィクター : 「……わかった」 といってスゴスゴいどうします。


ST : 「ああ、ちょっと待ってくれ。終わってからでもいいかい? と、レナ。


フィオナ : 「血が必要か。わかった」


ST : 「ああ。いつもあたしがやってるんだけどね、ここ最近バタバタしてたからさ……」


フィオナ 
: 「いつもは貴女が彼女の所に人間を連れてきていたのか?」 と聞きます。


ST : 「いや。あたしが吸って、リズンナにやってるんだ」


フィオナ : 「貴女の血をか? それは……」


ST : 「リズンナにそんなことさせたくないって、勝手な気持ちだけどね……。 でも、そうしてると、なんだかほっとするんだ……」

 フィオナ、あなたならその行為が何をもたらすか分かる。
 常習的に血族が他の血族に血を吸わせているとすれば。



フィオナ : 同族食いしてたということですね。それにいつもということは、血の契りも第三段階まで行ってそう。


ST : 血族用語としての同族喰らいなら、相手の魂まで吸いきってはじめて成立するものだから該当しないね。でも契りについてはお察しのとおり。


エルヴィン : うん、契りのレベルがかなりあがってるだろうから、「リズンナちゃんは意図せずレナさんに逆らえない子」になってる……?



フィオナ : 「レナよ。あなたは知らなかったのだから、責任を問う気はないが、それは本来は好ましくない行いなのだ」

 「血族が他の血族に繰り返し血を与え続けると、血をもらっていた血族は、自身に血を分けてくれた血族に依存し、執着するようになる」


ST : 「え?」 レナが弾かれたように振り向く。

 「な……、なんだい、それ」
 「なんだい、それ……」



フィオナ : 「いずれは相手に逆らえなくなる。これは自由意志よりも強力な束縛となるのだ。我らは血の契りと呼んでいる」


ST : 凍りつくレナに、リズンナは縋るように彼女の手を取る。そして、慣れたように首筋へ擦り寄る。


フィオナ : 「もう一度言うが、私はこのことについて貴女の責任を問う気はない。そして実際、何も知らなかった貴女に落ち度はない」

 (さて、どうしたものか。知性を失っているリズンナの今後を考えるならば、レナに縛らせ御しやすくさせておいたほうが、彼女自身の安全のためになるかもしれん。とはいえ、血族を血の契りで縛っている現状が好ましいとも思わん)



ST : 「落ち度とかどうでもいいよ……、ああ、リズンナ、だめだよ、だめなんだってさ……、それ、だめなんだ……


フィオナ : 「……この事態が収拾されるまでは今のままでよいかもしれん。彼女に安全に食事させる方法など、他にはないのだろう?」

 「あくまで緊急時の処置としてだが。落ち着いたら、彼女にも食餌の仕方を学んでもらわねばならん」


ST : 「うん……」



エルヴィン
 : 心情的に 「自分の妹に人間の血を吸わせたくない」 ってのはわかるよなぁ……。


フィオナ : 契りを解くのは大変そうですね。少なくとも、事態の収拾と並行しては無理。


ST : 他に頼れるものはいない、父がいないため知識もない、妹は血を欲しがる、そんな状況でのアレ。


フィオナ : こうなったのもやむなしですね。


ヴィクター : かなしみしかない……でもこの関係はすき……。



ST : 「うん……。ごめんよ、リズンナ……」 彼女は初めて、寝床に突っ伏してさめざめと涙する。



エルヴィン : ヴィクターさん目覚めて! 「オマエは精一杯妹を守ろうとした。今は間違えたがこれからがあるのは、おまえが守ってきたからだ。自信を持てよ。だけど今は……その涙受け止めてやる」 とかいってー!


ヴィクター : 「ふええ……」 ヴぃくたーはこんらんしている!


ST : ヴぃくたーさんがふえぇになってる!


エルヴィン : ヴィクターさん、見せ場でちょっとポンコツになる不具合!

 えるえるはこの場にいないのでねこと寝てます。 (今日もねこさん暖かい……) すやすや。とっても寝付きが良い吸血鬼!



フィオナ : (彼女に声をかけるのは……私ではなくヴィクターの仕事だな) と思い、 「ではまた、日没時に」 と言ってその場を去ります。こちらはOKです


ヴィクター : 「もっと気楽にいきればいいのに……」 なんてことを聞こえない程度にぽっそり呟いてねむねむ戻ります。


ST : 彼女の啜り泣きが、眠りに落ちるヴィクターさんの耳に響いて……本日は以上。お疲れさまでした!


ヴィクター : お疲れ様でした!







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