>> 真・女神転生プレイ日記 : その6 〜 そしてひとりぼっちへ
紆余曲折の末、かつての飼い犬である 役立たずの狂犬 地獄の門番・ケルベロス様が仲魔になりました。
地獄の業火とも呼ばれる吐息は 今更どの悪魔にも通用せず 大変頼もしく。
業物の銘刀を思わす鋭い牙は 一桁くらいのダメージしか与えられず 敵の装甲を貫き。
その勇猛な性格は 番犬だけによく犬死にします。 主人公の危機を救うという。
純粋な役立たず 頼もしい仲魔です。
そんな素敵なお友達はとっととCOMPにしまって。
(野球風に言うとベンチに下げて)
交渉で仲間にした実績のある仲間達を。
(野球風に言うとFAで取得した選手を)
合体で強くして。
(野球風に言うと海外で肉体改造して)
パーティを組む事にしました。
ケルベロス君はCOMP内で永久保存決定です。
(野球風に言うと飼い殺しです)
(ちなみに、セ○風に言うと監禁です)
大切なケルベロス君をCOMPにしまったら、いよいよTDL。
「東京デスティニーランド」攻略です。
縛りプレイ改めロウヒーロー。でも僕内部では縛りプレイ君の言う事には。
東京に神様を卸したいんですが、TDLを支配するエキドナにそれを邪魔されているのです。
エキドナを倒さないと神様がおりてこれません。
東京は神の国ですから、是非エキドナを倒してきて下さい。
そして僕といっしょに神の国を作りましょう。
との事。
縛りプレイ君は僕が知らない間に電波を受信しはじめたようです。
僕は新興宗教に入信する気もさらさら無いですが、仮にも縛りプレイ君は命を救ってくれた友達。
せめてその借りくらい返さなければ、この先一生付け狙われそうなのでここは一つ、頑張りましょう。
意気揚々と部屋に乗り込むと、そこに見知った顔が。
そう、僕らのカオスヒーローこと、踏まれプレイさんです。
踏まれプレイ:「よぅ、久しぶりだな」
主人公:「……うわ、出た!い、嫌だぁ、僕にそういう趣味は無いよ。後ろは、後ろは〜!!」
踏まれ:「止めろ、そういった発言でありもしない既成事実を作ろうというのなら、俺はそれに答える事にするぞ。どうした、今年は俺と有明でフィーバーするか?」
主人公:「い、いいす。貴方じゃ頑張れないでちゅ。ボクチン」
踏まれ:「じゃあ誰なら頑張れる?」
主人公:「アリス」
踏まれ:「嘘でもヒロインの名前言って置けよ!」
主人公:「僕は金髪ロリが好きなんです。しかもエプロンドレス。ふしゅーふしゅー」
踏まれ:「そんな事ばかり言ってると秋葉原でバンダナを狩られるぞ……」
主人公:「狩られたのか?」
踏まれ:「だから俺は力を手に入れたんだ!……っと、そんな事よりお前に紹介したい人がいるんだが」
主人公:「誰だ。オザワの変わりか?」
踏まれ:「奴の変わりに俺の心を埋めてくれる奴なんて……って、お前意地でも俺をそういうキャラにしたいのか。違うよ、俺にもパートナーが出来たんだ。りえ、来い」
りえ:(ハイレグ(死語)の鎧に身を包んだ黒髪の美女登場)「こんにちは」
主人公:「あれ、お前女に興味があったの?」
踏まれ:「俺はノーマルだ! いや、確かにオザワの事はあるが、オザワとは別口での愛だ!」
主人公:「あ、そうか。性転換手術ってのも世の中あるしね」
踏まれ:「だから普通の女だって、畜生!」
主人公:「でもおしりにしか……」
踏まれ:「とにかく俺は奥に進んでエキドナ様に会ってくる。お前もエキドナ様に会って新しい宗教に目覚めろ。じゃあな!」
主人公:「……なんだ、結局こいつも宗教か。」
長いコントをしてしまいましたが。
ようするに 男色 男気溢れる踏まれプレイ君にもようやく彼女ができたようです。
なんだ、あいつ。
別に本物じゃなかったのか。
しかし心の何処かで踏まれプレイのパートナーニューハーフ説を抱きつつ。
主人公は彼の後を追うようにTDLに入ります。
TDLと名乗っているだけあり、入場だけで90分待ちとか。
ただのティーカップやただのお化け屋敷やただのジェットコースターに60分待ちとか。
嫌に大げさなリアクションをする悪魔とか。
そんなもっともらしいイベントがあると期待していたのですが、残念ながら何もないようです。
それにしてもここは本当にTDLでしょうか。
心の底から何もないです。
アトラクションらしいアトラクションは無く、あるのはあみだくじ形式 熱海の射的よりショボい の運試しと、ホンミの銃が売っているアメリカンドリーム一杯なショップばかり。
他、たまに通った通路が勝手に運試しをして、勝手に主人公を重度バットステータスにしてくれるという謎のイベントくらいしか楽しむべき所はありません。
