雪と間伐林分 2月6日

今年は、1月から2月初めにかけて例年になく雪降りの日が続き、市街の平地でも40cm、20cmとまとまって降る日が何日かあった。平地でこれだけだと山間部ではどれほどの積雪となっているか、昨年間伐林を行った林分はどんな様子かと、訪ねてみることにした。生育がよい立地と間伐の遅れで、形状比は100を越えるほどの値を見せていたので雪の影響はどうかとの思いからである。
その結果間伐を行った林分には冠雪による被害は殆ど見られないが、沢筋のスギや尾根筋など部分的に群生するアカマツ林に僅かに幹折れが見られた。
昨年間伐を実施した林分は、東及び南向き斜面であり枝や葉に雪が付着したことによる冠雪害は殆ど見られなかった。日差しが林内まで差し込んで明るく照らし雪解けも早いことと思われる。
尾根筋に見られるアカマツの一群の中に冠雪害による幹折れが見られた。アカマツは、樹冠にたまる冠雪によって被害を受けるときは、倒伏や幹曲がりよりも幹折れの被害の場合が多いようだ。
積雪の深さにもよるが15年生位の幼齢林の場合には冠雪により幹曲がりとなりやすい。雪により枝が下方に抑圧されその上に積雪が重なることにより全体が雪の中に埋もれてしまう。それを防ぐため積雪地区では、根元近くの枝を払うすそ枝払いが行われる。
雪により樹形が変形する根元曲がりなどを防ぐため雪の消えた後、樹冠を引き起こして固定する雪起こしの作業が行われる。15年生位と思われるこの林分は、すそ枝も払われてこの山林の所有者がスギ林を大切に育てている様子が伺われる。
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