フジヤマとかハヤブサとかオクトパスとか。
素敵な名前のアトラクションを期待していた身には辛い洗礼でしょう。
最も、フジ○マもハ○ブサもオ○トパスもTDLの登録商品ではありませんがそれはそれ、こちらも版権の問題なんだと漠然と思って抱ければ幸いです。
こんな、テーマパークで作られた初期の遊園地の如く何もないTDLに長居は無用。
どさくさ紛れに作って置いた最強の合体剣・ヒノカグツチで躊躇無く悪魔を駆除し進みましょう。
複数のワープゾーンや回避不能・完全運任せのトラップややたら喧嘩っ早い悪魔使いを乗り越え。
やたら多い運の香(うんのこう・決して略さないでください)を憑かれたように回収し。
ついに最深部へ。
エキドナのいる部屋へとやってきました。
エキドナ:「妾に何か用かえ……」
エキドナの身体は巨大すぎ、前身が入りきらなかったという理屈から顔だけの登場です。
(ちなみにTDLは、エキドナの上に立っているという設定です)
エキドナ嬢は。
神は古代から世界を守っていた古の神族を追放し、悪魔と罵っているという事。
メシア教徒は人間を犠牲にし、選ばれた自分の使徒のみを救おうとしているという事。
人間を守る為には古代の神。
悪魔と呼ばれる一族と人間、協力しないといけないという事。
神が正しく悪魔が間違っているというのは神が植え付けた偽りの固定概念だという事。
と。
一神教が蔓延した為弾圧された自分の身の上なんかをたらたら語ってくれます。
確かに彼女が言う事も最もです。
ですが……。
エキドナ:「……という訳で、品川大聖堂に居るハニエルを倒してきてくれるか?」
えぇ、彼女たち悪魔が異教徒の神である為弾圧された歴史は理解してます。
ですけどね。
武力で弾圧された自らの歴史を塗り替える為、武力を使おうとはどういう根性ですか?
しかも己の実力ではなく人間の力を借りようなんて。
ふてぶてしいにも程がありますよ。
しかもエキドナって、ギリシア神話として見ても純粋に悪役だし。
ここは縛りプレイの顔もあります。
相手の言い分も最もですが、もうこっちは戦闘隊形バリバリです。
ここはいっちょ、殺ってやりましょう!
カジャがけ直接攻撃で、エキドナはわりとあっさりとくたばりました。
TDLが崩れちゃうかと不安になりましたが。
全然大丈夫のまま、抜け出せました。
かくして、取り合えずその場のノリでエキドナを倒した主人公。
次は一体何を倒せばいいのでしょうか?
そんな事を漠然と感じながら、次なる目的地へと向かうのでした。
次なる目的地。
品川大聖堂へ。
そう、閻魔(ヤマ)との約束を守る為……。
といった理由(ワケ)で、早速品川大聖堂へ赴き、それを報告します。
すると大喜びの縛りプレイ君。
嬉々として、彼等を支持してくれている大聖堂の天使・ハニエルに謁見させてくれます。
計画通りの大チャンスです。
主人公に何の疑いも持っていないハニエルさん。
「これからも神の為に闘ってくれ」
と、すっかり主人公も自分の手駒的な意見を押しつけてくれちゃいます。
ここは主人公、はっきり自分の意見を言っておくべきでしょう。えぇ。
そう。
「嫌なこった」
と。
珍しく自分の意志をハッキリ告げた主人公。
すると天使ハニエルさん。逆ギレして、主人公に襲いかかってきます。
「なんだとぉ!だったら貴様を、殺ぶ、ぶぶ、ぶぶぶ……」
微妙にキャラを間違えてしまいましたが、これなら正当防衛です。
オブリビオンの世界でも、相手が殴ってきた時の攻撃は認められてますから、例えこの天使を殺してしまったとしても、何の咎めを受ける事は無いでしょう。
……いや、ひょっとしたら過剰防衛かも知れませんが。
ん、でもどうでしょう。
天使相手に日本の法律って有効でしょうか。
なんてゴチャゴチャ考えているウチに、ハニエルは死んでました。
考えてみればたった一人の天使が、二人の人間と4匹の悪魔相手に勝とうとする時点で間違えているのです。
あっさりとハニエルさんに止めを刺してしまった主人公。
「なんて事するんだ、この罰当たりめ!」
と叱責を受けて、品川大聖堂から追い出されてしまいます。
もう品川行けないなぁ。今度から池袋に行こうかなぁ。
等と思っていた主人公さんはふと思い出しました。
そういえば、エキドナさんはガイア教を支援する神であったという事を。
そのエキドナさんを殺してしまったのは他でもない、自分自身であったという事を。
ヤバイ、自分もう行く所ないジャン。
やっとそれに気付いた主人公はガックリ膝を突くと、途方に暮れるのでした。
さぁ、主人公の明日はどっちだ。
その前に明日なんてあるのか!?
疑問を残し、時間だけが過ぎていくのでした……。